いつか、りんごの片われに出逢える
夢を失わずに生きていこう。努力すればいつの日にか、自分の夢は必ず実現できる。夢と目標をもって人生と世界に挑戦しよう。
中学生や高校生の頃、誰しもこんな気持ちをもった経験はあるはずです。
何事もチャレンジしていこう。一度しかない人生、精一杯生きずにどうする。森村桂さんのそんな気概を、中学生の頃愛読者だった私は森村さんの作品の文中から感じ取りました。
1970年代から80年代にかけて、森村桂さんは若者に大人気でした。
9年くらいまえに、訃報を新聞記事で読みました。
夫のM.一郎こと三宅一郎さん著「桂よ。わが愛その死」(海竜社)は、森村ファンの一人として衝撃的でした。
晩年の森村さんは、大変な御病気だったのです。三宅さんは本当に精一杯、看病されたと思います。「桂よ。わが愛その死」の第五章の題名は「狂える桂よ」です。
それでも森村桂さんは、最期まで自分なりの夢を追い続けたのではないでしょうか。
七転八倒をしつつ努力しても結局のところ、満たされない夢。さしたる理由のない偶然から、奇妙な夢を持つようになってしまう人々。森村さんを利用した人も「夢」を持っていた。
三宅さんの言う「悪い桂」も様々な「夢」を追っていたことでしょう。
様々な「夢」を追う人々の生きざまを、森村さんは「りんごの片われ」である三宅一郎さんの筆を通して、最後に語って下さったのではないでしょうか。
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