「総連と在日同胞は、いかなる逆境にあっても変わることなくひたすら金日成同志を信頼し、金日成同志の教えにそって進まなければなりません。金日成同志に忠誠をつくすこと、まさにこれこそが総連の基本的な活動方向であり、在日朝鮮人運動のチュチェといえるのです」(朝鮮・金正日伝編纂委員会著「金正日伝第一巻」、編集者はチュチェ思想国際研究所。平成16年白峰社発行、p387より抜粋)。
大山奈々子日本共産党神奈川県議だけでなく、朝鮮学校への無償化適用、補助金増額を訴える左翼人士をあげたらつきません。
元文科省事務次官前川喜平氏は、朝鮮学校の無償化適用除外を官製ヘイト、と言い切りました。
新聞記者にも、同様の見解を持つ方は少なくないようです。
朝鮮学校支援論者の皆さんは、朝鮮労働党と在日本朝鮮人総連合会、そして朝鮮学校の関係を考えているのでしょうか。
朝鮮学校を運営しているのは在日本朝鮮人総連合会です。在日本朝鮮人総連合会は、金日成、金正日、金正恩に絶対性、無条件性の忠誠を誓っています。
北朝鮮国内と在日本朝鮮人総連合会では金日成の指令は「教示」、金正日の指令は「お言葉」とよばれ、絶対的な命令とされています。
勿論、命令の中には実現不可能できないものもありますし、労働党幹部がこっそりと命令の実行をさぼる場合もあります。
それでも、北朝鮮の現状あるいは在日本朝鮮人総連合会関係者が構成する小社会の現状を分析する際、金日成や金正日、金正恩の命令は貴重な資料です。
それでは、実際に金正日は在日本朝鮮人総連合会の教育活動、朝鮮学校をどのように指導したのでしょうか。
金日成、金正日から直接在日本朝鮮人総連合会に指令が出されることは少ない。
多くは、「教示」「お言葉」を朝鮮労働党の担当者が在日本朝鮮人総連合会に伝えます。
以前は、万景峰号の船内で担当者から指令が伝えられていたようです。康周日という方が、長年担当者だったそうですが、亡くなったそうです。
現時点では朝鮮労働党でどなたが在日本朝鮮人総連合会への指導を担当しているのか不明です。
在日朝鮮人運動のチュチェとは、金日成への絶対的な忠誠
金正日の指導内容については、公開された文献から推し量っていくしかありません。
チュチェ思想国際研究所が編集しているこの本は貴重な資料です。
金正日が在日本朝鮮人総連合会の基本方向として強調しているのは、金日成への絶対的な忠誠です。これが在日朝鮮人運動のチュチェだそうです。
各地で朝鮮学校無償化適用、補助金増額のために努力している左翼人士は、金正日が強調している在日朝鮮人運動のチュチェを支持しているのでしょうか。
前川喜平氏は、金日成の社会主義教育テーゼや金正日の論文を読んでいるのでしょうか。基本的な文献を読みもしないで、政策を語るのは知識人がやることではありません。
上記の後は次です。
共和国公民としての誇りと民族的自尊心を高める教育活動で、金日成に変わる事のなく忠誠を尽くす人を養成
「総書記は、在日朝鮮人運動は朝鮮革命の一部であり、金日成同志の思想と指導を実現していく民族的愛国運動であると指摘し、
総連は在日同胞が金日成同志に忠実であるよう教育活動を強化し、いかに不利な状況のなかでも金日成同志に変わることなく忠誠を尽くす人たちで指導中核の陣容を固めなけばならないと強調した。
総書記は、在日同胞の間で共和国公民としての誇りと民族的自尊心を高める教育活動に力を入れるよう指導した。」
共和国公民としての誇りと民族的自尊心。これは在日本朝鮮人総連合会の皆さんが良く用いる表現です。
この本によれば、朝鮮人民の民族的自尊心の根源は主席に対する忠誠の心です。
そこで金正日は在日同胞の民族的自尊心を高めるための教育活動を主席への忠実性教育と結びつけておこなうように指導しました。
このような指導に基づき、朝鮮学校は子供たちに、金日成民族の一員であるという誇りと自覚を持つよう教育をしています。
要は自分が朝鮮人であることに誇りを持つのなら、金日成に限りなく忠実な家臣になれ、という話です。
朝鮮学校無償化適用を主張する政治家や左翼知識人は、チュチェ思想を信奉はしていないでしょうが、大局的には進歩的な思想だくらいの受け止めなのでしょう。
チュチェ型の革命家を育成する朝鮮学校の教育は進歩的か
北朝鮮では、チュチェ思想に反対したとみなされる人間は処刑ないしは政治犯収容所送りです。
政治犯の処刑や収容所連行は進歩的行為なのでしょうか。金日成に限りなく忠実な方は、進歩的ですか。
大韓航空機爆破は、親愛なる指導者同志と呼ばれていた金正日の指令で断行されました。
爆弾をしかけた犯人の一人、金賢姫は大韓航空機爆破のニュースを聞いた時、自分たちは本当に偉大なことをやった、と心中で喜んだそうです。
金正日のお言葉を全面実行する人間は、社会的政治生命体の一員にふさわしい生き方をしていると、金正日の社会的政治生命体論は説きます。
チュチェ型の革命家、とみなされるのです。チュチェ型の革命家が亡くなった場合には、革命烈士という称号が授与される場合もあります。
大山奈々子日本共産党神奈川県議は、チュチェ型の革命家を育成する教育は進歩的だとお考えなのでしょうか。