松竹伸幸さんがブログで、野党共闘を進めるためには日本共産党で全党的な討論と、党員が直接党首を選ぶ選挙を実施すべきと主張しています。
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志位さんが松竹さんのこの提起を受け入れる可能性はほぼゼロです。松竹さんはブログで、規約解釈の大幅変更が必要と語っています。
私見では党員が直接投票する党首選挙を実施するなら、候補者は各地の党員に現在の党首、執行部と異なる自らの政策を訴えることになる。
その政策を実行していない現在の党首、執行部は辞任せよと選挙戦で訴える事を認めよという話になります。これは日本共産党が誇る組織原理、民主主義的中央集権制度廃止論です。
党員が直接選ぶ党首選挙実施は規約解釈変更ではなく、規約大幅改正としか思えません。
核抑止力抜きの専守防衛で日米安保、自衛隊運用論は昔の社公合意と似ている
松竹さんはブログで、核抑止力抜きの専守防衛で日米安保、自衛隊を運用するという政策を訴えています。
松竹さんのこの提案は、日米安保と自衛隊を容認すると明記した昭和55年の社公合意と似ています。
もう41年前になりますが、宮本顕治さんは第十五回大会の冒頭発言で社会党を右転落したと批判しました。
このしばらく後に総選挙がありました。昭和58年だったでしょうか。
場所を忘れましたが、日本共産党の街頭演説会に元総評議長の太田薫さんが登場し、独特のお声で「裏切者、飛鳥田を落とさねばならない」と演説しました。
飛鳥田さんは東京一区選出でした。日本共産党の候補者は平山知子さんでした。
立憲民主党議員の中には日本共産党の日米安保廃棄、自衛隊解散論に心情的に賛成する方が少なくないと思えますが、立憲民主党のHPでは日米安保維持です。
現在行われている立憲民主党の党首選挙に立候補されている方々は皆、安保法制も容認するようですから、日米安保廃棄、自衛隊解散論の日本共産党とは大きく異なっています。
日本共産党の視点では、立憲民主党の基本政策は飛鳥田さんよりはるかに右です。
安全保障政策の違いを曖昧にして国政選挙で共闘し、仮に勝利しても、できた政権は暫定政権でしかないという松竹さんの批判は適切です。
そこで松竹さんは野党政権を長く維持するために、核抑止力抜きの専守防衛での日米安保、自衛隊運用論を提起したと考えられます。
この提案を志位さんが採用する可能性も殆どありませんが。
日米軍事同盟弱体化、安保法制廃止は中朝露の戦意を誘発する
松竹さんが提案している核抑止力抜きの専守防衛で日米安保、自衛隊を運用する政権は、金正恩による日本への核ミサイル攻撃や中国共産党の台湾侵攻にどう反撃、対処するのでしょうか。
核ミサイル攻撃に専守防衛、ならイージス艦大量購入、陸上イージス全国配備という提案なのでしょうか。
専守防衛なら、中国共産党による台湾侵攻を座視するのでしょうね。
万が一、そんな政権ができたら米国が日米安保を廃棄してもおかしくない。海兵隊がグアムに去ることもありえる。
米国政府は海兵隊員とその家族が中国人民解放軍に攻撃されることを座視しないでしょう。
基地のない沖縄、が実現し、中国共産党にとって絶好の機会到来です。
松竹伸幸さんは中朝を平和勢力と見ているのか
中国共産党は尖閣に侵攻、領有しうる。自衛隊機の出撃を防ぐため、那覇空港をミサイルで先制攻撃しうる。
専守防衛ですから、野党政権は人民解放軍のミサイル攻撃には反撃しないのでしょうね。
日米軍事同盟の弱体化は、習近平、金正恩の戦意を誘発するのです。
まさかと思いますが、松竹伸幸さんも中国共産党、朝鮮労働党は憲法改正に反対だから平和勢力だとお考えなのでしょうか。
日本共産党の平和理論なら、憲法改正反対、アジアから米軍は撤退せよと主張する中朝は平和勢力そのものです。
朝鮮労働党は一貫して、朝鮮半島の非核化を主張しています。
平和勢力による核ミサイル攻撃の可能性を論じる人物こそ戦争勢力そのものだ、と左翼人士、憲法九条教徒なら考えるでしょうね。