2023年9月11日月曜日

志位さんは台湾政府を共産主義運動における反党分子のようにみるー台湾は中国の領土だから、中国共産党による台湾政府解体を社会進歩と見る

 松竹伸幸さんが、日本共産党から除名されたのは不当であると訴えています。

来年1月に開催されるだろう日本共産党の大会で、再審査を求めるそうです。除名処分の再審査請求書第Ⅰ部二⑤ | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp) 

上記で松竹伸幸さんが訴えているように、志位さんの安全保障政策と松竹伸幸さんのそれは大同小異です。


同じような事を訴えているのに、志位さんが言うと日本共産党の安全保障政策となり、松竹伸幸さんが言うと除名、では酷いではないかという松竹さんの訴えは最もと思います。

松竹伸幸さんが指摘しているように日本有事の際、日米安保第五条により米軍に出動要請をすべきと考える点ではお二人は同じです。

しかし、台湾有事がどのように起こるか、という点で志位さんと松竹伸幸さんは異なっていると考えられます。

志位さんは台湾有事が米国の武力行使により開始されるとみる

志位さんの安全保障政策と松竹伸幸さんのそれの違いをあえて指摘するなら、以下でしょう。

(1)志位さんは日本有事の際に米軍の核抑止力行使を除外していないが、松竹さんはこれを除外している。

(2)志位さんは台湾有事が米国の武力行使により開始されると考えているが、松竹さんは中国による台湾侵攻をきっかけに起きる事態とみている(「シン・日本共産党宣言」文春新書、p160より)。

(3)台湾有事の際、日本がどう軍事的支援をすべきかという点について、志位さんは見解を表明していないが松竹さんは平成11年の周辺事態法に基づく後方支援を限度とすべきと主張(「シン・日本共産党宣言」文春新書、p165より)。

(4)志位さんは自衛隊が長距離射程のミサイルを保有する事に反対だが、松竹さんはミサイル基地を沖縄から本土に移して、日本防衛のための配備であることを明確にして保有すべきとみる(「シン・日本共産党宣言」文春新書、p131より)。

僭越ながら私は以前、志位さん、鈴木元さん、松竹伸幸さんの安全保障政策を簡単な表にしています。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さん(日本共産党)、鈴木元さん、松竹伸幸さんの安全保障政策を表にしましたー三人とも、政権に参加できたら日米安保と自衛隊を活用するー (blueribbonasiya.blogspot.com)

日本共産党は、中国共産党が台湾を攻撃し、台湾政府が反撃してもそれは戦争ではないとみるー中国の内政問題ー

志位さんが、台湾有事は米国の武力行使により開始されると見るという件について少し説明します。志位さんは台湾政府の存在を認めていません。

日本共産党は、台湾は中国の領土であることを認めています。


従って中国共産党が台湾に先制攻撃を実行し、台湾政府、台湾軍が反撃してもそれは中国の内政問題であり、国家間の戦争ではないと日本共産党は見るのです。

人民解放軍が台北を空爆し、台湾軍が人民解放軍に反撃しても戦争ではない、とは真に変な理屈ですが、志位さんは台湾政府の存在を認めないのですから、台湾政府が何をどうやってもそれだけでは戦争にはなりません。

戦争とは、国家間で行われる行為ですから。日本共産党は台湾政府を国家と認めていませんから、そういう結論になります。

台湾有事が戦争になるのは、人民解放軍による台湾攻撃に対し、台湾政府の要請を受けて日米が人民解放軍に反撃したときである、と志位さんは見るのです。

朝鮮戦争で、米軍は大韓民国を守るために国連軍として参戦しました。日本共産党はこれを米国による干渉と宣伝してきました。

日本共産党は中国共産党による台湾政府解体、朝鮮労働党による大韓民国解体を歴史の法則的発展、社会進歩とみなしてきたのです。志位さんも同様です。

志位さんは台湾政府を、共産主義運動における反党分子のように把握している

志位さんは不破さんと同様に台湾政府をあたかも共産主義運動における反党分子、人民の敵、民族反逆者、祖国分離主義者のように把握していると考えられます。

台湾政府という「反党分子」が、中国共産党という中国社会における社会進歩の担い手に対し、武器を手にして反撃する事は不当だ、と志位さんは把握すると考えられます。

志位さんと日本共産党員は台湾人が総統や国会議員を選挙で選出していること、中国共産党がまともな選挙をやったことがない事を直視できません。

日本共産党は習近平と中国共産党により、台湾政府が解体され、台湾に国家安全維持法が施行されることを大局的には社会進歩、歴史の法則的発展とみています。

志位さんは人民解放軍による武力行使には反対だ、というでしょう。

しかし台湾政府がこれに反撃するため、米国や日本政府に反撃し要請したとき、日米軍事同盟が人民解放軍に反撃したら、日米が中国の内政に干渉して侵略戦争を始めた、戦争反対!と主張すると考えられます。

結局、中国共産党が台湾に何をやっても国際社会は黙認するべきだという結論になります。

中国共産党の理屈では、琉球王国は明朝に朝貢していたので、沖縄は元来、中国領です。ベトナムやモンゴルも同様です。

日本共産党は、日米軍事同盟を強く批判する中朝露を大局的には平和勢力とみなしています。

日本共産党第22回大会での、志位さんの報告はそんな内容です。御参考まで。












 



2023年9月6日水曜日

報道機関の皆さん。北公次さんの著書「光GENJIへ 再び」(平成元年データハウス刊行)を読んで報道して下さい。

 元フォーリーブスの故北公次さんの著書「光GENJIへ」(昭和63年データハウス刊行)「光GENJIへ 再び」と(平成元年データハウス刊行)は、出版当時かなり売れていたと記憶しています。

私は当時、神戸大学の院生でした。六甲駅付近の本屋でこの本を買った気がします。

私見では、故北公次さんはフォーリーブスの中で一番人気があった方です。超有名人と言ってよい。

そんな方がとんでもないことを訴えていたのに、殆どのテレビ局、新聞社は北さんの訴えを無視しました。まさに黙殺です。

この件はあまりにも不可解と考えたので、十年ほど前に本ブログでも取り上げています。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 故北公次著「光GENJIへ」を読んで (blueribbonasiya.blogspot.com) 

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 2月 2013 (blueribbonasiya.blogspot.com)

最近、多くの報道機関がこの件を取り上げています。上記の二冊は、今では入手困難かもしれませんが、「光GENJIへ 再び」を何とか入手し読んで頂きたい。

以前のブログにも記しましたが、この本によると北さんの件はテレビ取材、報道は一切してはならないという協定があるそうです。北さんの名前さえ触れてはならないそうです

北さんに、知り合いのテレビレポーターがこれを教えてくれた、と記されています(同書p36)。

この本には、佐川弘信さんというジャニーズの合宿所に少しだけいた方からの告発も出ています(同書pp. 44-45)。佐川さんは当時14歳だそうです。

佐川弘信さんによれば、北さんはジャニーさんにやられたそうだけど、御自身は事務所所属の著名歌手にホモみたいなことをされたそうです。

私にはこの件が真実であるか否か、わかりようもありません。同書にはこの方の実名が記されています。

報道機関の皆さんは、この方が記者会見などをする際、佐川弘信さんの訴えについて質問するべきではないでしょうか。

報道機関の皆さんには。昭和63年当時のテレビ局関係者に北さんの訴えを取材、報道はしないという協定があったのか否か、取材して報道して頂きたいものです。








2023年9月3日日曜日

ソ連は昔々の日本共産党(国際共産党日本支部)を物心両面で支援したー「資料集 コミンテルンと日本共産党」(岩波書店)より

 志位さんが来る9月15日に日本共産党の百一周年を記念して講演をするそうです。日本共産党創立101周年/志位委員長の記念講演 演題決まる/歴史に深く学び、つよく大きな党を―『日本共産党の百年』を語る (jcp.or.jp) 

歴史に深く学び、つよく大きな党を、という話ですが、志位さんは昔々の日本共産党がソ連から物心両面で支援を受けていた事、昔の日本共産党がソ連信者の集団だったことを引き続き内緒にするでしょうね。

「日本共産党の百年」には、昔々の日本共産党とコミンテルン(国際共産党)との関係が殆ど記載されていません。

草創期の日本共産党は、ソ連から大金(三千円)を受け取ったー今の貨幣価値なら1500万円か

この時期の日本共産党については、和田春樹・G. M. アジベーコフ監修「資料集 コミンテルンと日本共産党」(平成26年岩波書店刊行)が詳しい。

志位さんはこの文献を知らないかもしれませんね。

以下は、この本の冒頭にある「解題 コミンテルンと日本共産党」(和田春樹 カ・シリニャー 富田武)に依拠しています。

大正十一年(1922年)1月21日より2月2日まで、モスクワで「第一回極東革命組織大会」が開催され、徳田球一、高瀬清他少なくとも15人の日本人が参加しました。

徳田球一と高瀬清はコミンテルンより日本共産党の正式結成を求める指令を受け、三千円の資金を上海で受け取って帰国しました。

大正十一年の三千円は、今の貨幣価値で一体いくらぐらいになるのでしょうか。

もう少し後の昭和恐慌の頃の諸物価については、内橋克人「ドキュメント恐慌」が詳しい。

大雑把に言って、三千円×5000=1500万円くらいと考えます。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 内橋克人「ドキュメント恐慌」(現代教養文庫、平成4年刊行)より思う―昭和恐慌(昭和4~6年頃)と性産業、「身代金」・「玉代」 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 松崎いたるさんの大著「日本共産党 暗黒の百年史」(飛鳥新社刊行)より思うー渡辺政之輔ら昔の日本共産党中央幹部は待合で豪遊ー (blueribbonasiya.blogspot.com)

大正十一年頃のソ連は、戦時共産主義から新経済政策に路線転換していましたが、それでも経済破たんは継続していました。年間百万を超える餓死者が出ていたという説もあります。

ソ連共産党は貴重な外貨を、国際共産党日本支部結成に配分したのです。

ソ連共産党は」ソ連は労働者の祖国だ、という見解を世界中に普及し、世界をソ連化する事を策していました。

ブハーリンが草創期の日本共産党綱領を作成した

この年の7月15日、東京渋谷の高瀬の部屋で、高瀬・堺利彦・山川均・近藤栄蔵・橋浦時雄・吉川守國・浦田武雄・渡辺満三ら八名が集まって、日本共産党の創立会議を開きました。

コミンテルンの規約を受け入れて結党し、人事を定めました。

コミンテルンの側では、執行委員会の中に設けられた綱領委員会に日本小委員会がつくられ、ブハーリンが綱領委員会と日本小委員会を指導しました。

大正十一年(1922年)11月5日から12月5日まで開かれたコミンテルン第四回大会までにブハーリンは日本共産党綱領草案を起草していました。

これがこの大会に参加した高瀬清と川内唯彦により持ち帰られ、翌年1月には堺利彦に渡されました。

この綱領に、「君主制の廃止」という記述がありました。この点をめぐって、日本共産党内部で対立が生じましたが、荒畑寒村らはこれをコミンテルンに報告しませんでした。

「日本共産党の百年」の第一章(1)「党創立と初期の活動 1922~27年」には、1923年2月の大会(千葉・市川)で執行部を改選し、3月に東京の石神井でひらいた臨時大会で「綱領草案」を検討した、と記載されています。

この草案はコミンテルンの委員会で日本代表も参加して起草された、と「日本共産党の百年」に出ていますが、実際はブハーリンが起草していたと考えられます。

ブハーリンはこの後の、1927年テーゼも作ったのですが、どういうわけか日本共産党の文献では以前から内緒にされています。

志位さんは日本共産党の歴史を修正したい

荒畑寒村は大正十二年九月のうちに、山本懸藏と上海に行き、そこでコミンテルンから7439円を受取り、11月上旬には日本に戻りました。

先ほどの大雑把な計算では、7439円は3700万円を越える額となります。

多少のバランス感覚のある人なら、こんな大金を外国政府から受け取って、外国の指令に従って行動する団体などおかしい、と考えるのではないでしょうか。

昔々の日本共産党幹部が、受け取った大金を実際にどう使っていたのかなどわかりません。拳銃を最初に受け取った幹部は誰なのかわかりませんが、渡辺政之輔は持っていました。

「日本共産党の百年」には渡辺政之輔は台湾の基隆で警官隊におそわれ、自ら命をたちました、と記載されています。

実際には拳銃で自殺したと考えられるのですが、志位さんは渡辺政之輔が拳銃を所持していた事を内緒にしたいのでしょう。

志位さんの講演では、ブハーリンが草創期の日本共産党綱領や27年テーゼを作成した事や、新経済政策の時期のソ連が莫大な資金援助をした事など、一切触れられないでしょうね。

志位さんは歴史の修正を御自身の使命と認識しているのでしょう。