2025年3月26日水曜日

続・朴尚得「在日朝鮮人の民族教育」(昭和55年ありえす書房刊行)より思うー朝鮮労働党と在日本朝鮮人総連合会は歴史を修正している

 この本の裏付けによれば朴尚得さんは朝鮮大学校民族教育研究所所長という、在日本朝鮮人総連合会の要職をお勤めだった方です。

昭和55年当時の朝鮮学校ではこの本に記されている歴史観、社会観に依拠し、金日成民族教育が実施されていたものと考えられます。

これは、朝鮮労働党が日本や韓国に普及しようと努力している歴史観、社会観と概ね一致すします。朝鮮労働党は、都合の良いように歴史を修正します。

いくつか例をあげましょう。

(その1)この本のp. 34によれば、初代朝鮮総督寺内正毅は「朝鮮人は日本の法に服するかさもなくば死ね」と言ったと伝えられているが、朝鮮を占領した日本帝国主義は朝鮮全土を憲兵と警察、軍隊と監獄でおおい、暴虐非道な虐殺と搾取と略奪をしました。

(その2)この本のp. 54によれば、南朝鮮を占領したアメリカ帝国主義は、植民地隷属化政策を強行して軍政を実施し、日本帝国主義の植民地統治機構を温存し、民族反逆者どもをそのまま登用しました。アメリカ占領軍は英語を公用語にし、朝鮮人の自主的な活動をいっさい禁止しました。

(その3)この本のp. 63によれば、1945年9月、南朝鮮を占領したアメリカ帝国主義者の侵略的な策動の露骨化によって、祖国への帰国をしばらく断念せざるを得なくされた在日同胞は、長期にわたる日本在留を想定して、三つの教育方針をうちだしました。

(その4)この本のp. 89によれば、1950年6月25日、アメリカ帝国主義者の挑発により朝鮮戦争が勃発しました。米国は共和国北半部に対する侵略戦争を強行する一方、日本の軍国主義を復活させ、在日同胞を迫害しながら日本の民主勢力を弾圧しました。

暴虐非道の日本帝国主義に、生きる途を探してわたった南朝鮮農民とは矛盾

(その1)は荒唐無稽です。寺内正毅が、いつそんな事を云ったというのでしょうか。寺内正毅がそんな変な事を誰かに呟いても、それだけです。朝鮮総督府はそんな行政指令を出していません。

朝鮮全土を憲兵と警察、軍隊と監獄で覆う事はできません。日本統治期の朝鮮半島に、朝鮮半島に住んでいた日本人は数十万人程度です。その程度の人数では、朝鮮全土を憲兵と警察、軍隊で覆う事はできません。

日本統治期の朝鮮半島に、今の北朝鮮のような政治犯収容所はありません。この本のp. 38によれば、南朝鮮のおちぶれた農民たちは、日本帝国主義と地主に土地をうばわれた怨念をいだいて、生きる途をさがして日本の労働市場にと玄界灘をわたったそうです。

暴虐非道な虐殺を行っているはずの日本に、生きる途をさがして渡るとは随分変な話です。

朝鮮総督府の統治は暴虐非道ではなかったから、日本に生きる途を探してわたった方が沢山いたと考えられます。暴虐非道なら、本土に来たらもっととんでもない目に合うと予想できたはずです。

朴尚得さんは金日成がソ連軍に連れてこられた事を内緒にしている

朴尚得さんは、ソ連が朝鮮半島の北部を占領し、ハバロフスク近郊にいた金日成を連れてきて首相にしたことを内緒にしています。この本には、この記述はありません。

朝鮮人連盟の時期の朝鮮学校では、ソ連が朝鮮半島北部を解放した、と正直に教えていたのではないかと考えられます。

今の朝鮮学校では、金日成将軍が日本帝国主義を破り、朝鮮半島北部を解放したことになっていそうです。

(その2)は、韓国左翼も保持している歴史観です。韓国政府は親日派を一掃できなかったから、金日成と朝鮮労働党のような正当性を欠いているという大韓民国滅亡論です。

文在寅大統領は親日派一掃とやらを積弊清算、という語で表現していました。

民族反逆者、とは李承晩大統領ら当時の韓国政府の要人を指すと考えられます。朝鮮学校では、大韓民国には正当性がないと教えられてきたと考えられます。

米軍が韓国で英語を公用語にした、と朴尚得さんは記していますが、これは疑わしいですね。この時期の韓国で英語を使える人は稀ですから、公用語などにできるはずもありません。

昭和20年頃でしたら、朝鮮半島の若者の殆どは、日本語を使いこなせたと考えられます。国民学校に通っていたでしょうから。

(その3)は随分奇妙な話です。一体、米国の統治政策のどれにより、在日朝鮮人が韓国に帰りにくくなったというのでしょうか。

昭和26年9月8日のサンフランシスコ講和条約締結まで、日本は連合国、実際には米国の統治下にありました。この点では、韓国と大差ありません。

何らかの点で、朝鮮半島に戻るより、日本に長く居住した方が有利だと判断したから、何十万にもの朝鮮半島出身者が日本に引き続き居住したと考えられます。

(その4)も奇妙な話です。朝鮮戦争は、朝鮮人民軍の南侵により始まりました。韓国政府と米軍は油断していたのです。米軍の参戦は、大韓民国を守るために実行されました。

金日成、朝鮮労働党の見地では、米軍が参戦しなければ、朝鮮半島を統一できたはずでした。しかし、米軍が参戦しないはずがありません。

金日成と朝鮮労働党がなぜこれを予測できなかったのかは不明です。また米国政府が、人民解放軍の参戦を予測できなかった理由も不明です。

これは後になって、わかることなのかもしれませんが。

この本には、米軍と韓国軍により追い詰められた金日成と朝鮮労働党を救うため、彭徳懐率いる人民解放軍が参戦したからこそ、戦況が変わった事が記されていません。

朝鮮学校の子供たちは、朝鮮戦争における人民解放軍の参戦を授業で習っていない可能性が高い。それなら、歴史の修正です。

今の朝鮮学校では勿論、朝鮮人民軍によるウクライナ侵略など教えられていないでしょう。

自国がたった今、侵略戦争を行っている事実を北朝鮮の住民は教えられていません。在日本朝鮮人総連合会の皆さんもこれを内緒にしています。

内緒にしても、これを知らない在日韓国・朝鮮人は稀有の存在でしょう。朝鮮学校の教員の皆さんは朝鮮人民軍によるウクライナ侵略を大喜びで隠ぺいしているのでしょうか。

朝鮮学校の教員の皆さんは、ウクライナへの侵略戦争で亡くなった人民軍兵士をどう考えているのでしょうか。

朝鮮学校の教員の皆さんの率直な御意見を伺いたいですね。

在日本朝鮮人総連合会は朝鮮学校の上位にあるー朴尚得さんの説明

この本のp. 106によれば、朝鮮人学校には、学生、生徒たちの組織体として在日本朝鮮青年同盟や少年団があり、教職員のそれには在日本朝鮮人教職員同盟があり、父母には在日本朝鮮人教育会があります。

このような在日朝鮮人の各界各層の組織体を網羅する、より上位のものとして在日本朝鮮人総連合会があります。

在日本朝鮮人総連合会は、日本にいる朝鮮人の意思を代表し、その権利と利益を守る団体として在日朝鮮公民の子弟に対する民族教育を実施するなど諸般の事業を行っています。

その際、朝鮮民主主義人民共和国の対外政策にもとづくことを一番だいじな原則にしています。チュチェ思想の団体ですから。

在日本朝鮮人総連合会の常任委員会が、下部組織の人事配置を決定している

朝鮮人学校における集団の自覚の教育と民族の自覚の教育は、相互に分かちがたい有機的な統一をなしています。

朴尚得さんが明記しているように、朝鮮学校は在日本朝鮮人総連合会の下部組織として、朝鮮民主主義人民共和国、すなわち朝鮮労働党の対外政策に基づいた教育を実施しています。

要は、金日成民族教育です。

私見では、在日本朝鮮人総連合会の常任委員会が、朝鮮学校も含む下部組織の人事配置を決定しています。

朝鮮労働党の在日本朝鮮人総連合会担当幹部が、在日本朝鮮人総連合会最高幹部の人事配置を決定しています。

朴尚得さんが記述している、学生、生徒たちの組織体である在日本朝鮮青年同盟や少年団で、徹底的なチュチェ思想教育が実施されています。

この中で、思想的に優れていると判断された生徒は、朝鮮労働党の在日本非公然組織、学習班に加入するよう指導されます。

在日本朝鮮人総連合会の優秀な活動家の方々は皆、朝鮮労働党の在日本非公然組織、学習組に加入しています。朴尚得さんは、これはよく御存知と思います。

この本のp. 92によれば、在日本朝鮮人総連合会はチュチェ思想をその唯一の指導理念としています。

この本のp. 94によれば、日本に住む全ての青少年を、共和国の忠実な息子と娘に教育する事は、共和国公民としての在日同胞の神聖な義務の一つです。

これこそチュチェ思想教育です。

日本共産党、左翼人士の皆さんは朝鮮学校に補助金を支出すべきだ、と主張しています。

日本共産党、左翼人士の皆さんはチュチェ思想を大局的には社会進歩、歴史の法則的発展に貢献する思想と把握しているのでしょうね。

朝日本共産党、左翼人士の皆さんは鮮労働党と在日本朝鮮人総連合会による歴史の修正が大局的には社会進歩、歴史の法則的発展に貢献すると信じているのです。異様です。






2025年3月10日月曜日

朴尚得「在日朝鮮人の民族教育」(昭和55年ありえす書房刊行)より思うー中国共産党が在日朝鮮人運動の路線転換指令の発信源ー

 この本の末尾にある編著者紹介欄によれば、朴尚得さんは1927年に朝鮮に生まれ、1945年に東京高等師範学校に入学しました。

]1952年に東京大学文学部心理学科卒業、現在は朝鮮大学校民族教育研究所の所長と出ています。朝鮮青年社から「朝鮮教育の発展」という本も、出されています。

推測するに、朴尚得さんは在日本朝鮮人総連合会の結成(昭和30年5月)の前から、教育分野で在日朝鮮人運動に参加してきた方なのでしょう。

在日朝鮮人の民族教育について研究論文を書いている方なら、朴尚得さんの論文や著書を御存知と思います。

この本について、私は数々の疑問を持っています。そのうちの一部を以下記します。

朴尚得さんはなぜ、昔の在日朝鮮人運動が日本共産党の指導下にあったことを記さなかったのか

(その1)第2章 在日朝鮮人教育のあゆみ より

p. 92-93に以下の記述があります。

1955年5月25日、在日60万同胞の意思と利益を代表する新しい組織ー在日本朝鮮人総連合会が結成された。

これは、金日成主席のチュチェ思想と海外同胞運動に関する独創的な方針にのっとったものであり、朝鮮民主主義人民共和国の海外公民団体が、この日本にはじめて生まれたことを意味していた。

朝鮮総連は、チュチェ思想をその運動の唯一の指導理念とし、在日60万同胞を共和国のまわりに固く団結させ、民主主義的民族権利を守り、祖国の自主的平和統一をなしとげ、世界の平和愛好人民との国際連帯を強めることを、その中心的な課題としてうちだした。

昭和30年5月には、金日成はまだチュチェ思想を提起していないと考えます。

この時期の在日本朝鮮人総連合会の皆さんが、チュチェ思想をその運動の唯一の指導理念としているとは考えられません。

在日本朝鮮人総連合会が結成される前に、在日朝鮮人の運動を主に指導していたのは日本共産党の中央指導部、民族対策部の方々です。これを金尚得さんが知らないはずがない。

この時期の日本共産党中央では、金天海、朴恩哲が在日朝鮮人運動の指導を担当していました。

なぜ朴尚得さんが日本共産党と在日朝鮮人運動の関係を記さなかったのかは不明です。p.92に「新しい綱領」という表現がありますが、これは金日成の社会主義教育テーゼの事でしょう。

しかし、社会主義教育テーゼが出されたのは昭和52年です。変な話です。

在日朝鮮人運動の路線転換指令の発信源は中国共産党

朴慶植編「朝鮮問題資料叢書 第十五巻 日本共産党と朝鮮問題」(アジア問題研究所1991年刊行)の「6 路線転換に関する党の指示」の(1)に、「在日朝鮮人運動について」(1955年1月中央指示」が掲載されています。以下です。

祖国の統一と独立を目指す力の発展は、在日朝鮮人の民族的統一に大きな拍車をかけ、統一の気運は高まっている。この際、「民戦」の役割は重要である。

あくまでセクトを捨て、在日朝鮮人の全体が包合させる民族戦線組織結成の方向、例えば在日、華僑総会の如くに尽力すべきである。

基調は、生活圏と共和国公民の意義と権利にある。このことに対する党の態度についていえば、訪日十字会の廖副団長の「他国の内政不干渉」の立場を正しく理解すべきである。

日本と朝鮮の間にのみ他国と異なる歴史的、地理的関係があると言ったことは、この問題の解決には何ら影響しない。

在日朝鮮人に日本革命の片棒をかつがせようと意識的にひき廻すのは、明らかに誤りである。

昭和30年1月に、日本共産党中央はこの指示を出しました。この前の年に、在日中国人の日本共産党員が日本共産党から離脱しています。

訪日十字会の廖副団長の「他国の内政不干渉」の立場を正しく理解すべきである、という記述に注目しましょう。廖副団長とは、廖承志という方です。

廖承志という名前は、文革期に中国共産党が日本共産党に行った干渉との関係で日本共産党の文献にも出てきていたと記憶しています。中国共産党の対外連絡部所属かも知れません。

萩原遼さんの「北朝鮮に消えた友と私の物語」(文芸春秋社刊行。文庫版pp. 366-367)によれば、廖承志が華僑に出した指示は、在日朝鮮人にも向けられていました。

昭和29年10月当時、金日成は朝鮮戦争で滅亡する寸前の危機を人民解放軍により救われたのですから、朝鮮労働党は中国共産党に隷属していました。

日本共産党も主流派が北京に亡命し、北京機関を形成していました。この時期、金日成と朝鮮労働党、日本共産党共に、中国共産党に隷属していたのです。

チュチェ思想は、文化大革命期の中国共産党に対する金日成の反発から、金日成が朝鮮労働党の宣伝扇動部や、理論を担当する部署に指令して形成されたと考えられます。

1960年代後半に、チュチェ思想、党の唯一思想体系という表現が出てくると考えられます。

廖承志の指令を受け取った日本共産党臨時指導部は民族対策部に在日朝鮮人運動の路線転換指令を出した

(2)中央民対会議の結語、には次が記されています。

・(1)八・一五以後祖国が解放され、政策が明らかになった。

・(2)われわれの任務は、あくまで祖国の統一独立である。

・(3)またそれは、民主主義人民共和国による全朝鮮の統一である。

・(7)新綱領は、日本の革命のためのものであり、われわれは祖国を保持するためでその目的が違ってくるから、党籍を離脱する。

・(8)現在の日本における状態から、労働党がわれわれを指導する事は無理である。しかし、これらの援助なくしては発展はありえない。

新綱領、とは日本共産党の51年綱領です。朝鮮労働党との関係は、指導を仰ぐのではなく、援助を要請するという程度になっています。

この点で、在日朝鮮人運動の中で争いが起きたと考えられます。

朴尚得さんの本(p. 91)には、事大主義、民族虚無主義に陥った一部の人々の行為により、民族教育において民族的な主体が失われ、重大な危機が醸し出されたこともあったと記されています。

朴尚得さんは、在日朝鮮人運動の主導権争いに敗れ、北朝鮮に渡った朴恩哲さんら日本共産党民族対策部の指導者達を、事大主義、民族虚無主義に陥った一部の人々と記していると考えます。

朝鮮労働党の在日非公開組織が結成されていった

朴慶植編「朝鮮問題資料叢書 第十五巻 日本共産党と朝鮮問題」(アジア問題研究所1991年刊行)のpp. 391-398に(4)在日朝鮮人運動の転換について、が掲載されています。これは日本共産党の民族対策部全国会議で確認、決定された方針草案の要旨です。

p. 398の五、(1)を抜粋します。

このたび、在日朝鮮人運動の転換に基づいて、新たに結成された「朝鮮総連」は祖国統一民主主義戦線の一翼として、在日六十万朝鮮人の民族的な総結集体であり、朝鮮民主主義人民共和国の日本における、居留民の組織である。

(2)は以下です。

在日朝鮮人運動の転換に従って、従来の在日朝鮮人運動の中における、前衛勢力の組織形態と任務も、また、変わらなければならない。従来、日本共産党に属していた朝鮮人党員は、日本共産党から、その籍を離脱し、在日朝鮮人運動の性格と内容に応じて、独自的な前衛勢力として組織されなければならない。

在日本朝鮮人総連合会が、統一戦線組織の一翼と位置付けられていることに注目しましょう。

指令の(2)に明記されているように、日本共産党に所属していた朝鮮人党員がこの後、独自的な前衛組織として、朝鮮労働党の在日非公開組織を形成したと考えます。

在日非公開組織の名称が、初めから「学習組」だったかどうかはわかりません。

朴尚得さんは、なぜ在日朝鮮人運動と日本共産党、朝鮮労働党と中国共産党の関係を記さなかったのでしょうか。

朴尚得さんが、朴慶植さんの著作を知らないなどありえません。

推測ですが、北朝鮮に渡った日本共産党の在日朝鮮人運動指導者たちが、1960年代後半頃に行方不明になったことから、この人たちについて言及すると厄介だと判断したのではないでしょうか。

在日朝鮮人運動、朝鮮学校の歴史について学術論文を出している方々は沢山いますが、私が見た限り、在日朝鮮人運動と日本共産党、朝鮮労働党と中国共産党の関係については皆、沈黙しています。

故萩原遼さんはこの辺りも良く御存知だったと考えます。皆、何で黙っているんだという萩原さんの叫びが聞こえてくるようです。

在日朝鮮人運動の研究者は、少なくない元在日朝鮮人が、政治犯収容所送りや、山奥送りになっていることを、素直な眼で見つめるべきです。歴史の修正をやめましょう。




2025年2月10日月曜日

志位さんは中朝露による日本攻撃を歴史の法則的発展と見ているー日本国家の国防力を皆無にしたい方々の本当の願いとはー

 簡単には実現できないが、できるものなら何とかこれを実現したいと思って日々、努力している方は沢山いるでしょう。

少年期に、プロ野球選手になりたいと願った方は少なくないでしょう。

そのために様々なトレーニングをやり続けていった人は、プロ野球選手にはなれなくても健康な身体を得たでしょう。

志位さんら日本共産党最高幹部の皆さんは、日本国家の滅亡、日本革命の実現を願っています。

私見では志位さんは、中朝露による日本攻撃、支配により日本国家が無くなる事を歴史の法則的発展、日本革命への弁証法的発展の道と見ています。

中朝露による日本攻撃で現政府機能停止、中朝露の指令に従う新政権発足で民主主義革命実現

中朝露による日本攻撃で政府が機能を停止したら、中朝露の指令に従う人々により新政権が発足して大企業の国有化等が実現し、民主主義革命に近い状態が実現すると志位さんは見ている。

日本共産党が与党になれたら、日米安保を活用しますが、今は野党だから、中朝露による日本攻撃で現政府を破壊する事は歴史の大きな流れでは社会進歩と見ているのです。

日本国家の滅亡のためには、日米安保廃棄・自衛隊大幅縮小で日本国家の国防力を皆無にし、中朝露による日本攻撃を実現できれば大いなる前進です。

これを露骨に言うと、とんでもない政党だと言われてしまいますから、日米同盟絶対視はおかしいと大宣伝し、徐々に日本国家の国防力を皆無にしていこうという調子です。

志位さんは、中朝露の日本攻撃を予想して日本国家の国防力を皆無にしようと訴えている

日本共産党の一般党員は、こんなことは考えてもいないでしょう。しかし志位さんなら、中朝露の核軍事力を熟知しています。

日米安保廃棄、自衛隊大幅縮小が実現できれば、中朝露は日本を攻撃、支配します。

志位さんなら、これを予想していると考えます。これは歴史の弁証法だ、という調子でしょう。

一般の日本共産党員が下記のような主張をする時は、憲法九条が一種の呪符のような働きをし、中朝露による日本攻撃を抑止すると信じています。

「軍事には軍事だと、戦争が起きる。憲法九条を生かした平和外交が大事だ」

「ASEANのようにあらゆる紛争を話し合いで解決しよう。そのために軍事反対」

一般の日本共産党員は、憲法九条教徒とも言うべき方々です。田村智子委員長の下記の訴えの末尾に、上記のような呼びかけが出ています。

卑屈で危険な「日米同盟絶対」の姿を露呈/日本共産党幹部会委員長 田村智子

本ブログの以下も御参考まで。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは、中国共産党が台湾を攻撃、支配する事を歴史の法則的発展と見るー日米が台湾防衛のために参戦する事を覇権主義的干渉と見る

 黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは中朝露に安心を与えたい(志位さんの講演より)ー志位さんは中朝露を平和勢力と見る


2025年2月9日日曜日

田村智子委員長は日本共産党職員の過酷な労働条件について話したくないー苦しい思い出、嫌な事があったのでしょうか

 齢を重ねたら誰しも、苦しい思い出や、嫌な事はあるものです。

あのとき、こうやれば良かった、失敗した、という思いを抱えて生きているものなのでしょう。

その事が心に重くのしかかっていると、何かの拍子で、それが話題になったとき、思わず顔をしかめたり、別の話を始めて論点を逸らしてしまいませんか。

田村智子委員長にとって、日本共産党職員に残業・休日出勤手当、夜間勤務手当が支給されないこと、職場としての日本共産党には低賃金・長時間労働が常態化している事は嫌な事、に該当していると考えられます。

下記の開始後15分頃、産経新聞記者が質問をします。

人間らしく暮らせる賃金と労働時間短のために力を合わせよう 2025.2.6

産経の記者は、(専従)日本共産党職員が労働者ではないとのことですが、労働時間短縮と賃金について言うなら、まず隗より始めよ、ではないが労働者の党としての姿勢を示す必要があるのではないかという質問をしています。

これに対し田村智子委員長は、それについては何度もお答えしています、前回御質問を頂いたとき、よくわかりましたと産経さんには言っていただきましたと少し早口で答えています。

田村智子委員長は、日本共産党職員が連日、低賃金・長時間労働を余儀なくされていることを熟知していますから、この件について一切話したくないのです。

御自身は早大卒業後、ずっと日本共産党にお勤めですから、苦しい思い出があるのかもしれません。

記者会見での田村智子委員長の表情、語調から私はそう感じました。

このアピールには、日本共産党は今後、同党職員に人間らしく暮らせる賃金と労働時間短縮を約束する、という記述は一切ありません。

働くみなさんへのアピール/人間らしく暮らせる賃金と労働時間短縮のために力を合わせよう/2025年2月6日 日本共産党

私見では日本共産党職員は連日、長時間労働を余儀なくされています。

日本共産党職員が連名で、人間としての豊かな暮らしのための時間がほしい、と田村智子委員長に直訴したら、分派結成とみなされ、除名か除籍、解雇されてしまいかねません。

職員に過酷な労働条件を強いている経営者が、他企業の経営者に人間らしく暮らせる賃金と労働時間短縮を実現せよ、と説教したら、あまりにも異様です。

田村智子委員長。苦しい思い出を忘れ、まず隗より始めましょう。

2025年2月1日土曜日

日本共産党職員はフリーランスの革命家であるー田村智子委員長の記者会見での発言よりー

 田村智子委員長は、記者会見で日本共産党と職員の関係は、資本家と労働者の関係とは異なると主張しました。「資本家と労働者の関係ではない」共産・田村委員長、専従職員問題で主張 - 産経ニュース 

日本共産党職員は自主的、自発的な意思の下で活動しているから、労働基準法が規定する労働者ではないという話です。

田村智子委員長は、普通の会社で働いている労働者は自主的、自発的に業務を遂行していないと考えているのでしょう。

日本共産党員には、普通の会社員はいないのでしょうか。

自主的、自発的に残業や休日出勤をしている社員に残業・休日出勤手当を支給する必要はないと経営者が公言する会社は、暗黒企業そのものです。

民主的法律家を自認する方々は、田村智子委員長の自主的・自発的職員は労働者ではない論に何の疑問も持たないのでしょうか。

日本共産党職員はフリーランスの革命家であるーしんぶん赤旗はフリーランスの記者が発行

田村智子委員長は、日本共産党と職員は有償委任契約の関係にあるから、職員に残業・休日出勤手当を支給する必要がないと言いたいのでしょう。

党首である田村智子委員長の見解は、大会決定に準じるものです。全ての日本共産党職員は自らは日本共産党に雇用されていないことを肝に銘じるべきです。

日本共産党職員は、フリーランスの革命家です。しんぶん赤旗は、フリーランスの記者が発行している新聞です。赤旗編集長も、恐らくフリーランスなのでしょうね。

フリーランスの記者間、職員間に職階が存在するのは変な話です。

日本共産党指導部から職員への指導とやらですが、有償委任契約の関係にある方に指導をするというのも変な話です。革命運動という業務を委託しているだけではないでしょうか。

奇妙な話ですが、日本共産党中央委員会という組織を構成する中央委員の方々も、数名の最高幹部を除いてフリーランスの革命家なのでしょう。

田村智子委員長は、しんぶん赤旗の紙面や記者会見で、日本共産党と職員は有償委任契約の関係にあるのだから残業・休日出勤手当など支給する必要がないことを説明するべきです。





2025年1月25日土曜日

田村智子委員長、国会で労働基準監督署に日本共産党職員には勤務時間と残業時間の区別など存在しないと説明しましょう

 田村智子委員長は先日の記者会見で、日本共産党職員は一般の労働者とは異なると主張しました。共産・田村智子委員長「専従職員の地位はいわゆる労使関係と異なる」 労働法令違反で見解(産経新聞) - Yahoo!ニュース

日本共産党は職員に残業・休日出勤手当、夜間勤務手当を支給していません。

田村智子委員長はこれを熟知し、日本共産党と職員の関係を普通の労使関係とは異なると主張しました。

日本共産党最高幹部は同党職員を、サービス残業を自発的に受け入れている存在と見ているのです。

私見では、労働者が自発的であろうとなかろうと、経営側は労働者に残業・休日出勤手当、夜間勤務手当を支給するべきです。

自発的にサービス残業をしているという理由でこれらを支給しなければ、労働基準法違反に問われる可能性があります。

日本共産党福岡県委員会は、労働基準監督署から是正指導を受けた

この問題に関連して、昨年日本共産党福岡県委員会は、福岡県の労働基準監督署から是正指導を受けました。

「労働者の党」が労働法令違反、職員「革命家」の意識か 共産党福岡県委の是正指導問題

 日本共産党福岡県委員会は労働基準監督署に、労働基準法で定められていた就業規則を届けていなかったそうです。

さらに、労働安全衛生法で義務付けられている労働時間の管理も適切に行っていなかったそうです。

これも酷い話ですが、日本共産党福岡県委員会は労働基準監督署に、日本共産党の職員は普通の労働者とは異なっているという日本共産党の認識を説明したのでしょうか。

「労働者の党」が労働法令違反、職員「革命家」の意識か 共産党福岡県委の是正指導問題

日本共産党職員は全ての生活を革命の事業に注いでいる―日本共産党職員に勤務時間と残業時間の区別などないー 

浜野忠夫副委員長の著作「時代を開く党づくり」(平成20年新日本出版社刊行。p.200)によれば、日本共産党の常任活動家(同党職員のこと)は全ての生活を共産党の任務においている活動家です。

日本共産党職員は全ての生活を革命の事業に注いでいるのですから、日本共産党職員の労働時間には勤務時間と残業時間という区別などないと浜野忠夫副委員長は考えているのでしょう。

浜野忠夫副委員長の見地なら、日本共産党職員に就業規則など求める方がおかしいのです。

日本共産党職員は一日の全ての時間、革命運動という業務に従事している存在なのですから。

日本共産党福岡県委員会は浜野忠夫副委員長の見地から労働基準監督署に説明すべきだった

私見では、日本共産党福岡県委員会はこの見地を福岡県の労働基準監督署に説明していません。

就業規則提出など、日本共産党福岡県委員会に求めるのはおかしいという話になるはずです。

田村智子委員長に提案です。

国会で労働基準監督署に、浜野忠夫副委員長の著作の見地から、日本共産党職員には勤務時間と残業時間の区別など存在しないと説明したらいかがでしょうか。

なお、私はこのブログやtwitter(現在はX)では繰り返し、職場としての日本共産党には労働基準法違反が蔓延していることを主張してきました。下記です。皆様の御参考まで。

 

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党職員は日本共産党には雇用されていない。フリーランスの革命家、有償委任契約者だから。宮地健一さん(元日本共産党職員)不当解雇の判決より―

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党が職員に残業・休日出勤手当を支給しないのは労働法に反していないのか―左翼法学者、弁護士に問うー

 

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位和夫委員長、小池晃書記局長には日本共産党職員(フリーランスの革命家)への指揮命令権はない

 

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 田村智子委員長、日本共産党職員に残業、休日出勤手当、深夜手当を支給しましょう。

 

 


 




2025年1月4日土曜日

志位さんの長話に、多くの日本共産党員、民青同盟員は飽きているー新春インタビューより思う

 昭和45年くらいからでしょうか。日本共産党は元旦のしんぶん赤旗に、党首のインタビュー記事が掲載します。

昔は宮本顕治さん、その後は不破哲三さんのインタビューでした。日本共産党員、民青同盟員はこれを熱心に読む事が職員から推奨されます。

今年は以下です。you tubeだと、1時間26分になる長時間インタビューです。

(176) 2025新春インタビュー 激動の世界 希望ある未来 志位和夫議長が大いに語る 2025.1.1 - YouTube

赤旗記事は以下です。

激動の世界 希望ある未来/志位議長が大いに語る

これを全部読む日本共産党員は、全体の10%もいないのではないでしょうか。思うに、少なくない日本共産党員、民青同盟員が志位さんの長話に飽きてしまっているのではないでしょうか。

同じ話を何度も繰り返しているだけですから。日本共産党の理論、科学的社会主義は、一種の勧善懲悪論になっています。

志位さんは中朝露が日米軍事同盟を批判しているから、平和勢力とみている

日本共産党は昔から、レーニンの「帝国主義論」に依拠し、帝国主義、金融資本が戦争を起こすと信じています。

「帝国主義論」の見地から、米帝国主義が世界各地での戦争の原因となっていると日本共産党員は信じています。

志位さんはこのインタビューで、ロシアのウクライナ侵略、中国が力での対抗を強化していることを情勢悪化のもう一つの要因だ、と述べていますが、それだけです。

平和を脅かしているのは、欧州でもアジアでも米帝国主義と軍事同盟、NATO諸国と日本、韓国という話です。

志位さんの脳裏では、アジアで最大の戦争国家は日本です。中朝露は、日米軍事同盟やNATOを批判していますから、平和のために戦っています。

中朝露が日本を攻撃してきたらどうするのか、という疑問を提起する人は、客観的には反動勢力、戦争勢力に加担していると日本共産党員は信じています。

憲法九条教は変な新興宗教

多くの日本共産党員は、日本が核兵器禁止条約に調印し、日米安保廃棄、自衛隊解散を実行して日本国家の国防力を皆無にすれば、中朝露は感動して核兵器を廃棄すると信じています。

科学的社会主義の経済学を信奉する日本共産党員にとって、中朝露は本質的に平和勢力なのですから、日本を攻撃、支配を策す国など存在しません。

そういう方々は、日米安保廃棄は勿論、自衛隊を一刻も早く解散させることがアジアと日本の平和に巨大な貢献となると盲信しているのです。

憲法九条教徒、とも言うべき方々です。憲法九条教は変な新興宗教の類ですから、まだまだ存続するでしょう。

この類の話はどこかおかしい、と思う日本共産党員も近年増えているようです。志位さんの理論的解明とやらは、勧善懲悪話の繰り返しですから、飽きてしまうのは当然です。

そんな方々も、憲法九条に対する信仰だけは保持していると考えます。一般に、変な新興宗教を信じるようになった方がそれから脱却するのは困難です。

日本共産党の平和理論について、本ブログはくり返し論じてきました。下記を御参考まで。 

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは、中国共産党が台湾を攻撃、支配する事を歴史の法則的発展と見るー日米が台湾防衛のために参戦する事を覇権主義的干渉と見る

 黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは中国共産党に、台湾政府と話し合えと要求できないー志位さんは台湾政府を中国共産党の反党分子と見ているから

  黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは台湾政府の存在を認められないー日本共産党の平和理論、世界観では、台湾政府は中国共産党の反党分子。