2026年2月14日土曜日

宮本百合子「労働者農民の国家とブルジョア地主の国家―ソヴェト同盟の国家体制と日本の国家体制ー」より思う

 この評論も、青空文庫に出ています。初めは昭和7年12月10日(1932年)に拾銭文庫としてプロレタリア文化連盟から出版されました。

青空文庫では、以下にあります。 

宮本百合子 労働者農民の国家とブルジョア地主の国家 ――ソヴェト同盟の国家体制と日本の国家体制――

 今の日本共産党の皆さんは小林多喜二、宮本百合子を心から尊敬しているようですが、実際に多喜二、百合子の小説や評論を読んでいる方は少数派でしょう。

私が言うのも変ですが、日本共産党員であることに誇りを持っているなら、昔のプロレタリア文学を少しは読むべきではないでしょうか。

昔の日本共産党(国際共産党日本支部)の時代の雰囲気が伝わってきます。

宮本百合子のこの評論を読めば、昔の日本共産党(国際共産党日本支部)の皆さんは世界恐慌の時代のソ連と日本をどのように認識していたかがわかってきます。

宮本百合子はソ連を理想郷と宣伝した

宮本百合子によれば、現在資本主義世界には4千万人に及ぶ失業者がいますが、ソヴェト同盟だけには一人の失業者もいません。

五カ年計画の完成によって全ての勤労者の俸給は、1913年に比べると三倍になりました。

資本主義世界では農業恐慌により、農産物の生産額が減り、農民の生活はますます苦しくなっています。

ソヴェト同盟では、農村の六割は集団農場化され、農業は最新式の機械、トラクターやコンバインによって行われ、集団農場クラブでは無料のラジオを聞き、映画を見物できます。

工場内の作業は電化され、労働時間は平均七時間六分に短縮されました。

十八歳以下の青年労働者は一日六時間労働、十六歳以下の男女労働者は一日四時間の労働です。

ソヴェト同盟では婦人労働者が妊娠すれば出産前後四か月の給料つき休暇が取れ、支度金が月給の半分くらい貰えます。

産院は無料です。各区に幼稚園があり、工場付属の託児所では清潔な医者と保母が子供たちの世話をしてくれます。

ソヴェト同盟は真に労働者・農民が権力を握って支配階級となっているプロレタリア独裁の国家だから、これが可能になっているそうです。

宮本百合子のソ連認識は、ソ連の何らかの文献やソ連にいたときの聞き取りに依拠していると考えられますが、出所は記されていません。

国際共産党日本支部の皆さんは、こんな調子でソ連を盲信していたと考えられます。

宮本百合子は、スターリンのプロレタリア独裁論を称賛した

この評論で宮本百合子はスターリンの主張に依拠し、プロレタリア独裁をプロレタリアの国家機関の基礎となる新しい組織形態であると述べています。

ソヴェト権力は、労働者と貧農が搾取者に対して結合し、勤労者多数が、搾取する少数者を支配する国家だそうです。

宮本百合子はソ連の憲法に依拠し、ソヴェト同盟で選挙権・被選挙権を与えられないものとして、以下の人々をあげています。

(イ)利潤を収得する目的をもって他人を雇用する者。

(ロ)資本の利子、企業または土地の所有などによって生ずる収入のごとく、自己の労働によらざる収入によって生活する者。

(ハ)個人商人・商業仲介人・仲買人。

(二)全ての宗派の僧侶及び説教師。

(ホ)旧警察の官吏及び使用人・憲兵・密偵並びにロシア王朝の一族。

(へ)法律上精神に異状ありと認められたる者、発狂者並びに後見に伏せられたる者。

(ト)破廉恥罪又は金銭上の犯罪のために法律又は裁判所の宣告により一定の期間ソヴェト選挙・被選挙権をはく奪せられし者。

宮本百合子は、搾取者は抑圧されて当然と主張した

宮本百合子が指摘しているようにソ連では、企業経営者、地主、商人、宗教者、貴族の方々は選挙権・被選挙権をはく奪されました。宮本百合子はこれを当然視しています。

上記の人々は全体で、どれくらいの数だったのでしょうか。上記の方々は、原則として全財産を没収されたと考えられます。追放された方も少なくなかったでしょう。

全財産を没収され、追放された方の中には餓死、凍死してしまう方も少なくなかったでしょう。こんなことをされたら、内戦が激化するのは当然です。

勿論憲法にこのように記載されていても、ボリシェヴィキに気に入られて世渡りができた方は、新政権で重用されたかもしれません。

宮本百合子は、ボリシェヴィキに反対する人は弾圧されて当然と見ていました。

宮本百合子は、プロレタリアートの独裁では働く者の自由と権利が確保され、搾取者が当然抑圧されているのだ、と断言しています。

昔の日本共産党(国際共産党日本支部)は内乱を起こして日本をソ連化しようと訴えた

宮本百合子と同様に、昔の日本共産党(国際共産党日本支部)は企業経営者、地主、商人、宗教者、貴族の選挙権・被選挙権をはく奪する社会を目指していたのです。

こんな社会が主権在民などではありえせん。

相当数の国民が搾取者とみなされ、全財産を没収されて選挙権、被選挙権をはく奪されるのですから。

内乱を起こしてこんな社会をつくったら、国民の苦難は激増してしまいます。搾取者は全財産没収ですから、餓死者が続出します。

資本主義的搾取とやらが廃止されると、餓死者が続出するのです。

日本共産党中央の理論委員会、学術・文化委員会に所属している方々なら、宮本百合子のソ連評論を沢山読んでいる事でしょう。

田中悠さん、土井洋彦さん、岩崎明日香さんに、宮本百合子のソ連評論についての御意見をお伺いしたいものです。

0 件のコメント:

コメントを投稿