2017年5月5日金曜日

ヤン・ヨンヒ著「Dear Pyonyang、ディア・ピョンヤン~家族は離れたらアカンのや~」(平成18年アートン刊行)より思う

「父ヤン・コンソン(梁公善)は、1927年10月、朝鮮半島の南端に位置する済州島に生まれた。母カン・ジョンヒ(康静姫)は、1931年、大阪の東成区生まれ。母の両親も済州島出身だ。


アボジは小学校を卒業後、済州島の缶詰工場で働き、15歳で日本へ渡った。」(同書p22より抜粋)。


この本は、同名の映画の原作で、映画「かぞくのくに」より6年ほど前の作品です。副題「家族は離れたらアカンのや」から、ヤン監督の思いが伝わってきます。

筆者のお父さんのヤン・コンソン氏は大阪の在日本朝鮮人総連合会の専任職員を長年務めた方でした。

ヤン・ヨンヒ監督には兄が3人いるのですが、次男と三男は昭和46年秋に北朝鮮に帰国しました。長男は翌年、金日成の60歳の誕生日の祝賀団として選ばれ、帰国しました。

この本は、平成16年7月14日にお父さんが脳梗塞で倒れ、東京在住のヨンヒ氏にお母さんから今夜手術をすることになったという電話の話から始まります。

翌朝ヨンヒ氏が集中治療室にいるお父さんを見たら、顔がスイカみたいに腫れていました。

77歳くらいのお父さんが脳梗塞で倒れたのですから、普通なら息子たちも駆けつけるはずです。

しかし北朝鮮は国民の出国を原則として禁止していますから、息子や孫はお見舞いに来られません。北朝鮮の国民が革命首都平壌に行くのにも通行許可証が必要です。

北朝鮮による凄惨な人権抑圧について熟知している筆者は、この本ではそれをあまり出さないように配慮していたのでしょう。

朝鮮大学校の学生だった長男は金日成の60歳の誕生日の「プレゼント」として送られてしまったそうですが、この本にはそれは出てきません。これは「かぞくのくに」に記されています。

北朝鮮を訪問する学生たちは帰国している親戚から「持ってきた金はこれだけか」と責められる


それでも、興味深い記述は多々あります。筆者は高校2年生のとき、学生代表団の一人として北朝鮮を初めて訪問します。

元山港から金日成の銅像の前に行って挨拶をし、ホテルに行くと少しして親戚と学生たちとの面会が始まりました。

学生たちは小学生の頃から母なる祖国がいかに理想国家であるかを教えられてきました。

しかし祖国に到着した途端、会ったこともない親戚から「持ってきた金はこれだけか」と責められてしまい、しょぼんとしていたそうです。

北朝鮮に帰国した親戚としては、日本にいる親戚だけが頼りです。地元の労働党幹部らは帰国者を金づる扱いにしていろいろ脅迫してきます。

労働党幹部らに渡す賄賂が少なければ、どンな仕返しを受けるかわからない。わずかな配給も滞りがちですから、闇市場で食糧など必需品を入手しなければ栄養失調になってしまいます。

闇市場では日本円の威力は絶大です。帰国者がなぜ、外貨を切実に必要としているかはこの本だけではわかりにくい。

2001年頃の平均的平壌市民の給与では、高麗ホテルで冷麺一杯も食べられない


それでも、筆者の訪朝時の経験より、北朝鮮(おそらく平壌)の物価や賃金が少し記されていますから、多少の想像ができます。2001年頃の話でしょうか。

平均給与が月に2000ウォンで、うどん一杯が700~1000ウォン。平壌の高麗ホテルの冷麺は一杯3000ウォン。冷麺一杯も食べられない給料しかもらっていないことになります。

国からもらう給料だけで生活を維持しようなど、最近は誰も考えていないそうです。内職で頑張れば、1日500ウォンくらい稼げる場合もある。

男性たちは工場や職場に行かざるを得ないので、奥さんたちがセーター編み、うどん作り、豆腐作りなどで内職をしていました。

奥さんたちは店を構えることができないので、外貨の仕送りのある家を顧客にし、アパートで商売をしていました。

最近は市場もできて、生鮮食料品や中国製の品物がたくさん並ぶようになったとヤン氏は記しています(同書p244)。

これらは2000年代初頭の北朝鮮経済の実情を伝える貴重な資料です。

近年の北朝鮮は高成長を達成していた?―中国依存、貿易依存度が高い


北朝鮮には信頼できる経済統計が殆どないので、国内総生産の水準や経済成長率は推測するしかありません。

私の印象では、2000年代初頭から最近まで北朝鮮は中国への石炭や鉄鉱石の輸出と、開城工業団地からの外貨収入、ロシアや中東などへの労働者派遣による外貨獲得などの影響で、相当な高成長を達成した。

年度によっては、10%以上の経済成長率を達成している時期があってもおかしくない。本書にも記されていますが、90年代の大量餓死の時期とは比較にならない。

勿論これは、闇市場と金正日直轄の宮廷経済部門での財、サービス生産を含めての推測です。

闇市場で稼ぐ手段を得られた人々は何とか生活できるようになりました。中国から生活必需品が大量流入しましたし、中国の人民元も闇市場で使えるようになりました。

北朝鮮経済の貿易依存度{(輸出+輸入)÷国内総生産}が100%を越えている可能性が高い。200%くらいでもおかしくない。

北朝鮮政府が管轄する産業、国有企業の競争力がないので、資源貿易や海外からの所得流入(外貨稼ぎ)に相当依存しているとしか考えられない。

宮廷経済部門は徹底した利潤追求で運営されていますから、効率的に財とサービスの生産が行われているでしょう。

ヤン・コンソン氏の叫び「オレは一生賭けて、息子たちを守ったんだ」(同書p279)


脳梗塞で倒れ、朦朧とした意識の中でお父さんがこのように叫んだそうです。いろいろな意味にとれる重い言葉だ、と筆者は記しています。

勝手な想像ですが、自分は金日成と金正日への忠誠を誓い礼賛し続けたことで北朝鮮に帰国した息子たちの身に危害が及ばないようにしたのだ、という意味ではないでしょうか。

この本には帰国者から在日朝鮮人たちが伝え聞いて広まっている「山へ行った」「鼠も鳥も知らな
いうちにいなくなる」という隠語に関する話が出てきません。

筆者もや御両親がこの言葉を知らないはずがないと思えてなりません。

お父さんのところに、親族が行方不明になったがどうにかならないかという話が在日朝鮮人から繰り返し来てもおかしくない。

国家安全保衛部(今は保衛省)が、北朝鮮の住民を山間へき地や政治犯収容所に連行することを意味する言葉です。

政治犯収容所や山間へき地にある日突然連行され、行方不明になってしまった元在日朝鮮人の事は、この時点ではヤン監督は書けなかったのでしょう。

次回作として、そういう帰国者を親族に持つ在日韓国・朝鮮人の生きざまをヤン監督に是非、描いて頂きたいものです。

「家族は離れたらアカンのや」はヤン監督だけの思いではないはずです。政治犯収容所に送られたら、「離れる」どころか生死すら一切わかりません。

朝鮮学校の教員だった方の中にも、北朝鮮へ帰国して政治犯収容所へ連行された方がいます。

南朝鮮革命、主体革命偉業とは何だったのか―朝鮮大学校卒業生に問う


筆者のお兄さんは対南工作に従事している方です。「かぞくのくに」にこの話が少しだけ出てきます。

お兄さんが日本人を拉致したわけではないでしょうが、日本人を拉致した組織は朝鮮労働党の対南工作を担当する部署の傘下にあります。

南朝鮮革命、主体革命偉業とやらのために日本人が拉致されてしまったのです。

在日本朝鮮人総連合会の幹部だったお父さんは、南朝鮮革命すなわち大韓民国滅亡に生涯を捧げた方だったはずです。

南朝鮮革命、主体革命偉業の「成果」として北朝鮮は核兵器や生物・化学兵器を大量保有できました。

化学兵器を大量に保有し実験を繰り返しているから、工作員はベトナムとインドネシア女性をだまして、金日成の孫、金正日の息子金正男氏を化学兵器で殺害できました。

これも、主体革命偉業の「成果」です。米国まで届くような核ミサイルを数百発保有できたら、金正恩は気軽にそれを日本に向けて発射しかねない。

日本が核ミサイルや化学兵器で攻撃されたら、日本人も在日韓国・朝鮮人も沢山犠牲になってしまいます。

それでも、在日本朝鮮人総連合会の皆さんは「共和国万歳!」を叫び、金正恩に忠誠を誓うのでしょうか。

愛息子金正男の毒ガス殺害を、「親愛なる指導者」「鋼鉄の零将」金正日は望んだでしょうか。

朝鮮大学校の卒業生の皆さんは、大韓民国は「兄殺し」金正恩により滅亡させれてしかるべきとお考えでしょうか?

共産主義運動とは、最高指導者に対する盲目的信仰を宣伝、普及する運動だったのではないでしょうか?

ユン・チアン著「ワイルド・スワン」のお父さんをふと思い出しました。









2017年4月29日土曜日

畑田重夫氏著「わが憲法人生七十年」(平成28年新日本出版社刊行)より思う。

「案内されるところ、どこへ行っても金日成の名前が出ないことはないのに閉口した。(中略)

農村の見学では、リンゴ農園へ案内された時のことだが、やはり『このみごとに実っているリンゴは、金日成主席の農業指導によってゆたかに実ったものでございます』と言った調子なのである。

ということは、金日成という指導者はあらゆる知識や技術をすべて身につけている万能の人間だということになるのではないか、とわれわれ日本からの代表団は語りあったのであった。」(同書p115より)。


この本によれば、畑田重夫氏ら「日本朝鮮研究所代表団」は、昭和39年に中国と北朝鮮を訪問しました。

日本朝鮮研究所は、社会党の国会議員だった古屋貞雄氏の個人的な資金提供を中心としつつ、何人かの財政支援を基礎として設立されたそうです。

故佐藤勝巳氏も、「日本朝鮮研究所」の一員でした(詳しくは、「わが体験的朝鮮問題」東洋経済)。

中国と北朝鮮を訪問したのは、古屋貞雄氏の他、安藤彦太郎早大教授、寺尾五郎氏、川越敬三氏、小沢有作氏と畑田重夫氏でした。

北朝鮮では、どこへ行っても金日成の写真や像ばかりで個人崇拝もいいとこだ、との感想を語り合いながら、一行は北京へ向かったと畑田氏は述懐しています(同書p116)。

畑田重夫・川越敬三「朝鮮問題と日本」(新日本新書、昭和43年刊行)を畑田氏は若い共産党員に内緒にしたいのか


この本だけを読めば、さすがに畑田重夫氏は国際政治学者として、北朝鮮に対する厳しい批判の目を持っていたのだなと若い共産党員は思ってしまうかもしれません。

畑田重夫・川越敬三「朝鮮問題と日本」(昭和43年新日本新書)という本があるのを、若い共産党員の方は忘れないでいただきたい。

「わが憲法人生七十年」ではこの本については一切言及されていません。

畑田氏は「朝鮮問題と日本」を、吉良よし子議員、池内さおり議員ら若い共産党員には内緒にしておきたいのでしょうか。

「朝鮮問題と日本」には、昭和39年の訪朝時に畑田重夫氏や川越敬三氏が実感した金日成への異常な個人崇拝など、一切記されていません。

「朝鮮問題と日本」(第七章)によれば、「日本海を平和の海に」「帰国船を日朝間の懸け橋に」といったスローガンではじまった帰国事業は、日朝友好運動史上の画期的な出来事でした。

帰国事業は60万在日朝鮮人をその祖国の周囲にいっそう固く結集したばかりではなく、日本人一般の朝鮮観、朝鮮人観を大きく変え、日朝友好の空気を全国にみなぎらせました。

内外の反動勢力はこれを恐れてその後何回も帰国事業の破壊をこころみましたが、その都度日朝両国人民の連帯の力でこれをはねかえしてきました。

帰国事業は昭和42年末までの八年間つねに順調にすすめられ、合計88000人が無事祖国へ帰って新しい生活に入りました。

在日朝鮮人の帰国希望者は、日本の関係機関への登録をおえた人びとだけでもなお17000人以上残っています。

帰国事業の破壊に反対し、その円滑な継続を保障させる運動はひきつづき日朝友好運動の重要な課題の一つとなっていると、「朝鮮問題と日本」で畑田・川越両氏は力説しています。

四十数年前の若き畑田氏らが、一人でも多くの在日朝鮮人の北朝鮮に帰国を実現すべく心血を注いだこの運動が、「わが憲法人生七十年」では一切記載されていないのは奇奇怪怪です。

畑田重夫氏は在日朝鮮人に、異常な金日成個人崇拝の存在をなぜ教えなかったのか


「朝鮮問題と日本」を著し、在日朝鮮人の北朝鮮への帰国船再開のために尽力している頃の畑田重夫氏は、訪朝時の実体験として異常な金日成個人崇拝の存在を語ることができたはずです。

それを帰国前に知っていたら、北朝鮮への帰国をやめた方は少なくなかったかもしれません。

北朝鮮の真実を公の場で語ったら、宮本顕治氏ら日本共産党中央との関係が悪くなる可能性があるから黙っていようという判断だったのでしょう。

「朝鮮問題と日本」を出版した新日本出版社も同様に、北朝鮮の真実を「赤旗」読者や一般の共産党員に伝えると厄介なことが起きるから、やめておこうと判断したのでしょう。

日本共産党が主導する革命運動、平和運動に参加する運動家の心得とは


日本共産党が主導してきた革命運動、平和運動にはこの類の話が実に多い。日本共産党中央との良好な関係を維持することが、運動家にとって最重要課題の一つとなっている。

運動家は常に、日本共産党中央、宮本顕治氏や不破哲三氏が国際情勢と平和運動にどんな見解を持っているかを伺い知るように努力せねばなりません。

不破哲三氏が、中国の人権問題批判を控えたら、直ちに自分もそれについて語らないようにする。

不破哲三氏や志位和夫氏が北朝鮮の凄惨な人権問題について沈黙を続けるなら、自分も黙っておく。

これくらいのことは、日本共産党の「平和運動」に参加している運動家は徐々に体得していきます。

中国や北朝鮮の人権抑圧を批判し続ける人は、日本共産党の運動から様々な理屈で排除されてしまいます。日本共産党から除名、除籍される場合もある。

川越敬三氏の「社会主義朝鮮」(昭和45年新日本新書)も、北朝鮮礼賛本そのものです。

北朝鮮への帰国事業が行われていた時期の北朝鮮礼賛本は、「38度線の北」(寺尾五郎著)だけではありません。

異常な金日成個人崇拝の日本社会普及に、新日本出版社は多いに貢献したのです。

若き畑田重夫氏は内心では帰国していく在日朝鮮人は不幸になると確信していた


畑田重夫氏は、宮本顕治氏、寺尾五郎氏、川越敬三氏ほどの北朝鮮礼賛者ではありませんでした。逆に言えば、日本共産党員の中ではこの御三方がずば抜けて北朝鮮を礼賛した。

しかし畑田氏が北朝鮮の真実を熟知していながら帰国船の再開のために努力したことを、忘れるべきではない。

若き畑田重夫氏は、異常な金日成個人崇拝のある北朝鮮に帰国していく在日朝鮮人たちをみて、内心では「この人たちはきっと、不幸のどん底に落ちていくのだろうな」と思ったに相違ありません。

昭和39年訪朝時に、代表団皆で異常な金日成個人崇拝について語り合っていたのですから。

それでも畑田重夫氏は日本共産党の「平和運動」に参加し続けるため、北朝鮮の真実を隠ぺいする道を選んだのです。

今日の畑田重夫氏にとって、北朝鮮を礼賛し帰国する在日朝鮮人を増やすために尽力した史実は、是が非でも隠蔽せねばならない「心の秘密」なのかもしれません。

畑田重夫氏は日本革命への志をなくしたのか―ブルジョア憲法の神聖視


ところで、「憲法人生七十年」という題名ですが、畑田重夫氏は日本革命を志して生きてきた方ではないのでしょうか。

「共産主義のはなし」(日本青年出版社昭和43年刊行)は、日本革命の話ともいえます。

革命家であるなら、私有財産制や皇室の存在を当然視している日本国憲法は一刻も早く改正せねばならないと思うはずです。

「憲法人生七十年」では、ブルジョア憲法を神聖視しているはないか、と革命家に笑われてしまいそうです。

最近の日本共産党員は、日本革命と自分が参加している「平和運動」「野党共闘」の理論的関係について思考と議論ができないらしい。

畑田重夫氏の国際政治学は、マルクス主義のそれだったはずです。日本国憲法は、階級的視点から国際社会を語っているでしょうか。

「憲法人生七十年」には、「共産主義のはなし」についての記述もない。この本も、出鱈目な記述が多すぎるから内緒にしよう、という判断なのでしょう。

畑田重夫氏に問う―マルクス主義の手法、概念で中国、北朝鮮を分析したら


マルクス主義の政治学や経済学で、中国や北朝鮮を分析したらどんな結論が出るのでしょうか。

典型的な階級社会で、労働者は共産党、労働党により徹底的に搾取されているという結論しかでないでしょう。中国は帝国主義だ、という方もいるかもしれません。

畑田重夫氏なら、「社会帝国主義」という概念でかつて日本共産党がソ連や中国を評したことがあるのを知っているはずです。

中国や北朝鮮の人権抑圧を一切批判できない畑田氏は、圧政に抑圧された人々の人権を守るために尽力するという初心を忘却しています。

マルクス主義者、革命家のはずなのに、共産党、労働党の革命路線を文献の読解により分析しようとしない「研究者」「運動家」があまりにも多い。

「日本革命」などありえない。「世界革命」も存在しえない。これを直視できず、「何となく左翼」として「憲法人生」「立憲主義を守れ」になっている「革命家」があまりにも多い。

共産主義者が革命を忘れて、私有財産制の廃止が実現できるはずがありません。

追記 共産主義運動における「反党分子」「反党反革命宗派分子」


上記の、日本共産党の「平和運動」に参加している運動家にとって、日本共産党中央との良好な関係を維持することが、最重要課題の一つとなっているについて少し述べます。

萩原遼氏(元「赤旗」平壌特派員)の著書「朝鮮と私 旅のノート」(文春文庫)の「第五章 私の旅はつづく」で、当時は日本共産党員だった萩原氏は、日本共産党の陰湿な体質について詳細に説明しています。

日本共産党を批判する元党員を、日本共産党では「反党分子」「除名者」として徹底的に忌避する風潮が党員の中にあるそうです。

北朝鮮の張成澤が「反党反革命宗派分子」というレッテルを貼られたのと似ています。

日本共産党では公開処刑されることはありませんが、「反党分子」と党中央からみなされると、以後「赤旗」や日本共産党に関連する出版物から完全に排除されるそうです。

「反党分子」とは一切対話できない、ということなのでしょう。筆坂秀世氏も「反党分子」なのでしょうか。

北朝鮮との対話を主張する志位和夫氏は、「反党分子」との対話をまずは「赤旗」でやってもらいたいですね。

追記 畑田氏訪朝は昭和38年8月では?


「わが憲法人生七十年」p113-114には、日本朝鮮研究所が昭和39年に訪朝したとありますが、昭和38年8月の間違いではないでしょうか?

畑田重夫・藤島宇内編「現代朝鮮論」(勁草書房昭和41年、p338)の年表に日本朝鮮研究所5名が訪朝したと出ています。










2017年3月10日金曜日

在日本朝鮮人総連合会は「在日特権」があると主張している―殷宗基「在日朝鮮人の経済活動にたいする不当な攻撃」(「月刊朝鮮資料」1989年12月号掲載論考)より思う。

「税金問題の公正な解決とは、在日朝鮮人の歴史的事情と同胞商工人のおかれている現実を無視して日本の税法を機械的に適用するのではなく、彼らの特殊な実情を十分に考慮したうえでの解決にならなければならないということである。」(上記論文p15より抜粋)


これはどう読んでも、在日朝鮮人には納税額についての特権があるという主張です。

日本人と同じ所得でも、在日朝鮮人の歴史的事情を考慮すれば納税額は安くなって当然というお話しなのでしょう。税法にはそんな規定は存在しません。

近年、在日韓国・朝鮮人には超法規的な特権、「在日特権」が存在しているからこれを撤廃すべきだという議論があります。

こう主張する人の中には、「韓国・朝鮮人は出て行け!」といった口汚い言辞を振りまく方がいます。誰に対してであれ、罵るのは適切ではありません。

一方、「在日特権」などそもそも存在しない。在日韓国・朝鮮人を誹謗するのはやめろ、と左翼人士、在日韓国人運動家は主張します。

在日特権云々は、ヘイトスピーチ、嫌悪言論だと左翼人士や在日韓国人運動家は主張します。

「ヘイトスピーチ反対」を叫ぶ左翼の皆さんは、在日本朝鮮人総連合会が在日朝鮮人の歴史的事情を考慮すれば納税額について特権があって当然だという主張を長年していることを直視するべきです。

税法には、在日朝鮮人の歴史的事情と納税額の関係について定めた規定は存在しないことを改めて強調しておきます。

左翼人士と在日韓国人運動家、在日本朝鮮人総連合会は日本が最悪国家だという点で完全に一致している


左翼人士は、「従軍慰安婦」に謝罪と償いをせよ、沖縄から米軍は出て行け、徴用で日本に来た韓国・朝鮮人に謝罪と償いをせよといった運動で在日韓国人運動家、在日本朝鮮人総連合会と協力しています。

朝鮮半島の植民地支配に日本人は謝罪と償いをすべきだ、という主張で左翼と在日韓国人の運動家、在日本朝鮮人総連合会、韓国と北朝鮮は完全に一致しているのです。

要は、左翼、在日韓国人運動家と在日本朝鮮人総連合会は、日本が最悪国家だという点では完全に一致しています。韓国左翼も同様に日本を把握しています。

近年は在日中国人も相当な数になりました。在日中国人のうち、漢族の多くは日本が最悪国家だと考えているでしょう。中国の少数民族や台湾人は必ずしもそうでない。

漢族による蛮行の歴史を知っていますから。

左翼はいまだに中国と北朝鮮が進歩的な国家と思い込んでいる―左翼には庶民目線がない


殆どの左翼人士と在日韓国人運動家は中国と北朝鮮は日本と対決しているから進歩的な国だ、と思い込んでいます。

そういう方々は、中国と北朝鮮の凄惨な人権抑圧について沈黙しています。中国ではウイグル、チベット、モンゴル人ら少数民族は常に監視され、政権への批判など殆どできません。

北朝鮮には政治犯収容所があります。国家安全保衛部(現在は保衛省)により、政治犯の公開処刑が時折実施されています。

政治犯収容所や公開処刑の現実を直視すれば、北朝鮮はナチス・ドイツと同様の全体主義国家だという話になってしまいます。金で腐敗しきった中国社会のどこに進歩性があるのでしょう。

中国と北朝鮮の現実を庶民目線で観察すれば、「日本が一番悪い」という左翼運動の前提が崩れてしまいます。左翼は庶民目線で中国、北朝鮮社会を観察、分析できない。

左翼人士が「従軍慰安婦」や朝鮮人強制連行、南京虐殺、沖縄の米軍基地云々と言い出したら、この人はとにかく、日本が一番悪い国だと言いたいのだなと思えば、「相互理解」が進むでしょう。

それほど悪い日本を批判している自分は素晴らしい人格者などだと宣伝したいのでしょう。

金正恩は北朝鮮工作員に生物・化学兵器テロを断行させうる


左翼人士と在日韓国人運動家は、金正恩は日本を批判しているから、大局的には社会進歩に貢献する人物であるとみなしている。

左翼視点では、元在日朝鮮人高英姫の息子である金正恩は日本の植民地支配の被害者です。

金正恩が生物・化学兵器や核ミサイルで日本を攻撃すれば、日本人だけでなく在日韓国人、朝鮮学校教職員と子供たちも犠牲になってしまう。

この現実を、左翼と在日韓国人運動家、在日本朝鮮人総連合会の皆さんは直視すべきです。

朝鮮中央通信(2014年11月23日)掲載論考「朝鮮国防委員会、『人権決議』を全面拒否、排撃」は、米国と朴グネ一派、そして日本が朝鮮人民軍の聖戦により徹底攻撃、焦土化・水葬されるだろうと主張しています。

朝鮮人民軍の核軍事力により、日本が焦土化、水葬されれば在日本朝鮮人総連合会の皆さんも生存は困難です。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんも、朝鮮人民軍の「無慈悲な攻撃」の的になっていることを申し上げておきたい。

朝鮮人民軍は日本人と在日韓国・朝鮮人、在日中国人を差別しません。

日韓併合期の朝鮮半島がどのようであれ、北朝鮮工作員が散布しうる生物・化学兵器で韓国人、日本人、在日韓国・朝鮮人、在日中国人はどうなるのか。

金正男氏はVXガスで殺されました。VXガスをベトナム、インドネシア女性が作ったはずがない。朝鮮人民軍ないしは朝鮮労働党の該当部署しか考えられない。

「朝鮮人の税金問題はすべて、商工人と税務当局との話し合いによって解決する」という合意


「在日特権」についていえば、在日本朝鮮人総連合会の皆さん、朝鮮商工会の皆さんは上記のような理屈で朝鮮商工人に日本の税法を機械的に適用したら、公正ではなく差別だと主張してきました。

上記論文によれば、朝鮮商工会は本国に代わり、同胞商工人の利益と意思を代表して日本国税当局と話し合いを行って、在日朝鮮商工人のすべての税金問題の解決をめざすたたかいが地道に進められました。

その結果、昭和51年11月、在日本朝鮮商工人と日本政務当局の間に、「朝鮮人の税金問題はすべて、商工人と税務当局との話し合いによって解決する」という内容をふくむ五項目の合意がなされたと上記論文は主張しています。

この件は、国会でも問題になっています。政府はそんな合意は存在しないと答弁しています。

しかし徴税実務の現場ではどうなっているのでしょうか。

朝鮮商工人の中には、「暴力団の共生者」がいる


大いに疑問です。

私見では、朝鮮商工人の中には暴力団と密接な関わりを持っている方がいます。「暴力団の共生者」とも言える方々です。

暴力団の共生者、あるいは暴力団のフロント企業に、一税務署職員が粛々と実務をできるでしょうか。

自分が担当している地域の暴力団の共生者、フロント企業に一人で「こんにちは」と税務署員が訪問し、所得を正確に把握するために業務を遂行したら、何をされるかわからない。

脅かされて何でも「損金」扱いにされ、大幅に少なくなった利益で納税額が計算されるようになってしまってもおかしくない。

暴力団の共生者、フロント企業に対しては各地の税務署が警察と協力し、税法に基づいた実務を行うべきなのです。

その際、入手できたあらゆる情報を税務署が警察に全面提供できるよう、法を改正すべきです。現行法では、税務署と警察の協力は困難です。

さらに以下の点を、政府は全国の税務署に周知徹底すべきです。

(その1)在日韓国・朝鮮人の納税額は、在日韓国・朝鮮人が日本に定住するようになった歴史的事情と無関係であること。

(その2)朝鮮商工人の納税額は、彼らのおかれた状況と無関係であり、所得に基づいて決定されること。

(その3)朝鮮人の税金問題を、朝鮮商工人と税務当局との話し合いによって解決することはできないこと。

(その4)朝鮮総連系諸団体への献金を損金として認めないこと。


参考資料 朝鮮国防委員会、「人権決議」を全面拒否、排撃(平成26年11月23日朝鮮中央通信より抜粋。


Once a sacred war is launched to protect the sovereignty of the DPRK, not only the U. S. but the Park Geun Hye group and Japan will have to be hit hard and sent to the bottom of the sea.


일단 자주권수호의 성전을 개시하면 미국은 그들대로 얻어맞아야 하며 박근혜패당은 물론 일본도 통채로 초토화되고 수장되여야 한다.

英語と韓国語は少し異なっています。英語には「焦土化」という語はありません。「水葬」ではなく、「海の底に送られる」になっています。

「水葬」という語はそもそも、朝鮮語や日本語にあるのでしょうか?漢字で書かないとわかりませんね。

朝鮮中央通信はこの言葉を1月6日の「安倍の真珠湾行脚の目的暴露」(労働新聞掲載委)でもまた用いています。

英語ではresult in bringing the archipelago of Japan to the bottom of the sea, になっています。

日本列島が海の底に持っていかれる結果となるそうです。

朝鮮人民軍は、日本人と在日本朝鮮人総連合会を区別しないのです。朝鮮学校で学ぶ子供たちも、「安倍の好戦的な動き」とやらのために朝鮮人民軍の攻撃の的になっています。

朝鮮学校教職員の皆さんは、朝鮮人民軍の標的になって海の底に沈められてしまうかもしれないことを、子供たちにどう教えているのでしょうか。

朝鮮人民軍により、朝鮮学校で学ぶ子供たちの命と暮らしが脅かされているのです。

左翼の皆さんは朝鮮学校に自治体が補助金を出すべきと主張していますが、朝鮮学校が自治体と一緒に海の底に沈んでしまったら補助金は雲散霧消してしまいます。

朝鮮学校教職員の方々は、「労働新聞」「朝鮮中央通信」のこの類の論考を熱心に読んでおられるはずです。朝鮮大学校の学生諸君ならこの論文を読めるはずです。

御自分たちが朝鮮人民軍の攻撃目標となり、日本人と一緒に海の底に沈められる?かもしれないことをどう受けとめているのでしょうか。

追記 北朝鮮の核実験により白頭山噴火?


少し前の新聞に、北朝鮮が白頭山からさほど遠くないところで核実験をやれば、噴火の可能性があるという記事が出ていました。

核実験の規模によって、ありうることなのでしょう。噴火と言っても、その規模により影響は大きく異なる。

白頭山噴火の可能性を、在日本朝鮮人総連合会の皆さんは金正恩に進言すべきではないでしょうか?朝鮮労働党高位幹部には進言などできないでしょう。









2017年3月7日火曜日

宮本顕治氏、畑田重夫氏による北朝鮮礼賛より思う。―「ソ連邦共産党第二十一回臨時大会の意義と兄弟諸党との連帯の強化について(「前衛」1959年5月号掲載論考)、「朝鮮問題と日本」(新日本新書)―

「朝鮮民主主義人民共和国は、アメリカ帝国主義の侵略戦争によって国土に大きな破壊と犠牲をうけたにかかわらず、朝鮮労働党の指導のもとに団結をつよめ、『千里の駒』運動の標語が示すように、すばらしい速度で復興から新しい社会主義建設の発展にむかってまい進しつつある」(同論考より抜粋)


一昔前の日本共産党は、テロ国家北朝鮮を礼賛していました。日本共産党の最高幹部だった宮本顕治氏(当時は書記長)は、北朝鮮礼賛の中心でした。

昭和30年まで在日朝鮮人の共産主義者は日本共産党員でしたから、日本共産党の宣伝は在日朝鮮人の間に大きな影響力がありました。

寺尾五郎氏の「38度線の北」(新日本出版社刊行)は北朝鮮がいかに素晴らしく発展しているかを詳述しています。これは当時の日本共産党の宣伝方針に沿った文献です。

日本共産党と在日本朝鮮人総連合会の宣伝を信じて北朝鮮への帰国を決意した在日朝鮮人一家はいくらでもいました。

日本共産党は朝鮮労働党の共同コミュニケで、在日朝鮮人の帰国後の生活安定と子女の教育保障があると宣伝した


日本共産党と朝鮮労働党の共同コミュニケ(昭和34年2月27日)には次があります。

「日本共産党代表団は、祖国に帰ることを望む在日朝鮮公民の切実な念願を実現させるために朝鮮民主主義人民共和国がとった一連の措置を全面的に支持し、かれらの帰国後の生活安定と子女の教育を保障すべき一切の準備がととのっていることを満足感をもって指摘した。」

宮本顕治氏は、いったい何を根拠として在日朝鮮人が帰国した後の生活安定と子女の教育の保障があるなどと指摘したのでしょうか。

日活の映画「キューポラのある街」では、北朝鮮へ帰国していく在日朝鮮人一家の様子が描かれています。

この映画を観て、帰国できてよかった、在日朝鮮人は祖国北朝鮮に帰ってこそ幸せになれるのだとほとんどの観客は思ったことでしょう。

北朝鮮へ帰国した元在日朝鮮人について、川越敬三氏との共著「朝鮮問題と日本」(昭和43年新日本出版社)などで北朝鮮を礼賛してきた畑田重夫氏はどう考えているのでしょうか。

畑田重夫は上記の著作で、「朝鮮の統一という課題を追及する努力とたたかいが民主主義のためのたたかいとして承認されるなら、戦争は政治の継続ですから、民主主義の為の戦争(内戦)もまた承認されなければなりません。」と述べています(同書p107) .

朝鮮人民軍は昭和25年6月25日に38度線を越えて韓国に侵攻し、韓国軍兵士だけでなく、女性や子供、老人も沢山殺しました。

畑田重夫氏に問いたい。朝鮮人民軍による韓国人殺害は民主主義ですか。内戦では、普通の韓国人は朝鮮人民軍に殺害されてしかるべきなのでしょうか。

国際政治学者畑田重夫氏は、「憲法人生」を生きてきたそうです。

「憲法人生」と、朝鮮人民軍による韓国市民殺害の関係を国際政治学の眼で冷静に分析していただきたい。

吉良よし子議員、池内さおり議員、朝岡晶子氏(「とことん共産党」という共産党のインターネット放送の司会)ら若い共産党員は宮本顕治氏の上記論文や畑田重夫氏の昔の著作を全くご存じないらしい。

「とことん共産党」という表現は、誇大広告ではないでしょうか。宮本顕治氏の論考は日本共産党の路線を理解するためには基本的な文献です。

基本文献をまともに読んでいない共産党員は、「とことん共産党」ではなく、「何となく共産党」です。

金日成、金正日の論考をしっかり読んでいない在日本朝鮮人総連合会の方は、金日成民族の一員ではありえない。それと同じです。

優れた共産主義者は最高指導者の論考を日々の行動の指針とする


宮本顕治氏は、日本共産党の党首を長年務めた方です。現在の日本共産党の基本路線は、宮本氏の主導により昭和36年夏に作成された綱領です。

宮本顕治氏が書記長として活躍していた頃の日本共産党はソ連、東欧、中国や北朝鮮を礼賛していました。

これは、当時の「赤旗」「前衛」や、新日本出版社の「経済」などを図書館で少し調べれば明らかです。宮本顕治氏のこの論文を読めば、当時の左翼、日本共産党の宣伝をよく実感できます。

その後の日本共産党は宮本顕治氏の路線を部分的に修正していますが、基本は同じです。

吉良よし子議員ら若い共産党員の主張の基本パターンを理解するためにも、宮本顕治氏の諸論文は大事です。

一般に、優秀な共産主義者は最高指導者の論考を必死で読み、日々の行動の指針とします。

旧ソ連ではレーニンとスターリン、かつての中国なら毛沢東や劉少奇、鄧小平、北朝鮮では金日成や金正日の論考を読み解くことが、共産主義研究の基本です。

北朝鮮研究では、朝鮮中央通信や労働新聞掲載の諸論考も大事です。

日本共産党の研究をするならば宮本顕治氏、不破哲三氏、上田耕一郎氏や志位和夫氏の文献を読みこみ、基本は同じでも部分的にどのように修正されているかを看破せねばなりません。

畑田重夫氏の昔の著作も、日本共産党が主導してきた「平和運動」がどんな役割を果たしてきたかを検討するために重要な文献です。

「何となく共産党」の若い共産党員は革命家としては水準が低い。

そういう方々は日本革命を実現しようなどとは全く思っていない。共産党員との人脈を維持するために共産党の活動に参加しているだけです。

宮本顕治氏は、朝鮮戦争は米国が始めたと大嘘宣伝をした―ソ連や中国、北朝鮮は「平和のとりで」


宮本顕治氏は上記論文で、朝鮮戦争を始めたのは米国であるという大嘘宣伝をしました。これは、当時の左翼としては常識でした。

宮本顕治氏が定式化した日本共産党の「平和理論」の基本は次です。

米国が日本と朝鮮の主権と平和を侵害している。米国はアジアの平和の敵でもある。米国と対立してきたソ連や中国、北朝鮮は「平和のとりで」である。

吉良よし子議員、池内さおり議員や朝岡晶子氏は、あるいは「平和運動」を担当している川田忠明氏は、ソ連や中国、北朝鮮が「平和のとりでである」など日本共産党は主張していない、と怒るかもしれません。

怒る方々は、宮本顕治氏の論文を読んでいない。宮本顕治氏の上記論文には次があります。

「ソ連邦およびソ連邦を先頭とする社会主義世界体制が、世界平和のたしかなとりでである意義は一そう巨大かつ決定的となる。」

「社会主義諸国の対外政策は、平和と諸民族の主権の尊重の政策であり、社会主義世界体制の成功は、帝国主義陣営の戦争と侵略の政策へのより一そう大きな制動力の出現を意味する。」

「しかし、考えてもみよ。七か年計画の目標数字は、その実現のためのソ連邦人民と共産党のあのすばらしい熱情は、ソ連邦が戦争政策でなく、平和共存の政策を堅持することを前提としている。」

宮本顕治氏はこの論文で、ソ連が世界の平和をのぞんでいることをうたがうことができるものは、一にぎりの戦争きちがいだけである、と断言しています。

宮本顕治氏によれば、ソ連邦における核兵器保有、ICBMの量産は、帝国主義陣営が侵略と戦争の政策をとりつづけていることへの必要にしてやむを得ない措置です。

宮本顕治氏のこの考え方を、「理論化」したのが上田耕一郎氏の「マルクス主義と平和運動」(昭和40年大月書店刊行)です。

日本共産党の「平和運動」の基本路線―社会主義の手にある核兵器は平和の武器である―上田耕一郎「マルクス主義と平和運動」(昭和40年大月書店刊行)


ソ連や中国、北朝鮮など共産主義国は本質的に平和勢力であり、核軍事力を平和のために保有している。

これは、上田耕一郎氏が「理論化」し日本共産党が主導してきた「平和運動」の基本路線です。上田氏の前掲著は次のように述べています。

「ソ連が最初に原爆実験に成功したとき、すべての平和活動家が世界戦争防止の事業の成功に新しい確信をいだきえたように、社会主義の手にある核兵器はただ侵略戦争の防止、社会主義と民主主義の防衛のための平和の武器である」(同書p56より抜粋)。

ソ連や中国の核兵器は平和の武器だという主張です。

国際政治学者畑田重夫氏は、日本共産党の「平和運動」に長年参加してきた方です。

国際政治学者畑田重夫氏は若い頃から新聞や雑誌を丹念に読んでこられたはずですから、宮本顕治氏の前掲論文や上田耕一郎のこの本を読んでいることでしょう。

畑田重夫氏の著作には、宮本顕治氏や上田耕一郎氏への批判は一切ありません。従って現在でも畑田氏は共産主義国である中国や北朝鮮が平和勢力であると信じているのでしょう。

川田忠明氏の最近の論文「北朝鮮と中国にどう対応するか―平和運動の立場から「(「前衛」2016年2月号掲載)も同様です。

川田氏は、「北朝鮮の行動は深刻な脅威となっている。」から「平和運動はこの脅威を取り除くことを強く求める」と述べていますが(論文p14)、北朝鮮が日本に先制攻撃をする可能性については全くふれていません。

北朝鮮はこれまで数えきれないほど、日本に対して脅迫めいた声明を朝鮮中央通信で発表しています。去る1月6日にも、日本を水葬すると放言しています。

水葬とは、日本列島に連続核攻撃を加えて陸地を低くし、海の底に沈めるという意味なのでしょう。核攻撃により陸地が低くなることがありえるのでしょうか。

いずれにせよ、北朝鮮は核ミサイルや生物・化学兵器で先制攻撃を日本や韓国に断行しうる。北朝鮮はマレーシアで既に化学兵器、VXガスを使いました。

腹が立ちますが現状では、北朝鮮による先制攻撃を防ぐことは極めて困難です。北朝鮮工作員が生物・化学兵器を日本に持ち込むのは難しくない。

北朝鮮が核ミサイルや生物・化学兵器により先制攻撃をしてきたら、日本はどうすべきなのか


核ミサイルや生物・化学兵器攻撃をされてしまった場合、日本はどうすべきなのか。

私は日米安全保障条約の全面発動を米国に要請し、北朝鮮、特に金正恩の居住地域を徹底攻撃するべきと考えます。自衛隊は米軍と一緒に出撃するべきです。

川田忠明氏ら日本共産党員はこのとき当然、日米安全保障条約の発動に全力で反対するのでしょう。

近年の日本共産党は自衛隊による反撃を認めているようですが、自衛隊に敵基地攻撃能力はありません。

北朝鮮に核ミサイルや生物・化学兵器攻撃をされてしまっても、自衛隊だけでは報復できないのです。真に残念ですが、自衛隊は朝鮮半島まで届くミサイルや爆撃機を保有していません。

川田忠明氏ら日本共産党員は、日本が北朝鮮から核ミサイル攻撃や生物・化学兵器攻撃をされても、「六か国協議を緊急開催すべきだ」「外交的解決が唯一の道」などとつぶやくだけなのでしょう。

東京に核ミサイルが命中してしまったら、政府だけでなく与野党首脳とマスコミ各社も全滅する可能性があります。「赤旗」も暫く発行困難になる。

「赤旗」を編集、作成する方がいなくなってしまうかもしれないのです。「平和運動」の集会やデモは、東京ではもうできなくなる。参加者がいないからです。

こんなことを云うのは私も本当に悔しいのですが、核ミサイル攻撃で政府首脳がいなくなれば文民統制下にある自衛隊は出撃できませんし、米国に日米安全保障条約の発動要請を出す人もいない。

大阪や名古屋が北朝鮮の次の標的になっても、何の報復もできないかもしれません。

こんな破滅的な事態を防ぐために法的準備と自衛隊による敵基地攻撃能力を保持しよう、という知識人は稀有です。

左翼に「戦争勢力」とレッテルを貼られることを怖がる知識人があまりにも多すぎる。

日本の知識人であるなら、多少の知性と想像力を駆使して日本を守るための言論活動をするべきです。

日本共産党が主導してきた「平和運動」は共産主義国による戦争実現運動だった


日本共産党の「平和運動」とは、共産主義国の軍事力を平和の武器である、危険はないと宣伝し、共産主義国対する警戒心を緩めて、共産主義国が戦争を仕掛けたら勝利するように仕向ける策動なのです。

日本共産党が主導する「平和運動」は、共産主義国による戦争実現運動だったのです。日本共産党と在日本朝鮮人総連合会は戦争勢力です。

吉良よし子議員、池内さおり議員、朝岡晶子氏ら若い共産党員はこれを否定するでしょう。

そうであるなら、吉良よし子議員ら若い共産党員は中国、北朝鮮の核軍拡と北朝鮮の化学兵器量産に反対、批判するデモや集会を実行するべきです。

朝岡晶子氏は、「とことん共産党」で宮本顕治氏の上記論文や、上田耕一郎氏の「マルクス主義と平和運動」、畑田重夫・川越敬三「朝鮮問題と日本」(新日本新書)を取り上げ、出鱈目な宣伝と主張をした昔の日本共産党員を徹底批判するべきです。











2017年3月6日月曜日

金正日の「社会的政治的生命体論」から金正男氏殺人事件を考える―領袖の孫、息子は社会的政治的生命体の頭脳である領袖と無関係なのか―

「金日成同志は、史上初めて、個人の肉体的生命と区別される社会的政治生命体があることを明らかにしました。不滅の社会的政治生命体は、領袖、党、大衆の統一体である社会的政治的集団を離れては考えられません。


(中略)個々人の生命の中心が頭脳であるのと同じように、社会的政治集団の生命の中心はこの集団の最高頭脳である領袖です。」(金正日『チュチェ思想教育における若干の問題について」、朝鮮労働党中央委員会の責任幹部との談話―1986年7月15日)


在日本朝鮮人総連合会の皆さん。主体思想を一生懸命学んでいるのなら、金正日のこの論文を御存知でしょう。

金正日によれば、領袖を社会的政治的生命体の最高頭脳というのは、領袖がまさにこの生命体の生命活動を統一的に指揮する中心だからです。

朝鮮労働党は領袖を中心に組織的、思想的に強固に結合した人民大衆の中核部隊として、自主的な社会的政治的生命体の中枢をなしています。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんも、金日成民族、金正日朝鮮の一員として、社会的政治的生命体に入っていらっしゃるのでしょう。

個人は党と運命をともにするとき、不滅の社会的政治的生命をもつ


金正日によれば個々人は党組織を通じて社会的政治的生命体の中心である領袖と組織的、思想的に結合し、党と運命をともにするとき、不滅の社会的政治的生命をもつようになるそうです。

領袖とは金日成を指すのでしょう。金日成死後は、金正日が「領袖」になりました。

では在日本朝鮮人総連合会の皆さんにお尋ねしたい。

領袖の孫、「党中央」すなわち金正日の息子金正男氏は朝鮮労働党の組織を離れて海外で、きままな暮らしをするようになりました。

金正男氏は社会的政治的生命体の中心である領袖との血縁的な結びつきが希薄になっていたのでしょうか?

「親バカ」金正日と「爺バカ」金日成


金正日にとって、金正男氏は「放蕩息子」「駄目息子」だったかもしれません。しかし金正日は成ヘリムさんが金正男氏を産んだとき大喜びしたそうです。

李韓永氏の手記「金正日に暗殺された私」(太刀川正樹訳 廣済堂出版)によれば、金正日は「親バカ」でした(同書p58 )。

金正日が長男の存在を初めて金日成に話したは、1975年4月ごろだったそうです。金日成は初めは金正日を𠮟りつけましたが、すぐに気を静め、会ってみようという話になったそうです。

会ってみるとその子は、大きな目だけは母親似ですが口元から鼻にかけては幼い頃の金正日そっくりで、金日成はたちまちこの子を気に入り、「正男」と名付けたそうです。

これ以降、金日成は暇さえあれば正男を側において可愛がり、「親バカの金正日」以上に「爺バカ」ぶりを発揮したと李韓永氏は記しています(同書p61-62)。

李韓永氏は成ヘリムさんの姉の息子ですから、金正日の甥です。

李氏は子供の頃、「十五号官邸」という、中央党本庁舎のすぐそばの金正日邸で金正男氏と一緒に過ごしたたそうです。

在日本朝鮮人総連合会の皆さん。

主体思想では、「領袖」の孫ないしは息子は、社会的政治的生命体のどこの部分になるのでしょうか。頭脳の近くなら、顔のどこかでしょうか。

金正日の論文は、これについて何も解明していません。

「領袖」も「偉大なる領導者」も、幼き正男を目の中に入れても痛くないぐらいに思っていたのです。初孫で長男ですから。

金正男氏は領袖と党から離れていたから、人間の本性に反する価値のない生活をしていたのか


金正日によれば、領袖は社会的政治的集団の中心ですから、革命的信義と同志愛も領袖を中心としたものになるべきです。

領袖は社会的政治的生命体の最高頭脳であり、集団の生命を代表しているため、領袖への忠実性と同志愛は絶対的で無条件的なものとなります。

社会的政治的生命体から離れて自由奔放に生きていた金正男氏は、三大世襲を批判していました。

金正男氏は領袖金正恩への絶対的で無条件な忠実性と同志愛を否定したと言えます。会ったこともない弟にそんなものを求めても無理でしょう。

金正男氏は領袖と党から離れ、孤立した生活をしていたから、人間の社会的本性に反する価値のない生活をしていたことになるのですか。

従って金正男氏は、外国人女性によりVXガスで殺害されてしかるべき存在であると、草葉の陰にいる「党中央」、金正日が考えるはずがない。

「偉大なる領導者金正日将軍」は放蕩息子金正男の面倒を見てくれと妹金慶喜、張成澤に遺言を残したのでは?


金正日は、絶対性、無条件性をもって金正男氏を愛していたのではないでしょうか?

「社会的政治的生命体」とやらから離れた「放蕩息子」でも、父親としての愛情は何一つ変わらなかった。

正男は放蕩息子だから後継者にはしないが、面倒をみてやってくれと金正日は妹金慶喜と張成澤、そして金正恩に遺言をして亡くなったのではないでしょうか。

全くの推測ですが、私にはそう思えてならない。

朝鮮学校教職員の皆さんは、子供たちに「社会的政治的生命体」から離れた金正男氏は、実父の領袖と無縁だから外国人女性によりVXガスで殺害されてしかるべきだと教えるのでしょうか。

それならば、リビアの革命は素晴らしい、金正恩は独裁者だとフィンランドのテレビ番組で語った金ハンソル氏(金正男氏の長男)も同様ですか?

金正日の孫、金ハンソル氏が、国家安全保衛省の次の的になっているかもしれないのです。

「偉大なる領導者 金正日将軍」が明らかにしたという総連事業方針は、金正日の息子や孫をどのように処遇せよと述べていたのでしょうか。

金正日の遺志はどうあれ、金正恩と国家安全保衛省の好きなようにさせるのが「自主的な生き方」なのでしょうか。


2017年2月28日火曜日

在日本朝鮮人総連合会の皆さんに問う。金日成の孫、金正日の愛息子金正男氏を外国人女性をそそのかしてVXガスで殺すのは「主体革命偉業」「全社会の金日成・金正日主義化」なのか。

朝鮮学校の教職員の皆さん。朝鮮商工人の皆さん。在日本朝鮮人総連合会傘下の各団体で働く専任職員(일꾼)の皆さん。

朝鮮大学校社会科学研究所が監修している「チュチェ思想叢書」〈全十五巻)の第十二巻「主体的社会変革論」を見て下さい。


著者は朴龍朝鮮大学校社会科学研究所副所長です。この本のp216は次のように述べています。

「チュチェ思想が具現された朝鮮民主主義人民共和国では、社会の全成員が集団の生命である社会政治的生命をもち領袖、党、大衆が一心団結をなして生き、社会と集団のために自分のすべての精力と才能をつくすことに生きがいと誇りを感じている」(白峰社1995年発行)。

マレーシアのクアラルンプールで、ベトナム人女性とインドネシア人女性によりVXガスで殺された金正男氏は、金日成の孫、金正日の長男ですが、金正日や朴龍氏の説く「社会政治的生命体」から離れて、自由奔放な暮らしをしていました。

金正男氏はディズニーランドに行くために偽造旅券で家族と訪日しました。金正男氏は日本だけでなくマカオや欧州、東南アジアでいろいろな商売をしていたようです。

金正男氏は、「主体的社会変革論」と無縁の生き方をしていたと思えてなりません。

金日成の孫、金正日の愛息子金正男氏は「社会政治的生命体」から離れ、「自主的な生活」をしていなかった


金正日は次のように述べています。

「人間にとって肉体的生命も貴重であるが、より貴重なのは社会政治的生命である。肉体的生命よりも社会政治的生命を重んじることは、社会的存在である人間の本質的要求である。」

「人間の最も価値があり、生きがいのある生とは、みずからの運命を社会的集団の運命と結合させ、社会的集団のために献身的に服務しながら社会的集団の愛と信頼のなかで自主的に創造的な生活を送ることである。」(「社会主義は科学である」より抜粋)。

金正日の言う「社会的集団」とは、朝鮮労働党のことです。韓国で「社会的集団」と言えば、政党や市民団体はもちろん、企業や学校、趣味の同好会も意味します。

金正日が、韓国・朝鮮人に韓国の政党や財閥、企業のために献身的に服務することが創造的な生き方であると主張しているわけがありません。

金正男氏は「あんな国の後継者になるのはアホだ」「三大世襲に反対する」などと言う発言を、日本のマスコミ関係者に電子メールなどで繰り返していました。

金正男氏は、みずからの運命を社会集団たる朝鮮労働党と結びつけていなかったから、「自主的な生活」をしていないと解釈されてしまったのでしょう。

朴龍氏の「主体的社会変革論」によれば、ブルジョア民主主義は個人の生命を最優先させる点で個人主義的生命観に発する個人的民主主義です。

社会主義的民主主義は集団の生命を最優先させる点で集団主義的生命観に発する民主主義、集団的民主主義です。朝鮮民主主義人民共和国では、社会主義的民主主義が全面的に実現されています(同書p220より)。

「主体的社会変革論」によれば、朝鮮式社会主義のもとで勤労者はみな政治組織生活を通じて貴い社会政治的生命を輝かしています(同書p221)。

そうであるなら、朝鮮労働党の「政治組織生活」とほぼ無縁の暮らしをしていた金正男氏は、社会政治的生命体と無縁の「宗派分子」なのでしょうか。

金日成の孫、金正日の息子である金正男氏は北朝鮮工作員の使」使嗾で外国人女性によりVXガスで死んで然るべき存在だったのでしょうか。

金正日は父金日成に、金正恩を紹介できなかった―金正恩の母高英姫が元在日朝鮮人(帰国者)だから


私見では、金正男氏は父金正日を尊敬し深く愛していました。金正日は金正男氏を「困った奴だ」くらいには思っていたでしょうが、深く愛していました。

金正日は長男金正男氏が生まれたとき、どれだけ嬉しかったことでしょう。金正男氏の母親は成ヘリムさんという、韓国出身の北朝鮮女性です。

金正日は父金日成に、成ヘリムさんと金正男を妻子として紹介したそうです。ところが、金正日は三代目金正恩を父金日成に紹介することはできなかった。

皆さんも気づいていらっしゃるでしょうが、金正恩には金日成と一緒に写っている写真や映像が全くない。

これは、金正恩に対する尊敬感を北朝鮮国民に広まるために絶好の材料です。北朝鮮国民に公開して都合が悪いはずがない。

なぜ金日成と金正恩が一緒に写っている写真や映像がないのか。

金正恩の母親、高英姫さんが元在日朝鮮人(帰国者)だからです。金日成も元在日朝鮮人を毛嫌いしていたのです。

帰国者と北朝鮮の住民間の感情的対立―「アパッチ」「原住民」


帰国者は北朝鮮の人々を、「原住民」「アパッチ」などと呼びます。帰国者から見れば、北朝鮮の人々は入浴する習慣があまりないので、汚らしい。

帰国者から見れば、北朝鮮の人々は人生には選択肢があるという発想が弱く、上の人々の言いなりになっている。

帰国者の親戚を持つ在日朝鮮人なら、「アパッチ」「原住民」という3隠語を御存知でしょう。

北朝鮮の人々から見れば、帰国者は朝鮮語が下手な癖に金の力で成り上がっている。日本の親戚から送金を受けている帰国者のイメージがあるのでしょう。

北朝鮮の人々には、帰国者(元在日朝鮮人)は日本人の血が混じっている連中で、親日派だというような真におかしな価値観を持っている方が多いのです。

これは全く間違った考え方ですが、そう思っている人が多いのはどうしようもない。

三代目金正恩の母が帰国者(元在日朝鮮人)であることが北朝鮮国民にばれたら、金正恩は「白頭山血統」ではなく、「富士山血統」または済州島の「ハルラ山血統」と陰口を叩かれてしまいます。

「富士山血統」「ハルラ山血統」で何か悪いのかな?と私たち日本人には思えてしまうのですが、北朝鮮国民には重大問題です。最高指導者は白頭山血統の方でしかありえない。

成ヘリムさんは著名な女優でしたから、北朝鮮国民としては金正男氏、あるいは金正男氏の息子の金ハンソル氏のほうが最高指導者にふさわしいということになります。

「正統性」があるということでしょう。「正統性」という言葉を、どういうわけか朝鮮半島の皆さんは好みますね。

金正日は招待所で奢侈生活をしていた。「金正日の料理人」藤本健二さんの著作は真実だった


在日本朝鮮人総連合会の皆さんは金日成、金正日の妻子を御存知なのでしょうか。「金正日略伝」(在日本朝鮮人総連合会編)には、金正日の妻子について一切記載されていません。

金正日の女性関係、子供の名前は絶対的な機密なのです。これを話題にしただけで、「山送り」(山間僻地への追放)となりえます。

三代目金正恩の存在を、私たちは「金正日の料理人」こと藤本健二さんの著作で知りました。

著作が発表された後も、金正恩は藤本さんと会っています。藤本さんの著作が全くのねつ造なら、金正恩が会うはずがない。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんも、金正哲、金正恩と妹金予正の存在を藤本健二さんの本で初めて知ったのではないでしょうか。藤本さんに感謝すべきでしょう。

藤本さんの本がなければ今でも、金予正が金正恩の妹であることがわからなかったはずです。

金正日とその家族は、90年代後半の「苦難の行軍」の時期でも、「招待所」で豪華なことこの上ない生活をしていました。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんは、朝鮮学校で金正日、金正恩らが住んでいる「招待所」とそこでの豪勢な暮らしについて教えるべきです。

海外で長年暮らした金正男氏も、北朝鮮の一般国民から見れば想像もできないような贅沢な暮らしをしていました。北朝鮮社会は、日本や韓国とは比較にならない「格差社会」なのです。

「主体革命偉業」「全社会の金日成・金正日主義化」により形成されたのは、資本主義社会よりももっと極端な「格差社会」だったのです。

金日成の孫、金正日の愛息子金正男氏殺害は「主体革命偉業」「全社会の金日成・金正日主義化」なのか


王子様のごとく育てられた金正男氏は、父親以外の誰かに命令されることなど想像もできなかったでしょう。金正男氏が幼少時に住んでいた屋敷では、パンダを飼っていたらしい。

金正男氏は異母弟金正恩の何らかの命令に逆らった可能性はある。だから金正男氏は「宗派分子」なのでしょうか?

再び在日本朝鮮人総連合会の皆さんに問います。

金正日の論文「社会主義は科学である」に次があります。

「人間は社会的存在として自主的な権利をもち、自主的な要求を実現しながら生きてこそ、社会政治的生命をもち、尊厳ある生き方をしているということができる。

人間が自主性を失い、他人に隷属されれば、生きているとしても社会政治的には死んだも同然である。」

自由に生きていた金正男氏は、「自主性を失い、社会政治的には死んだも同然である」から、「肉体的生命」を失わせることが「主体革命偉業」「全社会の金日成・金正日主義化」なのですか。

朝鮮学校教職員の皆さんは、金日成の孫、金正日の愛息子金正男氏の死を子供たちにそのように教えるのでしょうか。

金日成の孫、金正日の愛息子を外国女性をそそのかし、VXガスで殺害することは「共和国の自主権」なのでしょうか。












2017年2月25日土曜日

金正男氏殺人事件より思う。金正男氏は「反党反革命宗派分子」とみなされた。

「偉大な首領金日成同志が開拓された革命偉業を、代を継いで最後まで継承し完成していかねばならない。」(「十大原則」の十)

「自分自身だけではなく、すべての家族と後代たちも偉大な首領を仰ぎ奉り、首領に忠誠を捧げた党中央の唯一的指導に限りなく忠実でなければならない。」(「十大原則」十の四)(「世界政治-論評と資料」1988年4月上、762より抜粋。日本共産党中央委員会発行)。


「党の唯一思想体系確立の十大原則」は、北朝鮮社会では法律より上の、絶対的な社会規範です。これに背く人物は、「反党反革命宗派分子」というようなレッテルを貼られます。

一昔前の日本共産党は、この文書が北朝鮮分析のために極めて重要であることを察知し、翻訳して党員と支持者に広めていました。

吉良よし子議員、池内さおり議員ら若い共産党員はこの文書を知らないでしょうけれど。

金日成の孫、金正日の長男である金正男氏が、マレーシアの空港で悲惨な死を迎えてしまいました。マレーシア警察の発表によれば、金正男氏の体からVXガスが検出されました。

ベトナム人女性とインドネシア人女性が、金正男氏に液体をかけたようです。

二種類の液体を金正男氏の顔にかけて、VXガスが形成されるようにしたという説も出ています。

この殺人を北朝鮮工作員が直接実行したわけではないのですが、二人の女性を使嗾したのは北朝鮮以外に考えられない。

VXガスないしはそれを形成できる液体を二人の女性がどこからか入手して、見知らぬ人に散布するわけがない。二人の女性は金正男氏がどんな人物なのか、知らなかったようです。

北朝鮮工作員は、殆ど何も知らない女性二人に「殺し」をやらせ、首尾よくやったことを見届けると直ちに「高飛び」してしまったのです。

心臓麻痺で死んだと見せかけられるとでも思ったのでしょうか。これも、チュチェ思想から導かれる行動です。金正男氏の死は北朝鮮と無関係と断固主張せねばなりませんから。

金正恩なら、金日成の孫、金正日の息子の殺害指令を出せる


金正男氏はなぜ、この時期に殺されなければならなかったのか。マスコミではいろいろな議論がなされています。

北朝鮮で金日成の孫、金正日の長男の殺害指令を出せるのは、金正恩しかいません。

では金正恩はなぜ殺害指令を北朝鮮の工作部署(偵察総局という説が濃厚)に出したのか?

金正恩の内心は検証しようがありません。金正恩の内心は憶測するしかない。

金正恩の表面的な理屈としては、金正男氏が「党の唯一思想体系確立の十大原則」のどこかの条項に違反し、「反党反革命宗派分子」になったという話が考えられます。

テレビに出てくる北朝鮮問題の専門家には、朝鮮労働党の諸文献から北朝鮮工作員や北朝鮮各部署の行動を説明する方が少ないようです。奇妙ですね。

金正男氏は金正恩がアホ(con)だというフランス語メールを日本人記者に送った


金正男氏は自由奔放に西側マスコミと接触し、「北朝鮮の体制の後継者」になるのはアホ(con)だ」というフランス語のメールを、ある日本人記者に送っていたそうです。

これはテレビで放映されました。

金正男氏は金正恩がアホ(con)だと放言していたのです。北朝鮮ではこれは、「首領冒涜罪」「民族反逆罪」に相当する重罪です。

金正男氏は、金正日が提起し確立させた「革命的領袖観」を体得できなかったのです。

金正日によれば、人民大衆は党の指導の下に、領袖を中心として組織思想的に団結することで永生する自主的な生命力をもつ一つの社会政治的生命体をなします(チュチェ思想教育で提起されるいくつかの問題について」)。

自由に行動し気軽に発言する金正男氏は「社会政治的生命体」から離れた存在ですから、革命の自主的な主体ではありません。反党反革命宗派分子ともいえます。

金正男氏の息子、金ハンソル氏はリビアの革命を素晴らしいと云った


チュチェ思想から見れば、「リビアの革命は素晴らしい、金正恩は独裁者だ」とフィンランドのテレビで公言した金ハンソル氏(金正男氏の息子)も、張成澤のような反党反革命宗派分子です。

北の工作員が金ハンソル氏を狙う可能性はある。

金日成の孫、金正日の息子も「反党反革命宗派分子」として処刑するのが、チュチェ思想から導き出される行動なのでしょうから。

ところで、藤本健二氏の手記から明らかなように、「招待所」で贅沢三昧をしていた金正日は、飢餓状態の民衆と著しくかい離していました。

金正恩も、「招待所」で贅沢な暮らしをしてきました。贅沢な暮らしは、国民が朝鮮労働党に捧げる外貨や物資に依拠していました。

金日成、金正日、金正恩こそ、搾取者そのものです。日本や韓国の企業経営者より、ずっと贅沢をしている。

別荘を持っている企業経営者はいくらでもいますが、金正日の「招待所」ほどの規模と設備は考えられない。日本や韓国では無理です。株主総会で徹底批判されてしまう。

在日本朝鮮人総連合会は金正日の孫、金ハンソル氏も「反党反革命宗派分子」とみなすのか


革命的領袖観に徹したチュチェ型の革命家は、金日成、金正日そして金正恩をいつまで崇めるのでしょうか。

金日成の孫、金正日の息子殺害は、領袖と党中央に対する「絶対性、無条件性」にふさわしい行動でしょうか。

私には、愛息子を殺された金正日が草葉の陰で号泣しているとしか思えません。

金正日の妹、金慶喜の動向も不明です。悲惨な死に方をしたのかもしれません。

「金日成民族」「金正日朝鮮」の一員である、在日本朝鮮人総連合会の皆さんは、金ハンソル氏も「反党反革命分子」であり、「死に値する罪」を犯していると考えているのでしょうか。

朝鮮学校の教職員は子供たちに、「首領様の孫、偉大なる将軍様の息子でも、社会政治的生命体から離れたら生きている価値はない。VXガスでの死に値するのだ」と教えるのでしょうか。