2024年4月30日火曜日

志位さん、結合した生産者、はどこにいるのですかー志位さんの講演「『人間の自由』と社会主義・共産主義ー資本論を導きの糸に」より思う

 日本共産党が依拠する理論、科学的社会主義とはマルクス・エンゲルス教ですね。

志位さんの講演は、マルクス、エンゲルスの主張を信じる者は救われる、という類の話としか私には思えませんでした。

去る4月27日、民青同盟は志位さんを講師に、学生オンラインゼミとして上記の講演会を開催しました。

「人間の自由」こそ未来社会の最大の魅力/学生オンラインゼミ 志位議長が講演 (jcp.or.jp)

志位さんによれば、資本主義経済は利潤第一主義の社会です。

利潤第一主義を取り除くためには、生産手段を個々の資本家の手から社会(結合した生産者)の手に移すことで、生産の目的が資本の利潤を限りなく増やす事から、人間と社会の発展に変わるそうです。

それでは結合した生産者、とは一体どこの誰のことなのか、について志位さんは何も説明していません。

個々の資本家は保有する生産手段を結合した生産者、の皆さんに奪われてしまうらしい。

科学的社会主義の理論で武装した日本共産党が結合した生産者、とやらを指導するという話なのでしょうか。

志位さんの脳内では、結合した生産者とは私利私欲など一切ない、哲人のような存在なのでしょうね。

私利私欲を捨てた人たちが、私利私欲にまみれた資本家や金持ちを指導し、全ての財やサービスの配分を善意で決定すればうまくいく、という発想なのでしょうか。

志位さんは企業経営について何も考えていないと言わざるを得ません。

市場経済では激しい企業間競争が行われている

市場経済では各企業は財やサービスの販売をめぐって競争しています。

結合した生産者、の皆さんが運営する企業が競争に負け、赤字経営となり倒産の憂き目にあったらどうするのでしょう。

結合した生産者、の方々は当面、失業するでしょう。

勤務していた会社の債務の保証人になっていたら、大損、自己破産となりかねない。

それが嫌なら、競争に勝ち抜くために長時間労働を甘受し、利潤第一主義経営をする事になるでしょう。

志位さんも、政党間競争で敗北したくないから、職員に残業・休日出勤手当を支給せず、長時間労働を甘受させているのではないですか。

志位さんには、市場経済で企業が生き残っていくことの厳しさが理解できない。志位さん、結合した生産者とやらは一体どこにいるのですか。

マルクス・エンゲルスは生産手段の社会化、とは一体どんな企業運営方式なのかについて殆ど何も述べていません。

志位さんは日本の長期不況から、何も学ばなかったようです。


2024年4月6日土曜日

志位さんは台湾政府の存在を認められないー日本共産党の平和理論、世界観では、台湾政府は中国共産党の反党分子。

 志位さんが来る4月17日に、どうやって東アジアを戦争のない地域にするか?について包括的な外交提言をするそうです。東アジアの平和構築への提言/17日 志位議長が講演 (jcp.or.jp)

この赤旗記事から考えると、ASEANと協力していかなる紛争問題も話し合いで解決するように日本政府に迫る運動を起こそう、という程度の話と考えられます。

この講演に関する志位さんの呟きは以下です。 (3) Xユーザーの志位和夫さん: 「どうやって東アジアを戦争の心配のない平和な地域にするか? 包括的な外交提言をお話しします。 駐日大使館の方々、各界各層の方々に広くご案内をしております。どうかご参加ください。 ネット視聴もできます。 https://t.co/NZbV3WkI0T」 / X (twitter.com)

東アジアでの戦争というなら、普通の日本人なら中国共産党による台湾・日本攻撃と朝鮮労働党による韓国・日本攻撃、あるいはロシアによる日本攻撃を思い浮かべるのではないでしょうか。

しかし日本共産党の平和理論では、米国と軍事同盟を結んでいる日本政府が東アジア最大の戦争国家です。

インターネットで中朝露の危険性を訴える人々は戦争勢力です。日米軍事同盟を批判している中朝露は、本質的には平和勢力です。

日本共産党の平和理論では、日米軍事同盟を徹底的に弱体化させれば、本質的には平和勢力である中朝露は安心し、核軍縮への道を歩む事になります。以下を御参照願います。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは中朝露に安心を与えたい(志位さんの講演より)ー志位さんは中朝露を平和勢力と見る (blueribbonasiya.blogspot.com)

そこで志位さんは、ASEANに倣い、あらゆる紛争問題を話し合いで解決するよう、日本政府に迫っていく市民運動を大規模に起こそう、と訴えるのではないでしょうか。

志位さんの包括的な提言、とやらはこんな調子と考えます。

志位さんがあらゆる紛争問題を話し合いで解決する、というなら、志位さんは習近平と中国共産党に、台湾政府の存在を認め、台湾政府と話し合えと要求するべきです。

ASEANに倣え、というなら、台湾政府のASEAN加盟、東アジアサミット参加を認めよと訴えるべきです。

志位さんが台湾を訪れ、台湾政府高官と会って、習近平と中国共産党は台湾政府の存在を認め、台湾政府と話し合えと共に要求しよう、と記者会見で訴えたら注目されますよ。

これは志位さんには無理でしょうけれど。日本共産党が台湾政府の存在を認めないのは、台湾を中国領と規定しているからです。

日本共産党は台湾政府を、中国共産党の反党分子、のように見ているのです。これは随分変な話ですが、不破さんや志位さんは大真面目にそう見ていると考えます。

中国共産党が台湾を統治した時期はないのですから、本当に変な話なのですが。この件については、以下を御参照願います。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは台湾政府を共産主義運動における反党分子のようにみるー台湾は中国の領土だから、中国共産党による台湾政府解体を社会進歩と見る (blueribbonasiya.blogspot.com)

志位さんにとって、台湾政府は中国共産党の反党分子ですから、日本共産党が台湾政府の存在を認め、中国共産党は台湾政府と話し合え、などと要求する事は大国主義的干渉です。

あるいは、結社の自由の侵害です。

日本共産党員でない人が志位さんに、松竹伸幸さん、鈴木元さんと話し合え、と要求したら結社の自由の侵害だ、と志位さんはそう言うでしょうね。

台湾政府が中国共産党の反党分子、など奇々怪々な発想ですが、日本共産党は台湾を中国領と見ているのですから、そんな結論になってしまうのです。

台湾政府が解散し、台湾が中国共産党の統治下に入ることを、不破さん、志位さんは社会進歩、歴史の法則的発展とみなすと考えられます。

日本共産党員と支援者の皆さんも、台湾が香港のようになっていくことを社会進歩、歴史の法則的発展をみなしているのでしょうか。

台湾に国家安全維持法が施行されるべきですか。

私が日本共産党員の皆さんにそんな問いかけをすること自体、結社の自由の侵害でしょうか。