論文「チェコスロバキアへの五か国軍隊の侵入問題と科学的社会主義の擁護」(「赤旗」昭和43年10月1日掲載論文より。「日本共産党重要論文集7所収、同書p241)。
最近の若い日本共産党員は、日本共産党の真の歴史を殆ど知りません。
本ブログで6年くらい前に「プラハの春(1968年)と日本共産党」と題して、チェコスロバキアでソ連に抗する市民が立ち上がった「プラハの春」と当時の日本共産党の主張について論じました。
今回はこの繰り返しですが、昭和43年当時、ソ連が自由化を求めるチェコスロバキアに軍隊を送り、市民を徹底弾圧したことを日本共産党はこの論文で強く批判しています。
しかし上記のように、日本共産党は社会主義国で「ブルジョア民主主義の導入」、すなわち無制限の「表現の自由」「出版の自由」「集会や結社の自由」を認める事を反社会主義勢力に活動の自由を与える重大な右翼的誤り、と断じたのです。
この件、宮本徹衆議院議員、清水ただし衆議院議員は御存知だったでしょうか。
昔の日本共産党は社会主義での「表現の自由」「出版の自由」許可を右翼的誤りと断じた
以下、この論文の当該箇所を抜粋して引用しておきます。
心ある日本共産党員の皆さんには、「日本共産党重要論文集7」(日本共産党中央委員会出版局}で御確認頂きたい。
「行動綱領」とは、この年の4月にチェコスロバキア共産党が中央委員会総会で採択した綱領です。上記論文の重要な記述は以下です。
「たとえば『行動綱領』は社会主義的民主主義の具体化として、無制限の『表現の自由』『出版の自由』『集会や結社の自由』を宣言したが、
これは社会主義的民主主義の名で事実上ブルジョア民主主義を導入する『純粋民主主義』(レーニン『ブルジョア民主主義とプロレタリアートの独裁とについてのテーゼと報告』1918年、全集第28巻、493ページ)であり、
反社会主義勢力に活動の自由を与える重大な右翼的誤りである」。
この論文は、当時の日本共産党が、社会主義社会での自由と民主主義を求める市民を「反社会主義勢力」と規定していたことを見事に示しています。
この時期の日本共産党は、ソ連を大国主義と批判していましたが、ソ連共産党が国内で出版の自由や表現の自由、集会や結社の自由を徹底制限していることは、レーニンの路線に基づいているとみなし高く評価していたのです。
宮本顕治氏、不破哲三氏ら当時の日本共産党指導部はソ連を被版していましたが、それでも社会主義を達成したという理由でソ連への思いがまだまだ残っていたのです。
勿論志位和夫氏は。この論文を百も承知です。
この論文も、今の日本共産党指導部にとっては内緒にしておきたい文献でしょうね。
宮原たけしさん(日本共産党元大阪府議)は青年期、この論文を読んでいたのでは
宮原たけしさん(日本共産党元大阪府議)ならこの論文が出た当時、じっくり読まれたのではないでしょうか。
宮原さんは、大阪府議を七期も務められた方です。
私は先日ツイッターで宮原たけしさんはから、昭和43年1月の「青瓦台事件」に関して嘘つき、という御指摘をいただきました。
すぐにツイッターで反論しましたが、残念ながらいまだ反論がありません。
宮原さんは他人を誹謗する暇があるなら、御自分が歩んできた日本共産党の歴史を、昔の文献を読みなおして再考されるべきではないですか。
山添拓参議院議員、たつみコータローさんにも是非この論文を熟読して頂きたいものですね。
昔の「赤旗」「前衛」は日本の左翼運動の歴史を考える際にも、重要な資料です。