「闘争の経過はわれわれの意図だけにかかるものではなくて、敵の出方による、と正しい立場に一貫して立っている」
「わが党は国際共産主義運動の一致した命題にもとづいて、人民の側の意向だけでこの問題を決定することはできないという、階級闘争の弁証法を知っている」(八回大会決定特集p138-139より抜粋)。
最近の日本共産党員は、宮本顕治氏の「日本革命の展望」を読んでいません。
日本共産党が八回大会で日本革命の最終的な形態は敵の出方により決まる、という「敵の出方論」を採択したことを、若い共産党員は知らないようです。
日本共産党仙台東地区委員会の方も、ツイッターを拝見する限り「敵の出方論」を御存知なかったようです。
日本共産党職員の方々は連日、お忙しいでしょうけれど基本的な文献をきちんと読むべきですね。
日本革命を志す革命家が、日本革命の展望を語らなくて革命ができますか。
「敵の出方論」は、昭和36年当時の国際共産主義運動の常識でした。
宮本顕治氏は八回大会で「モスクワ宣言」が「敵の出方論」の見地に立っていることをあげて自らの正当性の根拠にしていました。
上記のこの問題とは、日本革命の形態が平和的になるか、武装闘争と暴力革命になるか、という事です。
革命の平和的移行唯一論を唱えた春日庄次郎氏は社会民主主義的見地に完全に転落した、と宮本顕治氏は強く批判しています。
宮本顕治氏の中央委員会報告は大会代議員により採択されました。
第八回大会決定を否定する決定は存在しませんから、「敵の出方論」は今でも日本共産党の方針です。
不破哲三氏がどこかの論文で、「敵の出方論」は不法な手段で政権を転覆しようという人が出てきたら警察が逮捕するという方針だ、というような主張をしていました。
これなら、今の安倍内閣も「敵の出方論」を採用していることになります。
「敵の出方論」は日本革命の最終的な形態はどうなるか、という話ですから、日本革命など一切考えていない日本共産党以外の政党が採用しているはずがない。
今の不破氏は、「敵の出方論」が全くの出鱈目だったとわかっているのでしょう。それを隠蔽するために、「敵の出方論」を日本革命論と無縁の理論と宣伝しているのです。
不破哲三氏は、日本共産党やロシア革命とその後の内戦期のソ連史を都合の良いように修正して宣伝する術に長けた方です。
今の日本共産党は社会民主主義に転落したのか―春日庄次郎氏の米国分析は今の日本共産党の路線と同じ
今の日本共産党員は日本革命には平和的移行以外の道はない、と考えている事でしょう。
第八回大会の見地では今の日本共産党員は社会民主主義に完全に転落しています。
本ブログでは何度か主張していますが、現在の日本共産党の路線は春日庄次郎氏あるいは江田三郎氏(社会党)が唱えた「構造改革論」に近い。
昔の大阪の日本共産党幹部で、山田六左衛門という方がいました。この方は「構造改革論」者だったようです。
宮本顕治氏によれば、春日庄次郎氏は民主的な政府が要求すれば、米帝国主義は安保条約の破棄を拒めないと主張しました。
春日庄次郎氏は、人民の政府ができれば適法的に基地、駐留軍、沖縄の返還を要求でき、米国はこれを拒めないと主張しました(八回大会特集p138より抜粋)。
宮本顕治氏によればこれこそ、米帝国主義の侵略性の過少評価です。
春日庄次郎氏の主張は、今の日本共産党の綱領と同じと思えてなりません。
八回大会時の日本共産党員から見れば、今の日本共産党は社会民主主義に転落しています。
志位和夫氏は米帝国主義の侵略性を過小評価していることになります。
日本共産党員が、「野党と市民の共闘」を真剣に考えるのなら、「構造改革論」を再評価するべきではないでしょうか。
それにしても社会民主主主義に転落、とはいかにも宮本顕治氏らしい表現です。
この時でも宮本顕治氏は、スターリンの「社会民主主義者は社会ファシストだ」論を信奉していたのかもしれませんね。
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