金日成は「朝鮮革命」でなく「中国革命」に参加した。「革命」の実態は山賊行為で、日本軍は住民の生活と治安維持のために出動した。
被拉致日本人救出のためには、北朝鮮の住民の最強監視機関である国家安全保衛部と、国境を警備、封鎖している朝鮮人民軍を弱体化させねばなりません。
そのためには、国家安全保衛部と朝鮮人民軍幹部の金日成、金正日そして金正恩への敬愛心を消滅させねばなりません。
北朝鮮では、金日成、金正淑(金正日の母)、金正日を白頭山三大将軍と呼びます。金日成と金正淑らが邪悪な日本帝国主義を打倒するためにパルチザン闘争を白頭山で行ったそうです。
金正日は白頭山の密林にある小屋で生まれたそうです。これらはいずれも大嘘です。
現実の金日成(本名は金聖柱)は、中国共産党満州省委員会が組織した「東北人民革命軍」(のちに東北抗日連軍と改名)の下級隊員でした(李命英「北朝鮮 金日成は四人いた」ワニ文庫p289)。
金日成は中国共産党の指導下で多少の活動をしただけですから、「朝鮮革命」でなく「中国革命」に貢献しただけです。
李命英教授によれば、東北抗日連軍内の朝鮮人たちがやったことは馬賊に毛の生えたようなものでしかありません(同書p267)。
金日成とその部隊は、日本軍の討伐から逃れるため、1940年12月頃にはソ連領に逃げてしまいました。金日成とその部隊はハバロフスクのソ連軍第88旅団に再編成されました。
金正日はハバロフスク近郊で生まれたのですから、白頭山とは無関係です。
ジャーナリストの萩原遼氏は北京で金正日の乳母、李在徳さんと1992年1月に北京で会った(「朝鮮と私 旅のノート」文春文庫、p152-157)-
萩原遼氏は金正日の乳母だった李在徳さんと1992年4月に北京で会い、「金正日にお乳を飲ませたのは事実ですか」と問いかけました。
李在徳さんは事実ですと答え、乳の出の悪い金正淑に代わって彼女が乳を与えたと答えました。李在徳さんは1941年頃ハバロフスクに入り、そこで金正淑と会いました。
その後李在徳さんはまた満州に派遣されましたが、1942年4月ごろハバロフスクに戻ってくると金正日が産まれていました(前掲書p154-155)。
金日成や金正日への敬愛心を未だに保持している人がいるならば、それは白頭山三代将軍云々の大嘘に依拠しているところが大きい。
日本政府は対北朝鮮ラジオ放送で、金日成は中国共産党の指導下で山賊行為のようなことをやったに過ぎないこと、
1940年12月頃には日本軍の討伐から逃れるためソ連に逃げてしまったことを北朝鮮の人々に伝えるべきです。
山賊行為をやっている集団を逮捕するのは当然です。
金正日はハバロフスク近郊で生まれたのだから、白頭山とは無縁であることも対北朝鮮ラジオ放送で伝えるべきなのです。
日朝平壌宣言は完全に無効となったことを日本政府は確認するべきだ。
対北朝鮮ラジオ放送で北朝鮮の真実を伝えることは、日本政府の対北朝鮮外交政策の大転換を意味します。
北朝鮮は小泉訪朝以後、弾道ミサイルと核実験を断行しているのですから日朝平壌宣言は完全に無効化しました。六か国協議とやらに日本政府が参加する必要は全くない。
日本政府はまずこれを確認するべきです。
金正恩政権下では日本人拉致問題の完全解決や核兵器と弾道ミサイルの廃棄などありえない。
すべての披拉致日本人を取り返すためには、徹底した北朝鮮の体制批判を断行し金正恩の権力、統制力を可能な限り弱体化させ、体制崩壊を目指さねばならない。
これを日本政府として確認し、対北朝鮮ラジオ放送の内容は勿論、外務省のホームページでの北朝鮮に関する記述も大きく変更するべきです。
外務省と拉致問題対策本部は北朝鮮を韓国や台湾の開発独裁政権程度と把握しているのか
現状の記述では、外務省は北朝鮮を韓国の朴正ヒや台湾の蒋経國政権程度の開発独裁政権という程度にしか把握していないと考えざるを得ない。
外務省のホームページでは、政治犯収容所とそれを管理している国家安全保衛部についての記述が一切ない。公開処刑についてもふれられていない。
北朝鮮が対南朝鮮革命という革命戦略を保持し、韓国の政権転覆による朝鮮半島の統一を策しているという記述もない。
北朝鮮が韓国の朴正ヒや台湾の蒋経國政権程度の開発独裁体制であるなら、国交を樹立し経済成長を支援すれば次第に人権状態は改善していくだろうという話になってしまいます。
外務省及び拉致問題対策本部は、北朝鮮の体制をあまりにも軽く把握しているのではないでしょうか。
ソウルオリンピックを阻止するためなら民間航空機を爆破してしまうような体制であることを重々認識していただきたい。
主体思想すなわち「主体革命偉業」のためなら大量殺人を断行するのが北朝鮮の体制なのです。外務省のホームページでは、次のように記載されているだけです。
「北朝鮮の政治は,主体思想(チュチェ思想:北朝鮮憲法では人間中心の世界観であり人民大衆の自主性を実現するための革命思想」(第3条)と規定)及び先軍思想を基礎とし,朝鮮労働党の指導の下にすべての活動を行う(第11条)とされている」。
外務省の担当者や拉致問題対策本部の皆さんは金日成や金正日の著作集を読んでいるのでしょうか。
「党の唯一思想体系確立の十大原則」すら、外務省や拉致問題対策本部の担当者は認識していないのではと考えざるを得ません。
心ある政治家が主動して対北朝鮮政策の抜本的転換を!
あえて担当者を擁護すれば、北朝鮮の体制の真実を認めるとこれまでの外交政策では全く駄目という結論が出てしまうから、一担当者としては真実を見て見ぬふりをするしかないのかもしれません。
一担当者が政策の抜本的転換など主張できるはずもないのですから、心ある政治家の方々の決意が必要なのです。
対北朝鮮ラジオ放送で披拉致日本人の返還を強く求めていますと言えば金正恩が心を入れ替えるということはありえない。
北朝鮮との「対話」内容として、白頭山血統など虚構であること、金正男のほうが金正恩より正統性があることなど、金正恩の権力継承の正統性を揺るがすものに変更するべきです。
対北朝鮮ラジオ放送開始時の音楽に「少女時代」「KARA」「S.E.S」「Finkle」を採用するべきだ
対北朝鮮ラジオ放送の開始時の音楽に、韓国の歌謡曲を採用するのも良いでしょう。
ふざけるなと言われそうですが、私は大真面目です。日本の音楽に朝鮮人民軍兵士や国家安全保衛部の職員はさして関心がないのは明らかです。
あらゆる手段で対北朝鮮ラジオ放送の聴取率を上げ、北朝鮮の体制を弱体化させねばならないのです。
韓国の女性グループ「少女時代」「KARA」「S.E.S」や「Finkle」、厳正花の歌を日本政府の対北ラジオ放送に採用すれば、若い朝鮮人民軍兵士の中で人気沸騰すること間違いなしです。
KBSと契約して、歌謡番組を録音し放送しても良いでしょう。たった今、韓国の若者たちはどんな歌謡曲を聴いているのだろうか。同世代の朝鮮人民軍兵士ならこれに関心があるはずです。
「少女時代」「S.E.S」の歌や歌謡番組が終わった後、白頭山三代将軍とやらの真実を淡々と平壌なまりの朝鮮語で伝えれば良いのです。
すべては、披拉致日本人救出のためです。