2014年1月31日金曜日

佐藤勝巳氏(「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会))前会長はなぜ解任されたのか


「救う会に至っては、会計監査を1回も設けていない決算書が正しいと主張して、それを内部で問題にし続けてきた会長を、共同謀議で排除した」(「拉致問題との関わり」(17)、「統一日報」2013117日掲載)


社会運動に参加すると、いろいろな人間模様と申しましょうか、運動とそれぞれの人生の節目で先達と仲間がどう行動するかを嫌でも見聞することになるようです。

私が北朝鮮問題に関心を持ち始めたのは大韓航空機爆破事件の犯人金賢姫が北の工作員だとわかったころでしょうか。

思うところあって生まれ育った関東を離れ、神戸に来た頃でした。それまでの人生の転換を、何とかして成し遂げようと考えました。

その数年後、JR六甲道駅前の本屋で「どん底の共和国」(亜紀書房刊)という本を見て驚愕しました。偶然だったのでしょうか。

偶然であるならこれも神がサイコロを振った結果なのかと時折、遠藤周作の言葉を噛みしめています。


十数年前には、全く予想できなかったことがいろいろ起きました。佐藤勝巳氏と西岡力氏の対立はその一つです。


西岡力氏(東京基督教大教授。現「救う会」会長)は佐藤勝巳氏の愛弟子



私は佐藤勝巳氏、西岡力氏の著作とお話から、沢山のことを学びました。私の理解では、佐藤勝巳氏にとって西岡力氏は愛弟子です。

しかし、佐藤勝巳氏は、御本人と愛弟子西岡力氏、島田洋一氏(福井県立大教授。「救う会」副会長)、平田隆太郎事務局長の4人で構成される

「救う会」の役員会で、20087月になぜか解任されてしまいました。「救う会」が出しているメールニュースでは何もわかりません。

佐藤氏の絶筆となってしまった「拉致問題との関わり」(「統一日報」掲載)は次のように語っています。


佐藤勝巳氏は愛弟子の西岡力氏が外国に行くときにビジネスクラスを使っていることを咎めた



2008616日、わたしは電子メールで平田事務局長に、西岡氏が外国に行くとき『ビジネスを使っていると活動家から聞いたが本当か』と問い合わせた」とあります。

その返事はいまだこないそうです。

会長が知らない間にこのようなことが、「北朝鮮に拉致された日本人を救うための全国協議会」にも起きていたそうで、

御本人の解任はその2週間後に起きたそうです(佐藤勝巳「拉致問題との関わり」(11)、統一日報2013919日)。

これが真実なら、次のように思えてしまいます。

西岡力氏は「救う会」の用事で外国に行くとき本来はエコノミークラスで行くべきなのにビジネスクラスを使っていた。

これを咎めた佐藤氏を西岡力氏、島田洋一氏、平田隆太郎事務局長らが役員会で解任を決めた。役員会で解任を決定した後、

「北朝鮮に拉致された日本人を救うための全国協議会」(救う会)の幹事会にはかったところ、

「佐藤さんの主張はおかしい。西岡力氏は外国に行くとき、エコノミークラスでなくビジネスクラスを使って当然だ」

という話になり、幹事会で佐藤解任が確認された。

そう思えてしまいますが、あり得ぬ話です。


「共同謀議」は西岡力氏の航空機搭乗方式についての話し合いだったのか



佐藤勝巳氏の主張する「共同謀議」とやらがあったかどうか不明ですが、あったとしたらその中身は西岡力氏の航空機搭乗方式に関する話し合いだったことになってしまいます。

「救う会」は随分幼稚な団体としか言いようがありません。

愛弟子西岡力氏は「正論」2月号掲載の追悼文で、「拉致被害者救出運動における実践的立場の違いがありここ数年間、全くお会いすることがなかった」と述べています。

「実践的立場の違い」とは何でしょうか。家族会の会計決算書提出と公開を横田滋氏に要求するか否かですか。

佐藤勝巳氏はそう主張しています。


「救う会」内部の対立とはカンパ費での飲食是非、西岡力氏の航空機搭乗方式、横田滋氏に決算書提出を要求するか否かなのか



佐藤勝巳論考「拉致問題との関わり」(12)によると、西岡力氏、平田隆太郎事務局長は横田滋元代表、増元照明事務局長に身を寄せ、組織内部で佐藤勝巳氏の意見を抑えてきたそうです。

真偽は私にはわかりません。西岡力氏、平田隆太郎氏はなぜ反論しなかったのでしょう。

佐藤勝巳論考「拉致問題との関わり」(12)によると、家族会の一人が平田隆太郎監査に、「佐藤は書く可能性がある。どう対処するか」と聞いたところ、

平田隆太郎氏は「マスコミが取り上げるはずがない」と自信満々で答えたそうです。

これもおかしな話ですが、佐藤勝巳氏が嘘を書いているなら反論すべきでした。

佐藤勝巳氏の「拉致問題との関わり」に依拠すると、


「救う会」内部の対立はカンパ費での飲食是非、西岡力氏の航空機搭乗方式そして横田滋氏に会計決算書提出を要求するか否かという話になってしまいます。


平成11年から24年までで「救う会」に寄せられたカンパ総額は3億3838万9189円



「救う会」に寄せられたカンパ総額を計算したところ、平成11年から24年までで338389189円でした。

私見では、カンパは西岡力氏ら「救う会」役員の裁量で殆ど自由に使えるようになっています。「救う会」の決算書とこれまでの活動実態からそういえます。

これだけのカンパをして下った国民の思いを、西岡力「救う会」会長、島田洋一「救う会」副会長は重く受け止め、佐藤氏解任の理由を公開するべきではないでしょうか。


現状では、低級な団体にカンパしてしまったなという話になりませんか。

藤勝巳氏が十年間会長を務め、救出運動の中心におられたことは西岡力氏の「正論」掲載追悼文からも明らかです。


西岡力氏は「孤立を恐れず自分の頭で考える」ことを佐勝勝巳氏から学んだ



そんな佐藤勝巳氏ですが、恐らくは自らの解任に激しく憤慨しながら亡くなられました。「統一日報」掲載の冒頭の文章を私はそう読みました。

西岡力氏は「正論」2月号掲載の追悼文で、佐藤会長から学んだ一番の点は「孤立を恐れず自分の頭で考える」ということだった、と述懐されています。

しかし西岡力氏は、佐藤氏の解任理由については何も語っていません。

佐藤氏解任の理由を非公開にすることが、孤立を恐れず自分の頭で考えた末の結論なのでしょうか。

カンパして下さった方々のお気持ちがどうであれ、厄介なことは表に出せないという判断なのでしょうか。

恩師の解任は、西岡力氏としてはやむを得ざる決断だったのかもしれません。

しかし現状では、佐藤勝巳氏の解任はカンパ費での飲食是非、西岡力氏の航空機搭乗方式そして横田滋氏に会計決算書提出を要求するか否かという3点で

西岡力氏と対立したからだという噂が広がるだけです。


聖書は披拉致日本人救出のために、暴力団関係者と連帯、共闘することを説いているのか



公の文献では何も見えません。


「救う会」にカンパや署名をして下さった方々、基督教に関心のある方々は、西岡力東京基督教大教授の今後の言動に注目すると、多くのことを学べるかもしれません。


恩師の解任は孤立を恐れず自分の頭で考えた結果だったのでしょうか。


指定暴力団と密接な関わりのある右翼や暴力団の共生者と連帯することを聖書は説いているのでしょうか。


西岡力氏が孤立を恐れて自分の頭で考えることを拒否しているからそんな結論が出てきてしまったのでは、としか私には思えないのです。

 

2014年1月28日火曜日

暴力団構成員の偽装脱退と在日本朝鮮人総連合会関係者の韓国籍、日本国籍取得について思う

暴力団構成員は「シノギ」(資金獲得)のために偽装脱退し、右翼運動や社会運動(エセ同和)に参加する



暴力団は、常に威力を誇示して暴力をふるっているわけではありません。


ある人にとって他人に知られたくない個人情報を入手し、それをその人にそれとなくほのめかすことにより資金が得られるならそれで万事良いのです。


暴力団関係者が社会運動に参加する理由の一つはこれでしょう。個人情報を得るためには、いろいろ「顔」を持ち偽装せねばなりません。


暴力団関係者と社会運動という件でよく知られているのは、「エセ同和」です(一ノ宮美成+グループ・K21「同和と暴力団」、第2章「山口組と同和マネー」、宝島社)。


暴力団傘下の右翼団体もあります。暴力団が右翼団体や関係企業と密接な関わりを持っているとき、その右翼団体の構成員あるいは関係企業の社員全てが暴力団構成員、とはいえません。


暴力団を偽装脱退している場合もあるでしょう。右翼団体の構成員として右翼運動を行っているだけの方もいるでしょうし、暴力団関係企業の企業活動のみを行う社員もいるでしょう。


指定暴力団の大幹部、「若頭」「若頭補佐」らは、暴力団排除条例などの対策として暴力団の構成員を偽装脱退させることが少なくないのです。


周囲に普通の人がたくさんいれば、暴力団構成員の本質を隠せます。暴力団関係者が経営する芸能事務所にはそんな芸能人がいくらでもいます。


拉致被害者家族と暴力団関係者が経営する芸能事務所の芸能人



「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)の幹部など、指定暴力団と密接な関わりを持つ右翼にとって絶好の位置ではないでしょうか。


そうした位置につければ、政治家や拉致被害者家族とも普通に話ができ、個人情報を存分に得ることができます。


右翼団体の幹部を辞める方もいるかもしれません。そうしたほうが有利という判断がありそうです。


暴力団関係者の本質を隠す周辺人物の役割を、披拉致日本人救出運動の参加者や拉致被害者家族が務めることになってしまいかねないのです。


暴力団関係者が経営する芸能事務所所属の芸能人のような役割を、拉致被害者家族が果たすことになってしまったら大変です。


私の杞憂なら良いのですが。「経済ヤクザ」は限りなく狡猾です。


国交樹立あるいはその前でも、日本政府の金で北朝鮮のインフラ整備、公共事業実施となったら、其の下請や孫請けの「交通整理」役が必要、という話です。


外国で実施される公共事業のために外国で談合した場合、暴力団対策法や暴力団排除条例は適用できないでしょう。


朝鮮商工人の中には「企業舎弟」兼「愛国商工人」がいる



朝鮮商工人が経営する企業について考えてみましょう。その企業の社員全員が熱烈な金日成主義者というわけではありません。


主体思想に関心がなく、企業活動のみをやっている社員もいます。その類の企業の利益の一部は、いろいろな経路でかつては万景峰号により北朝鮮に運ばれていました。


朝鮮商工人には、暴力団と密接な関わりを持つ「企業舎弟」、そして在日本朝鮮人総連合会に資金を出す「愛国商工人」の二つの「顔」を持つ方々がいます。


この二つの「顔」にはさほどの矛盾がありません。朝鮮商工人の「企業舎弟」から、覚せい剤取引のために北朝鮮の諜報機関を紹介していただいた暴力団関係者もいるでしょう。


北朝鮮の諜報機関も、ときには「外貨稼ぎ」をせねばなりません。


在日本朝鮮人総連合会関係者の中には、「偽装転向」して韓国籍あるいは日本国籍を取得している人もいます。


そのほうが「主体革命偉業」の任務遂行に有利な場合、上層部の命令ないしは許可でそうしているのです。


西岡力氏(東京基督教大教授。「救う会」現会長)なら、朝鮮商工人や在日本朝鮮人総連合会関係者のこうした手法について故佐藤勝巳氏(「救う会」前会長)から聞いているはずです。


暴力団構成員の「偽装脱退」と在日本朝鮮人総連合会関係者の韓国籍、日本国籍取得



暴力団の大幹部が構成員に「偽装脱退」させ、企業経営や傘下の右翼団体の幹部あるいはエセ同和などの社会運動に参加させることと、


在日本朝鮮人総連合会関係者の韓国籍や日本国籍取得には共通点がありうるのです。


西岡力氏(東京基督教大教授。「救う会」会長)、島田洋一氏(福井県立大教授。「救う会」副会長)にはこの件、重々御検討いただきたい。


島田洋一氏は、枚方市の御出身と伺っています。大阪の暴力団のこうした手法をどこかで御存知かもしれません。


「主体革命偉業」のためには、日本国籍や韓国籍が必要となる場合があるように、暴力団の資金獲得(シノギ)、情報収集には様々な「顔」と偽装が必要です。


長期的な投資のために、「若頭」や「若頭補佐」らの指令で暴力団の準構成員、共生者が被拉致日本人救出運動に潜入しているかもしれません。


指定暴力団幹部、「若頭」「若頭補佐」はシノギ(資金獲得)のために朝鮮商工人と良好な関係を維持しているかもしれません。


利害が対立する場合もあり得ます(注1)。


運動家、拉致被害者家族の個人情報が朝鮮商工人から北朝鮮へ流れうる



様々な経路で指定暴力団幹部が入手した運動家や拉致被害者家族の個人情報は、朝鮮商工人そして北朝鮮の諜報機関(社会文化部等)あるいは国家安全保衛部に流れているのかもしれません。


国家安全保衛部がそうした諜報活動をやることもありうる。


北朝鮮の「3号庁舎」(諜報機関)あるいは国家安全保衛部には、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)の運動家や


拉致被害者家族の住所氏名、年齢と職歴、趣味、人間関係、学歴などの個人情報ファイルが存在している可能性を指摘しておきます。


中国の諜報機関、国家安全部もそれを策しているかもしれません。


偽装して運動家や拉致被害者家族の個人情報を得ようとしているのは、暴力団だけではないのです。


披拉致日本人の救出を運動家や拉致被害者家族に、ほどよい所で断念させようとしている人間はいくらでもいます。


「北のインフラ建設」と称する日本の公共事業に群がるのは暴力団だけではありえません。中国企業も参入を策しているでしょう。


(注1)「朝鮮総連系パチンコ屋は暴力団の介入をいっさい許さなかった」(韓光ヒ「わが朝鮮総連の罪と罰」、文藝春秋刊p194)



韓氏によれば、たいていのパチンコ屋は地元のやくざ組織に利益供与を図る代わりに、他の暴力団から店を守ってもらいます。


しかし在日本朝鮮人総連合会系のパチンコ屋は別で、暴力団の介入を一切許しません。


そのような場合、暴力団は在日本朝鮮人総連合会系のパチンコ屋を自らのシノギ(資金獲得)を邪魔する存在と見たでしょう。


反感を持つ暴力団関係者は、在日韓国・朝鮮人を批判できる言論人を育成、支援しようと考えたかもしれません。


左翼出身で民間の小さな研究所を運営し、朝鮮問題の雑誌を定期的に出していた方はそういう経緯で指定暴力団関係者と親密な関係を持つようになったのではないでしょうか。

2014年1月27日月曜日

「憲法九条を守れ」と「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)-指定暴力団への対応は危機管理問題―


-指定暴力団の「公正と信義」を信頼して、住民の安全と生存を保持できるのか―



国家でも個人でも、その危険性を判断するためには、それまでの言動を詳細に見るべきでしょう。

中国、北朝鮮の危険性は明らかです。中国や北朝鮮の「公正と信義」を信頼していたら、日本の安全と日本人の生存など保持できようはずがありません。

憲法の前文が想定しているお花畑はどこにも存在しません。

同様に指定暴力団および暴力団関係者の「公正と信義」を信頼して住民の安全と生存を保持できるでしょうか。

残念ながらこの点が、「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」の役員の皆さんに理解できていないように私には思えます。

本ブログで何度か論じてきましたが、指定暴力団と密接な関係を持つ右翼は、指定暴力団の「若頭」「若頭補佐」のような大幹部の指導下にある可能性が濃厚です。

指定暴力団による蛮行の歴史を考えると、そのように想定して被拉致日本人救出運動の参加者は身の安全を考えていくべきではないでしょうか。


指定暴力団は救出運動の参加者や拉致被害者の個人攻撃を利益追求目的で断行しうる



指定暴力団への対応とは危機管理問題です。

左翼の皆さんは、中国や北朝鮮が攻撃してきたらどうするか?という問題について、「憲法九条がある」から大丈夫だと本気で思っているようですが、あまりにも非現実的です。

憲法の記述がどのようなものであれ、中国や北朝鮮は日本を攻撃するほうが自国に有利と判断したら攻撃します。

同様に、指定暴力団も運動家や拉致被害者家族を攻撃すると利益になると判断したら、様々な個人攻撃を行って利益を得ようとするでしょう。

指定暴力団の威力はそのときに発揮されるのであり、現在は温存されているとみるべきです。

指定暴力団が指導下にある右翼を通じて、救出運動に参加している運動家や拉致被害者家族、政治家の個人情報を収集し、個人攻撃してきたらどうするのでしょうか。


指定暴力団が行いうる個人攻撃について事例研究(Case Study)をするべきではないか



そうした場合を想定して、今から事例研究をしておくのが危機管理のイロハではないでしょうか。

指定暴力団が断行しうる個人攻撃について「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」の役員の皆さんが一切思考と議論をしなかったら、

左翼勢力と同様の思考回路を持っている方々なのだな、という話になってしまいませんか?

「拉致された日本人を救出しよう!」「北朝鮮への経済制裁を徹底的に強化すべきだ」と唱えていれば、

指定暴力団が運動家や拉致被害者家族への個人攻撃を一切しない、などという保証はどこにもないのです。

島田洋一福井県立大教授(「救う会」副会長)は、国際政治と安全保障、危機管理の専門家です。

島田教授には被拉致日本人救出運動の参加者、拉致被害者家族は指定暴力団の個人攻撃に対する危機管理について、見解を表明していただきたい。


在日韓国・朝鮮人論と指定暴力団の動向-朝鮮商工人の中には「企業舎弟」-



指定暴力団や暴力団関係者が社会でどのような悪行を重ね、住民の安全を脅かしているか、という件は現実には大事な問題かと存じますが、

大学の政治学や経済学の講義で論じられることは殆どないように思います。

これも大きな問題です。

故佐藤勝巳氏は在日韓国・朝鮮人についてたくさんの論考や著作を書いてこられたかと存じますが、指定暴力団の動向について言及したものは少なかったかと存じます。

故佐藤勝巳氏、西岡力東京基督教大教授は朝鮮商工人による脱税疑惑を国税庁との「五項目合意」と、

在日本朝鮮人総連合会による強力な抗議活動との関係で良く論じておられます。

それらは貴重な指摘で、私も大いに学びました。

ですが、朝鮮商工人の中には暴力団関係者が少なくないことも国税庁職員の徴税業務の実態と関係しているのではないでしょうか。

国税庁職員が暴力団のフロント企業と思しきところに、普通の中小企業と同じ姿勢で徴税できるでしょうか。

「企業舎弟」ともいうべき朝鮮商工人の中には、金日成、金正日、金正恩に忠誠を誓い、日本人拉致や覚せい剤持ち込みを断行する少人数の非公然組織に資金援助をしてきた方がいくらでもいるはずです。

私は故張龍雲氏からそうしたお話を伺いました。

従って、披拉致日本人救出運動は指定暴力団とのたたかいでもあると私は考えています。

西岡力東京基督教大教授(「救う会」会長)には、御自身の学問分野との関連でも暴力団問題を真剣に御検討いただければ幸いです。


福井県の暴力団排除条例は県民に暴力団排除に資する情報提供を求めている



福井県の暴力団排除条例第5条の3は、「県民は暴力団の排除に資すると認められる情報の提供を努める」としています。

暴力団と密接な関わりのある右翼の動向もそうした情報なのではありませんか。

指定暴力団の「公正と信義」を信頼すべきではありません。

島田洋一福井県立大教授の御尽力を願っています。

指定暴力団の「若頭」「若頭補佐」のような大幹部は「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」役員や拉致被害者家族の言動を詳細に観察しているかもしれません。


資料・福井県暴力団排除条例


第五条 県民は、基本理念にのっとり、暴力団の排除のために活動に自主的に、かつ、相互の連携を図りながら取り組むように努めるとともに、

県が実施する暴力団の排除に関する施策に協力するよう努めるものとする。

3県民等は、暴力団の排除に資すると認められる情報を取得したときは、県に対し、当該情報を提供するよう努めるものとする。

2014年1月26日日曜日

暴力団排除条例の基本理念「暴力団と交際しない」と「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」(救う会)の路線

「指定暴力団と密接な関わりのある右翼と披拉致日本人救出のために連帯・協力する」は、東京都暴力団排除条例第3条(基本理念)「暴力団と交際しない」に逆行する―


穏やかに他人に受け答えしている方なら必ず信頼できるから、親密に交際して大丈夫でしょうか。

先日処刑された北朝鮮の張成澤は、穏やかな雰囲気の方だったようです。

いわば、「経済ヤクザ」のような人物だったのでしょう。山口組の若頭だった宅見勝も、「経済ヤクザ」として知られていました。

「経済ヤクザ」は知的なのです。知性がなければ大金を稼げません。宅見と会って話した方の本を読みますと、静かな雰囲気の中に強い意志を感じさせるものがあったように思えます。

溝口敦氏は宅見勝について、「堅気に対しては堅気の対応ができる。にこやかに受け答えして、暴力団臭をみじんも感じさせない」と述べています(「山口組五代目帝国の内なる敵」、竹書房文庫p232)。

被拉致日本人救出運動に暴力団関係者が参加している


「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」には、指定暴力団と密接な関わりのある右翼、暴力団の共生者ないしは暴力団の準構成員がいる旨、

本ブログでは何度も指摘してきました。

そのような方々も、普段は紳士的に他人に接しているのではないでしょうか。「経済ヤクザ」のようなお人柄なのかもしれません。

全ての暴力団は強力な威力を背景として金を稼ぎます。

張成澤は中国との取引での外貨稼ぎを得意としていました。相当な個人資産をもっていたはずです。

同時に、独裁者金正日の妹の亭主という権威と威力を背景にして、国家安全保衛部や朝鮮人民軍にも影響力を広げ、政敵とその周辺の人物を政治犯収容所送りにしてきました。

これは深化組事件という名前で知られています(五味洋治「金正恩を誰が操っているのか」、徳間書店p136)。

「経済ヤクザ」はいざというときに暴力団の威力を用いる―朝鮮商工人にも「経済ヤクザ」-


「経済ヤクザ」はにこやかに受け答えしつつも、いざという時に暴力団の威力を存分に用いて大金を稼ぐのです。

朝鮮商工人の中にも、そういう方がいくらでもいます。このあたりは、北朝鮮問題の専門家である西岡力氏(東京基督教大教授)はよく御存知のはずです。

そうであるなら、指定暴力団と密接な関わりのある右翼や、暴力団の共生者と思しき方と被拉致日本人救出のために連帯・協力するという、故佐藤勝巳氏が敷いた「救う会」の路線を、

西岡力氏(東京基督教大教授。現「救う会」会長)と島田洋一氏(福井県立大教授。「救う会」副会長)は抜本的に見直すべきではないでしょうか。

そんな路線は、各自治体が施行した暴力団排除条例の基本理念に大きく背いてしまいかねません。

暴力団排除条例の基本理念「暴力団と交際しない」


東京都暴力団排除条例の第3条の基本理念に

「暴力団と交際しないこと、暴力団を恐れないこと、暴力団に資金を提供しないこと及び暴力団を利用しないことを基本とする」

旨明記されています。

暴力団と密接な関わりのある右翼団体に所属していても、暴力団の構成員でない方もいますが、準構成員とみなされる方は少なくありません。

暴力団の共生者と思しき方はいくらでもいます。


暴力団排除条例は暴力団の構成員ではない、暴力団関係者にも適用される


東京都暴力団排除条例の第2条の「定義」では、暴力団関係者を「暴力団員又は暴力団若しは暴力団員と密接な関係を有する者」と定義しています。

2条の五で、規制対象者のトとして次をあげています。

「一の暴力団の威力を示すことを常習とする者であって、当該暴力団の暴力団員がその代表者であり

若しくはその運営を支配する法人その他の団体の役員若しくは使用人その他の従業者若しくは幹部その他の構成員又は当該暴力団の暴力団員の使用人その他の従業者」。

この定義なら、被拉致日本人救出運動には暴力団関係者が何人も参加しているように私には思えます。

暴力団排除条例は、暴力団の構成員だけではなく、暴力団関係者すべてに適用していくべきなのです。

西岡力氏(東京基督教大教授)、島田洋一氏(福井県立大教授)はこれをよく御存知のはずです。

暴力団は運動家や被害者家族の個人情報を収集している


運動がなかなか普及せず、苦しかったときに物心両面にわたって支援してくださった方に手を引いていただく、というのは気持ちの上でも難しいものがあることでしょう。

元北朝鮮工作員の生活費などを支援してくださった方もいたのかもしれません。

しかし、暴力団排除条例の基本理念を尊重することが大事ではないでしょうか。

一般に、暴力団関係者は社会運動の参加者や被害者家族、その社会運動に協力する政治家、政府の担当部署の方々の個人情報を可能な限り入手し、

暴力団の幹部、「若頭」「若頭補佐」のような人物に報告します。

十数年も社会運動が継続しているなら、「若頭」「若頭補佐」のもとには、個人情報が満載されたファイルが存在しているのかもしれません。

「蜜蜂の罠」「カンパ費で飲食」に御注意を!


今後、何かの折に北朝鮮側が多少なりとも妥協的な姿勢を見せてきたとしましょう。

北朝鮮のインフラ整備を日本の主導でやってくれれば、数名の拉致被害者を返す、などという提案があるかもしれません。

外国での巨額の公共事業があるなら、暴力団にとってこんな素晴らしいビジネスチャンスはありません。

そのとき指定暴力団はそれまで蓄積してきた個人情報を存分に「活用」して大幅妥協するのはやむを得ない、という方向にもっていくことを狙っているのかもしれません。

個人情報としては、「蜜蜂の罠」のような情報が最も貴重でしょう。

あるいはカンパ費で飲食云々もよいかもしれません。それらを根拠にして、接触してくる人物がいるかもしれません。

運動家や被害者家族に穏やかに接する「経済ヤクザ」の実力を侮ってはいけません。

西岡力氏(東京基督教大教授)、島田洋一氏(福井県立大教授)の御尽力を期待します。

2014年1月24日金曜日

「救う会神奈川」川添代表、「救う会徳島」陶久代表、「群馬ボランティアの会」大野事務局長による「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」と「家族会」へのへの公開質問状

「今、救う会・家族会で問題になっているのが、西岡、島田、増元氏らがカンパ費で飲食していることである」(佐藤勝巳「拉致問題との関わり」(15)、「統一日報」掲載論考より)



どんな社会運動でも、全国的な組織を運営していくのは大変でしょう。


ある点で一致していても政治や社会に関する考え方、感じ方が異なっていれば運動家間で、いろいろなことから見解の違いや軋轢は生じます。


運動家の中には、指定暴力団と密接な関わりのある右翼団体に所属している方や、暴力団の共生者と思しき方もいるかもしれません。


西岡力氏(東京基督教大教授)、島田洋一氏(福井県立大教授)はこれをよく御存じのはずです。


左右の違いがありますから、秘密保護法に賛成、反対いろいろでしょう。


そんな方々間である共通目標の実現のために共にやっていこうとするなら、話し合いの場を頻繁に持つことが大事ではないでしょうか。


近く、全国協議会の会合が開かれるそうですが、一度だけで話し合いを終わりにするのでなく、何度か会合を開いて議論していくのは困難でしょうか。


話し合いの際、私見では暴力団排除条例の理念をどう考えるかという点も大事かと存じますが、その件については別に語りたく存じます。

以下は、川添友幸、陶久敏郎、大野敏雄三氏による「救う会」と「家族会」への公開質問状です。運動の今後のために、大事な論点が提起されています。

ブログ掲載に際し、文中に見出しを付けました。


平成26年1月22日北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表 飯塚繁雄殿

北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長 西岡力殿



救う会神奈川代表川添友幸 
救う会徳島代表陶久敏郎
横田ご夫妻ら拉致被害者家族を支援する群馬ボランティアの会事務局長大野敏雄


昨年の救出活動に関する質問状


貴職におかれましては、日々の拉致被害者救出活動大変ご苦労様です。


さて、来る2月2日の全国幹事会で議論すべき昨年の出来事について、事前に論点を整理しておく為に2点ほど質問をさせていただきますのでご協力下さい。


石原慎太郎氏の非礼な発言になぜ抗議しなかったのか



まず、第一点目は、昨年 7月12日、日本維新の会石原慎太郎共同代表は参議院選挙の際に横浜西区の横浜駅頭で行った街頭演説の中で、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんに触れ、


「非常に日本的な美人たから強引に結婚させられて子ともまで産まされた。誰か偉い人のお妾になっているに違いない」と発言しました。


この発言について、横田めぐみさんのご両親は、翌日、報道関係者に対して取材に応じ、父親の滋さん (80)は「本当のことであれは受け入れるが、想像で話して欲しくない」、


また母親の早紀江さん(77)は「確かな情報を教えて欲しいとすっと言い続けている。想像で言っているのなら、本人や家族にとっては苦痛だ。」と発言しました。


今回の石原氏の発言は、いつかはきっと会える日か来ることを信じて待っている2人に対して余りにも残酷で非礼な発言だと思います。


さらに、石原氏は同じ演説の中て、「状況証拠からいって北朝鮮は300人以上を拉致している。誘拐し、殺して返さない。」とも述へています。


これらの発言に対し、7月23日付けの神奈川新聞が社説で、「失言では済まされない。」と大きく問題にしました。


この発言は、昨年2月24日の救う会.家族会の合同幹事会で決定した新運動方針の「・根拠なく被害者死亡説を主張する国内の政治家、言論人、学者らを強く批判する。」に該当することから、即刻、抗議するべき事案ではないでしょうか。


ちなみに、同年4月25日、民主党徳永エリ参議院議員の古屋拉致担当大臣の靖国神社参拝に関する発言に対しては、


「徳永議員の参議院予算委員会での発言に関する見解」を公表しているではありませんか。


なぜ、石原慎太郎共同代表の発言には抗議声明を出さないか、我々だけでなく国民世論に納得がいく明確な回答をお願いします。


西岡力氏(東京基督教大教授)、島田洋一氏(福井県立大教授)、増元照明氏らはカンパ費で飲食しているのか



第二点目は、統一日報紙において故佐藤勝己救う会全国協議会元会長が、紙面「拉致問題との関わり(17)―元・現代コリア研究所所長佐藤勝巳回想記」の中で、


根拠を示さず横田滋さんが家族会の寄付金の使い道に不正がある(72号)、「今、救う会・家族会で問題になっているのが、西岡、島田、増元氏らがカンパ費で飲食していることである」


と家族会 .救う会役員が寄付金で飲食を行い問題になっている(70号)、


横田さんの記事の部分は横田滋さんが新聞に折り込まれた広告に領収書を貼り付けて会計処理をしていたことは拉致問題対策本部の担当者たちもよく知っている事実で


明らかな事実無根の悪質な中傷記事だと思います。


救う会全国協議会の元会長の記述であり、統一日報紙は電子版もあることから、電子版を見た国会議員、支援団体関係者、自治体関係者から不安や懸念の声が出ています。


加えて、電子版は現在も閲覧できる状態になっており非常に問題であります。


統一日報社の洪論説主幹は東京集会でも講演を行ったことがあり、また西岡会長とも知友だと聞いています。

しかしながら、この記事の内容が事実無根なら統一日報社に毅然として名誉回復と信用回復を求めて抗議をするのが貴職の職務と考えますが、


なぜ抗議をしないのか、その理由について明確な回答を求めたいと思います。



マスコミが注視している―1月30日までに「救う会神奈川」川添友幸宛てに回答を―



以上の2点については多くの国民並びにマスコミも注視している以上、議論を避けて通るわけには行きません。


事実関係を良く確認し、救う会全国幹事会が開かれる前の1月30日までに、救う会神奈川代表川添友幸宛に文書等で回答いただきますようお願い致します。

2014年1月23日木曜日

暴力団の年間収入はどれくらいなのか―国会答弁より、平成元年に約1兆3019億円―

警察庁刑事局長國松孝次君- 暴力団の年間収入は総額一兆三千十九億円と推定されておりまして...



日本の暴力団を総計すると、どれくらいの年間収入、事業規模になるのでしょうか。


参議院大蔵委員会(平成3年8月2日)での國松孝次警察庁刑事局長の答弁によると総額1兆3019億円です。


この数字は平成元年2月に、暴力団の組長その他組員約900人について調査をした結果です。1兆3019億円のうち覚せい剤、賭博、ノミ行為といった非合法活動によって得られた資金が1兆453億円、合法的な手段によって得られた資金が2566億円です。


年間収入とは、企業でいえば売り上げのことでしょう。利益が1兆円とは考えられない。利益1兆円では、日本の暴力団はトヨタ自動車並みの大企業ということになってしまいます。


売り上げ1兆円でも、インターネットで「1兆円企業」と検索すると著名な大企業がいろいろ出てきます。


勿論、暴力団は多数ありますから、一つの企業体と同一視できません。平成24年警察白書の指定暴力団一覧表には、


21団体の名前と「代表する者」、勢力範囲、構成員数が明記されています(p117)。


構成員では六代目山口組が約15200人、次が住吉会で約5600人、その次が稲川会で約4000人です。


平成23年末の全暴力団構成員数は約32700人、準構成員数は37600人とあります(p116)。

暴力団の共生者、準構成員と思しき方々が「救う会」の運動に参加している



暴力団の共生者(暴力団に利益を供与することにより、暴力団の威力、情報力、資金力等を利用し自らの利益拡大を図る者)の数はわかりません。


準構成員とは、「暴力団構成員以外の暴力団と関係を有する者であって、暴力団の威力を背景に暴力的不法行為等を行うおそれがあるもの、


又は暴力団若しくは暴力団構成員に対し資金、武器等の供給を行うなど暴力団の維持若しくは運営に協力し、若しくは関与するもの」です。


こうした定義から考えれば、「北朝鮮に拉致された日本人を救うための全国協議会」には、「暴力団の共生者」もしくは「暴力団準構成員」と考えられる方々がいるようです。


西岡力氏(東京基督教大教授。現会長)、島田洋一氏(福井県立大教授。現副会長)は良く御存知と思います。


平成24年警察白書によれば、山口組、住吉会及び稲川会の3団体の暴力団構成員数が総数に占める割合は7割以上です。

年間収入約1兆円の背景に暴力団の強力な威力



これがそのまま年間収入の比率になっているのかどうか、私にはわかりようもありませんし、平成23年も年間収入が約1兆円なのかどうかわかりません。


しかし、この暴力団なら年間収入はどれくらいなのかなと考えるときの目安にはなりそうです。約1兆円の資金力の背景には、暴力団の強力な威力があるのです。


合法的な企業の収入にも、暴力団の威力が無関係とは私には思えません。


披拉致日本人救出運動の運動家や奮闘されている政治家、拉致問題対策本部の方々が指定暴力団と密接な関係のある右翼の力量を侮っていると、


大変なことになるように私には思えてならないのですが、いかがでしょうか。


指定暴力団の指導下にある方々は、「若頭」「若頭補佐」と称する暴力団の大幹部に


運動家や政治家、拉致問題対策本部の個人情報を詳細に報告することもありえるように私には思えます。

暴力団の共生者と親密交際すれば...「蜜蜂の罠」



一般に、暴力団の共生者のような方と親密交際すれば、高価な酒場で御馳走して下さるのかもしれません。


場合によっては韓国や中国東北部出身の朝鮮族ホステスを御紹介頂けるのかもしれません。


しかしそのあとは...ということも検討するべきではないでしょうか。


「蜂蜜の罠(Honey Trap)」のようなことがなければ良いが、と想像しているのは私だけでしょうか。

資料・参議院大蔵委員会平成3年8月2日(金曜日)

野末陳平君


こういううさん臭い推奨株、注目株というのが現実にあったわけですね、ほかにもあるんでしょうけれども。


暴力団絡みの東急電鉄ということに関しては、まさに局長の言うようにさらに追跡調査というか、さかのぼっていろいろと問題意識を持ち、


きちっと調べるのがいいだろうと思いますから、今後の展開にまつことにします。


こういう営業姿勢が第一のガンで、これは絶対にほっておいちゃいけない。


第二のガンは何かというと、まさに今出てきた大証券会社と暴力団のいかがわしいつき合いですよ。これはここ数年前から始まったことなんですけれどもね。


そこで、警察庁、来てもらっていると思うんですが、聞きますがね、暴力団の資金源というのは今のところ何と何で、収入はどのくらいと推測されますか。

國松孝次君

暴力団の資金源というものにつきましては、私どもそれほどよくわかっているということはないわけでありますけれども、


それを推測する手がかりといたしまして、私ども平成元年の二月に暴力団の年間収入がどのくらいかということを総合的に調査したものがございます。


これによりますと、暴力団の年間収入は総額一兆三千十九億円と推定されておりまして、そのうち覚せい剤であるとかあるいは賭博、


ノミ行為といった非合法活動によって得られた資金というのが全体の八〇・三%、一兆四百五十三億円。


それから彼らはいろいろと企業経営などもやっておるわけでございますが、そういった言ってみれば合法的な手段によって得られた資金というのが全体の一九・七%、


二千五百六十六億円、合わせて先ほど申しました一兆三千十九億円というように推測されるところでございます。


ただ、この数字は平成元年二月の調査に基づく数字でございますので、その後につきましては、やはりいろいろなバブル経済のもと、


地上げ等によりさらに多額の資金を手にしているというように判断されるところでございます。

野末陳平君



じゃ、今の中には株とか債券の財テク収入というのは入ってない、こういうことですね。

説明員(國松孝次君)



れは具体的に幾らということではございませんが、この調査は、私どもかなり実態を把握しております暴力団の組長その他組員につきまして、


約九百人ほどにつきまして調査をしたものでございます。


その中に、先ほど申しました合法的なといいますか、特に違法にわたらない形で彼らが得ている資金というものが二千五百六十六億円あるというように申し上げたわけでございますが、


その中に一部そういった株の取引によってもし利益があったとすれば、その調査結果の中には一部入っておると思いますが、


これは本当にその当時といたしましては微々たるものでございまして、今回どの程度株の売買によって資金を得たかということについて見直しておるわけでございますが、


特にそういったものについての非常に大きな額というものは私ども把握をしておらないところでございます。

野末陳平君



それにしても、暴力団が株式市場を新たなる資金源とねらいを定めて活発なる活動をしているというこの事実は、警察庁もかなり関心をお持ちのようで、


またそういう方面の調査を引き続き今後も強力にする、こういうふうな姿勢だと受け取ってよろしいですか、それは。

説明員(國松孝次君) 



先ほど申しましたように、平成元年二月の調査ではそういうことでございますが、その後最近になりまして、


先ほど来御議論に出ております稲川会の前会長の東急電鉄株に動きました金というのはもう何百億円という金が動いておるわけでございます。


その他同じような事案といたしまして、山口組系の暴力団が某繊維会社の筆頭株主に実態的にはなっていたというような事案、


それからやはり住吉会系の暴力団員が某家電会社の株を大量に取得していた事案というのが最近次々に明らかになっているところでございますので、


そういうものにつきましては私どものまだ実態把握が足らないということでございます。


そういった多額の資金が株の取引なり、それにまつわる融資なりという形で暴力団の資金源活動に大きく利するところがあるとすれば大変ゆゆしい問題でございますので、私


ども暴力団対策に当たる者といたしまして、今後この種事案の実態解明を図りまして、その中にいささかでも刑罰法令に触れる行為があれば、


それに対しては厳正に対処してまいりたいというように考えております。