「戦後、日本に残った方たちは、民族の言葉と誇りを取り戻すため、自らの力で各地に朝鮮学校をつくりました。こういう経過を持つ朝鮮学校に対して、今なお差別的な対応を行っている本県のあり方は、二重、三重に隣国の方々を傷つけています」
「朝鮮学校側の努力ではいかんともしがたい事情で、その前提が果たせないからと言って、朝鮮学校に通う子供たちだけを私学助成制度から排除することは不当であり、学費補助制度の理念にも反しています」(平成30年12月5日、神奈川県議会第三回定例会での大山奈々子県議の発言より抜粋)。
日本共産党の大山奈々子県議は、朝鮮学校への無償化適用と補助金増額のために県議会で上記のように熱弁しています。
インターネットから、神奈川県議会の会議録を読みました。
大山奈々子県議は、朝鮮学校と朝鮮労働党、在日本朝鮮人総連合会の関係について一切言及していません。
私見では在日本朝鮮人総連合会が朝鮮学校の教育内容と人事について強い影響を持っています。
朝鮮学校について語るのなら、その運営の実態を数々の文献や卒業生からの聞き取りなどで探求すべきです。
朝鮮学校では、設立後徐々に朝鮮労働党の影響力が強くなっていきました。
在日朝鮮人運動の「路線転換」がなされた昭和30年頃には、朝鮮学校を朝鮮労働党が指導するようになっていたと考えられます。
昭和30年は、日本共産党も武装闘争に一応の区切りをつける「路線転換」がなされた年です。
推測ですが、クーシネンと劉少奇の意向が何らかの経路で日本共産党と在日朝鮮人運動の「路線転換」に反映されていたように思えてなりません。
昭和30年頃の日本共産党と朝鮮労働党は、中国共産党に従属していました。
日本共産党について、日本共産党の文献を一切読まないで語ったら浅薄な人間だ、のそしりは免れないでしょう。
同じことが、朝鮮労働党とその影響下にある在日本朝鮮人総連合会と朝鮮学校についても言えるのです。
共産主義運動とその現状について語るのなら、共産主義運動の指導者の文献を読み込むことが大事です。
宮本顕治氏、不破哲三氏そして志位和夫氏の著作や論考を一切読まない方は、日本共産党について殆ど何も知らないと言える。
大山奈々子県議は、日本共産党や朝鮮労働党の文献を何か読んでいるのでしょうか。
神奈川朝鮮中高級学校では教員給与が三か月欠配、大幅カットで一時金が停止
神奈川県議会の会議録によれば大山奈々子県議は平成27年と昨年11月に神奈川朝鮮中高級学校を視察しました。
日本共産党神奈川県議の皆さんは、朝鮮学校の実態を見ようと思ったのでしょう。
大山奈々子議員その際、次のように聞きました。
教員の給与は三か月の欠配が続き、大幅カットされ、一時金も停止せざるを得ない。
退職教員の補充ができず、24名いた先生が2年間で17名になり、必死になっている。
大山奈々子議員は人を信じやすい方なのでしょうか。朝鮮学校の経営難が、日本人の差別のせいだ、と思ってしまったのではないでしょうか。
朝鮮学校の経営難の主原因は、生徒が集まらなくなったからです。
生徒が十分いれば、親が授業料や設備費を支払いますから教員の給与の大幅カット、一時金停止などありえない。
横浜、川崎周辺の在日韓国・朝鮮人の子供たちが朝鮮中高級学校に争うようにして入学すれば、経営難など起こりえない。
生徒数が昔に比べて激減した理由は、朝鮮学校の奇々怪々な教育内容が在日韓国・朝鮮人に知られたからです。
日本人が差別をしたので、在日韓国・朝鮮人の子供たちが朝鮮学校に通えなくなったのではない。
朝鮮学校の基本的教育指針は金日成の社会主義教育テーゼです。必然的に奇々怪々な教育内容になります。
社会主義教育テーゼに基づいた朝鮮学校は子供たちを朝鮮労働党に限りなく忠実な大人に育てる場です。
子供が金日成、金正日に限りなく忠実な大人になってしまったらとんでもない、と普通の在日韓国・朝鮮人は判断するでしょう。
大山奈々子議員は在日朝鮮人と日本共産党、朝鮮労働党の関係を直視すべきだ
大山奈々子県議の朝鮮学校無償化適用・補助金増額論の中心点は、朝鮮学校への差別反対!です。
大山奈々子県議は日本人の差別感情から、朝鮮学校に無償化が適用されていないと思い込んでいる。
朝鮮学校の教育内容、運営主体の実体について、大山奈々子県議ら日本共産党員は思考と議論をできない。
昔の日本共産党は金日成と朝鮮労働党の宣伝をうのみにし、北朝鮮を千里馬のいきおいで社会主義を建設しているなどと礼賛していました。
「38度線の北」(寺尾五郎著、新日本出版社刊行)は北朝鮮への帰国を考えている在日朝鮮人の間で隠れたベストセラーでした。
大山奈々子県議はこのあたりの歴史を御存知ないでしょう。
昭和30年まで在日の共産主義者は日本共産党員だった
昭和30年まで在日の共産主義者は日本共産党員でしたから、昭和34年からの帰国事業の頃、日本共産党の宣伝は在日朝鮮人の中でかなりの影響力があったのです。
当時の雰囲気をよく伝える論考としては、宮本顕治著「ソ連邦共産党第21回臨時大会の意義と兄弟諸党との連帯の強化について」(「前衛」1959年5月掲載)があります。
この論文で宮本氏は、ソ連や中国、北朝鮮を礼賛しています。社会主義はソ連邦で完全な最後の勝利を収めた、と宮本氏は断言しています。
日本共産党の宣伝を信じて北朝鮮に渡った在日朝鮮人や日本人妻を、言論と表現の自由及び居住地域と職場決定の自由がない、物言えぬ社会が待っていました。
これらに不満を漏らせば、警察により真夜中に一家全員が山間僻地に連行されてしまいかねない。
在日朝鮮人は突然連絡がとれなくなった帰国者(元在日朝鮮人)を「山へ行った」と隠語で表現します。
北朝鮮の凄惨な人権抑圧については、朝鮮学校では全く教えられていません。
金日成の還暦祝いと称して、200人もの朝大生(当時)が北朝鮮に送られてしまったことも、朝鮮学校では一切教えられていません。
朝大生が贈り物にされてしまった史実を、朝鮮学校教職員は直視できないのです。
「山へ行った」という語を知っている朝鮮学校教職員は少なくないでしょうが、これも子供たちには伏されています。
朝鮮学校の子供たちは、北朝鮮の政治犯収容所の存在など一切教えられていない。北朝鮮の住民を出身で区別する「成分」制度についても生徒、学生には教えられない。
朝鮮労働党の恐るべき真実について、教育の場では殆ど何も教えられていない。
日本共産党と左翼知識人は、領袖に限りなく忠実な革命家養成教育に協力するのか
朝鮮学校は子供たちを、栄えある金日成民族の一員であるという誇りと自覚を持った大人に育てる学校です。
繰り返しますが、朝鮮学校の最も基本的な教育指針は、金日成の社会主義教育テーゼです。
金正日の「教育事業をさらに発展させるために」(1984年7月22日)も重要な文献です。
金正日によれば、教職員、学生・生徒のあいだで党の唯一思想体系を確立し、革命化、労働者階級化する活動を力強く展開せねばなりません。
これにより、朝鮮学校教職員、学生、生徒を領袖に限りなく忠実な真の共産主義革命家にかえることができるそうです。
朝鮮労働党の主体革命偉業、全社会の金日成主義化を実行する人物を育てる教育に、日本の自治体が無償化適用、補助金を出すべきと大山奈々子県議は本気で考えているのでしょうか。
首領金正恩が武装工作員に、日本の要人に対するテロ指令を出したとします。
このとき、潜水艦などで日本に密入国する武装工作員に全面協力するのが領袖に限りなく忠実な真の共産主義者です。
大山奈々子県議はこれに反発するかもしれませんが、金正日の論考は共産主義者をそのように規定しています。
絶対性、無条件性で領袖にお仕えするのが真の共産主義者、チュチェ思想で武装された革命家だそうですから。
朝鮮学校は子供たちにそう教えます。
その学校に無償化適用、補助金増額を主張するのですから、絶対性、無条件性で領袖にお仕えするのが真の共産主義者である、という金正日の見解に日本共産党、左翼知識人はさほど違和感がないのでしょう。
藤井克彦神奈川県議(日本共産党)なら「党の唯一思想体系確立の十大原則」を御存知でしょう。
藤井克彦県議、大山奈々子県議はチュチェ思想は科学的社会主義とは無縁だが、進歩的思想だとお考えなのでしょうね。
日本共産党や左翼知識人は、日本が朝鮮労働武装工作員の標的になりうることを真剣に考えるべきです。
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