全党と全社会を偉大な金日成同志の革命思想で一色化する北朝鮮
以下は、平成13年にホームページに掲載していた文章からの抜粋です。北朝鮮が断行してきた蛮行の歴史を考えれば、北朝鮮はテロを国策として行うテロ国家です。
日本人や韓国人の拉致、民間航空機の爆破などのテロを断行するのは朝鮮労働党作戦部などに所属する工作員です。
北朝鮮工作員は金日成、金正日の指令があればどんな残虐行為でも断行するという、革命思想に染まっています。
朝鮮労働党の革命思想を表現する典型的な文書が、下記の「党の唯一思想体系確立の十大原則」です。
在日本朝鮮人総連合会の皆さんなら、この文書をよくご存知です。朝鮮学校の課外活動のような場で暗記させられた方がいるはずです。
以下で私は、「北朝鮮ではこの文書がほぼ全国民に徹底されている」旨述べていますが、この認識が間違いであることがその後わかりました。
北朝鮮の政治犯収容所(管理所といいます)は、そこで囚人労働を何年か行い、「革命化された」と国家安全保衛部に認定されれば一般社会に出られる「革命化区域」と、囚人労働を生涯行うだけで外に出られる可能性のない「完全統制区域」に区分されています。
「完全統制区域」に連行された政治犯は、一般社会に出られないのですから「革命化」されせん。
「完全統制区域」で生まれた政治犯の子供たちは生涯囚人労働をするだけですから、「革命化」する必要はありません。
従って「完全統制区域」で生まれた政治犯の子供は、下記の「党の唯一思想体系確立の十大原則」を知りません。
これは「完全統制区域」から脱出し、中国から韓国に逃げてきた申ドンヒョク氏からもたらされた情報です。申氏は「十大原則」を知りませんでした。
北朝鮮の「政治犯」の数は、およそ二十万人と言われていますが、詳細はよくわかっていません。これらの情報は、北朝鮮から逃げてきた脱北者たちによりもたらされたものです。
近年では、政治犯収容所の統廃合が進み、「革命化区域」はなくなり、「完全統制区域」だけになったそうです。
こんな話をしても、北朝鮮と無関係に暮らしをしている日本人には何のことだか、丸っきりわからないですね。普通の韓国人にも、理解不能でしょう。
しかし、北朝鮮に拉致された日本人が万一、政治犯収容所に連行されているようなことがあれば、普通の日本人も無関係ではないはずです。
北朝鮮に在日朝鮮人の夫と渡っていった日本人妻とその家族の中には、政治犯収容所に連行されてしまった人も少なくないことを、もっと多くの方に知っていただきたいものです。
現在でも金正恩の指令があれば、北朝鮮工作員はとんでもないテロを断行しうるということを、重ねて訴えます。
「党の唯一思想体系確立の十大原則」と金正日によるテロ指令
「党の唯一思想体系確立の十大原則」とは、1974年2月の朝鮮労働党第八回中央委員会で採択されたと言われている。
この文書は朝鮮労働党の本質を如実に示すもので、私の理解では、北朝鮮ではこの文書は何らかの形でほぼ全国民に徹底されている。
私がいままで会った北朝鮮からの亡命者の中で、「十大原則」を知らなかった人はいない。
強制収容所の中にある「学校」でこれを「学習」した人すらいた。
日本共産党が出版していた雑誌「世界政治ー論評と資料」(1988年4月上旬号 762 p28~33)に「党の唯一思想体系確立の十大原則」の全訳が掲載されているので以下、抜粋して紹介しよう。
「われわれは偉大な首領金日成同志が指導される栄光の時代、金日成時代に生き、たたかっている。人類が生んだ革命の英才であられる偉大な金日成同志を首領に戴いていることは、わが党と人民の最高の栄誉であり、最大の幸福である」
「敬愛する首領金日成同志は、人類解放の救いの星であり、世界革命と国際共産主義運動の偉大な指導者である。
首領は偉大なチュチェの旗印のもとに、わが人民を歴史上はじめて自主の道へと導くことによって、抑圧されていた世界のすべての国、すべての民族を隷属と不平等に反対し、独立と自主、平等のために勇敢に奮いたたせ、
帝国主義に反対し社会主義、共産主義をめざす人民の闘争の行く手を明るく照らし、世界革命と国際共産主義運動を勝利へと導いている」
「すべての党員と勤労者は、敬愛する首領を永遠に高くおし戴き、首領にあくまで忠誠を尽くし、
全党と全社会を偉大な金日成同志の革命思想で一色化する歴史的偉業を輝かしく遂行するため、次のような党の唯一思想体系確立の十大原則を徹底して守らなければならない」
一 偉大な首領金日成同志の革命思想で、全社会を一色化するために命を捧げて闘争しなければならない
二 偉大な首領金日成同志を忠誠をもって高く仰ぎ奉らなければならない
三 偉大な首領金日成同志の権威を絶対化しなければならない
四 偉大な首領金日成同志の革命思想を信念とし、首領の教示を信条化しなければならない
五 偉大な首領金日成同志の教示の執行において、無条件性の原則を徹底して守らなければならない
六 偉大な首領金日成同志を中心とする全党の思想意思的統一と革命的団結を強化しなければならない
七 偉大な首領金日成同志に学び、共産主義的風貌と革命的活動方法、人民的活動作風を所有しなければならない
八 偉大な首領金日成同志から授かった政治的生命を大切に守り、首領の大きな政治的信任と配慮に高い政治的自覚と技術により、忠誠をもって報いなければならない
九 偉大な首領金日成同志の唯一的指導のもとに、全党、全国、全軍が一体となって動く強い組織規律を確立しなければならない
十 偉大な首領金日成同志が開拓された革命偉業を、代を継いで最後まで継承し完成していかねばならない
上述の十の後にそれぞれ一、二、三というように金日成への崇拝に関する規定を行なっている。幾つか例をあげておこう。一の後の五は以下のように述べている。
全世界における、チュチェ思想の勝利のために最後までたたかわなければならない
二の後の二は以下のように述べている。
二 たとえ一瞬間でも、ひたすら首領のために生き、首領のためには青春も生命も喜んで捧げ、どんな逆境の中でも、首領にたいする忠誠の一念を変わることなく肝に銘じなければならない
八の後は以下のように述べている。
偉大な首領金日成同志から授かった政治的生命を身につけることは、われわれの最高の栄誉であり、首領の政治的信任に忠誠をもって報いること、ここに政治的生命を輝かしめる真の道がある。
一 政治的生命を第一の生命と考え、生命の最後の瞬間まで自分の政治的信念と革命的節操をまげることなく、政治的生命のためには、肉体的生命を塵芥のごとく捧げることを知らなければならない
これらの「原則」に基づき、大韓航空機爆破事件の犯人である金賢姫は、逮捕されたときには自決するように朝鮮労働党幹部から指令を受けていた。
実際に彼女と主犯格の男性は逮捕されそうになった際に毒薬を飲んだ。主犯格の男性は死亡したが彼女は生きのび、事件の全貌を告白した。
「政治的生命を第一の生命と考え、生命の最後の瞬間まで自分の政治的信念と革命的節操をまげることなく、政治的生命のためには、肉体的生命を塵芥のごとく捧げることを知ら
なければならない」という「原則」を彼女らは「実践」したのだ。
人間の命を塵芥のごとく扱う朝鮮労働党の恐ろしさが、この事件に象徴的に現れている。
彼女らは朝鮮労働党から偽造日本旅券を受け取って保持していた。
従って金賢姫が自決に「成功」していれば、大韓航空機爆破事件は招待不明の日本人テロリストの犯行によるものと世界中に「認識」されていた可能性があるのだ。
朝鮮労働党は日本人を拉致して工作員の「日本語教育係」「日本人化教育係」を強制しているが、これは工作員が日本人になりすますためである。
そして工作員が行なうテロが発覚した場合は工作員に自決させ、テロを日本人のせいにするという狙いがあるのだ。
「十大原則」の十の後の一は以下のように述べている。
一 全党と全社会に唯一思想体系を徹底して確立し、首領が開拓された革命偉業を代を継いで輝かしく完遂するために、首領の指導のもとに党中央の唯一的指導体制を確立しなければならない。
「党中央」とは金正日を意味している。
このように、七十年代初頭から金正日は金日成の後継者として、独裁政治の実権を掌握していた。
金賢姫によれば、金正日は「御親筆」により大韓航空機爆破を指令している。
北朝鮮は徹底した金父子独裁国家だから、日本人や韓国人の拉致、ラングーン事件、大韓航空機爆破事件など数々のテロは全て、何らかの形で金正日が「指令」「指導」しているのだ。
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