松竹伸幸さんが「共産党綱領と朝鮮戦争」と題したブログの7で、日本共産党が長年、朝鮮戦争は内戦だったが米国が介入することにより本格的な戦争になったと把握し、金日成と朝鮮労働党を支持する側にいたことを批判しています。
以下です。
共産党綱領と朝鮮戦争・7 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp)
松竹伸幸さんは百も承知かと思いますが「日本共産党の七十年」には、そういう記述があります。
日本共産党は日朝両党声明で、金日成と朝鮮労働党による大韓民国滅亡論を支持した
松竹伸幸さんがなぜ、日本共産党と朝鮮労働党の共同声明について言及しないのかはわかりません。
日本共産党が朝鮮戦争を上記のように把握してきた世界観的背景の一つは、朝鮮半島は金日成と朝鮮労働党により統一されるべきであり、大韓民国政府、朴正熙政権は米国の傀儡政権であるという認識です。
簡単に言えば、日本共産党は大韓民国滅亡論者だったのです。
日朝両党声明の見地では李承晩政権、朴正熙政権と大韓民国は金日成と朝鮮労働党により粉砕されてしかるべき存在です。
この見方から日本共産党は、米国が大韓民国を守るべく朝鮮戦争に参戦したことを干渉と見てきたと考えます。
宮本顕治さんは、昭和43年8月の両党会談で朴正熙大統領へのテロを批判していない
昭和43年8月の日朝両党会談で宮本顕治さんは金日成に、南侵は支持できないと指摘したでしょうが、武装工作員を派遣して朴正熙大統領を殺害するべきでない、という話はしていません。
私見では宮本顕治さんら当時の日本共産党員は、昭和36年7月の第八回大会で宮本顕治さんが定式化した「敵の出方論」の見地から、朝鮮労働党と韓国左翼による武装闘争、テロを進歩的行為と把握していました。
朝鮮労働党は昔から、テロや「反革命分子」の殺害を革命運動の重要な手段としてきました。
朝鮮戦争休戦の少し後に、南朝鮮労働党の大幹部だった朴憲ニョンは処刑されたようです。処刑の正確な日時は不明です。
北朝鮮社会では政治犯への裁判などないようなものです。金日成、金正日、金正恩が処刑指令を出せば実行されるだけですから。
金日成と朝鮮労働党から見れば、朴正熙大統領は朝鮮労働党に対抗する強力な反革命分子ですから、朴憲ニョンと同様に処分されるべき存在です。
「敵の出方論」の見地なら、朴正熙大統領と大韓民国政府への武装闘争が正当化できる
宮本顕治さんは「敵の出方論」の見地で、革命の平和的移行唯一論に固執した春日庄次郎さんは社会民主主義に転落したと断言しました(第八回大会報告)。
反動勢力との闘いの状況によっては、武装闘争をせねばならない場合もあると宮本顕治さんは確信していたのです。
私見では、朝鮮の同志は武装闘争により反動勢力を駆逐する戦いを行っている、という調子で昔の日本共産党最高幹部は青瓦台事件(昭和43年1月)を把握していました。
昭和43年8月の両党会談以降も、日本共産党は朝鮮労働党を「朝鮮の党」「同志」とみなしていました。
日本共産党は朝鮮労働党の革命路線を長年支持し、朴正熙大統領へのテロも「赤旗」紙面では支持していたのですから、「日本共産党は朝鮮労働党に早くから厳しい見方をしてきた」などとは言えないと考えます。
松竹伸幸さんは日朝両党の大韓民国滅亡論をどうお考えですか
松竹伸幸さん。朝鮮労働党を語るのなら、朝鮮労働党の革命理論を語る事が大事ではないですか。
松竹伸幸さんの北朝鮮論には、金日成と朝鮮労働党の革命理論に対する分析が殆どありません。
簡単に言えば、日朝両党が信じてきた大韓民国滅亡論への評価がないのです。
日本共産党の綱領路線、日本革命理論を無視して、個別の政策で日本共産党を語っても全体像を把握できないことと同じです。
いかがでしょうか。
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