共産党(労働党)は歴史を修正します。
日本共産党員の皆さんは怒るでしょうが、不破さん、志位さんも御自身に都合のよいように歴史を修正しています。
「日本共産党の百年」や近年の赤旗記事を読んだだけでは、日本共産党の真の歴史とは程遠い歴史観を抱いてしまいます。
本ブログではこれを繰り返し論じてきました。
赤旗は青瓦台事件を南朝鮮人民の愛国的闘争と報じた
昭和43年1月に起きた、青瓦台事件(朝鮮労働党武装工作員による韓国の朴大統領暗殺未遂事件)について、1月31日の赤旗は次のように報道しています。
「つぎに『南朝鮮武装ゲリラ侵入』のデマ宣伝の問題です。
いま南朝鮮の各地で南朝鮮人民がたちあがり、アメリカ占領軍とかいらい政権をふるえがらせていることは事実です。
しかしこの南朝鮮人民の愛国的闘争を『北朝鮮武装ゲリラの侵入』だといっているのは、アメリカ帝国主義と反動勢力がねじまげたデマ宣伝です。(中略)
南朝鮮人民の闘争は労働者、農民、学生の多様なたたかいの発展の基盤のうえに武装闘争に発展してきたものです。(中略)
アメリカ帝国主義と朴政権は、この南朝鮮人民のやむにやまれぬ愛国的闘争を『北朝鮮武装ゲリラ侵入』とさわぎたて、国内の目を『北』にそらしながら、
国内のファッショ体制をいっそう強化するとともに、これを朝鮮民主主義人民共和国にたいする軍事挑発と戦争準備の口実にしようとしているのです」
青瓦台事件での赤旗報道については、本ブログの他に「お笑い日本共産党」さんがHPで詳しく論じています。
青瓦台事件と日本共産党機関紙赤旗の報道 (niji.or.jp)
日本共産党指導部は、本音を一般党員や赤旗読者に内緒にするー建前、宣伝と本音が異なりうる
青瓦台事件や、昔の日本共産党と朝鮮労働党の関係について、20年ほど前に不破さんは以下で説明しています(平成16年1月5日「赤旗」)。
どう考える 北朝鮮問題/不破議長に聞く(2)/日本共産党の態度(その1)/60年代のある時期までは…… (jcp.or.jp)
不破さんによれば、青瓦台事件は南の民衆のなかから生まれた部隊ではなく、北から送り込まれたものだったことは、ただ一人生き残った隊員の証言で間もなく明らかになりました。
そこで、宮本顕治さんら当時の日本共産党中央は、北朝鮮の「南進」政策には反対であることを伝えるため朝鮮労働党に代表団を送ることを決定したそうです。
宮本顕治さんや不破さんは、昭和43年2月頃には青瓦台事件が朝鮮労働党の武装工作員が起こした朴正熙大統領暗殺未遂事件であることを熟知していました。
しかし赤旗は、上記のようなデマ宣伝についての謝罪記事など出しませんでした。
当時の日本共産党の一般党員や赤旗読者の方々は、赤旗のデマ宣伝を信じたでしょう。
日本共産党中央の指導部は、本音を一般党員や赤旗読者には内緒にすることがあるのです。
日本共産党中央による宣伝(建前)と本音が異なる場合は珍しくありません。
不破さんは南の民衆の中から生まれた部隊とやらが実施するなら、朴正熙大統領へのテロを支持する
上記の不破さんの文章に注目しましょう。
不破さんは、南の民衆の中から生まれた部隊とやらが朴正熙大統領へのテロを実行したのなら、支持したと考えられます。
赤旗記事はそういう論調です。
昭和43年当時の日本共産党は、朴正熙政権が米国のかいらい政権であり、韓国は米国の植民地であると規定していました。
宮本顕治さん、不破さんらは、朝鮮労働党が武装工作員をソウルに侵入させて朴正熙大統領へのテロは、かいらい政権を打倒するための解放運動と見ていたと考えられます。
朝鮮労働党は一貫して米軍は朝鮮半島から出ていけ、と主張しています。日本共産党の平和理論では、金日成と朝鮮労働党は平和勢力です。
朝鮮半島の社会進歩を担う朝鮮労働党が、南の民衆をかいらい政権から解放するため、武装工作員をソウルに侵入させて朴正熙大統領へのテロを実施する事は、日本共産党から見れば社会進歩の事業です。
ソウルで武装工作員が機関銃を乱射する事が社会進歩の事業とは物騒な話ですが、当時の日本共産党員はそう考えていたのです。
私見では、昭和43年8月の朝鮮労働党との会談で、宮本顕治さんらは金日成に以下のような主張をしたと考えます。
朝鮮人民軍を再び南進させてかいらい政権打倒を目指したら、米国が参戦し大戦争になってしまうので、それは日本共産党としては支持できない。
しかし、武装工作員による朴正熙大統領に対するテロなら、これまでどおり支持できる。
宮本顕治さんらは金日成にそんな話をしたと思えてなりません。
不破さん、いかがですか。この時の朝鮮労働党との会談で、一般党員と支援者に内緒にしている事は他にありませんか。
歴史の修正は難しいのですよ。
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