日本共産党は、特異な人間観を普及します。
日本共産党の規約に反する言動をとった人を、反党分子、変節者、日本共産党の破壊者、かく乱者などとみなすのです。
40年ほど前のこの論文で若き志位さんは、当時は東京大学の院生だった伊里一智さんを変節者・反党分子・投降主義者・反党分派主義者と規定しています。
大学院生の伊里一智さんの末路は、あわれなものになると若き志位さんは確信していたのでしょう。
一般に、共産主義国では、共産党、労働党を何らかの点で批判する人を、反党分子・反党反革命分子・民族反逆者・祖国分離主義者・修正主義者などと把握し、何らかの罪を犯したとみなして処刑あるいは政治犯収容所送りにします。
日本共産党、在日本朝鮮人総連合会の場合、反党分子・反党反革命分子・民族反逆者と規定した方を処刑や政治犯収容所送りにする事はできません。
日本共産党、在日本朝鮮人総連合会は旧ソ連のKGBや中国の国家安全部、北朝鮮の国家安全保衛省のような組織を保持していませんから。
志位さんは伊里一智さんを心の底から憎んでいたー伊里一智さんは大罪を犯しているという理屈
日本共産党、在日本朝鮮人総連合会が反党分子・反党反革命分子・民族反逆者の方々にできる事は、過酷な査問、調査やそれぞれの関係者が形成している小社会から徹底的に排除することです。
志位さんと当時の日本共産党員は、伊里一智さんや、上記の論文で言及されている柳瀬さん(日中出版社社長)を反党分子と規定し、心から憎んでいました。
殆どの日本共産党員は、伊里一智さん、柳瀬社長と一度も会ったことがなかったと考えられますが、それでも御二人を心から憎んでいたと考えられます。
日本共産党、ソ連共産党、中国共産党や朝鮮労働党について良く知らない方は、何でそんな気持ちになれるのか不思議でしょう。
普通の人なら、一度も会ったことのない著名人を尊敬することはあっても、何らかの悪評があるからと言って面識もない著名人を心から憎む事はあまりありません。
日本共産党、ソ連共産党、中国共産党や朝鮮労働党、在日本朝鮮人総連合会それぞれの活動に熱心に参加している皆さんは、共産党、労働党を何らかの点で批判する人を、大罪を犯していると思い込んでいるのです。
日本共産党、ソ連共産党、中国共産党や朝鮮労働党、在日本朝鮮人総連合会それぞれの活動に熱心に参加している皆さんは、日本共産党、ソ連共産党、中国共産党や朝鮮労働党、在日本朝鮮人総連合会を偉人の集合体とみなしています。
偉人の集合体を何らかの点で批判する人は、大罪を犯しているという理屈です。
若き志位さんによれば、伊里一智さんの視野から完全に欠落しているのは、日本共産党第十七回党大会が解明した「深部の力」です。
「深部の力」とは、大企業の繁栄、軍備の果てしない増強のもとで、自民党政治と国民諸階層との利害の対立が激化しているので、国民はいずれ自らの暮らしを苦しめているのは大企業の繁栄、軍備の果てしない増強を進めている自民党政治なのだと認識するという理屈です。
志位さんの理屈について、少し考えてみましょう。
大企業が繁栄すれば、大企業を構成している人々に何らかの恩恵が及びます。
一般に、企業を構成するのは経営者、株主、労働者です。債権者も含めても良いかもしれません。
労働者が所属企業の株主になれば、その企業が獲得する利潤の一部を配当として得られます。志位さん、田村智子委員長はこれを理解していない。
志位さんは株式会社制度の存在意義を理解しない
所属する企業が莫大な利潤をあげ、内部留保を増やせば、企業の競争力が高まります。株主は高配当を得られるでしょう。経営者は高い所得を得られます。
労働者の場合、賃金がさほど上がらなくても、雇用は維持されうる。
この論文が出た昭和61年頃大学を卒業してどこかの大企業に就職した方は、その大企業が破たんしていなければ、そろそろ定年退職です。
既にいったん退職し、嘱託社員になっているかもしれません。そういう方の生涯所得は、中小零細企業で定年を迎えた方と比較すれば、高い事が多いのではないでしょうか。
昭和61年頃に、就職した大企業の株を購入し、その後も少しずつその企業の株を買い足していったら、定年を迎える今頃は保有株式は相当な数になっていそうです。
企業によっては、保有株式の評価額が一億円くらいになっていてもおかしくありません。
大企業が繫栄すると、大企業の経営者、株主、労働者にも恩恵が及びます。労働者がその大企業の株を購入していれば、配当を得られます。
沢山の国民が、自民党政治を長年支持しているのは、大企業の繁栄、軍備の果てしない増強のもとで、相応の暮らしを維持できたからなのです。
自民党政治を継続させる深部の力が存在しているのです。日本への攻撃を策す中朝露が存在し、大規模な核軍拡を断行してきたのですから、軍備増強が必要です。
志位さんは、株式会社制度、資本市場が国民生活を支える事を理解しません。これを理解する事は、資本主義的搾取が国民生活を支える事を認める事ですから。
志位さんは科学的社会主義の経済学に依拠し、株主を搾取者と見なします。
志位さんは脳内で、大企業の株主となっている労働者を人民の敵・変節者とみなしていそうです。
志位さんには真理に対する誠実さが欠けている
志位さんがこの論文を出してから、四十年の歳月が流れました。
志位さんから、その態度には真理に対する一片の誠実さ、良心がない、無責任でふざけたものになっていると指摘された伊里一智さんは、その後どんな生き方をなさったのでしょうか。
インターネットで検索すると、東京の私立大学で哲学の教授をなさっていたようです。
株式会社制度、資本市場の存在意義を理解しない志位さんには、真理に対する誠実さが欠けていると感じるのが私だけでしょうか。