2023年6月11日日曜日

若い日本共産党員は故上田耕一郎さんの論文を読みましょうー「続 核問題と日本共産党の立場」(昭和48年8月刊行)掲載論考ー

 私見では山添拓議員、吉良よし子議員、たつみコータローさんら若い日本共産党員は、宮本顕治さんが党首だった時期の日本共産党の論考を殆ど読んでいません。

日本共産党中央委員会出版局は昭和48年8月頃の「赤旗」に掲載されたいくつかの論考を上記の冊子にしています。

志位さんが依拠している日本共産党の「平和理論」は、この時期のそれと大差ありませんが、表現が多少異なります。

不破さん、志位さんは山添拓議員ら若い日本共産党員の皆さんに、昔の日本共産党の理論と政策を知られると厄介と考えているのでしょうね。

日本共産党は、米ソ両国と核軍拡の同列の責任者と見る事に反対

上田耕一郎さんの「核実験問題と日本共産党の態度」と題した講演の論考がこの冊子に掲載されています。

上田さんは米帝国主義が社会主義陣営を直接の攻撃目標とした核戦争準備、核脅迫政策を取っているので、社会主義国(ソ連と中国)は防衛上の措置として核兵器を保有、開発していると断言しています。

上田さんによれば、日本共産党は米ソ両国を核軍拡の同列の責任者と見る事に反対です。

日本共産党は核軍拡の機動力であり、核兵器禁止に反対する米帝国主義と、よぎなく防衛上の核開発をおこないつつ核兵器禁止を主張しているソ連と中国を区別してきました。

この見地は、上田さんの著作「マルクス主義と平和運動」(昭和40年大月書店刊行)と同じです。

この論考で上田耕一郎さんは、ソ連と中国の核政策を全て無条件に、防衛上よぎなくされたものとみる事は困難と弁解しています。

それでも上田耕一郎さんは、米帝国主義の侵略をうけ、核兵器による脅迫に直面している国が、よぎなく核兵器を持つ権利を主張する場合が理論的にはありうると主張しています。


志位さんは上田耕一郎さんの見地を継承しているー日本共産党員を思考停止状態にするために

私見では志位さんも、上田耕一郎さんのこの見地のように米国、日本と中朝露の関係を把握しています。

志位さんの心中では、中朝露は米帝国主義の侵略をうけ、核兵器により脅迫されているのですから、よぎなく核兵器を持つ権利を主張しているだけです。

志位さんの心中では、核軍拡の機動力は米帝国主義と日本政府です。そこで中朝露を核軍拡の責任者と見る事に志位さんは断固反対していると考えられます。

中朝露の核軍事力、日本を攻撃、支配する意思と能力があるか否かという件について、日本共産党員の中で思考と議論が広がれば、日本共産党の平和理論に対する疑問が広がってしまいます。

日本は核兵器など保有していないのですから、日本政府が核軍拡に責任があるという主張は変なのですが、日本共産党員にはそんな思考と議論はできません。

核兵器禁止条約だ、と繰り返し呟けばそれで万事良し、という調子で思考が止まっている方が多いと考えます。

中朝露は日本共産党員、左翼運動家の思考停止状態を維持するため、様々な浸透工作を実施していると考えます。

中国共産党とロシア、朝鮮労働党には、日本の言論界と社会運動への工作を担当する部署があると考えられます。

中国共産党なら、対外連絡部という部署の皆さんがそれを担当していそうです。朝鮮労働党にも、対外連絡部という工作担当部署があります。

同じ名称というのは奇妙ですが、元はソ連共産党の工作担当部署の名称が中国語に翻訳されたのでしょうね。

日本共産党員、左翼運動家は保身を重視する

私見では日本共産党員と左翼運動家は、中朝露の核軍事力及び中朝露が日本を攻撃、支配する意思と能力があるか否かについて、思考と議論を嫌います。

この件について思考と議論をすれば、厄介な事になり自分にとって不利になるという政治判断があると考えられます。

日本共産党員と左翼運動家は、保身を重視する生き方を選択していると考えられます。




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