2023年6月25日日曜日

志位さん批判は日本共産党への攻撃であるー志位さんは宮本顕治さんの「科学的社会主義の不滅の党として」(平成三年新日本出版社刊行)に依拠

 第八回中央委員会に対する、志位さんの幹部会報告は以下です。第8回中央委員会総会/志位委員長の幹部会報告 (jcp.or.jp) 

これはyoutubeでも発信されています。(60) 第8回中央委員会総会 - YouTube 

志位さんによれば、志位さんが長く日本共産党幹部会委員長を務めている事を批判する事は日本共産党そのものに対する攻撃です。

この類の話は、東欧社会主義が崩壊した三十三年ぐらい前にもありました。

宮本顕治さんが長すぎるから辞めろ、という意見が各方面から出たのです。井上ひさしさんもそんな意見を出しました。

この要求に対する宮本顕治さんの反論の演説や、日本共産党第十九回大会(平成二年八月九日)での宮本さんの冒頭発言は上記の本に掲載されています。

日本共産党は社会発展の促進体-日本共産党を批判する人は社会発展を妨害

宮本顕治さんによれば、日本共産党は社会発展の促進体です(平成二年五月二十三日。日本共産党第九回中央委員会総会での閉会挨拶)。

社会には発展の法則があり、日本共産党はその法則に従って社会発展を促進してきたそうです。

この見地から敷衍すれば、社会発展の促進体の指導者である宮本顕治さんや志位さんの党首在任期間が長いと批判するなど、最悪の行為です。

日本共産党を批判する方は社会発展を妨害していることになります。日本共産党を除名された方は社会発展の妨害者になったと解釈されますから、反党分子と呼ばれます。

除名された松竹伸幸さんは以下のように、日本共産党の攻撃・かく乱者とみなされています。党攻撃とかく乱の宣言/――松竹伸幸氏の言動について/書記局次長 土井洋彦 (jcp.or.jp)

志位さんは松竹さんが攻撃・かく乱者であるという見方を日本共産党員と支援者間に普及し、松竹伸幸さんのあらゆる主張を否定する風潮をつくりたいのでしょうね。

五十代後半より年長の日本共産党員には、志位さんの報告から宮本顕治さんの演説や冒頭発言を思いだした方は少なくないでしょう。

志位さんへの批判は日本共産党への攻撃だ、という話は、宮本顕治さんが唱えた日本共産党=社会発展の促進体論に依拠していると考えられます。

朝鮮労働党は全国民に首領への絶対的な忠誠を強制しているー日本のチュチェ思想化を策す

同様に、朝鮮労働党、在日本朝鮮人総連合会の皆さんも首領への批判を最悪の行為とみなします。

北朝鮮では、首領の写真が掲載されている労働新聞の紙面を破ったら首領冒涜罪とみなされ、政治犯収容所に連行されうるのです。

在日本朝鮮人総連合会では、朝鮮労働党を批判する方を民族反逆者と呼びます。朝鮮労働党は、首領を絶世の偉人と把握しています。

朝鮮労働党は首領に対する絶対性、無条件性の忠誠心を抱き、首領と朝鮮労働党の指令を全て実行する人をチュチェ型の革命家とみなします。

朝鮮労働党は、日本のチュチェ思想化を策しています。

朝鮮労働党の在日非公開組織に入っている方々は、日本人と日本国家が金正恩と朝鮮労働党の指令に従うようにするべく、あらゆる工作活動を連日行っています。

日本共産党の社会発展促進体論と、朝鮮労働党のチュチェ型革命家論は大同小異と思えてなりません。

五十代後半以上の日本共産党員は、厄介事を避けて保身を重視している

志位さんは、若い日本共産党員には宮本顕治さんの上記の著作を読んでもらいたくないでしょうね。今の日本共産党には、都合の悪い記述が多々ありますから。

自分が依拠している本を若い日本共産党員には読んでもらいたくない、とは随分変な話ですが、宮本顕治さんの昔の論文や当時の大会決定には都合の悪い記述がいくらでもあります。

この件、五十代後半以上の日本共産党員なら気づきそうなものです。皆さん、厄介だから黙っているのでしょうか。





2023年6月11日日曜日

若い日本共産党員は故上田耕一郎さんの論文を読みましょうー「続 核問題と日本共産党の立場」(昭和48年8月刊行)掲載論考ー

 私見では山添拓議員、吉良よし子議員、たつみコータローさんら若い日本共産党員は、宮本顕治さんが党首だった時期の日本共産党の論考を殆ど読んでいません。

日本共産党中央委員会出版局は昭和48年8月頃の「赤旗」に掲載されたいくつかの論考を上記の冊子にしています。

志位さんが依拠している日本共産党の「平和理論」は、この時期のそれと大差ありませんが、表現が多少異なります。

不破さん、志位さんは山添拓議員ら若い日本共産党員の皆さんに、昔の日本共産党の理論と政策を知られると厄介と考えているのでしょうね。

日本共産党は、米ソ両国と核軍拡の同列の責任者と見る事に反対

上田耕一郎さんの「核実験問題と日本共産党の態度」と題した講演の論考がこの冊子に掲載されています。

上田さんは米帝国主義が社会主義陣営を直接の攻撃目標とした核戦争準備、核脅迫政策を取っているので、社会主義国(ソ連と中国)は防衛上の措置として核兵器を保有、開発していると断言しています。

上田さんによれば、日本共産党は米ソ両国を核軍拡の同列の責任者と見る事に反対です。

日本共産党は核軍拡の機動力であり、核兵器禁止に反対する米帝国主義と、よぎなく防衛上の核開発をおこないつつ核兵器禁止を主張しているソ連と中国を区別してきました。

この見地は、上田さんの著作「マルクス主義と平和運動」(昭和40年大月書店刊行)と同じです。

この論考で上田耕一郎さんは、ソ連と中国の核政策を全て無条件に、防衛上よぎなくされたものとみる事は困難と弁解しています。

それでも上田耕一郎さんは、米帝国主義の侵略をうけ、核兵器による脅迫に直面している国が、よぎなく核兵器を持つ権利を主張する場合が理論的にはありうると主張しています。


志位さんは上田耕一郎さんの見地を継承しているー日本共産党員を思考停止状態にするために

私見では志位さんも、上田耕一郎さんのこの見地のように米国、日本と中朝露の関係を把握しています。

志位さんの心中では、中朝露は米帝国主義の侵略をうけ、核兵器により脅迫されているのですから、よぎなく核兵器を持つ権利を主張しているだけです。

志位さんの心中では、核軍拡の機動力は米帝国主義と日本政府です。そこで中朝露を核軍拡の責任者と見る事に志位さんは断固反対していると考えられます。

中朝露の核軍事力、日本を攻撃、支配する意思と能力があるか否かという件について、日本共産党員の中で思考と議論が広がれば、日本共産党の平和理論に対する疑問が広がってしまいます。

日本は核兵器など保有していないのですから、日本政府が核軍拡に責任があるという主張は変なのですが、日本共産党員にはそんな思考と議論はできません。

核兵器禁止条約だ、と繰り返し呟けばそれで万事良し、という調子で思考が止まっている方が多いと考えます。

中朝露は日本共産党員、左翼運動家の思考停止状態を維持するため、様々な浸透工作を実施していると考えます。

中国共産党とロシア、朝鮮労働党には、日本の言論界と社会運動への工作を担当する部署があると考えられます。

中国共産党なら、対外連絡部という部署の皆さんがそれを担当していそうです。朝鮮労働党にも、対外連絡部という工作担当部署があります。

同じ名称というのは奇妙ですが、元はソ連共産党の工作担当部署の名称が中国語に翻訳されたのでしょうね。

日本共産党員、左翼運動家は保身を重視する

私見では日本共産党員と左翼運動家は、中朝露の核軍事力及び中朝露が日本を攻撃、支配する意思と能力があるか否かについて、思考と議論を嫌います。

この件について思考と議論をすれば、厄介な事になり自分にとって不利になるという政治判断があると考えられます。

日本共産党員と左翼運動家は、保身を重視する生き方を選択していると考えられます。




2023年6月7日水曜日

若い日本共産党員、民青同盟の皆さんは宮本顕治さんの論文や日本共産党第八回大会決定を読みましょうー日本共産党の昔の文献を読まないで、日本共産党の歴史を語れますか。

 上念さんのyoutubeで、対談をさせていただきました。下記です。

またか!日本共産党が南あわじ市議を除籍。「共産党の黒ペン先生」こと、大阪経済大学の黒坂真先生に詳しい話を聞いてきた!|上念司チャンネル ニュースの虎側 - YouTube 

生意気ですが、何事も地道に努力する事が大事と考えます。

若い日本共産党員、民青同盟の皆さんの中で、宮本顕治さんの論考を読んでいる方は稀でしょう。

山添拓議員、吉良よし子議員、たつみコータローさんも、宮本顕治さんの「日本革命の展望」を読んでいない可能性があります。

宮本顕治さんの日本革命理論を無視して、日本共産党の歴史を語れますか。

志位さんは第八回大会での宮本顕治さんの報告を内緒にしたいでしょうから。志位さんは、ソ連が世界平和の砦だ、と日本共産党が宣伝してきた史実を隠蔽したいと考えます。

志位さん、いかがですか。


2023年6月2日金曜日

続・松竹伸幸さんのブログ「共産党綱領と朝鮮戦争」より思うー昔の日本共産党は朝鮮労働党の南朝鮮革命路線を強く支持していたー

 松竹伸幸さんが「共産党綱領と朝鮮戦争」と題したブログの7で、日本共産党が長年、朝鮮戦争は内戦だったが米国が介入することにより本格的な戦争になったと把握し、金日成と朝鮮労働党を支持する側にいたことを批判しています。

以下です。

共産党綱領と朝鮮戦争・7 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp) 

松竹伸幸さんは百も承知かと思いますが「日本共産党の七十年」には、そういう記述があります。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 昔の日本共産党は大韓民国滅亡論者だったー田村智子副委員長は「日本共産党の七十年」、朝鮮労働党との共同声明を読みましたか (blueribbonasiya.blogspot.com) 

日本共産党は日朝両党声明で、金日成と朝鮮労働党による大韓民国滅亡論を支持した

松竹伸幸さんがなぜ、日本共産党と朝鮮労働党の共同声明について言及しないのかはわかりません。

日本共産党が朝鮮戦争を上記のように把握してきた世界観的背景の一つは、朝鮮半島は金日成と朝鮮労働党により統一されるべきであり、大韓民国政府、朴正熙政権は米国の傀儡政権であるという認識です。

簡単に言えば、日本共産党は大韓民国滅亡論者だったのです。

日朝両党声明の見地では李承晩政権、朴正熙政権と大韓民国は金日成と朝鮮労働党により粉砕されてしかるべき存在です。

この見方から日本共産党は、米国が大韓民国を守るべく朝鮮戦争に参戦したことを干渉と見てきたと考えます。

宮本顕治さんは、昭和43年8月の両党会談で朴正熙大統領へのテロを批判していない

昭和43年8月の日朝両党会談で宮本顕治さんは金日成に、南侵は支持できないと指摘したでしょうが、武装工作員を派遣して朴正熙大統領を殺害するべきでない、という話はしていません。

私見では宮本顕治さんら当時の日本共産党員は、昭和36年7月の第八回大会で宮本顕治さんが定式化した「敵の出方論」の見地から、朝鮮労働党と韓国左翼による武装闘争、テロを進歩的行為と把握していました。

朝鮮労働党は昔から、テロや「反革命分子」の殺害を革命運動の重要な手段としてきました。

朝鮮戦争休戦の少し後に、南朝鮮労働党の大幹部だった朴憲ニョンは処刑されたようです。処刑の正確な日時は不明です。

北朝鮮社会では政治犯への裁判などないようなものです。金日成、金正日、金正恩が処刑指令を出せば実行されるだけですから。

金日成と朝鮮労働党から見れば、朴正熙大統領は朝鮮労働党に対抗する強力な反革命分子ですから、朴憲ニョンと同様に処分されるべき存在です。

「敵の出方論」の見地なら、朴正熙大統領と大韓民国政府への武装闘争が正当化できる

宮本顕治さんは「敵の出方論」の見地で、革命の平和的移行唯一論に固執した春日庄次郎さんは社会民主主義に転落したと断言しました(第八回大会報告)。

反動勢力との闘いの状況によっては、武装闘争をせねばならない場合もあると宮本顕治さんは確信していたのです。

私見では、朝鮮の同志は武装闘争により反動勢力を駆逐する戦いを行っている、という調子で昔の日本共産党最高幹部は青瓦台事件(昭和43年1月)を把握していました。

昭和43年8月の両党会談以降も、日本共産党は朝鮮労働党を「朝鮮の党」「同志」とみなしていました。

日本共産党は朝鮮労働党の革命路線を長年支持し、朴正熙大統領へのテロも「赤旗」紙面では支持していたのですから、「日本共産党は朝鮮労働党に早くから厳しい見方をしてきた」などとは言えないと考えます。

松竹伸幸さんは日朝両党の大韓民国滅亡論をどうお考えですか

松竹伸幸さん。朝鮮労働党を語るのなら、朝鮮労働党の革命理論を語る事が大事ではないですか。

松竹伸幸さんの北朝鮮論には、金日成と朝鮮労働党の革命理論に対する分析が殆どありません。

簡単に言えば、日朝両党が信じてきた大韓民国滅亡論への評価がないのです。

日本共産党の綱領路線、日本革命理論を無視して、個別の政策で日本共産党を語っても全体像を把握できないことと同じです。

いかがでしょうか。