2024年5月19日日曜日

志位さんは中国共産党に、台湾政府と話し合えと要求できないー志位さんは台湾政府を中国共産党の反党分子と見ているから

 先月17日、志位さんが「東アジアの平和構築への提言ーASEANと協力して」と題して講演を行いました。東アジアの平和構築への提言――ASEANと協力して/志位和夫議長の講演 (jcp.or.jp) 

志位さんは軍事に軍事で対抗するのではなく、外交の可能性をとことん追求し、外交による平和構築に徹するべきと力説しています。

それなら志位さんは、台湾政府が外交により中国共産党との戦争を回避し、外交による平和構築に徹する権利を認めようと訴えるべきです。

私は本ブログで繰り返し、このように主張してきました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは台湾政府の存在を認められないー日本共産党の平和理論、世界観では、台湾政府は中国共産党の反党分子。 (blueribbonasiya.blogspot.com) 

繰り返しですが、日本共産党の世界観、平和理論では、台湾政府は中国共産党の反党分子として把握されてしまいます。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは台湾政府を共産主義運動における反党分子のようにみるー台湾は中国の領土だから、中国共産党による台湾政府解体を社会進歩と見る (blueribbonasiya.blogspot.com)

台湾政府が中国共産党員だった時期などありません。中国共産党が台湾を支配した事もありません。

それでも不破さんは、中国共産党と台湾の関係を、日本共産党と日本労働党の関係と同様であると断言しました。

不破さんのこの発言は、不破さんの著書「日本共産党と中国共産党の新しい関係」(平成10年新日本出版社刊行。p. 63)に掲載されています。

不破さんによれば、日本労働党は「日本共産党を打倒せよ」という中国側の号令に基づいて生まれた党です。

日本労働党がそうでだったとしても、台湾政府とは何の関係もありません。台湾政府は、台湾住民の自由に表明された民意に依拠して存在しています。

不破さん、志位さんは、台湾政府がどこかの外国による「中国共産党を打倒せよ」という指令に基づいて存在していると考えているのかもしれません。

清水ただしさんによれば、台湾と中国で武力衝突が起きた時、米国が台湾に味方をすれば国際法上、無法な戦争です。

清水ただし 安保・外交をまじめに語ります (日本共産党 近畿シリーズ動画「近畿から変える ホンキで変える 比例4人が駆ける」2) (youtube.com)

開始後12分30秒くらいで、清水ただしさんは台湾は国ではない、一つの中国ということになっているから、米国が台湾の味方をして人民解放軍と交戦すれば無法な戦争だ、日本は米国に協力してはならないと力説しています。

清水ただしさんは、中国共産党が台湾を武力で制圧し、台湾の住民を大量殺りくする事は国際法上、無法ではないと考えているのでしょうね。

人民解放軍が台湾を攻撃すれば、台湾人だけでなく台湾に住んでいる外国人にも相当な死傷者が出ます。

清水ただしさんは、人民解放軍による台湾在住の米国人、日本人殺害を国際法上は合法と見ているのでしょうか。

それなら、人民解放軍による赤旗記者の射殺について近年の日本共産党が完全に沈黙していることも当然の理論的帰結と言えます。

清水ただしさんは台湾政府、台湾人の自衛権を否定している

清水ただしさんは、中国共産党が台湾攻撃を断行したとき、台湾政府が自衛権の行使として人民解放軍に反撃する事も国際法違反と見ていると考えられます。

清水ただしさんは台湾政府は国ではない、と断言していますから。台湾は中国の領土だから、台湾政府の存在自体が不法行為であると見ているのです。

台湾政府が人民解放軍に反撃する事も不法行為と見ているのでしょう。勿論、中国の国内法に照らせば、台湾政府の存在そのものが国内法違反です。

日本共産党が台湾政府は一刻も早く解散し、台湾人は中国共産党による支配を受け入れるべきだと考えているなら、そのように明言するべきです。

志位さんが中国共産党に、台湾政府と話し合えと要求できないのは、台湾政府は一刻も早く解散し、台湾人は中国共産党による支配を受け入れるべきだと考えているからなのでしょう。

台湾政府が中国共産党の反党分子なら、台湾政府を選挙によって選んでいる台湾人はとんでもない悪辣な行為をしていることになります。

そんな台湾人を、中国共産党が国家安全維持法や反スパイ法によって逮捕する事は、歴史の法則的発展という結論になるのでしょう。

清水ただしさん、人民解放軍による台湾攻撃は社会進歩ですか。台湾人は中国の国内法、国家安全維持法や反スパイ法を遵守するべきですか。










2024年5月12日日曜日

清水ただしさん(日本共産党大阪)も、強力な日米軍事同盟が朝鮮労働党によるミサイル攻撃を抑止していると見ているー山添拓議員も過去に同様の発言ー

 清水ただしさんは、日本共産党大阪の幹部として日本共産党の政策や方針を訴えています。

清水ただしさんのHPに出ているprofileを拝見しますと、清水さんはお若い頃に芸人のお仕事をなさっていました。プロフィール | 清水ただし – 日本共産党 衆議院議員 – 党中央委員 元大阪市会議員 (shimizu-tadashi.jp) 

清水ただしさんの語り口は、お若い頃の姿を思い起こさせます。庶民にわかりやすく政治を語る事を心がけているのでしょうね。

以下でも、清水さんのお人柄がにじみ出ています。清水ただし 安保・外交をまじめに語ります (日本共産党 近畿シリーズ動画「近畿から変える ホンキで変える 比例4人が駆ける」2) (youtube.com) 

清水ただしさんは日米安保の危険性をここでも繰り返し訴えていますが、本音も語っています。

清水ただしさんは本音では、日米軍事同盟の抑止力を認めている

清水ただしさんは上記の開始後18分30秒くらいで北朝鮮による日本へのミサイル攻撃の可能性について、次のように語っています。

「北朝鮮だってそんなことをすれば、日本、アメリカとの全面戦争になる。やはり話し合いで解決する」。

清水ただしさんは本音では、強力な日米軍事同盟が朝鮮労働党による日本へのミサイル攻撃を抑止していると考えているのです。

これは清水ただしさんだけでなく、多くの日本共産党員の本音と考えます。山添拓議員も以前、ロシアが日本を攻撃するというのは、米国を巻き込む事を考えると合理性がないと断言しました。


清水ただしさんは、山添拓議員と同様の見地で上記の発言をしたと考えます。

金正恩が日本にミサイル攻撃をしたら、政府が直ちに日米安保第五条により米軍に出動要請をし、自衛隊が米軍の指揮下に入って金正恩と朝鮮労働党に反撃すると清水ただしさんは見ているのでしょう。

金正恩と朝鮮労働党がそれを知らないはずがないので、金正恩と朝鮮労働党は諸問題を話し合いで解決する、と清水さんは断言しました。

清水ただしさん。それなら強力な日米軍事同盟が日本の平和と民主主義を守っているではないですか。

清水ただしさんの日米安保は危険論は、建前と考えられます。

清水ただしさん。庶民に政治を語る時、本音を隠して建前を訴えるのはおかしくないですか。

強力な日米軍事同盟があるから、金正恩と朝鮮労働党は日本を攻撃できないと日本共産党の皆さんが本音では考えているのなら、清水さんのようにそれを正直に告白するべきではないですか。

日本の平和と民主主義を守るために、日本共産党は自衛隊が敵基地攻撃能力を持ち、集団的自衛権を行使する事に賛成するべきです。


2024年5月5日日曜日

日本共産党幹部の保身行動についてー松竹伸幸さん著「不破哲三氏への手紙」(宝島新書、p. 135)より思う

日本共産党は日本革命を実現し、資本主義的搾取制度を廃止して日本を社会主義、共産主義にすることを目指す政党です。 

しかし日本共産党は与党になれたら、日本有事の際に政府が日米安保第五条により米軍に出動要請する事を認めます。

違憲の自衛隊を合憲と認め、防衛出動を認めます。

要は、日本共産党は与党になれたら、日米軍事同盟により日本の平和と民主主義を守る路線に転換するのです。

志位さんはこれを九年ぐらい前に記者会見で明言しました。

松竹伸幸さんは志位さんの発言を心強く思った

松竹伸幸さんは上記の著書で志位さんのこの発言を、予想外だったが心強く思ったと記しています(同書p. 134)。

日本共産党本部で仕事をしている幹部の中で、志位さんのこの探求を受け止めて発展させようという方がいなかったので、元本部職員だった自分がそれをやるしかないという問題意識から、「シン・日本共産党宣言」(文春新書)を執筆したそうです。

「シン・日本共産党宣言」は日本共産党の基本政策として、核抑止抜きの専守防衛、日米安保を堅持するが米国の核抑止には頼らず、通常兵器による抑止にとどめる事を主張しています(同書p. 118)。

松竹伸幸さんを批判した日本共産党幹部の保身行動

志位さんの探求を無視していた幹部達は、松竹伸幸さんのこの政策提案に対し、激しい批判を浴びせました。

松竹伸幸さんは日本共産党幹部達のこの行動を、大略次のように解釈しています(「不破哲三氏への手紙」p. 135より)。

・彼らの本音は、旧綱領と同じでただただ日米安保廃棄と自衛隊解消だけである。彼らは志位さんの上記提案を、苦々しく思っている。

・志位さんに自分の本音を告げると厄介なので、幹部としての地位保全や給与継続を優先し、本音を隠して日本共産党大会や中央委員会総会では賛成票を投じてきた。

・松竹提案批判が許容されると分かると、幹部達は志位さんの上記の見解を無視し、松竹伸幸さんに鬱憤をぶつけるような感情的な批判を展開した。

幹部達、というとき松竹伸幸さんがどなたを想定しているかはわかりません。

藤田健さん(赤旗編集局次長)は志位さんの日米安保・自衛隊活用論について沈黙

松竹伸幸さんの諸提案を批判した藤田健さんの論考は、松竹伸幸さんの日米安保堅持・核抑止抜きの専守防衛論が志位さんの日米安保・自衛隊活用論とどう違うのかについて一切説明していません。

規約と綱領からの逸脱は明らか/――松竹伸幸氏の一連の言動について/赤旗編集局次長 藤田健 (jcp.or.jp)

日本共産党による松竹伸幸さん批判については、同党京都府委員会が次で一覧にしています。【一覧】松竹伸幸氏の除名処分をめぐる論説 | JCP京都: 日本共産党 京都府委員会 (jcp-kyoto.jp)

この中でどなたが、幹部としての地位保全や給与継続を優先し、本音を隠していると考えられるのかはわかりません。

志位さんは、上記の九年ほど前の自分の提案を内緒にしたいようです。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは、自分の日米安保活用論を内緒にしたいー「日本共産党の百年」(新日本出版社刊行、p300)より思う。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

日本共産党中央の幹部人事決定方式、基準は不明

そもそも、日本共産党の中央幹部人事は誰により、どんな基準で決定されているのでしょうか。

日本共産党中央に、普通の会社の人事部のような部署はなさそうです。組織部、とかいう部署がそれに対応しているのかもしれません。

(追記)日本共産党中央に、「人事局」という部署があるそうです。

幹部会委員長と書記局長、副委員長のどなたかが何らかの基準で幹部の人事配置、人事異動を決めているとしか考えられません。

昔は、宮本顕治さんが幹部の人事配置、異動を決定していたようです。高尚な理想実現を掲げる集団でも、幹部になるためには最高指導者との人脈形成が重要となりそうです。

故萩原遼さんは松竹伸幸さんと同様の結論に達していた

故萩原遼さんは赤旗記者を長く務めた方です。

萩原遼さんは「朝鮮と私 旅のノート」(文春文庫第五章、p. 230。平成12年刊行)で、一人の指導者を長期にトップの座においておくと、ゴマスリの出世主義者や無気力なイエスマンがはびこると指摘しています。

この指摘は、松竹さんが描く幹部像と大差ありません。

また萩原遼さんは、日本共産党の委員長、副委員長、書記局長の三役を党員の公選制で選出する事を提唱していました(同書p. 227)。

党首だけでなく、副委員長と書記局長まで公選制で選出しようというのですから、松竹伸幸さんの提案より大きな改革案と言えます。

どんな組織にもゴマスリの出世主義者、無気力なイエスマン、本音を隠して幹部としての地位保全を最優先する人は存在するのではないでしょうか。

そんな人ばかりが大幹部となり、大きな権限をふるうようになれば、企業なら経営が悪化すでしょう。

日本共産党の最高指導者、幹部には、萩原さん、松竹さんが訴えたような組織改革を受け入れる誘因がない

上場企業なら、業績が悪化すれば株主総会で経営者は株主から批判されます。赤字になれば無配当になるのですから、批判されるのは当然です。

発行された株のうち相当部分を保有する方が経営者なら、赤字になったからといって退陣させることは困難ですが、赤字経営が何年も続けば債権者、銀行から退陣を迫られるでしょう。

非上場企業でも、経営が悪化したら債務を返済できなくなってしまいかねません。中小企業では多くの場合、経営者が債務保証をしています。経営者が責任を取る事になります。

経営者は勿論、これらを熟知しています。普通の感覚を持った経営者なら、赤字経営にならないよう努力しているでしょう。

株式会社制度には、経営者が企業存続のために努力する誘因があると考えられます。

その企業で長く雇用されることを望む労働者なら、経営者から課された業務に励む誘因があると考えられます。

日本共産党の場合、株主がおらず株主総会がないのでどれだけ業績が悪化しても、同じ方が最高指導者を継続する事が可能になります。

日本共産党の最高指導者が債務保証をしているとは考えにくいので、業績悪化の責任を取る必要はありません。

日本共産党の最高指導者、幹部は、党首や三役公選制といった改革を受け入れる誘因などありません。

そんな改革を受け入れようと仲間の前で呟いたら密告され、厄介な事になりかねません。

日本共産党幹部の皆さんは、保身を最優先する行動を継続すると考えられます。

保身策」の一環として、志位さんが九年前に行った上記提案について、幹部の皆さんは沈黙を続けることでしょう。

志位さんがこれを内緒にしたがっていることを、幹部の皆さんは察知していると考えます。