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2022年6月21日火曜日

大門みきしさん、富裕層や大企業が株や社債を保有すると、資金が滞留しますかー株主は企業経営の危険を負担して社会に貢献しているー

 日本共産党は、資本金10億円以上の企業を大企業と定義し、安倍内閣以降内部留保が増えた分に課税をしようと主張しています。以下は大門さんの本です。

田村智子議員、宮本徹議員も同様の呟きを発信しています。



内部留保課税は、二重課税そのものです。税引き前の当期利益に、いくらかの法人税が課され、それから配当と役員報酬を引いた残りが内部留保として蓄積します。

それにもう一度税をかけるのですから、二重課税です。私見では日本共産党がそれでも、大企業の内部留保課税を主張するのは、以下を根拠としています。

第一に日本共産党は、資本金が10億円を超えた企業は、日本を支配する勢力とみなし、徹底的に弱体化させることを自らの使命とみなします。

レーニンは、地主と富農を人民の敵と規定し、全財産没収と追放指令を出しました。日本共産党はレーニンの見地を継承しています。

資本金が10億円を超えると日本の支配者、それ以下の企業は中小企業だから被支配者で労働者と連帯しうるというのは実に奇妙な企業観です。

第二に日本共産党は、大企業や富裕層が株や社債を保有すると、お金が滞留してしまい経済が循環しなくなると信じています。

田村智子議員は各地の街頭演説でこれを強調しています。田村智子議員は呟きでも、大企業の内部留保となっている預金や証券の部分を世に回す、と主張しています。

田村智子議員は、企業は運転資金を常時保有しておかないといけないことがわからないようです。現金、預金を一切保有しなかったら、支払いができません。

証券とは、株や社債のことでしょう。これがなぜお金の滞留なのでしょうか。株式会社は、株主から資金を集めて、然るべき設備投資と雇用を行い、利益を出すべく努力します。

設備投資により必ず利益を出せるという保証はどこにもない。赤字が継続したら、株価は暴落します。

銀行が資金を貸してくれなくなったら、その企業は破綻し、株式は無価値となります。株主は企業経営の危険を負担することにより、社会に貢献しているのです。

資本規模が10億円を超えた企業あるいは保有金融資産が数億円に達する富裕層が株式を持つと、その保有分だけ資金が企業内部に滞留するなどありえません。

日本共産党員には、株主は企業経営の危険を負担して社会に貢献していることがわからない。

第三に、マルクス主義経済学なら株主は搾取者です。株主は働かないで利潤の一部を得ますから、株主は搾取をしていることになります。

大企業や富裕層は大株主でしょうから、巨額の搾取をしていることになります。搾取者を撲滅せよ、という発想です。

この辺りについては、以前も指摘しました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: Mankiwの検索結果 (blueribbonasiya.blogspot.com)

大門みきしさん、企業の買収・合併により資金が滞留しますか

大門みきしさん、先にも言いましたが富裕層と大企業をロシア革命の頃の富農、地主のように把握するのはやめましょう。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 大門みきし議員の「やさしく強い経済学」(新日本出版社刊行)を読みましたー大企業のもうけは大企業の株主、経営者、労働者に帰属しますよー (blueribbonasiya.blogspot.com)

ある大企業が、他の企業の株式を大量保有し経営統合をすると内部留保をより多く株式で運用していることにもなります。

これで資金が滞留していますか。

破綻した某流通大手の株を沢山買い、傘下にした大手流通企業は、買収した企業の再建に貢献していませんか。それで雇用を保証された労働者がいませんか。

日本共産党員は、平成不況の間にどんな大企業が破綻し、どのように再建されたか、あるいは再建されなかったのかを考えなかったのでしょうか。

巨大企業でも、投資に失敗すれば破綻していったではないですか。赤旗記者には、大企業の再建に関する報道はできなかったのかもしれませんね。

2020年3月19日木曜日

若き不破哲三氏はユーゴスラビアをどう批判したのか―労働者自主管理社会主義はブハーリンら右翼降伏主義の方針(「マルクス主義と現代修正主義」(昭和40年大月書店))

「ユーゴスラビア修正主義批判-現代修正主義の世界綱領」という論考が、この本の巻頭にあります。


不破氏はこの論考を、昭和38年に書いています。

ユーゴスラビアと言ってもどんな国だったか、御存知ない方が多いかもしれません。

ユーゴのチトーは昭和23年にスターリンを批判しました。非同盟運動の指導者としても有名です。

ユーゴスラビアは労働者自主管理社会主義という、労働者が直接、企業の経営を行うというソ連型社会主義と大きく異なる道を探求していました。

社会主義の青写真どころか、下絵も考えない日本共産党


今の日本共産党はソ連は社会主義と無縁と主張し、社会主義では生産者が社会の主人公にならねばならないと宣伝しています。

生産者が社会の主人公と宣伝するだけでは、とはどんな企業経営方式を目指しているのか不明です。

日本共産党員だけでなく、マルクス主義経済学者なら、資本主義的搾取制度の廃止を目指しているはずです。

ソ連型の経済、企業運営では駄目というなら、どんな経済、企業運営を目指しているのか、詳細な青写真は無理でも下絵くらいは示すべきです。

現実には、日本共産党を支持するマルクス主義経済学者で社会主義経済の下絵を考えている方は稀有です。皆無かもしれません。

左翼知識人は若き不破氏によるユーゴスラビア批判を学ぶべきだ


左翼知識人であるなら、若き不破哲三氏がユーゴスラビアの労働者自主管理社会主義をどう批判したのか、検討すべきです。

若き不破氏はソ連型社会主義こそ唯一の社会主義だ、という理屈でユーゴスラビアを批判しているだけなのですが。

簡単に紹介します。

若き不破氏によれば生産手段を国家の手に集中し、経済全体の国家的統制と計画化をおこなうことは、社会主義経済の存立をなす大原則です。

ユーゴスラビアは、生産手段の国家的所有と経済の国家的管理を拒否しているので、マルクス主義と敵対するアナルコ・サンジカリズムの理論の後継者です。

若き不破氏によれば、市場関係の自由な発展をつうじて社会主義を建設するというユーゴスラビアの路線は、ブハーリンら右翼降伏主義の方針です。

結局、社会主義の解体と資本主義の復活の路線とならざるをえないそうです。

若き不破氏によれば、ブハーリンは小商品生産者は平和的に社会主義に成長転化していく必然性にある事、市場の自然成長力を解放し、富農経営に対するあらゆる制限をとりのぞくべきと主張しました。

富農擁護論者ブハーリンは、経済成長を志向


ブハーリンは市場的社会主義者の元祖とも言えますね。

富農経営に対するあらゆる制限を取りのぞけ、とは面白い。

ブハーリンは富農による資本蓄積が経済成長を実現し、国民生活を豊かにしていくと考えたのでしょう。

富農が農業の企業経営を拡大すれば、雇用が増えます。ここから税を取り、社会資本を建設していけばよい。

ブハーリンの富農擁護論は、G. Mankiwの富裕層への課税反対論の元祖ともいえそうです。

若き不破氏の予言は正しかったー市場的社会主義は資本主義復活の道―


ところで、若き不破氏が労働者自主管理社会主義、市場的社会主義は資本主義の復活となると喝破したのは見事です。

市場的社会主義と早くから唱えたハンガリーは資本主義国となりました。

ユーゴスラビア社会主義は民族問題により崩壊。

マルクス主義経済学者、左翼知識人は東欧社会主義が資本主義国となったことを直視すべきです。

マルクス主義経済学者、左翼知識人はブハーリンの理論と悲劇の生涯について、何の関心持てないのでしょうか。

スターリンによる右翼降伏主義者、ブハーリン処刑は正しい、と本気で考えているのでしょうか。

蔵原惟人、宮本百合子は本気でそう考えていたかもしれませんね。昔の日本共産党はスターリンに心酔していました。


2019年12月31日火曜日

日本共産党、左翼知識人の富裕層課税強化論より思う―大門みきし参議院議員は、株式会社、金融資産市場の存在意義を理解できないのか―

「自宅や農地などには特例措置を講じたうえで純資産で5億円を超える部分に低率で課税します」(日本共産党の参議院選挙時の政策より抜粋)。


日本共産党、左翼知識人、マルクス主義経済学者は安倍内閣により大企業と富裕層が優遇され、不当に資産を蓄積しているとみなします。

大企業には研究開発減税などが適用されるから、中小企業より法人税の税率が低くなっていると宣伝しています。

富裕層は日銀の金融緩和による株価上昇による株式の売買、株の配当で大儲けしている、と宣伝しています。

日本共産党中央にお勤めの吉岡正史さんら日本共産党職員、議員はこんな発想でよく呟いています。

大企業への減税云々については、今回はふれません。富裕層への課税強化論について考えてみましょう。

日本共産党と左翼知識人に問いたい。

株式の保有、売買により所得を得るのは悪行なのか―リスク(危険)を引き受ける事への収入は正当


富裕層が株式の売買で儲けている、との主張ですが、株価が低い時に株式を購入した方々が上昇したときに売却し、多少の利益を得るのは悪行でしょうか。

株価がいつ下落するか、予想は困難です。

株式売却後、さらにその株価が上昇している場合もある。

株式を保有し続け配当を得るのは悪行でしょうか。

庶民とかけ離れた所得と資産を保有する富裕層が存在するのは明らかですが、その方々が得た所得と資産が暴力行為などの犯罪で獲得されたものでないなら、規制すべきではない。

富裕層が日本企業の株式を大量購入すれば、日本企業はその資金を原資に設備投資を増やしうる。

株式購入はリスク(危険)のある資産購入ですから、安全な金融資産(定期預金等)購入の場合より高い収益が得られるのは当然です。

ある株式を保有しても得られる配当が定期預金の利子率より低ければ、その株式を保有する意味はほとんどない。

赤字を継続している企業の経営者が、配当をゼロにする場合がありますが、企業存続のためにはどうしようもない。

日本経済の持続的成長のために、内外の富裕層が日本企業の株式、財とサービスを大量購入する政策を


株式保有による配当所得に課税を強化すれば、株式に対する需要が減少し、株価を下げる圧力となる。

日本経済の持続的成長のためには、富裕層がその所得を、日本国内で生産される財とサービスに消費するような政策、日本企業の株式購入に向ける政策を実施すべきです。

富裕層が高級ホテルに宿泊し、贅沢な食事をすればホテルや高級料理店の売り上げになるのです。消費税の税収にもなる。

年収数億円、数十億円の高額所得者なら、一晩で数百万円の奢侈生活が可能でしょう。

外国の富裕層が日本企業の株式を大量購入し、保有しつづけるなら、その方は日本企業の持続に貢献している。

日本企業が外国企業との競争に敗北し、十分な利益を計上できなくなったら株価が下落し、配当も減少する。

企業経営者から見れば、銀行からの借り入れより、株式発行による資金調達の方が有利な場合は多い。

株式を購入してもらえば返済の義務はないのですから。企業が存続すれば労働者は雇用を維持される。

大門みきし参議院議員に問う


日本共産党、左翼知識人、マルクス主義経済学者には株式会社、金融資産市場が資源の効率的配分に貢献することがわからない。

大門みきし参議院議員は、日本共産党で経済政策部門を担当されているようですが、株式会社、金融資産市場が資源の効率的配分に寄与するという見解に対しどう考えているのでしょうか。

日本共産党は市場経済で社会主義を目指すそうですが、それなら株式会社と金融資産市場は存続することになります。

富裕層が国内の企業の株式大量購入あるいは国内の財とサービスを大量購入する政策は、どんな政党が政権をとっても必要となるはずです。

上記は概ね、新自由主義者の視点ということになるでしょうが、富裕層への課税強化については新ケインズ派でも否定的な方はいます。

私見では米国の新ケインズ派の一人、Greg Mankiwが最近Blogに発表した論考How to Increase Taxes on the Rich (If You Must)はその一つです。