2021年11月27日土曜日

松竹伸幸さんの新著「異論の共存戦略」(昌文社刊行、p231-232)より思うー松竹伸幸さんは自衛隊による敵基地攻撃能力保有を支持するらしいー

松竹伸幸さんの上記新著をざっと読みました。驚きました。

松竹伸幸さんは、自衛隊が敵基地攻撃力を持つことを主張しているとしか私には思えません。

松竹さんが産経新聞のiRONNAに投稿した「北朝鮮の核・ミサイル問題を解決する『最適解』は何か」という文章がこの本に掲載されています。

松竹さんは、北朝鮮が核・ミサイルで先制攻撃してくるなら、それ相応の反撃をすることを北朝鮮に伝えるべきと主張しています。

ミサイルが落ちてくるなら、ミサイル防衛システムを発動し迎撃すべき事、ミサイルが撃ち込まれるなら、自衛措置の範囲としてミサイル発射基地を叩くべきとの事です。

しかし北朝鮮のミサイル基地を「叩く」とは一体どういう軍事力行使を意味しているのでしょうか。

弾道ミサイル、巡航ミサイルによりミサイル基地を攻撃する事しか、私には思いつきません。

松竹さんはミサイル防衛網や陸上イージスの大量配備だけでなく、自衛隊の弾道ミサイル、巡航ミサイル大量保有を支持しているとしか、私には思えません。

松竹さんは、朝鮮労働党が日本に核ミサイル攻撃を断行することもありえるという認識なのですから、当然の結論です。

松竹伸幸さんの専守防衛論は敵基地攻撃能力保有論

専守防衛なのに自衛隊が敵基地攻撃能力を持つとはずいぶん矛盾した話ではないでしょうか。

しかし憲法九条や憲法の前文を変えないで、弾道ミサイル、巡航ミサイル大量保有はおかしい。

弾道ミサイル、巡航ミサイル保有は安保法制よりずっと、憲法九条と矛盾していませんか。

自衛隊の敵基地攻撃力保有を支持するなら、改憲の必要性を認めるべきではないでしょうか。

松竹伸幸さんには九条の会や日本共産党員に北朝鮮のミサイル基地を叩く軍事力保有の必要性をもっと訴えていただきたいものです。

2021年11月25日木曜日

志位さん、日本政府は金正恩の核ミサイル攻撃に反撃すべきでないとお考えですかー11月13日赤旗主張より思う

 当然ながら、日本共産党は自衛隊が人民解放軍や朝鮮人民軍の核ミサイル基地を攻撃できる能力を持つことに強く反対しています。

日本共産党は自衛隊解散・日米安保廃棄で日本国家の国防力を皆無にすることを宿願とする政党ですから。

日本共産党は敵基地攻撃能力だけでなく、戦闘機、護衛艦、潜水艦、オスプレイ、イージス艦など、自衛隊が保有する兵器の殆ど全部に反対です。

この点では、11月13日の「赤旗」主張には目新しいところはありません。

主張/敵基地攻撃力保有/国民の命と暮らしは守れない (jcp.or.jp) 

赤旗は日本政府と日本人に、中朝への屈服を提案している

赤旗主張は最後のあたりで、日本攻撃をする国のミサイルの位置を全て把握できないこと、ミサイルの一部を破壊できたとしても残ったミサイルによる一層の攻撃を覚悟せねばならない、と述べています。

これは、日本が金正恩による核ミサイル攻撃ないしは人民解放軍の核ミサイル攻撃を一発でも受けてしまったら反撃を断念しよう、という訴えとしか私には思えません。

核ミサイル攻撃に反撃すると残ったミサイルによる攻撃を覚悟せねばならないから、日本政府は反撃をやめようという話ですから。

いろいろな推測がありえます。機会があれば、志位さんに真意をお尋ねしたいです。

日本共産党は、中国人民解放軍、朝鮮人民軍に日本政府は屈服せよと言いたいのか。

これを露骨に言うと厄介だから、反撃したらいっそうの攻撃を覚悟せねばならないなどという変な宣伝をしているのか。

日本共産党員は、日本が植民地支配の謝罪と償いをしていないから、金正恩の核ミサイルで溶かされてしまっても仕方ないと考えているのかもしれません。

日本共産党の平和理論では、社会主義国は平和勢力である

日本共産党の平和理論では、自衛隊解散、日米安保廃棄を支持する中国共産党、朝鮮労働党は平和勢力そのものです。

若い日本共産党員は昭和36年7月に開かれた日本共産党第八回大会決定など読まないから、日本共産党が社会主義国は平和地域だと主張していた史実を知らない。

そもそも中朝の日本侵攻などありえない、反動勢力の作り話だと信じている日本共産党員、左翼人は多い。

中朝は覇権主義だが、平和の課題では日本共産党の路線を支持してくれる。中朝は覇権主義だが、大局的には平和勢力だと不破さんは判断したのでしょう。

覇権主義だが平和勢力、など言葉の遊びとしか私には思えませんが、不破さんはそう判断したと考えられます。

日本共産党員は本音では、日米安保が中朝に対する抑止力と認めている

多くの日本共産党員は本音では、日米安保があるから金正恩は日本に核ミサイル攻撃などできるわけがない、と考えているのではないでしょうか。

日本に核攻撃をしたら、米国に核ミサイルで報復される。金正恩はそれを知っているから、日本に核ミサイル攻撃などしない論です。

これは、日米安保による核攻撃抑止論です。松竹伸幸さんはブログで、日米安保と自衛隊を専守防衛で運用するべき旨、主張していました。

松竹伸幸さんの本音は、日米安保は中朝に対する抑止力になっている論と私には思えます。

本音は日米安保が平和を守っている論ですが、人前では日米安保は諸悪の根源という。

日本共産党員には、表と裏の顔を持つ方が多いのでしょうね。左翼知識人、運動家にもそんな方が多いように思えます。




2021年11月20日土曜日

松竹伸幸さんの日米安保・自衛隊運用論は昭和55年の社公合意と類似ー専守防衛なら金正恩の核ミサイル攻撃に反撃をしないのかー

 松竹伸幸さんがブログで、野党共闘を進めるためには日本共産党で全党的な討論と、党員が直接党首を選ぶ選挙を実施すべきと主張しています。

松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp)

志位さんが松竹さんのこの提起を受け入れる可能性はほぼゼロです。松竹さんはブログで、規約解釈の大幅変更が必要と語っています。

私見では党員が直接投票する党首選挙を実施するなら、候補者は各地の党員に現在の党首、執行部と異なる自らの政策を訴えることになる。

その政策を実行していない現在の党首、執行部は辞任せよと選挙戦で訴える事を認めよという話になります。これは日本共産党が誇る組織原理、民主主義的中央集権制度廃止論です。

党員が直接選ぶ党首選挙実施は規約解釈変更ではなく、規約大幅改正としか思えません。

核抑止力抜きの専守防衛で日米安保、自衛隊運用論は昔の社公合意と似ている

松竹さんはブログで、核抑止力抜きの専守防衛で日米安保、自衛隊を運用するという政策を訴えています。

松竹さんのこの提案は、日米安保と自衛隊を容認すると明記した昭和55年の社公合意と似ています。

もう41年前になりますが、宮本顕治さんは第十五回大会の冒頭発言で社会党を右転落したと批判しました。

このしばらく後に総選挙がありました。昭和58年だったでしょうか。

場所を忘れましたが、日本共産党の街頭演説会に元総評議長の太田薫さんが登場し、独特のお声で「裏切者、飛鳥田を落とさねばならない」と演説しました。

飛鳥田さんは東京一区選出でした。日本共産党の候補者は平山知子さんでした。

立憲民主党議員の中には日本共産党の日米安保廃棄、自衛隊解散論に心情的に賛成する方が少なくないと思えますが、立憲民主党のHPでは日米安保維持です。

現在行われている立憲民主党の党首選挙に立候補されている方々は皆、安保法制も容認するようですから、日米安保廃棄、自衛隊解散論の日本共産党とは大きく異なっています。

日本共産党の視点では、立憲民主党の基本政策は飛鳥田さんよりはるかに右です。

安全保障政策の違いを曖昧にして国政選挙で共闘し、仮に勝利しても、できた政権は暫定政権でしかないという松竹さんの批判は適切です。

そこで松竹さんは野党政権を長く維持するために、核抑止力抜きの専守防衛での日米安保、自衛隊運用論を提起したと考えられます。

この提案を志位さんが採用する可能性も殆どありませんが。

日米軍事同盟弱体化、安保法制廃止は中朝露の戦意を誘発する

松竹さんが提案している核抑止力抜きの専守防衛で日米安保、自衛隊を運用する政権は、金正恩による日本への核ミサイル攻撃や中国共産党の台湾侵攻にどう反撃、対処するのでしょうか。

核ミサイル攻撃に専守防衛、ならイージス艦大量購入、陸上イージス全国配備という提案なのでしょうか。

専守防衛なら、中国共産党による台湾侵攻を座視するのでしょうね。

万が一、そんな政権ができたら米国が日米安保を廃棄してもおかしくない。海兵隊がグアムに去ることもありえる。

米国政府は海兵隊員とその家族が中国人民解放軍に攻撃されることを座視しないでしょう。

基地のない沖縄、が実現し、中国共産党にとって絶好の機会到来です。

松竹伸幸さんは中朝を平和勢力と見ているのか

中国共産党は尖閣に侵攻、領有しうる。自衛隊機の出撃を防ぐため、那覇空港をミサイルで先制攻撃しうる。

専守防衛ですから、野党政権は人民解放軍のミサイル攻撃には反撃しないのでしょうね。

日米軍事同盟の弱体化は、習近平、金正恩の戦意を誘発するのです。

まさかと思いますが、松竹伸幸さんも中国共産党、朝鮮労働党は憲法改正に反対だから平和勢力だとお考えなのでしょうか。

日本共産党の平和理論なら、憲法改正反対、アジアから米軍は撤退せよと主張する中朝は平和勢力そのものです。

朝鮮労働党は一貫して、朝鮮半島の非核化を主張しています。

平和勢力による核ミサイル攻撃の可能性を論じる人物こそ戦争勢力そのものだ、と左翼人士、憲法九条教徒なら考えるでしょうね。


2021年11月8日月曜日

毛沢東と中国共産党は平和勢力だったのかー松竹伸幸さんのブログより、左翼人士の生き方について思うー

 松竹伸幸さんはブログで、日本共産党と平和勢力は中国共産党が台湾武力統一を策していることを強く批判すべきと繰り返し主張しています。松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp) 

11月3日のこのブログによれば、日本共産党と同党の支援者の皆さんは、米帝国主義が悪であることを公理のように考えています。

中国が尖閣、南シナ海でも武力による現状変更を目指しているのに、日本共産党と同党支援者は中国を米国のように批判しない。

松竹さんはこの理由は以下の二点から説明しています。

第一は、中国は日本の侵略の犠牲者だから、侵略した側が中国を批判することは控えねばならないという感情論です。

第二には、中国は社会主義国だから帝国主義である米国と同列においてはならないという考え方です。

松竹伸幸さんは日本共産党の綱領、大会決定について言及できない

本ブログでは何度も、松竹さんが指摘している第二の点の理論的背景、日本共産党の「平和理論」とその基礎になっているレーニンの帝国主義論について説明してきました。

松竹さんが日本共産党の綱領や大会決定について殆ど言及できないのは、これらを間違っていたとブログなどで断言すると厄介なことになるからでしょうか。

昭和36年7月の第八回大会で採択された綱領には、社会主義国は平和地域であると明記されていました。

宮本顕治さんはこの大会で、ソ連は世界平和の砦であると報告し採択されています。

第八回大会決定の視点なら、ソ連や中国の核兵器は世界平和を守ります。

毛沢東と中国共産党も平和勢力ですから、中国共産党の核兵器は世界平和を守ることになります。

松竹さんが日本共産党第八回大会決定、第九回大会決定について言及しないのは真に変です。

松竹さんはブログで、中国共産党は四年前の党大会以後、社会主義の反対物に転化したことを証明したと記しています。

これは党大会前の中国共産党は社会主義を目指しており、平和勢力だったという見解なのでしょうか。不破さんは中国共産党をそのように見ていました。

松竹さんは不破さんとは違うと思えるのですが。

侵略とは何かー日清、日露戦争は当時の国際法では合法

松竹さんが指摘した第一の点、日本人は中国を侵略したから中国を批判してはならない論の視点なら、日本人は中国の政治経済、社会の分析はできません。

日本人は中国共産党の宣伝を信じて普及せよ、という話になるだけです。そもそも、侵略云々をいうなら、昭和25年に起きた朝鮮戦争への人民解放軍参戦は大韓民国への侵略です。

日清、日露戦争の頃は、強国がある地域の支配権を争ったとき、戦勝国がその地域を支配することは国際法上、合法でした。この点は二次大戦後とは大きく異なります。

まさかと思いますが、松竹伸幸さんは社会主義国は平和地域だ、ソ連は世界平和の砦だという第八回大会決定は正しかったと考えているのでしょうか。

松竹さんは朝鮮戦争への人民解放軍参戦は、朝鮮半島の平和を守ったと考えているのでしょうか。

左翼は毛沢東と中国共産党を平和勢力とみなす

毛沢東と中国共産党には覇権主義という問題点はあったが、日本帝国主義と戦い、その後も日米安保や日本の軍国主義化を批判したから平和勢力だったとみている左翼人士は多い。

歴史にもしも、ですが1960年代や70年代前半に日米安保が廃棄されていたら、毛沢東は人民解放軍に日本攻撃指令を出したでしょう。

核攻撃指令を出したかもしれません。日中両党会談で毛沢東は、一億死んでも大したことはない、などと語っています。

民主連合政府ができていたら、日米安保廃棄で自衛隊は解散ですから。人民解放軍や紅衛兵の侵攻を妨げる力は民主連合政府にはない。

松竹伸幸さんのブログを読んでいると、毛沢東と中国共産党は平和勢力だったとお考えなのかな、と思えてしまいます。

中国共産党、朝鮮労働党は建国以来、覇権主義で戦争勢力だったという認識になると、米軍と日米安保により日本の平和と安全が守られたことになります。

中朝露は一貫して、日本侵攻を策してきました。

私見では左翼人士はこの結論が嫌だから、中国共産党、朝鮮労働党の戦争政策について思考と議論をしないように心がけています。

左翼人士は、処世術に長けた方々なのです。

2021年11月1日月曜日

日本共産党は自衛隊解散・日米安保廃棄を野党共闘の一致点にしたいー日本国家の国防力を皆無にすることが社会進歩ー

総選挙が終わりました。事前のマスコミ予想と異なり、自民党がさほど減らさず、立憲民主党と日本共産党が大きく後退しました。

立憲民主党議員と支援者の方々の中で、日本共産党との共闘の是非について議論がなされていることでしょう。

立憲民主党の皆さんは、日本共産党が本音では自衛隊解散・日米安保廃棄を野党共闘の一致点にしたいことを理解しているのでしょうか。

科学的社会主義、共産主義の国家理論では自衛隊と米軍は支配階級による暴力装置です。

暴力装置を無くしたくない日本共産党員、など言葉の矛盾ですから。

立憲民主党幹部には極左翼のような方がいる

立憲民主党の中には、極左翼のような発想をする方もいます。極左翼なら、この点で日本共産党と完全に一致できる。

立憲民主党は基本政策で安保法制の違憲部分を無くすと明記していますが、安保法制だけでなく日米安保廃棄、自衛隊解散を志向している方も同党には少なくないと考えられます。

野党共闘に共通安全保障政策はありません。日本共産党、立憲民主党の極左翼の方々にとって、自衛隊解散、日米安保廃棄こそ最大の安全保障政策ですから。

日本攻撃を策している中国共産党、朝鮮労働党としては野党と市民の共闘、の政権ができることを願っていたでしょうね。

当面は野党と市民の共闘、の政権はできませんが、立憲民主党と日本共産党の国政選挙での連携は今後も続くと考えられます。

自衛隊解散、日米安保廃棄が野党共闘の一致点、公約となったらわかりやすくて良いですね。

日本共産党は本音では、金融資産市場を廃止したい

日本共産党は搾取制度の廃止を目指している政党です。

この見地から、日本共産党は富裕税の創設を訴えていました。日本共産党は本音では、富裕層の株式配当所得の税率を100%にしたいのです。配当所得は搾取ですから。

マルクス主義経済学の見地では金融資産保有により得られる利子収入や配当収入は搾取です。

株主や社債保有者は企業経営の危険を負担して、企業の維持に貢献していますが危険負担に対する報酬は搾取の一つだ、という話です。

株主や社債保有者は労働を提供していない。労働を提供していないのに、利潤の一部を受け取るのは不当だという理屈です。

従って日本共産党は本音では、金融資産の利子や配当への税率を100%にしたい。そもそも日本共産党は、金融資産市場を廃止したいのです。

マルクス主義経済学では、金融資産市場などマネーゲームの場ですから一刻も早く廃止すべきです。

株式の配当や利子所得への100%課税、金融資産市場の廃止も野党と市民の共闘、で一致点になればわかりやすくて良いですね。

野党共闘を深化させたい日本共産党員の皆さんは、自衛隊解散と日米安保廃棄、金融資産市場廃止を野党共闘の一致点にするよう、訴えたらいかがでしょうか。

日本革命を目指す方々が、金融資産市場廃止を日頃から訴える度胸と気概がなくてどうしますか。