本ブログでは、北朝鮮による日本人と韓国人の拉致問題や政治犯収容所、核軍拡などの北朝鮮問題、中国によるチベットやウイグルでの人権抑圧問題の他に、日々の暮らしのなかで思ったこと、感じたことを書き留めていきます。
2020年9月26日土曜日
レーニン「青年同盟の任務」(レーニン全集第31巻所収、大月書店)より思うースターリンはレーニンの愛弟子ー
2020年9月12日土曜日
宮本顕治氏はスパイ査問事件(昭和8年12月23、24日)について論文でどう語ったかー「スパイ挑発との闘争ー1933年の一記録ー」より
宮本顕治氏は、上記論文を昭和20年12月に執筆し、「月刊読売」1946年3月号に掲載されました。
「赤旗」昭和50年12月11日に、この論文が再掲載されています。
スパイとレッテルを貼られた小畑達夫さんが、拷問の末査問者に殺されたのか、査問者は拷問など一切していないのに、小畑さんが特異体質だったから急死したのか。
宮本顕治氏と日本共産党は勿論、後者を主張しています。
不破哲三「日本共産党の歴史と綱領を語る」(平成12年新日本出版社刊行、p18)は、二人のスパイのうち一人が調査の途中、急性の心臓死を起こしたと述べています。
この件では、小畑達夫さんがどのように亡くなっていったのかが鍵です。査問者らは、小畑さんがこの世を去っていく現場を目撃していました。
私見では小畑さんの亡くなり方、最期の数分について、査問現場にいた宮本顕治氏と袴田里見氏の間で見解の相違は殆どない。
まずは宮本氏の上記論文から、小畑さんの最期について記した部分を以下、抜粋します。
私と木島は、小畑の手をそれぞれ両腕でかかえ袴田は脚をかかえて、みな小畑の暴れるのをとめようとしていた
「査問が一段おちついたところで、前夜査問にあたっていたわれわれは、こたつにはいってうとうとしていた。
逸見と同志袴田が、両名に補足的な訊問をやっていたようであった。
時刻はひるすぎであっただろう。突如私は深い眠りから急な物音によって呼びさまされた。
見ると、小畑が拘束されていた手足の紐をたちきって、窓際によろうとしているのに、同志袴田と逸見が気がついて小畑にとりつこうとしている。
二人は、大泉の訊問をしていて小畑から少し目をはなしていたらしい。
事態の重大性を直感し、私もとびおきて木島とともに小畑の傍らへよった。
小畑は、大声をあげ、猛然たるいきおいでわれわれの手をふりきって、あばれようとする。
私たちはそれを阻止しようとして、小畑の手足を制約しようとする。
逸見は小畑の大声が外へもれることをふせごうとしてか、小畑が仰向けになっている頭上から、風呂敷のようなものを小畑の顔にかぶせてかけていた。
私と木島は、小畑の手をそれぞれ両腕でかかえ袴田は脚をかかえて、みな小畑の暴れるのをとめようとしていた。
すると、そのうち小畑が騒がなくなったので、逃亡と暴行を断念したのだと思って、私たちは小畑から離れ、事態が混乱におちいらなかったことをほっと一安心した状態であった。
そこへ、秋笹が階下からあがってきて、だまって小畑のおおいをとった。
すると、顔色が変わり、生気をうしなっている」。
宮本顕治氏と袴田里見氏の見解の主な相違点
宮本氏のこの描写と、袴田氏が予審でした話との主な違いは以下の二点です。
第一は、逃げようとした小畑氏の抑え方です。
小畑氏が査問現場から逃げようとしたとき、宮本氏は自分は小畑氏の手を抑えていただけと主張している。小畑氏は仰向けだったと宮本氏は述べている。
予審調書によれば袴田氏は、小畑氏が逃げようとしたので足をつかみ、小畑氏はうつぶせになっていた。
宮本氏が馬乗りになって膝を小畑氏の背に押し付け、右腕をねじ上げたそうです(下記)。
第二は、逸見重雄が倒れた小畑氏の喉を締めたか否かです。宮本氏は、逸見氏が頭上から風呂敷のようなものをかぶせていたと述べています。
袴田氏は小畑氏がオーバーを頭に被せられており、その上から逸見氏が両手で小畑氏の喉を押さえて大声を出せないようにしたと述べています。
小畑氏が最期に大声をあげたことについては、両者は概ね一致しています。
二人の話のうちどちらを信じるかという問題ですが、宮本氏の主張どおりなら査問者は大した圧力を小畑氏にかけていない。
しかし仰向けで脚と手を抑えられているなら、脚で袴田氏を蹴飛ばせそうです。
仰向けで手を抑えられていても振り払うのは難しくない。
宮本氏には柔道の心得がありました。
仰向けになっている人を抑えるなら、縦四方固め、横四方固め、上四方固めなどの技を使うはずです。
よほどの体力差がない限り、仰向けの人を抑え込むためには手と足を抑えているだけでは不十分です。
袴田氏のいうように小畑氏がうつ伏せにされて背中を足で圧され、片手を巻き上げられてさらにもう一つの手と足も抑えられているなら動けないでしょう。
逸見氏が小畑氏の喉を締めたなら窒息しそうです。
想像してみれば、かなり苦しい姿勢と思えます。
小池晃書記局長にyou tubeで、小畑達夫さんの死亡について死体解剖検査記録から説明して頂きたい
小畑氏が窒息死したのか、心臓発作をおこしたのか、私にはわかりません。これは司法解剖の結果の鑑定書から専門家が判断するべきでしょう。
両方かもしれません。
私は袴田氏が、真実を述べていると考えています。
医師の小池晃書記局長が、現代医学の観点から死体解剖検査記録をどう読むか、御自身のyou tubeで解説して頂きたいものです。
血液流動性暗赤色、粘膜、漿膜の溢血点が多い。諸臓器のうっ血とは(上は中田友也医師の「前衛」掲載論考より)
立花隆さんらによってこの事件が論じられていた頃、雑誌「前衛」に中田友也医師が「小畑達夫は外傷性ショック死ではないー死因についての医学的考察ー」という論考を発表しています。
中田医師は、小畑氏の死体解剖検査記録を分析し、特徴的所見として次を指摘しています。
(A)血液流動性暗赤色、粘膜、漿膜の溢血点が多い。諸臓器のうっ血が強い。
(B)肥満、胸腺実質残存、舌根、咽頭の琳巴臚胞の発育、脾臓臚胞、皮下脂肪の発育
(C)肥満、心肥大、脂肪組織の発育良
「(A)があるからといって、窒息死と即断してはならないことです。
この(A)の徴候は急死死体にみられる一般的所見であって決して窒息死だけにみられる特異的なものではないので、窒息死と判断するためにはその手段、方法が明らかになっていなければなりません」(中田論文より抜粋)
私には死体解剖検査記録のこれらの記載がどんなことなのか、よくわかりません。
窒息死の場合には、死体に(A)が見られるのでしょうね。
小畑氏が窒息死した手段、方法は袴田氏の話から明らかだと思えます。
小池晃医師がこの記載では窒息死ではありえない旨、you tubeで説明して下さったら良いのですが。
この記載の状態は、窒息死ではなく心臓発作を起こして亡くなった方の死体によくみられるのでしょうか。
喉を締められ、胸部を圧迫されて窒息状態になり、心臓発作を起こすことはありえないのでしょうか。
インターネットに「法病理学講義ノート」(青木康博先生。名古屋市立大学大学院医学研究科法医学分野)が出ていました。
青木先生作成のファイル(第10章 窒息)によれば、窒息死の所見(急性死の3徴)は、以下です。急性死一般にみられる所見だそうです。
(その1)諸臓器のうっ血(その2)溢血点(その3)暗赤色流動性血液
青木先生はこれらが急性窒息の際に、著明に出ると記されています。小畑達夫氏の死体解剖記録にも、同様の記述があるようです。
急性心臓死でもこれらが出るのかもしれません。
袴田里見氏の第十二回訊問調書より(平野謙「『リンチ共産党事件』の思い出」三一書房昭和51年刊行に、資料として掲載。現代語に書き換えました)
査問現場から小畑氏が逃亡しようとしていることにに気づいた袴田氏は次のように行動しました。
「そこで私は、これは大変だと思って抱きしめるようにして矢庭に組み付き、座敷の中へ引き戻そうとすると手足の自由になった小畑は、私に自分から組み付いてくると同時にウォーというような大声を張り上げました。
そこで私も、殆ど夢中で同人を引き戻し略図のDの所へ一緒に倒れたのであります。
そのとき私はあおむけに、小畑はうつぶせして倒れたのでありますが、倒れた小畑の頭の傍らに逸見が座っており、またこの騒ぎに寝ていた宮本、木島の両名が起き上がってきました。
その瞬間、小畑が起き上がろうとしたので木島はその両手で小畑の両足をつかんでうつぶせに倒し、宮本はその片手で小畑の右腕をつかんで後ろへねじ上げ、その片膝を小畑の背中にかけて組み敷きました。
逸見は前から座っていた位置に倒れた拍子に小畑の頭がいったので、その頭越しに、すなわち小畑の頭にかぶせてあったオーバーの上から両手で小畑の喉を押さえて小畑が絶えず大声を張り上げてわめくので、その声を出させないためにその喉をしめました」
なお、小畑氏、大泉兼蔵氏を査問したのは以下の五人です。
宮本顕治(当時、党中央委員)
逸見重雄(当時、党中央委員。戦後は法政大学教授。仏領インドシナ、ベトナムの研究者)
秋笹正之輔(当時、党中央委員候補。後に獄中で病死)
袴田里見(当時、党中央委員候補)
木島隆明(当時、党東京市委員長)
袴田氏、秋笹氏は査問の二日目に宮本氏、逸見氏により中央委員に昇格されたそうです。
大泉兼蔵氏がスパイだったことは明らかですが、当時、中央委員を務めていました。
亀山幸三「代々木は歴史を偽造する」(昭和51年経済往来社刊行)より。
2020年9月8日火曜日
北朝鮮の美人女優、ウ・インヒの公開処刑より思う―有田芳生参議院議員はこの事件を御存知でしょうかー
「夫と二人の娘の前で公開処刑された世紀の美女、ウ・インヒの事件」(チュ・ソンハ東亜日報記者のコラム)。
チュ・ソンハ記者によればウ・インヒが数千人の前で公開処刑されたのは、1980年2月です。
この事件について語る脱北者は少なくありません。
私は申相玉・崔銀姫著「闇からのこだま」(文春文庫)でこの事件を知りました。上の写真はこの本に出ています。
ウ・インヒは、1970年代の北朝鮮では最高の美人女優だったそうです。
この時期の日本で著名女優と言えば島田陽子、秋吉久美子、が思い浮かびますが、皆さんはどうでしょうか。
小柳ルミ子、故テレサ・テンはこの世代の著名歌手です。
著名女優が公開処刑されたのですから、北朝鮮の住民に与えた衝撃は大きかったでしょう。
なぜ処刑されたかです。概ね、次のように脱北者らは語ります。
ウ・インヒは朝鮮中央放送の技術者だった帰国者(元在日朝鮮人)と不倫関係になりました。
この男性の自家用車内で二人は性関係を楽しんでいたそうですが、ガス中毒になり男性は死亡しました。
生き残ったウ・インヒは不倫関係が知られてしまいました。
ウ・インヒは他の男性との不倫関係も話すよう、強要されました。
多くの脱北者が言うには、彼女と不倫関係になった男性の中に親愛なる指導者同志、金正日がいたらしいのです。
ウ・インヒはそれを漏らしそうになったので、処刑されたという噂が流れたようです。あり得る話ですが確認しようがありません。
公開処刑場で読み上げられた罪名は、「長年、多くの男性と不倫関係になり、沢山の家庭を破たんさせたので反党反革命罪で死刑に処す」というものでした。
ウ・インヒは群衆と夫、二人の娘の前で口にタオルをかまされたままでした。
7人の軍人がAK47銃で各自20発ずつ発射し、彼女は絶命しました。
この場にいた数千人のうち数名が韓国に来ています。
カン・チョルファンさんが以前書いたコラムによれば、舞踊家だった申英姫さんと、自然科学院の扇動部記者だった金ギルソンさんが処刑の場にいたそうです。
ところで、チュ・ソンハ記者は少し前にyou tubeでこの事件について説明し、ウ・インヒの写真が見つからない、と話していました。
彼女の写真は申相玉監督の前掲著に出ていますので、私はチュ・ソンハ記者にインターネットから送りました。
以下で、チュ・ソンハ記者がこの事件と写真入手の経緯について説明しています。https://www.youtube.com/watch?v=XTlxWimQuR4
女優を公開処刑する北朝鮮との国交樹立を主張する政治家、言論人に問う
未だに北朝鮮との国交樹立を主張する政治家や言論人がいますが、その方々はこの事件を御存知なのでしょうか。
北朝鮮では何かの件で、「最高尊厳」の権威を傷つけると判断されたら著名女優でも処刑されてしまう。
従って日本人や在日韓国・朝鮮人が北朝鮮に入国し、何かの件で「最高尊厳」とやらの権威を傷つけたと判断されたら収容所連行または処刑されうるのです。
米国人も同様です。
北朝鮮との国交樹立を叫ぶ政治家、言論人は北朝鮮に入国し最高尊厳の権威を傷つけたら処刑か収容所行ですよ、と支援者、日本国民に説明すべきではないでしょうか。
北朝鮮側と国交樹立交渉をする外交官が、何かの理由で最高尊厳を冒涜したとレッテルを貼られたら生命が危ない。
金正恩は金正日の長男、金正男さんの殺害指令を出しています。
在日本朝鮮人総連合会の運動に長年参加している方なら、ウ・インヒと不倫関係になったと言われている男性のお父さんを御存知でしょう。
朱慶ソク、という商工人だそうです。
テレサ・テンの大ファンで知られる有田芳生議員は、ウ・インヒの公開処刑事件について御存知なのでしょうか。
御存知なら、どうお考えなのでしょうか。朝鮮労働党は女優、市民を処刑すべきでないと思いませんか。
私は有田芳生議員が昔編集した「日本共産党への手紙」に感銘しました。もう30年くらい前です。
2020年9月6日日曜日
日本共産党が職員に残業・休日出勤手当を支給しないのは労働法に反していないのか―左翼法学者、弁護士に問うー
日本共産党職員は、日本共産党と有償委任契約の関係にあるので残業・休日出勤手当は支給されていません。
この件は、愛知県の宮地健一さんが日本共産党を相手にして行った裁判で明らかになりました。宮地さんのHPに詳しい説明があります。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~mike/saiban8.htm
有償委任契約とは―インターネットで少し調べました
有償委任契約とは、ある業務を有償で委任する契約です。
例えば、ある会社が新入社員教育を専門の業者に依頼したら、有償委任契約になります。
当たり前ですが依頼した会社は、この業者に対し指揮命令権や人事決定権はありません。
委任した業務がうまくいかなかったとしても、経営陣交代を要求できない。
日本共産党指導部は職員の人事配置を決定し、指揮命令を連日出している
しかし日本共産党の場合、指導部は職員の人事配置を決定できます。
赤旗記者だった萩原遼さんによれば、人事異動について理由は教えてもらえないそうです。
萩原遼さんは赤旗とは別の部署への異動を命じられましたが、理由は不開示でした。
業務を委託する側が受任者に対して、人事配置や指揮命令を出しているなら、労働法を遵守する義務が生じるのではないでしょうか。
日本共産党は職員に、残業、休日出勤手当に相当する賃金の未払いがあると解釈できないのでしょうか。
私見では日本共産党は職員に残業、休日出勤手当を支払ったことはほとんどない。
松崎いたるさんによれば、日本共産党中央では宿直手当が出るそうです。
日本共産党を支援する左翼法学者、弁護士は日本共産党職員に残業、休日出勤手当が支給されていないことを熟知しています。
日本共産党職員は、規約で事実上、労組結成を禁止されています。
労組を結成して労働条件について志位さんと交渉しようとしたら、派閥の結成とみなされ、査問、解雇でしょう。
左翼法学者は日本共産党との良好な関係維持を重視する
左翼法学者、弁護士がこの件について沈黙するのは、日本共産党と良好な関係を維持するためでしょう。
福山和人さん、渡辺輝人さんは弁護士として、労働者に残業、休日出勤手当を支給しない企業や法人の経営者に憤りを持たれるかと存じます。
御二人は日本共産党職員は、日本共産党と有償委任契約の関係にあるから、残業・休日出勤手当は支給されなくて当然とお考えなのでしょうか。
インターネットで少し調べると、業務を委託する側が受任者に対して指揮命令を出しているなら、労働法を遵守する義務が生じると出ています。
日本共産党は職員に巨額の未払い賃金があるのでは―国会でも議論すべきだ
日本共産党は職員に、残業、休日出勤手当に相当する賃金の未払いがあるという解釈が成立するように思えます。
このあたりを、福山和人さん、渡辺輝人さんは弁護士としてどうお考えなのでしょうね。
民主主義を守る法律家、とは日本共産党に盲従する方々なのでしょうか。
民主主義を守る歴史学者、にはそんな方が多いように感じています。
勿論、福山和人さん、渡辺輝人さんはそんな方ではないと思っています。
国会で、日本共産党職員の法的地位と、残業・休日出勤手当支給の必要、不必要について議論すべきではないでしょうか。
松崎いたるさんなら、御自身の経験を国会で話して下さるでしょう。
2020年9月1日火曜日
白井聡氏(京都精華大学)の松任谷由実さんは「醜態をさらすより、早く死んだ方がいいと思いますよ」より思う
「荒井由実のまま夭折すべきだったね。本当に、醜態をさらすより、早く死んだほうがいいと思いますよ。ご本人の名誉のために」
(白井聡氏の8月29日Facebookより。9月1日にFacebook上で白井氏は謝罪)。
松任谷由実さんに対する上記の発言は、安倍総理の辞任表明に対し、松任谷さんがテレビで会見を見ていて泣いた旨、発言したことによると考えられます。
白井聡氏のこの発言について、橋下徹さんがtwitterで早くから問題視し、インターネットで沢山の方々が論じています。
赤の他人に対して早く死んだ方がいい、は批判とは言い難い。
批判と誹謗中傷をどんな基準で区別するのかは難しい問題ですが、私にはこれは誹謗中傷と思えます。
社会通念上、赤の他人に対して早く死んだ方がいい、と発言するのは誹謗中傷ではないでしょうか。
レーニン主義者は安倍内閣の支援者を「低能」「腐り果てている」「吸血鬼」とみなす
白井聡氏はレーニン主義の立場から科学的社会主義の政治学を研究する方として著名です。
レーニン主義の白井聡氏が、松任谷由実さんを「人民の敵」「富農」または「低能」「腐り果てている」と認識していると考えるとわかりやすい。
白井聡氏の言論活動について私は、twitterや本ブログで疑問を提起してきました。
本ブログでは6月に、白井聡氏のある芸能人に対するクソ野郎論について論じています。
去る8月29日にも白井聡氏はtwitterで、「何で森友が大事なの?もっと大事なことがあるだろう!」という方の問いかけに対し次のように答えています。
「もっと大事なこと?たくさんあるよ。例えば、あんたのような低能がこの国にウジャウジャいること、とか」。
これらから考えると、白井聡氏は安倍内閣を支持する方々を「低能」「腐り果てている」とみなすと考えられます。
ロシア革命の頃レーニンは、農民を富農、中農、貧農と区分し、富農は労働者階級の権力、ボリシェヴィキの敵と規定しました。
レーニンによれば富農は血を吸う者、吸血鬼、人民の略奪者、飢えでもうける投機者だそうです(「労働者の同志諸君!最後の決戦に進もう!」レーニン全集第28巻所収、大月書店)。
富農を容赦なく抑圧しすることこそ、労働者階級の綱領だそうです。
白井聡氏の松任谷由実さんは「早く死んだ方がいい」論は、レーニン主義の見地から科学的社会主義の政治学を探求する方なら当然、導かれる結論といえそうです。
レーニン主義者には松任谷由実さんが「富農」「吸血鬼」のように把握されるのでしょうから。
労働者階級により容赦なく抑圧されるべき存在、という話です。
白井聡氏は上田耕一郎氏の「先進国革命の理論」を読むべきだ
勿論、科学的社会主義の政治学者なら必ず松任谷由実さんは「早く死んだ方がいい」と発言するわけではない。
レーニン主義者でなく、アントニオ・グラムシの研究をしている方ならこんな発言はしないでしょう。
イタリアの共産主義者、アントニオ・グラムシは発達した資本主義国の革命は陣地戦である、と論じました。
グラムシによれば、ロシアのように字を読めない農民が人口の圧倒的多数を占める国では、レーニンが実行した機動戦、少数者による武力革命は有効でした。
しかし人口の多数が知識と教養を備えている西欧では、支配階級はイデオロギー宣伝により労働者の同意を得て支配している。
選挙で、資本家階級の利益を代表する政治家が労働者に支持されて当選し、権力の座についている。
労働者が資本家に支配されることに同意しているのだから、これを地道な宣伝と思想闘争により打開せねば、革命などできない。
故上田耕一郎氏は「先進国革命の理論」(大月書店刊行)、「現代日本の社会主義への道」(新日本出版社)などでグラムシを引用しつつ概ねこのように論じました。
白井聡氏が先進国革命を志しているなら、安倍自民党を支持している庶民を罵倒したら庶民から嫌がられ、革命運動を後退させることに気づきそうなものです。
白井聡氏は、昔の日本共産党幹部による革命理論の本など全く読まないのかもしれませんね。
日本共産党を支援する知識人なら、昔の日本共産党幹部の著作を読むぐらいの知的営みをすべきではないでしょうか。