篤志家からの寄付金1000万円の使途について、佐藤氏は「誤解を招いたことは申し訳ない。しかし、私が着服したという事実はない...」
2004年7月18日に開かれた「救う会」の全国幹事会で佐藤勝巳会長はこう弁明した(「週刊新潮」記事)、とあります。
もう9年も前のことです。私も当時は「救う会」の役員でしたから、多少は経緯を承知しています。
最近「統一日報」に掲載されている佐藤勝己氏の論考「拉致問題との関わり」を読み、思うところありまして、この記事を古いファイルから引っ張り出しました。
誰しも、ある知人の言動で数年前はよくわからなかったこと、見えなかったことが、その後のその知人の言動を観察する中で次のように「理解」できてくる経験はあるものではないでしょうか。
「なるほど、実はそういうことだったのか。やっぱりな」
さらに、次のような気持ちを抱いた経験はないでしょうか。
「こんな行為を正面から擁護した人は、一体どんな気持ちだったのだろう」
「後ろめたい思いはなかったのかな。とにもかくにも、師匠には逆らえないということか」
「師弟関係とは、一体何なんだ」
佐藤勝己氏の「統一日報」掲載論考「拉致問題との関わり」は、私には横田滋氏や西岡力氏、島田洋一氏、増元照明氏らに対するとんでもない誹謗中傷の繰り返しとしか思えません。
この件については、改めて論じるとして、以下「週刊新潮」(2004年7月29日記事)から抜粋して論じます。
7月11日、身内による特別監査が行われ、情報提供者が970万円を受け取ったことを認めた。領収書もあり、佐藤氏が個人的に流用したとは認められないという結論。
拉致情報の収集に970万円使用したという説明です。情報提供者の身元は、危険に晒されるということで明かせないとあります。
記事は「これじゃ、灰色決着と言われるのも当然だろう」と述べます。
兵本達吉氏(当時は「救う会」全国協議会の幹事)は、記事で次のように述べています。
情報提供者とは韓国に亡命した北朝鮮の元工作員(兵本達吉氏による)
「私(注、兵本達吉氏)は今回の監査結果に全く納得していません。私が監査人から聞いた話では、情報提供者とは韓国に亡命した北朝鮮の元工作員です。
970万円は、500万円、170万円、300万円の3回に分けて支払われたそうです。しかし、1人の元工作員にそんな大金が渡っているとは信じられません」
「500万円の一部は、元工作員がソウルに所有しているマンションのローンの返済に充てられたそうです。
生活費も出していたとのことですが、いくら何でもやりすぎ。やっぱり、佐藤氏らが辻褄合わせをしたのではないか」(兵本達吉氏)
兵本氏は佐藤氏の主張を全面否定していました。「佐藤氏らが辻褄合わせ」という部分に注目してください。
佐藤氏御一人による辻褄合わせではないと兵本氏は断言していたのです。
そこで、この元工作員に質したところ、次の答えだったそうです。質したのは恐らく、「週刊新潮」でしょう。
「(お金は)全く受け取っていません。マンションも持っていない」
元工作員は上のように語り、怒り心頭だ、と記事にあります。「肝心の佐藤氏は『取材は受けられない』と逃げるばかり」と記事にあります。
兵本氏は記事でさらに次のように語っています。
「佐藤さんは、自分にやましいところがなければ、私を名誉毀損や誣告罪で訴えればいい。そうすれば、警察も捜査しやすくなる。
真相究明のために、最期まで諦めませんよ」
この記事が掲載されてから、9年4ヶ月もの歳月が流れました。私は佐藤勝己氏が兵本達吉氏を名誉毀損や誣告罪で訴えたという話を寡聞にして知りません。
佐藤勝己氏と「統一日報」編集部への要望-1000万円問題に関連して-
なぜ佐藤勝己氏は兵本達吉氏を訴えなかったのでしょうか。
佐藤勝己氏の「統一日報」掲載論考「拉致問題との関わり」ではこの1000万円問題について、現時点まで一切言及がありません。
今後も「統一日報」で佐藤勝己氏の論考が掲載されるなら是非、兵本達吉氏を名誉毀損や誣告罪で訴えなかった理由を説明していただきたく思っています。
「統一日報」編集部からも佐藤勝己氏にそのように促して頂ければと存じます。