2019年8月1日木曜日

日本共産党は朝鮮労働党の南進論を批判してきたのか―宮原たけし氏(日本共産党元大阪府議)の呟きより思う

「ウソつかないで。日本共産党は、北朝鮮の南進論を1967年から批判してきた日本でただ一つの党」(7月20日の宮原たけしさんのツイッターより)。


宮原たけしさんのこの呟きは、私が日本共産党本部に対して発した呟きのうち、「日本共産党は朝鮮労働党の南朝鮮革命を支持してきました」という部分に対して発せられたものと考えられます。

本ブログでは何度か取り上げていますが、日本共産党は朝鮮労働党との共同声明で、朝鮮労働党の南朝鮮革命路線への支持を表明していました。

昭和41年3月21日の共同声明は小島優編「日中両党会談始末記」(新日本文庫、p306-319)に掲載されています。

この件は宮原たけしさんにツイッターで返しましたから、宮原さんは既にこの本を参照なさったかと存じます。

日本共産党は朝鮮労働党の「たたかい」に全面的な支持を表明した


このときの共同声明には、朝鮮労働党の南朝鮮革命路線に関して次の記述があります。

「日本共産党は、アメリカ帝国主義と、それに追随する佐藤内閣の朝鮮民主主義人民共和国敵視政策を断固として非難し、国の自主統一をめざす朝鮮労働党と朝鮮人民のたたかいに全面的な支持を表明する。

日本共産党はアメリカ帝国主義との対決の東方の最前線に立って、国の社会主義建設と防衛を意気高くおしすすめている朝鮮労働党と朝鮮人民のたたかいが、平和と社会主義の事業にとって大きな貢献となっていることをみとめる。」

日本共産党の日韓条約粉砕論は嫌韓言論の元祖


日韓条約については、共同声明は次のように述べています。

「両党の代表団は、さきごろ佐藤内閣と南朝鮮の朴正熙一味との間に結ばれた『日韓条約』は不法、無効のものであり、粉砕されなければならないとつよく主張する。

『日韓条約』は、日朝両国人民の利益に反し、アジアと世界の平和をおびやかすものである。」

昔の日本共産党は、大韓民国の存在を否定し、朴正熙一味などと失礼極まりない宣伝をしていました。

嫌韓言論、韓国へのヘイトスピーチの元祖は日本共産党だ、とも言えそうです。

宮原たけしさんは、昭和22年生まれで京大文学部卒とHPに出ています。大阪府議を七期務められた方です。

いつ日本共産党に入られたのかはわかりませんが、京大の学生だったときなら、日韓条約締結時(昭和40年)とほぼ同時期です。

宮原たけしさんが若い頃の御自分の姿を思い出して下さったら、そういえば昔の日本共産党は日韓会談、日韓条約粉砕論者で金日成と朝鮮労働党を礼賛していたな、と思い出せるはずですが。

日韓条約の少し前に、日本共産党と在日本朝鮮人総連合会の宣伝を信じてたくさんの在日朝鮮人が北朝鮮に帰国したことを、宮原たけしさんが知らないとは思えません。

たつみコータローさんや、わたなべ結さんならこのあたりの事を一切ご存じない事でしょう。

ところで昔の日本共産党の主張に従い、日韓条約を粉砕、破棄したら在日韓国人の法的地位はどうなるのでしょうね。

私は法律をあまり知らないので、確かなことは言えませんが在日韓国人が定住権を失ってもおかしくないと思えます。

日韓条約破棄なら韓国と事実上、断交することになりますから。

日本共産党員に必要なことは、自らの歴史を、日本共産党の一昔前の文献により素直に振り返ることではないでしょうか。

歴史に背く潮流に未来はない、と宮本顕治氏は著書で宣伝していました。

宮本顕治氏は北朝鮮が武力南進策をとっていないと宣伝した


その宮本顕治氏は昭和45年1月1日の「赤旗」インタビュー記事「歴史的課題の実現に大きく進む年に」で次のように述べています。

「朝鮮民主主義人民共和国が、南北朝鮮の民主的平和的統一を一貫して追求しており、いわゆる武力南進策をとっていないことは明白です。」(「日本共産党の立場1」新日本文庫、p148)。

宮原たけしさんならこのインタビュー記事を思い出せるはずですが、いかがでしょうか。

朝鮮労働党の南進論批判と正反対の見解を宮本氏は「赤旗」で表明したのです。「北朝鮮 覇権主義への反撃」に出てくる話と、ほぼ正反対ですね。

宮原さんとどこかでお会いできたら、見解をお伺いしたいと思っています。

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