You, 貴方らしくないわ、しくじったぐらいで...
森川由加里のShow meを、皆さんは覚えていますか。歌の出だしはこんな感じでしたね。明石家さんまと大竹しのぶ主演の番組、「男女7人秋物語」の主題歌ですね。
この番組の冒頭で主題歌が流れていましたが、登場人物がこの歌のメロディーにのってそれぞれの雰囲気を醸し出しながら歩いていくシーンがとても好きでした。颯爽と歩く女優、楽しそうにほがらかに歩く女優もいれば、どこか重いものを心に抱えたように歩いて行くのは片岡鶴太郎でしたね。
手塚理美、岩崎宏美ともう一人、背丈の高い女優がいたと思うのですけれど、名前を思い出せません。
Show meの歌詞で描かれている女性は、姉御肌の江戸っ子女性という感じですよね。この女性の雰囲気が、歌詞だけでなく歌のリズムと、森川由加里のダンスに良く表現されているような気がします。森川由加里がかぶっていた帽子も、何だかとても良かったですね。
今にして思うと、片岡鶴太郎は「男女7人夏物語」「男女7人秋物語」で、演技の勉強を随分したのではないでしょうか。この何年後になるのか、忘れてしまいましたが、NHK大河ドラマ「太平記」で、片岡鶴太郎は北条高時を演じました。
片岡鶴太郎の「北条高時」
北条高時と言えば、愚かな人物のように言われることが多かったのですけれど、このドラマでは必ずしもそれだけとしては描かれていませんでしたね。
「太平記」の第一回だったと思うのですが、北条高時が家来に命じて、足利尊氏に犬をけしかけさせて大笑いするシーンがありました。この笑い方を、片岡鶴太郎はかなり研究したと思います。実に印象に残る笑い方でした。
鎌倉幕府は、新田義貞率いる軍勢との戦いに負けて滅びていきます。北条一族は、鎌倉にお寺に集まり、全員自決していくのです。確か、数百人という規模の自決だったと思います。
北条高時も自決するのですが、このシーンも圧巻でしたね。刀を自分の腹に刺し、苦しみながら北条高時は次のように言いました。
「母上に伝えてくれ。高時、こうしましたとな...」
私はこの台詞を聞いて、本当に北条高時がこのように最期に言ったのではないかというような気さえしました。自決した北条一族無念の思いが、短い台詞と僅かな映像に出ていました。
北条氏の霊魂が、片岡鶴太郎を通して何かを伝えようとしているのではないか、という感じさせしました。
人生って、気づかないうちにあることが大きな転機になりえるのですね。片岡鶴太郎にとって、「男女...」は役者への道を開くものでした。森川由加里もこの歌で一躍有名になったのではないでしょうか。
勿論、転機を生かせるかどうかは、その人のそれまでの努力に依存するのでしょうね。普段から自分の精神と身体をうまく制御して、転機を生かすようにしなければいけないのでしょうね。成功した人はそれができた人々なのかもしれませんね。
片岡鶴太郎は、多分この少し後だったと思いますが、「異人たちとの夏」という映画にも出ました。この映画も素晴らしかったですね。これについてはまた語りたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿