山崎努・夏目雅子の「ザ・商社」を覚えていますか
いろいろ忙しくて、暫く更新できませんでした。このブログは、披拉致日本人救出を掲げていますが、私の個人ブログですので、私が何となく日々感じたことや思い出したことを書き留めていきたいと思います。お付き合い下されば幸いです。
30年くらい前ですが、NHKで「ザ・商社」というドラマが放映されました。主演は山崎努・夏目雅子です。原作は松本清張「空の城」(文春文庫)で、安宅産業という、大阪の総合商社の倒産劇を題材にしたものでした。安宅産業の倒産は昭和51年くらいだったと思います。ドラマでは江坂産業という名前になっていました。江坂産業の倒産理由は、社主による骨董品収集が会社の負担になったことと、ニューファンドランドで製油所を作ろうとして、レバノン商人に騙された、ということになっていました。レバノン商人は、サッシンという足の悪い人ということになっていました。
私は大学1年生か、2年生だったと思いますが、このドラマで山崎努が英語を用いてレバノン商人といろいろ取引をするシーンを見て、よし、自分も国際的に活躍するビジネスマンになるぞ、などと思い、英語の勉強を多少やりました。結局、ビジネスマンにはなりませんでしたけれど、英語の勉強は多少できました。会話は今でも決してうまくないですけれどね(笑)。山崎努がレバノン商人に発する次の台詞が何となく印象に残っています。
What condition?
このドラマの主演女優故夏目雅子は、熱演していました。貧しいながらも、ニューヨークに出て勉強し、有名になろうとするピアニストの役でした。このピアニストは、江坂産業社主の愛人になり、ニューヨークへピアノの勉強に行きます。そこで山崎努演じる商社マンと出会います。故夏目雅子の代表作の一つでしょうね。
故夏目雅子とえいば、「鬼龍院花子の生涯」を代表作として挙げる人が多いかもしれませんが、私はこちらのほうが印象に残っています。
山崎努演じる日系2世商社マンは、傾きかけた江坂産業を立て直す起死回生の一手として、ニューファンドランドでの製油所をレバノン商人とやろうとしますが、結局騙されてしまいます。Come by chanceという名前の製油所でした。江坂産業はタンカーを持っているから、製油所でできた石油を運ぶことができる、当面の運転資金をレバノン商人に貸し付けることもできるという設定です。
Come by chanceはカナダの州が保有する企業(Crown company)であり、当面は多少の赤字が出ても最後はカナダ政府が保証するから大丈夫だと安宅側は信じていたのですが、どういうわけか途中から、州の所有でなくなってしまうのです。売却されてしまったということだったような気がします。結局レバノン商人らに江坂産業は騙されてしまったのです。
これらの話にはフィクションも相当あるのでしょうけれど、安宅産業の社主が陶磁器を相当収集していたのは本当です。倒産後、それらは安宅産業に金を貸していた住友銀行が所有することになるのですが、住友銀行は陶磁器を大阪市に寄贈しました。
これらの話にはフィクションも相当あるのでしょうけれど、安宅産業の社主が陶磁器を相当収集していたのは本当です。倒産後、それらは安宅産業に金を貸していた住友銀行が所有することになるのですが、住友銀行は陶磁器を大阪市に寄贈しました。
中之島にある大阪市立東洋陶磁美術館に、この陶磁器は保存されているはずです。安宅産業の安宅英一が収集したもので、安宅コレクションと命名されています。私には陶磁器の鑑賞眼などないですけれど、相当なものなのだろうなと思います。
数年前に亡くなった叔父は、陶磁器が大好きな方でした。あの叔父さんなら、安宅コレクションの価値が存分にわかるのだろうな、と思います。
「ザ・商社」で江坂産業社主を演じた人の迫力はすごかったですよ。台詞の言い回し、語調から穏やかな人柄、教養と気品を感じました。表情の研究もすごくされている方だと思いました。
江坂産業が資金繰りで最終的にどうしようもなくなり、銀行にすべてを任せるしかなくなったとき、社主は「銀行に全てをお任せします」と深々と頭を下げます。そのあと、社主はぞっとするような笑みを浮かべます。ピアニストを志しており、会社経営などやりたくなかった社主は、父親に強制されて江坂産業を継承しました。
自分の人生を捻じ曲げた父親に対する恨みから、社主は陶磁器を収集していたのです。父親に対する復讐の成就、という意味の笑みだったのです。この笑いはすごい!
最近わかったのですが、この方は片岡仁左衛門という人間国宝だったのですね。この方のお子さんが、大河ドラマ「太平記」で後醍醐天皇を演じた方らしいですよ。歌舞伎も、日本の伝統芸術の一つですね。歌舞伎役者は、表情と発声の練習を子供のころからやるのでしょうね。
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