2013年6月26日水曜日

わが民族を解放したソヴェト軍隊万歳!-金日成選集第一巻(三一書房、1952年)よりー

共産党、労働党は歴史を塗り替える



齢を重ねれば誰しも、あのとき失敗してしまった、しくじったという経験はあるものです。若気の至りとも言う程度のものでしたら、改めてそれを他人に伝える必要はないでしょう。

自分の胸だけにそっとしまっておけば良いのです。皆そうしているものです。

しかし、統治者たる政治家の言動は国民に影響を及ぼすものですから、過去のものであっても正確に記録し後世の審判を仰ぐべきものではないでしょうか。

共産党や労働党は歴史が正確に記録されることを何より嫌がります。最高指導者の言動は、その後都合が悪くなったら差し替えてそれで良し、とするのが常です。

共産党、労働党とは歴史をそのときの自分たちにとって都合の良いように塗り替える人たちなのです。

北朝鮮の独裁者だった故金日成の著作からもそれは明らかです。


世界人民の偉大な指導者であり、恩人であるスターリン万歳!



金日成選集第一巻(三一書房、1952年)に「三・一革命運動二七周年のために」(1946・三・一)という演説が掲載されています。

編訳者によれば、この演説は金日成が平安南道人民委員会主催の三・一革命運動記念大会の席上で行った演説だそうです。

この演説の末尾で金日成は正直に「わが民族を解放したソヴェト軍隊万歳!」と叫んでいます。そして上述のように、「世界人民の偉大な指導者であり、恩人であるスターリン万歳!」とも叫んでいます。

しかしこの部分は、金日成著作集二巻(朝鮮・平壌・外国文出版社、1980年4月発行)では削除されています。

著作集第二巻には、「三・一運動二七周年に際して」という演説は掲載されていますが、ソ連についての記述が大きく修正されています。

金日成著作集第二巻では、「民主朝鮮を建設すべき歴史的な課題」の六番目として「ソ連人民との友好関係の強化」があげられているだけで、「わが民族を解放したソヴェト軍隊万歳!」「世界人民の偉大な指導者であり、恩人であるスターリン万歳!」はありません。


「金日成が祖国を解放した」という虚偽宣伝のために



1952年刊行の「金日成選集」も史実をどこまで正確に記載しているのか、怪しいものですがそれをさらに都合の良いように修正した金日成著作集を、北朝鮮の史実として見るのは適切ではないでしょう。

近年の北朝鮮がなぜ、スターリンに対する評価を変えたのかという観点から金日成著作集を読むべきでしょう。

「金日成が祖国を解放した」という嘘を普及するためには、ソ連とスターリンに関する記述を徹底的に削除、改ざんせねばならなかったということでしょうね。

「金日成将軍が祖国を解放した」と未だに盲信している在日本朝鮮人総連合会の皆さんや、韓国左翼の皆さんに是非とも、「金日成選集」(三一書房)を読んでいただきたいものです。


金正恩もスターリンを礼賛すべきだ


在日本朝鮮人総連合会の皆さん。

若い頃の金日成は、スターリンの忠実なる下僕だったのですよ。御本人の演説からも明らかではないですか。

金正恩が若い頃の金日成の真似をするなら、スターリン礼賛も真似るべきではないですか。金正恩はお祖父さんの若い頃の演説文など読んでいないでしょうけれどね。






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