2025年8月22日金曜日

田村智子委員長は、参政党の街頭演説を大声で聞こえなくすることを市民の運動と認めたー女性議員に対して中指を立てる事や、道で煙を出す事を大局的には社会進歩に貢献するとみなす

 田村智子委員長は記者会見で、8月8日に新宿駅南口で起きた騒動に関連して記者に、中指を立てる事やスモークを焚くことはどうなのか、と見解を問われました。

これに対し、田村智子委員長は一つ一つについてはコメントしません。日本共産党としての行動ではない、と答えました。

大音量でヘイトスピーチに対抗する手法については、市民の運動としてあり得ると認めました。

この件、産経新聞が早速報じています。「極右排外主義が国会で多数を占めぬように」共産・田村委員長、街頭演説への抗議活動容認 - 産経ニュース

日本共産党としては、参政党の女性議員に対して中指を立てる事や、街頭演説中に行動で煙を出す事についても特に批判はしないという事です。

参政党は極右でレイシストだから、参政党の街頭演説を大声で聞こえなくする事や、煙を出すこと、女性議員に中指を立てることを推奨はしないが、大局的には社会進歩、歴史の法則的発展に貢献すると田村智子委員長は見ているのです。

日本共産党地方議員の中に、そんな見解を出している方がいることを私は少し前に指摘しました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党は参政党の街頭演説を大声で妨害することをカウンター、社会進歩への貢献とみる

田村智子委員長としては、参政党の街頭演説をこれらの手法で妨害している方々に日本共産党員になってもらいたいのでしょう。

しんぶん赤旗の読者になってもらいたいのでしょう。

日本共産党としてこれらの行動を推奨はしないが、大局的には日本型ファシズムとやらへの市民の抵抗運動、カウンターとみなし、容認する事に、日本共産党最高幹部のどこかの会議で決まった可能性が高いと考えます。

こんな行為が市民の抵抗運動だというなら、街頭演説をする日本共産党の女性議員や、女性党員が中指を立てられても、田村智子委員長は容認するしかないですね。

カウンターだ、共産主義への抵抗運動だと言われてしまいませんか。

参政党が駅前で街頭演説をやるとき、大声を出して妨害する日本共産党員が今後増えていくのでしょうか。





2025年8月18日月曜日

志位さん、侵略と植民地支配という語の定義は何ですかー昔、今の領土より広い範囲で国を形成していた民族は侵略、植民地支配をしたから謝罪すべきなのですか

 志位さんが8月15日に談話を出しました。

Xユーザーの志位和夫さん: 「侵略戦争と植民地支配で犠牲となった内外のすべての方々に深い哀悼の意を表します。 第2次世界大戦終結後80年の年に日本がとるべき基本姿勢は何か。「東アジア平和提言」(24年4月)で明らかにしてきたわが党の立場を、この日にあたって重ねて表明します。」 / X

 侵略戦争と植民地支配で犠牲となった~というお話ですが、そもそも侵略、植民地支配とはどういう行為、史実を意味するのでしょうか。

志位さんの談話には、この語の定義が出ていません。

昔、今の領土より広い範囲で国を形成していた民族は他国を侵略し、植民地支配をしたのだから謝罪と補償をせよというなら、モンゴル人はとんでもない侵略者の末裔です。

モンゴルは巨額の賠償をユーラシア各地でせねばなりません。

モンゴル人はロシアを二百年以上、支配しました。

これも植民地支配だというなら、モンゴル人はロシアに謝罪と巨額の補償をせねばなりません。

世界史上、こんな例はいくらでもあります。オスマン帝国は近世の欧州にとって脅威でした。

西暦1453年、オスマン帝国のメフメト2世はビザンチン帝国を滅亡させました。これは侵略、植民地支配なのでしょうか。

16世紀前半、スレイマン大帝はハンガリーを攻略し、ウィーンを包囲しました。

現在のトルコ人には、メフメト2世やスレイマン大帝を誇っている方は多いでしょう。トルコ人はギリシャや東欧諸国に謝罪と補償をせねばならないのでしょうか。

志位さんによれば、植民地支配と奴隷制度の責任を過去までさかのぼって明らかにし、謝罪を求める動きが世界各地で広がっているそうです。

欧州商人による奴隷貿易は現地のアフリカ人による奴隷狩りがあったから実現したーポルトガル商人が現地の部族首長と鉄砲等を奴隷と交換

志位さんはこれを進歩的な運動と見ているのでしょう。

15世紀の終わりから19世紀中ごろまで、四百年ぐらい続いたアフリカから新大陸への奴隷貿易は、欧州商人だけの力で実現したのではありません。

現地でアフリカ人狩りを行うアフリカ人の部族、王国があったからこれが実現したのです。

アフリカの部族間、王国間の抗争が長年存在し、勝った側が負けた側の人々を捕虜にしする慣習があったのではないでしょうか。

ジャン・メイエール著「奴隷と奴隷商人」(「知の再発見」双書23、p. 32)によれば、大西洋三角貿易の第一段階は次のように行われました。

ヨーロッパからアフリカへ。奴隷商人がアフリカ西岸のゴレ島(ダカールに面する小島)からモザンビークにかけて、奴隷を買い付けに行く。そこで奴隷は、部族の首長を介して、ヨーロッパの産物(羊毛、綿、ラム酒、ブランデー、鉄の棒、火薬の樽、鉄砲、ガラス製の南京玉)と交換された。

大西洋三角交易がおこなわれていた頃、ポルトガル人が種子島に鉄砲を持ってきています。

推測ですがポルトガル商人は、日本人の武将からも、鉄砲と引き換えに奴隷を購入しようと策したのではないでしょうか。

彼らの狙いはどうあれ、日本人、種子島の人々は一年ほどで鉄砲を製造しました。ポルトガルから輸入する必要はなくなりました。

アフリカでは、鉄砲を自分たちで製造することは暫くなかったのでしょう。

アフリカの地理を全くと言っていいほど知らない奴隷商人が、自分達だけの力でアフリカ人狩りなどできません。

志位さんは、大西洋三角交易、奴隷貿易について何も知らないで発言していると思えてなりません。

奴隷貿易が始まった時期は、メフメト2世によるビザンチン帝国滅亡やスレイマン大帝によるウィーン包囲と大差ありません。

志位さんが欧州諸国に奴隷貿易について謝罪と補償をせよというなら、アフリカで奴隷狩りを行った部族の子孫の方々も米国や中南米に住むアフリカ系の方々に謝罪と補償をせねばならないだけでなく、トルコ政府も東欧諸国やオーストリアに謝罪と補償をせねばならないはずです。

勿論、オスマン帝国にも奴隷制は長年存在しました。イェニチェリというスルタン直属の奴隷軍人部隊はよく知られています。

オスマン帝国は主にバルカン半島のキリスト教徒の少年を徴用し、イェニチェリに養成しました。

現在の価値観で歴史を裁くべきではない

志位さんら日本共産党員、左翼の皆さんは、現在の価値観、現在の国際法で歴史を裁いています。

時空を飛び越えて、現代の価値基準で昔の人を弾劾してどうするのですか。織田信長は比叡山焼き討ちを断行しました。

信長の子孫の方々や、信長の家臣の子孫の方々は、比叡山延暦寺に謝罪をすべきなのでしょうか。

大日本帝国の時代のアジアでは、主権国家体制は未確立だった

大日本帝国が殖産興業政策を実施し、富国強兵化を実現したからこそ、今の日本があると考えます。

大日本帝国の時代のアジアでは、領土、領海、領空という概念が定着していたとは言い難い。主権国家体制がまだ確立されていないのです。

この時代に、外国と安定的に交易をするためには軍隊を海外に常駐させることは普通の事だったと考えます。





2025年8月12日火曜日

日本共産党は参政党の街頭演説を大声で妨害することをカウンター、社会進歩への貢献とみる

 去る8月8日に、新宿駅南口で参政党の梅村みずほ議員らが街頭演説を行いました。その際、とんでもない妨害がなされました。以下をご覧ください。

参政党演説!過去最高妨害行為がヤバい!梅村みずほ街頭演説!(2025年8月8日新宿駅バスタ前)

帰れ、帰れ、という罵声だけでなく、何者かが煙を出していることもわかります。

これでは、梅村みずほ議員の演説を聞き取る事は困難です。梅村みずほ議員に中指を立てて脅かす人物もいたようです。

政治家の街頭演説を罵声で聞こえないようにすることや、煙を出して聴衆に避難を余儀なくさせることは威力業務妨害に相当すると考えられます。

私は法律には詳しくないのですが、公道で煙を出すことは道路交通法に違反していないのでしょうか。

差別反対とか書いてある大きな旗を振り、警察官に静止されている人物もいました。

吉田なおひろ前橋市議(日本共産党)は、街頭演説妨害を正当化

日本共産党の吉田なおひろ前橋市議は、この行為を反差別の大旗を掲げた、暴力にも屈することなくたたかいぬいたと評価しました。

 (1) Xユーザーの吉田なおひろ🕊️前橋市議会議員【日本共産党】さん: 「暴力にも屈することなくたたかいぬいた。そして、反差別の大旗を掲げた。不屈に差別主義者とたたかう皆さんに連帯します。」 / X

Xに出ている写真から判断すると、旗を振っている方は鍋倉まさゆきさんという日本共産党員です。 

鍋倉さんは、山添拓議員とも飲食を共にするなど、親しい関係にある方です。以下は日本共産党の原田あきら都議のつぶやきです。

 Xユーザーの原田あきら(日本共産党都議会議員/杉並)さん: 「日にちと時間は追って報告する。 前回は韓国市民運動の研究者、桔川純子先生が大好評だったが、今回もスパイ防止法の専門家を呼ぶので間違いなく面白い。今度はチケットが早い段階でソールドアウトする可能性が大なので要注意!!! https://t.co/KQRfP7qqWN」 / X

Xユーザーの原田あきら(日本共産党都議会議員/杉並)さん: 「キターーー 国賠同盟青年部がスパイ防止法でイベントやるぜー! 今夜、青年部の呑み会だったんだが、一気に企画が持ち上がった! 伝説のイベント「治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟」が帰ってくる!ステージは阿佐ケ谷ロフト。 (写真は今夜の様子と100名程集まった2月の企画) https://t.co/VpH09bB6ia」 / X

 街頭演説への妨害が正当な言論活動として許容されるなら、どの政党、どの政治家に対しても許容されることになってしまいますから、街頭演説ができなくなってしまいます。

原田あきら都議(日本共産党)もカウンターの言動は過激ではないと擁護

原田あきら都議は、カウンターの言動は過激ではないと擁護しています。

 (1) Xユーザーの原田あきら(日本共産党都議会議員/杉並)さん: 「カウンターの言動が過激に見える人がいる。 たしかに日本共産党が党として他党に中指立てたりはしない…でも日本カウンターの言動は、日本排外主義の熱量に比例すると思ってむしろ注視すべき。 世界のカウンターに絶賛を送るのに日本カウンターには冷笑を送る…これぞプロパガンダの妙技と気付くこと。」 / X

日本共産党員の中には8月8日の件について、これは妨害行動でしかないから、日本共産党中央は彼らを処分するべきだと主張する方もいるようですが、少数派なのでしょう。

志位さんは参政党の街頭演説を大声で妨害することを、カウンターだから社会進歩に貢献するとみる

志位さんは8月11日に次を発信しています。

Xユーザーの志位和夫さん: 「日本の極右排外主義は、欧州の極右と共通点もあるが相違点もある。 欧州の極右は排外主義を掲げるが、「人民主権」を正面から否定する極右はごく一部の泡沫をのぞき存在しない。「王政復古」を掲げるものはいないのだ。 「天皇が統治する国」を掲げる日本の極右は「極・極右」=超時代錯誤の代物だ。」 / X

 志位さんは、参政党を想定してこの呟きを出したと考えられます。

志位さんは、参政党を極右のレイシスト、差別主義集団とみなし、参政党の街頭演説を大声で妨害することや、梅村みずほ議員に対して中指を突き立てることも大局的には歴史の法則的発展に貢献すると見ているのです。

カウンター、とやらは社会進歩に貢献すると志位さんは見ているのです。カウンターにより社会が発展する、これが歴史の弁証法だという調子です。

カウンター、という変な外来語を使えば意味が曖昧になり、どんな暴力行為でもこれに含まれることになりえます。

女性政治家に対し中指を立てるなど、とんでもない行為と私は思いますが、田村智子委員長はこれもカウンターの一つとして尊重されるべきと考えているのでしょう。

日本共産党と左翼の皆さんは、カウンター、と言えば何をやっても良いという世論形成を目指していると考えられます。

政党、政治家の街頭演説を妨害する人は議会制民主主義を破壊したいと考えられます。

日本共産党員の中には、カウンターとやらに違和感がある方もいるでしょうが、志位さん、小池晃書記局長はカウンターとやらをする運動に日本共産党の活路を見出しているのでしょうね。





2025年8月8日金曜日

党の最高機関は党大会である(日本共産党規約第十九条)より思うー最高機関の構成員であるはずの代議員は指導部への対案を提起できない

 日本共産党の規約によれば、党の最高機関は2年または3年に一回開催される党大会です。党大会の構成員は代議員です。

規約第十九条によれば、党大会の代議員選出の方法と比率は、中央委員会が決定します。

日本共産党規約 日本共産党

私が知る限り、日頃から日本共産党の活動に熱心に参加している方が、所属の地方組織から指名されて代議員になります。

何らかの件で、日本共産党の理論、政策や方針に疑問を持つ党員は、日本共産党の活動にあまり参加しないので、代議員には選出されません。

一般党員の場合、これを不当な措置と思う方は少ないでしょう。

党大会に参加するためには4,5日間、勤めを休まねばなりません。そんな会議に参加しても何もならないと判断する一般党員の方が多いでしょう。

日本共産党職員、議員の方なら大会に参加すること自体が業務ですから、勤めを休む事にはなりません。

殆どの代議員は、日本共産党の理論、政策や方針を完全に正しいと考えています。

党大会で、日本共産党の理論や政策、方針に対する批判や異論が出る事は稀です。

代議員は党大会で、日本共産党の理論や政策、方針を批判できるが対案を出せない

規約第二十条によれば、党大会は次の事を行います。

・中央委員会の報告をうけ、その当否を確認する。

・中央委員会が提案する議案について審議・決定する。

・党の綱領、規約をかえることができる。

・中央委員会を選出する。委員会に準中央委員をおくことができる。

党大会が最高機関と言っても、できることはこれだけです。

代議員は党大会の開催中には、最高機関の一人の筈なのですが、中央委員会が提案する議案に対する対案を党大会に提出することはできません。

代議員は党大会で、中央委員会の報告や、提案する議案を批判できますが、それらへの対案を提起することはできません。

代議員は中央委員に自ら立候補、または~さんを中央委員にしたいという推薦をできますが、当選は困難でしょう。そんなことをする方はいません。

代議員同士が党大会前に連絡を取り、提案する次期中央委員推薦名簿を作成したら分派活動とみなされ、除名ないしは除籍になるでしょう。

党大会代議員は職員の人事配置権限を持たない

4,5日間開催される党大会が終了すれば、代議員ではなくなります。

代議員だった方は一党員として、日本共産党の理論や政策、方針に対する批判を所属の支部の会議で開陳できますが、それだけです。

最高機関の構成員ができることは、指導部批判を大会の場でできる、中央委員に自ら立候補、または~さんを中央委員にしたいという推薦をできるという程度です。

代議員が職員の人事配置権限など、持つはずがありません。現最高指導部が、大会前に人事問題小委員会とかいう組織を作り、人事配置を決めます。

日本共産党最高指導部に心酔している代議員は、これを当然と見ます。

最高機関の構成員であるはずの代議員が、殆ど何の権限も持っていないのは変ではないでしょうか。

最高機関の上に存在する組織、すなわち現最高指導部が理論や政策、方針の提起、大会議案提出や人事配置を決めています。

共産主義運動の特徴は、最高指導者への心酔、盲信

日本共産党最高指導部に心酔している方々は、最高機関を指導する組織があることが変と思いません。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんは、金正恩と朝鮮労働党から出される指令に何の疑問を持ちません。

日本共産党員と在日本朝鮮人総連合会の皆さんの思考方式は似ているな、と感じるのは私だけでしょうか。


2025年8月2日土曜日

志位さん、日本共産党の昔の文献を読む運動を起こしましょう!故上田耕一郎さんの著作「講座 現代日本と社会主義への道」(新日本出版社昭和55年刊行)はいかがですか。

 志位さんが、資本論を読む運動を起こそう、資本論の中心点をわかりやすく解説した自分の本を読んでくださいと訴えています。

『資本論』を読むムーブメントを日本でも起こしたい/『Q&A いま「資本論」がおもしろい』志位議長の会見から 

志位さんのこの提起に対し、自分の本を読もうなどという運動を提起している暇があるなら参院選敗北の分析をきちんとやれ!という声が、日本共産党支援者の方々からXで沢山出されています。

選挙敗北の分析については、近く開催される中央委員会総会で多少はなされるでしょうが、それだけで終わりでしょう。

日本共産党中央委員会で志位さん、田村智子委員長の指導責任を問う声が出てくるなど考えられません。

中央委員会総会で志位さん、田村智子委員長の責任を問う声や真剣な敗因分析要求の声が一切出なければ、この件はそれでおしまいです。

日本共産党支援者の皆さんは、志位さん、田村智子委員長に辞任要求や敗因分析要求ではなく、別の提案をした方が良さそうです。

志位さん、日本共産党の昔の文献を読む運動を起こしましょう

7月22日の常任幹部会声明は、終わりの方で綱領、規約、科学的社会主義、党史の学習を抜本的に強化すると述べています。参議院選挙の結果について/2025年7月21日 日本共産党中央委員会常任幹部会

綱領、規約、科学的社会主義、党史の学習を抜本的に強化するなら、昔の日本共産党の文献を読む運動を起こしたらいかがですか。

宮本顕治さんが書記長、委員長、議長だった時期の大会決定や重要論文、最高幹部の著作を日本共産党本部のHPに出して、これらを読もうという運動を起こしたらいかがでしょうか。

上田耕一郎さんは、ソ連など社会主義国では医療と教育費が無料と宣伝していた

故上田耕一郎さんの著作「講座 現代日本と社会主義への道」を日本共産党本部のHPに出したら、読む方は相当数いるのではないでしょうか。

私は45年前、線を引いてこの本を何度も読みました。45年前の私は、上田さんの宣伝を信じました。

若き志位さん、内田裕さんも同様だったのではないでしょうか。

この本のpp. 265-266で上田さんは、ソ連、ルーマニア、中国、朝鮮、ベトナムと6つの社会主義国を訪問した事にふれ、日本で働く人々が切実な共同の目標としてたたかっていることが、社会主義革命によって現実となっていると断言しています。

上田さんによれば、社会主義国では次が基本的に達成されています。

・住宅建設は国が全力をつくしており、広さは十分といえなくても、住宅費は収入の数パーセントです。

・物価は十年、二十年と変わらぬ安定を示しています。食料をはじめとする生活必需品は安い値段で供給されています。

・医療と教育費は全て無料です。子供は何より大切にされ、保育所は素晴らしく完備しています。

・失業はなく、能力に応じた職業が保障されています。

・男女平等が実現されています。

・充実した年金制度によって、老後の心配はありません。

上田さんはソ連、中国、朝鮮など六つの社会主義国を訪問し、これらが実現しているのを見て深く感動したそうです。

こんな現実があったのなら、上田さんはソ連、東欧崩壊で残念無念と涙を流すべきだったのではないでしょうか。

この本は、上田さんが昭和54年に赤旗日曜版に連載した「やさしい講座ー現代日本と社会主義への道」を一冊にまとめたものだそうです。

赤旗記者の皆さんには、社会主義国の現実が全く把握できていなかったのですね。

萩原遼さんは北朝鮮の現実を指導部に報告していた

故萩原遼さんは、北朝鮮の現実が朝鮮労働党の宣伝と大きく異なる事を、御自身の追放経験と共に指導部に報告していたはずです。

上田さんがこれを知らなかったとは考えにくい。日本共産党最高幹部は昔から、都合が悪い事実、史実を無視します。

この本を日本共産党本部のHPに出せば、日本共産党の歴史の真実を知る方が増えるでしょう。志位さんによる歴史の修正が困難になります。

志位さん、いかがですか。田村智子委員長はこの本を読んでいないかもしれませんよ。





2025年7月27日日曜日

選挙で大敗しても、日本共産党の最高指導部には何の責任もないー共産党は最高指導者の誤りを認めない

 日本共産党は参議院選挙で大敗しました。当選者は比例区で2人、東京選挙区で1人だけでした。

大した根拠はなかったのですが、私は比例区で3人、選挙区で2人かと予想していました。

京都の日本共産党は昔から強いのですが、だいぶ衰退していたのですね。大阪の日本共産党はの衰退は周知の事実です。

日本共産党が比例区で286万4千票しか取れないとは思いませんでした。

参議院選挙の結果について/2025年7月21日 日本共産党中央委員会常任幹部会

日本共産党では常任幹部会とは、役員会に相当します。

上記の声明では、党内外の御意見を受け止め、次の中央委員会総会でしっかりと教訓を引き出し、次の国政選挙のたたかいに必ず生かすと記されていますが、最高指導部の責任については一切言及されていません。

昔から日本共産党最高指導部は、選挙で大敗しても責任をとりません。

選挙の際に日本共産党最高指導部が国民に提起した政策、方針とその背景にある革命理論は完全に正しい、という発想です。

共産党の正統性を確保するためには、最高指導者への崇拝を維持せねばならない

一般に共産党、労働党は最高指導者の誤りを認めません。

最高指導者の死後、次期の最高指導者が以前の誤りを認めると、その最高指導者に追随してきた最高幹部、幹部も無能だったという話になってしまいます。

昭和56年6月の「歴史決議」で鄧小平と中国共産党は毛沢東を功績第一、誤り第二と評価しました。

毛沢東は数千万人の餓死者を出した大躍進、その後の文化大革命を主導した人物ですが、それでもこの程度の評価しかできないのは、中国共産党の正統性を確保するためです。

金正恩と朝鮮労働党は、金日成と金正日の革命路線を多少修正しても、誤りがあったなどを文書化する事はできません。

これは日本共産党も同様です。

不破さん、志位さんが宮本顕治さんの誤りを認めたら、そんなに駄目な宮本さんに書記局長に選出してもらった貴方達も駄目な幹部ではないか、という評判が日本共産党内に高まってしまいます。

常任幹部会声明は終わりの部分で、綱領、規約、科学的社会主義、党史の学習を抜本的に強化する事を訴えていますが、これは志位さんの著作を一生懸命読もうという話です。

宮本顕治さんの著作や昔の論文、宮本顕治さんが指導していた時期の日本共産党大会決定や中央委員会報告を日本共産党本部のHPに掲載したら、昔の日本共産党はソ連を礼賛したではないか、という話が広まってしまいます。

昭和36年7月の日本共産党第八回大会での宮本さんの報告は、今の日本共産党では内緒の文献になっていると考えます。


古今東西、共産党は歴史を修正します。

志位さん、一般党員が党史を学ぶために、第八回大会決定を日本共産党本部のHPには掲載したらいかがですか。





2025年7月25日金曜日

志位さん、タイとカンボジア間で戦争が始まりそうですよータイ、カンボジアはASEANに加盟。

 報道によれば、タイとカンボジア間での国境紛争から、本格的な戦争が始まる可能性があらります。。

民間人にも犠牲者出ており、避難している方は十万人に及ぶそうですから、既に小規模の戦争になってしまったと評価すべきかもしれません。

正直、私はタイとカンボジア間で国境紛争がある事を存じませんでした。由緒ある寺院のある地域の領有権をめぐる紛争のようです。

現在はタイがその地域を実効支配しているそうですが、カンボジアも領有権を主張しているようです。

志位さんは東南アジアが「平和と協力」の地域になったと宣伝していた

志位さん、田村智子委員長ら日本共産党幹部の皆さんもタイとカンボジア間で国境紛争があることを御存知なかったのではないでしょうか。

志位さんは昨年4月、「東アジアの平和構築への提言ーASEANと協力して」と題して講演を行いました。東アジアの平和構築への提言――ASEANと協力して 日本共産党 

志位さんによれば、ASEANは昭和51年に武力の不行使と紛争の平和的解決を誓約した東南アジア友好協力条約を締結し、粘り強い対話を続けました。

ASEANは「分断と敵対」が支配していた東南アジアを「平和と協力」の地域へと劇的に変化させました。

現実には、タイとカンボジアの国境紛争は極めて深刻で、武力が行使されてしまったのです。

ASEANで会議をどれだけ行っても、タイとカンボジア間の国境紛争は解決しなかった

志位さんによれば、ASEANでは年間1500回もの会合が開かれており、相互理解と信頼醸成が進んでいるので紛争が起こっても戦争にはならないはずでした。

タイとカンボジア間の国境紛争はあまりにも深刻ですから、会議の議題にすらなっていなかったのかもしれません。

ASEANの会議で、多数決によりこの地域をどちらかの領土と確定する、という運営などできるはずがありません。

今後、両国関でいったん戦闘が終了しても、いつ再燃するかは誰にもわかりません。

由緒ある寺院がある地域の領有権を、カンボジアが完全に断念するとは考えにくい。しかしタイと大戦争をして、カンボジアが勝利できるとは思えません。

カンボジアは当面は引き下がり、捲土重来を期す可能性があります。戦争の火種が簡単に消えるとは思えません。

局地戦なら勝利できる、とカンボジア政府が判断したら大変です。

東南アジアにも「平和の激動」はなかった

志位さんら日本共産党の皆さんは、東南アジアに「平和の激動」が起きたと信じていました。上記の講演に、この表現があります。

志位さんはこれが幻想に過ぎなかったことを認めるべきです。戦争に発展する事など、誰も望みませんが、既に民間人に犠牲者が出ている事は深刻です。

両国間で話し合いがなされても、責任の擦り付け合いになりそうです。タイはベトナムとラオスを抱き込むべく、様々な工作をするでしょうね。

カンボジアは中国共産党に助けを求める可能性があります。

残念ですが、東南アジアに「分断と敵対」の流れが強くなる可能性もあります。