2022年6月21日火曜日

大門みきしさん、富裕層や大企業が株や社債を保有すると、資金が滞留しますかー株主は企業経営の危険を負担して社会に貢献しているー

 日本共産党は、資本金10億円以上の企業を大企業と定義し、安倍内閣以降内部留保が増えた分に課税をしようと主張しています。以下は大門さんの本です。

田村智子議員、宮本徹議員も同様の呟きを発信しています。



内部留保課税は、二重課税そのものです。税引き前の当期利益に、いくらかの法人税が課され、それから配当と役員報酬を引いた残りが内部留保として蓄積します。

それにもう一度税をかけるのですから、二重課税です。私見では日本共産党がそれでも、大企業の内部留保課税を主張するのは、以下を根拠としています。

第一に日本共産党は、資本金が10億円を超えた企業は、日本を支配する勢力とみなし、徹底的に弱体化させることを自らの使命とみなします。

レーニンは、地主と富農を人民の敵と規定し、全財産没収と追放指令を出しました。日本共産党はレーニンの見地を継承しています。

資本金が10億円を超えると日本の支配者、それ以下の企業は中小企業だから被支配者で労働者と連帯しうるというのは実に奇妙な企業観です。

第二に日本共産党は、大企業や富裕層が株や社債を保有すると、お金が滞留してしまい経済が循環しなくなると信じています。

田村智子議員は各地の街頭演説でこれを強調しています。田村智子議員は呟きでも、大企業の内部留保となっている預金や証券の部分を世に回す、と主張しています。

田村智子議員は、企業は運転資金を常時保有しておかないといけないことがわからないようです。現金、預金を一切保有しなかったら、支払いができません。

証券とは、株や社債のことでしょう。これがなぜお金の滞留なのでしょうか。株式会社は、株主から資金を集めて、然るべき設備投資と雇用を行い、利益を出すべく努力します。

設備投資により必ず利益を出せるという保証はどこにもない。赤字が継続したら、株価は暴落します。

銀行が資金を貸してくれなくなったら、その企業は破綻し、株式は無価値となります。株主は企業経営の危険を負担することにより、社会に貢献しているのです。

資本規模が10億円を超えた企業あるいは保有金融資産が数億円に達する富裕層が株式を持つと、その保有分だけ資金が企業内部に滞留するなどありえません。

日本共産党員には、株主は企業経営の危険を負担して社会に貢献していることがわからない。

第三に、マルクス主義経済学なら株主は搾取者です。株主は働かないで利潤の一部を得ますから、株主は搾取をしていることになります。

大企業や富裕層は大株主でしょうから、巨額の搾取をしていることになります。搾取者を撲滅せよ、という発想です。

この辺りについては、以前も指摘しました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: Mankiwの検索結果 (blueribbonasiya.blogspot.com)

大門みきしさん、企業の買収・合併により資金が滞留しますか

大門みきしさん、先にも言いましたが富裕層と大企業をロシア革命の頃の富農、地主のように把握するのはやめましょう。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 大門みきし議員の「やさしく強い経済学」(新日本出版社刊行)を読みましたー大企業のもうけは大企業の株主、経営者、労働者に帰属しますよー (blueribbonasiya.blogspot.com)

ある大企業が、他の企業の株式を大量保有し経営統合をすると内部留保をより多く株式で運用していることにもなります。

これで資金が滞留していますか。

破綻した某流通大手の株を沢山買い、傘下にした大手流通企業は、買収した企業の再建に貢献していませんか。それで雇用を保証された労働者がいませんか。

日本共産党員は、平成不況の間にどんな大企業が破綻し、どのように再建されたか、あるいは再建されなかったのかを考えなかったのでしょうか。

巨大企業でも、投資に失敗すれば破綻していったではないですか。赤旗記者には、大企業の再建に関する報道はできなかったのかもしれませんね。

2022年6月19日日曜日

大門みきし議員の「やさしく強い経済学」(新日本出版社刊行)を読みましたー大企業のもうけは大企業の株主、経営者、労働者に帰属しますよー

 大門みきしさんは、怒りっぽい方なのでしょうか。私はtwitterでブロックされています。


大門みきし議員は以前、「大門ゼミ」という名前で経済について語るyoutube番組をやっていました。

この番組で北朝鮮について語る回の時、大門議員は、チュチェ思想について批判した日本共産党の文献について言及しませんでした。

私はtwitterで、朝鮮労働党は日本のチュチェ思想化を策しているのだから危険だと言わないのはおかしいと指摘しました。

日本共産党の文献の中には、それを指摘しているものもあります。察するに大門議員は、これが気に入らなかったのでしょうね。

大門みきし議員も、朝鮮労働党を大局的には平和勢力と見ているのでしょうね。朝鮮労働党はアジアから米軍は出ていけ、朝鮮半島の非核化を長年主張していますから。

日本共産党の平和理論では、朝鮮労働党は平和勢力です。

大企業のもうけ、利益は大企業の株主、経営者、労働者に何らかの経路で配分されている

この本は、大企業のもうけ、利益は余剰資金となって株や証券投資に配分されているだけだから、実体経済の成長にはつながっていないと主張しています(p35)。


大企業のもうけが、株や投資信託などの金融資産に配分されたら、庶民とは無縁の余剰資金になってしまう、という発想です。

金融資産を保有して収益が得られたら、それは次期の企業活動を支え、雇用が継続される源になります。

大企業で働く労働者は大企業がもうけたら、それでささやかながら得をしています。

大企業が投機をすると余剰資金になる、という大門説は、レーニンが「青年同盟の任務」などで強調した富農は投機をしているから搾取者だ、投機をやめさせよ論に依拠していると考えられます。



レーニンとボリシェヴィキは、地主や富農は余剰穀物を持って投機をしているから搾取者だ、社会主義の敵だと把握し、全財産没収、追放を断行しました。


しかし大門みきし議員は、大企業の内部留保がそのまま、大企業が保有する現預金だという主張はしていません。田村智子議員はそう信じていそうですが。


内部留保は、狭義には利益剰余金である事、企業にとっては貯蓄であると大門議員は指摘しています。

貯蓄であるなら、大企業の内部留保が金融資産に配分されると大企業所属の労働者の暮らしに貢献しないはずがない。前の記述と矛盾しています。

大門議員は、大企業の現預金は余剰資金であるとも述べています。


大門議員は、企業には常に運転資金が必要であることがわからないらしい。現金、預金を一切保有しなかったら、どうやって賃金を支払うのですか。

大門議員によれば、大企業とは資本金十億円以上の企業です。

資本金十億円以上の企業だと、法人税を支払っているのになぜまた課税をされるのでしょうか。二重課税そのものではないですか。

日本共産党の経済政策論は、資本金十億円以上の企業の経営者、株主、労働者は富農だという話に思えます。








2022年6月18日土曜日

田村智子議員、中朝露に核兵器廃絶を迫ってくださいー中国大使館、ロシア大使館と在日本朝鮮人総連合会に核で脅かすな、核を使うな、核を無くせと迫りましょうー

 田村智子議員は、日本共産党員としての御自身の出発点は核兵器廃絶の党だからだ、という話を街頭演説で繰り返しなさっています。

こちらでは、開始後53分くらいでそう話しています。6月5日(日)午後4時から 藤沢駅南口 街頭演説 田村智子参議院議員 あさか由香参議院神奈川選挙区予定候補 - YouTube 

開始後54分くらいで田村智子議員は、ロシアが核で脅かしてくるなら、核で脅かすな、核を使うな、核を無くせと迫っていくことが被爆国日本の役割だと強調しています。

田村智子議員ら日本共産党員は、在日本朝鮮人総連合会の大幹部に、核で脅かすな、核を使うな、核を無くせというべきだ

被爆国日本の役割だというなら、御自身が中国大使館、ロシア大使館そして在日本朝鮮人総連合会に行き、核で脅かすな、核を使うな、核を無くせと迫っていくべきではないでしょうか。

朝鮮労働党は朝鮮中央通信で繰り返し、日本への核攻撃を明言しています。

平成29年9月13日の朝鮮中央通信掲載論考は、チュチェの核爆弾で日本列島の4つの島を海に沈めねばならないと主張しています。

私はこの件を、朝鮮学校ツイッター運営スタッフさんにtwitterで指摘しました。下記です。


これは、朝鮮中央通信の英語論文です。


金正恩により核ミサイル攻撃をされたら、日本人だけでなく在日韓国・朝鮮人、朝鮮学校も溶かされてしまいます。朝鮮学校は溶かされてしまえば運営できません。

残念ですが、朝鮮学校twitter運営スタッフさんからブロックされてしまったので、御意見をお伺いできなくなりました。

田村智子議員ら日本共産党員の皆さんが在日本朝鮮人総連合会のしかるべき大幹部の方に、核で脅すな、核を使うな、核を無くせと迫ったら、激しい口論になりそうです。

大幹部の方々は、朝鮮労働党の日本担当者から綿密な指導を受けている方々ですが、金正恩の核ミサイルにより溶かされてしまうかもしれないという点では私たちと同じです。

田村智子議員が中国大使館、ロシア大使館と在日本朝鮮人総連合会に核で脅すな、核を使うな、核を無くせと迫るべきという私の提案には、田村議員御自身も同意してくださると考えます。

ところで、上記のように日本の政治家や運動家が中朝大使館や在日本朝鮮人総連合会の皆さんに迫れば、習近平、プーチンと金正恩は被爆国日本がそこまでいうなら核兵器を廃絶しよう、と考えを改めるでしょうか。 黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 田村智子議員(日本共産党副委員長)、どうやって中朝露に核兵器を廃絶させるのですかー人生をかけて核兵器を廃絶させるのならー (blueribbonasiya.blogspot.com)

 私見では、日本政府、日本人が何をどう言っても中朝露は核軍拡を進めます。日本が核兵器禁止条約に参加したら、我々も核兵器を廃絶しようという話にはならない。

金正恩は、10兆円くらい手に入るなら核兵器禁止条約に調印しますよ。入ってきた10兆円で核実験をやり、核兵器の小型化、軽量化を進めます。

核実験は核兵器禁止条約に違反します、と国際世論が批判しても、核実験は共和国の自主権だと反論するだけです。

不破さんは中国共産党の核が世界平和を守ると考えていたのか

不破さんは中国共産党に、核兵器廃絶を要求できませんでした。

不破さんは被爆国日本の役割とやらを忘れ、中国共産党の核が平和を守るという日本共産党第九回大会の見地に立って科学的社会主義の理論交流を進めていたのかもしれませんね。


田村智子議員は不破さんに、なぜ中国共産党に核兵器廃絶を迫れなかったのか、お尋ねしたらいかがでしょうか。

昔の日本共産党は大真面目で、社会主義国の核が世界平和を守ると盲信していたのです。上田耕一郎さんの著書「マルクス主義と平和運動」を田村智子議員は読んでいなさそうですね。




2022年6月17日金曜日

志位さんはアジアと欧州から米軍は出ていけ、で中朝露、韓国左翼と国際統一戦線を結成するべきだー志位さんの近著「ウクライナ侵略と日本共産党の安全保障論」より思うー

 この冊子は、去る4月29日に志位さんが、日本共産党を支援する学者、研究者の方々に向けて行った講演と質疑応答を加筆、修正したものです。


日本共産党の安全保障論、という題名なのですから、この本は日本の周辺諸国の軍事情勢について日本共産党なりの分析を行っていると思う方がいるかもしれません。

残念というか、当たり前ですがそのような分析はありません。

この本のp36で志位さんは、日本における現実の危険は米国が軍事行動を始め、日本政府が集団的自衛権を発動し自衛隊が米軍と一体となって相手国に攻め込むことだと主張しています。

中朝露が日本の支配するために、攻撃する事を策しているなどありえないと志位さんは考えているのです。

中朝露が日本の支配を策していることを認めたら、国防力強化が必要だという話になってしまいます。

今こそ祖国防衛、という話ですから、日本革命、すなわち日本国家の解体を目指す日本共産党はこれを徹底的に拒否せねばなりません。


志位さんは、バイデン政権が一体どこへの侵攻をたくらんでいるというのでしょうか

現実の危険だというなら、米国政府の文献や高官の発言、米国政府の国防政策分析からこれを論証すべきです。

志位さんは敵基地攻撃は危険だ、と繰り返し宣伝するだけで、米国政府の国防政策についての分析はしません。

日本共産党員は現実の分析ではなく、マルクスやエンゲルス、レーニンの命題から出発する

日本共産党の平和理論では米国は世界の帝国主義ですから、米軍は世界中で侵略戦争を起こします。

レーニンの帝国主義論の見地では、帝国主義、金融資本が戦争を起こします。米国には多国籍企業が数限りなくあります。

多国籍企業の利益を守るために、その代理人たる米国政府が世界中で戦争を起こす、というレーニン流の話を日本共産党員は固く信じています。

志位さんは、中朝露は大局的には平和勢力と見ています。中朝露は米軍のいないアジア、欧州を目指していますから。

中朝露は侵略戦争の根源となっている米国、米軍は出て行けと主張するのですから、覇権主義という問題はあっても大局的には平和勢力です。

私はこれをブログやtwitterで繰り返し主張してきました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 中朝露は、日本の支配、攻撃と破壊を策しているー志位さんは中朝露が日米安保とNATOに反対だから、大局的には平和勢力とみなすー (blueribbonasiya.blogspot.com)

中朝露は、日本国家を弱体化させることが平和を守るという世論形成を策している

中朝露は日本を支配するため、それぞれの在日工作組織を置いています。工作員とは、テロを断行する屈強な戦闘員だけではありません。

あらゆる政治宣伝を行い、日本国家を弱体化させることが平和を守る、という世論を強化する政治工作員が相当数配置されていると考えられます。

中国共産党は、対外連絡部という部署が長年、日本共産党への工作を担当してきました。

現時点でもそうなのか、対外連絡部は他の政党や政治家への工作も担当しているのか。これはわかりません。

中国共産党は政治家や言論人、運動家の動向を調べている

中国共産党なら、日本の主な政治家や言論人、社会運動家に関する詳細な書類を作成していてもおかしくない。

政治家や知識人、運動家がどんな人物か、どんな発言をしてきたか、どんな人脈を持っているのか。学歴や職歴はどうか。これらについての書類を作成している可能性が高い。

中国共産党は中国の国民全員について、そうした書類を作成しています。タン案材料といいます。タンは木へんに当、という字です。

中国共産党は香港の住民にも、徐々にこれを作成しているのでしょうね。

朝鮮労働党には、統一戦線部、社会文化部、対外連絡部とかいう工作担当部署があります。名称はいろいろ変わるので、現時点でどの部署が日本を主に担当しているのかは不明です。

志位さんは中朝露、韓国左翼との連帯を強化するべきだー日本国家弱体化のため

朝鮮労働党やロシアの工作部署も、中国共産党と同様の調査を行い、日本国家の弱体化を策しています。

殆どの韓国左翼は、何らかの経路で朝鮮労働党の影響下ないしは指導下にあると考えられます。

志位さんはソ連共産党が日本共産党に長年、工作を行ってきたことをよく御存知でしょう。ソ連共産党では、コワレンコという人物がこの中心だったようですね。

日本共産党はソ連共産党を批判してきましたが、これは我々こそレーニンの革命理論の正当な継承者だ、という批判です。

日本共産党はレーニンの革命理論を日本に適用し、日本国家の弱体化のために尽力してきました。

志位さん、習近平と金正恩、プーチンと韓国左翼は日本国家を弱体化させること、米軍はアジアと欧州から出ていけ、という点で完全に一致しています。

志位さんは習近平と金正恩、プーチン、韓国左翼と、米軍はアジアと欧州から出ていけを主張する国際統一戦線を結成したらいかがですか。

不破さんは大まじめで、こんな国際統一戦線を展望していたと考えられます。中国共産党とのおよそ20年間、科学的社会主義の理論交流を行ってきたのですから。











2022年6月12日日曜日

中北浩爾一橋大教授の日本共産党はイタリア共産党化せよ論より思うー志位さんにはこれは無理ですー

6月3日の毎日新聞に、中北浩爾一橋大教授のインタビュー記事が掲載されていました。

中北教授は、日本共産党が野党連合政権を本気で目指すなら、中道左派の社会民主主義に移行するべきと語っています。

これはかつて、イタリア共産党がたどった道です。

日米安保と自衛隊を肯定し、大企業と財界に対する敵視をやめ、一定のパートナーシップを構築するべきと中北教授は提案しています。

これは無理です。中北教授は百も承知かと思いますが、一昔前の日本共産党は書籍まで出して、NATOを容認したイタリア共産党を徹底批判していたのですから。

一昔前の日本共産党は、NATOは核軍事同盟で核戦争の根源になっていると批判


この本には、「イタリア共産党の社会主義インターへの統合志向は何を意味するか」(緒方靖夫・金子逸)、「イタリア共産党第18大会が示したもの」(緒方靖夫)などのイタリア共産党批判が掲載されています。

要は、イタリア共産党が軍事力均衡論、核抑止論の見地からNATOを容認したから社会民主主義に転落したという話です。

イタリア共産党は、第一次世界大戦時に祖国擁護を唱えて帝国主義戦争を支持した欧州社会民主主義勢力と同じになったから科学的社会主義と決別したそうです。



緒方靖夫さんによれば、第二インターナショナルは第一次大戦が相互にとっての侵略戦争であることを「祖国擁護」の名で覆い隠しました。

緒方靖夫さんによれば、NATOはアメリカ帝国主義を盟主とした侵略的反共軍事同盟です(同書p50)

緒方さんによれば、イタリア社会党は1983年から1987年まで連立内閣で首相を出し政権を担当しました。キリスト教民主党との連合を軸にした五党連立体制をすすめ、NATOの核ミサイル配備、戦闘機受け入れなどの軍事ブロック強化策を進めています。

そこでイタリア共産党が欧州左翼を掲げ、社会民主主義政党との共同を推進する際に、NATO容認が最も重要な共通の前提になると緒方さんは記しています。

要は、政権に参加するためにNATOを容認するようになったイタリア共産党は転落した、という主張です。

日本共産党と昔の社会党、イタリア共産党の安全保障政策は大同小異

それなら、立憲民主党との政権に参加できたら日米安保と自衛隊を活用する今の日本共産党も、昔のイタリア共産党と大同小異ではないですか。

昔の社会党、イタリア共産党は政権に参加したら日米安保と自衛隊、NATOをそれぞれ容認する路線に転じました。

それで右転落、なら政権に参加したら日米安保と自衛隊を活用する日本共産党が平和と政治革新のためにたたかっているという宣伝は、支離滅裂です。


欧州では昔から、戦争が繰り返されてきた

欧州の歴史を少しでも調べれば、欧州諸国が戦争を繰り返してきたことがわかります。帝国主義、金融資本とやらが欧州諸国間の戦争を起こしたのではない。

ハプスブルグ家(神聖ローマ皇帝)とヴァロア家(仏)の対立から始まったされるイタリア戦争(1494~1559)は、イタリアの小さい国家やローマ教皇だけでなく、英国も巻き込んで続きました。

日本の戦国時代に、ハプスブルグ家とヴァロア家で大戦争が行われていたのです。両家の対立は、その後も長く欧州諸国間の関係に影響を与えました。

欧州には、日本の江戸時代のように長く平和が続いた時代はなかったのです。

北方戦争(1700=21年)、オーストリア継承戦争(1740~48年)、プロイセン、オーストリアとロシアによるポーランド分割(1772年)、ナポレオンの戦争、プロイセン=オーストリア戦争(1866年)、プロイセン=フランス戦争(1870~71年)等など、近現代史に欧州諸国間の戦争は沢山あります。

第一次世界大戦時に内乱を起こしたら、自国は近隣諸国に徹底的に蹂躙されてしまいます。隣国に隙があれば侵攻することが当然でした。

欧州社会民主主義者はそれ等を知らないような無知な方々ではなかった。欧州は戦国日本と大差なかったのです。

緒方靖夫さんらは、第一次大戦開戦前の欧州では、数百年間平和が維持されてきたと考えていたのでしょうか。

日本共産党員は現実の政治と経済、社会を調べず、マルクス、エンゲルス、レーニンの主張を現実にあてはめる

日本共産党員は、マルクスやエンゲルス、レーニンの主張から出発して現状を都合よく解釈します。

レーニンかく語りき、から出発して欧州情勢を語れば、欧州諸国が直面してきたソ連の軍事脅威を無視することになります。

NATOは帝国主義の産物だから、NATOを解体せよと叫ぶことになります。

マルクス主義経済学の見地では、労働者は資本家に搾取されています。

搾取の成果は、大企業に内部留保として滞留していると田村智子議員は大まじめで信じていそうです。

田村智子副委員長は、各地の街頭演説で大企業内に巨額のお金が滞留しているから回せ、回さないと経済が腐るという話をしています。

田村智子議員は、貸借対照表の見方を知らないようですね。企業の内部留保は、その企業が保有する現金・預金総額と一致すると信じているらしい。


株主は企業経営の危険を資金を提供して負担し、社会貢献をしている

大企業の内部留保は、何らかの形で投資されているのですから、大企業を構成する経営者、労働者、株主、債権者に何らかの経路で還元されていきます。

大企業が空前の利益を計上したら、株価上昇、高配当で株主は得をします。経営者と労働者も高収入を得ることができるでしょう。

その企業の株主になっている経営者、労働者は株主としても得をしたことになる。大企業が何かの投資に大失敗し、大赤字を計上したらこの逆になります。

株主は企業経営の危険を資金を提供して負担することにより、社会貢献をしています。

大企業の大株主は、その企業に自分の命運を託しているともいえる。

保有資産が数十兆円のような超富裕層が、日本株に多額の投資をしてくれるなら、その企業と日本社会の安定に大いに貢献していると見るべきです。

レーニンの富農=吸血鬼論を信じている日本共産党員に、大株主が大金を提供して社会貢献をしているなど認められるはずもない。

志位さんが中北浩爾一橋大教授の問題提起(1)日米安保と自衛隊肯定(2)大企業、財界の敵視をやめる、を真剣に受け止め、集団的自衛権の容認と大企業の内部留保肯定論を提起するなど、考えられません。

2022年6月5日日曜日

小池晃書記局長、絶対に戦争を起こさない血のにじむような外交努力を訴えるなら、台湾政府を東アジアの対話と協力の安全保障の仕組みに入れようとなぜ言えないのですかー

 日本共産党の小池晃書記局長は、各地の街頭演説で絶対に戦争を起こさない、血のにじむような徹底した外交努力が必要だ、と訴えています。2022参院選/憲法と暮らし守る共産党の躍進を/平和は徹底した外交努力でこそ/小池書記局長が鳥取・米子両市で訴え (jcp.or.jp) 

日本共産党は、ASEAN(東南アジア諸国連合)に学び、9条の理念を生かし、中国も巻き込み東アジアに対話と協力の安全保障の仕組みをつくろうと訴えています。

本ブログやtwitterで私は指摘してきましたが、日本共産党は台湾政府を東アジアの対話と協力の安全保障の仕組みとやらに入れようとは主張できません。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 中朝露は、日本の支配、攻撃と破壊を策しているー志位さんは中朝露が日米安保とNATOに反対だから、大局的には平和勢力とみなすー (blueribbonasiya.blogspot.com) 

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 台湾有事の際、中国共産党と朝鮮労働党の在日非公開組織は暴動勃発を策すー反戦デモの平和運動を装って暴動を起こし、米軍と自衛隊の後方かく乱を狙うー (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党は日米が台湾有事を起こすとみなすー中国共産党は覇権主義だが、大局的には平和勢力だからー (blueribbonasiya.blogspot.com)

中国共産党は台湾武力統一を策しています。小池晃書記局長があらゆる紛争を話し合いで解決しようというなら、中国共産党は台湾政府と話し合え、中国共産党と台湾政府が話し合う場として、東アジアサミットに台湾政府を呼ぼう、と主張するべきです。

日本共産党は台湾政府の存在を認めない

勿論、日本共産党が台湾政府を中国とは別の国家として存在している事を認めるなら、中国共産党との合意どこかに反してしまいます。台湾の将来と「一つの中国」の関係は? (jcp.or.jp) 

この赤旗記事に出ているように、日本共産党は台湾問題は両岸双方間の話し合いで解決するべきだと主張していますが、両岸とは何か明記していません。

中国共産党は台湾政府と話し合え、と主張すると「一つの中国」とやらに反すると中国共産党に解釈され、厄介な事になるなという判断なのでしょう。

不破さんが主導して締結した中国共産党との合意にも反してしまいます。


不破さんは中国共産党に、台湾の住民を説得せよという話をしています。不破さんは中国共産党に台湾政府と話し合え、とは主張できません。

昭和34年に宮本顕治さんが中国共産党と締結した共同声明でも、日本共産党は台湾を中国の神聖な領土と認めています。

日本共産党だけでなくどの政党も、台湾政府の存在を認めていません。

米国や日本政府が台湾政府の存在を認めたら、中国共産党は猛反発し軍事的報復を行いうると考えられます。東南アジア諸国連合が台湾政府をASEANに加盟させても同様です。

中国共産党はASEANのどこかの国に軍事的報復を行いうる。

ASEANが中国共産党に台湾との紛争を台湾政府との話し合いで解決せよ、と主張すると中国共産党はASEANに軍事的報復を行いうるのです。

中国共産党は、日本に国家安全維持法を適用したいー核ミサイル攻撃をするぞと脅迫してきたら、どんな外交努力をしますかー

昭和54年3月、鄧小平はベトナムを懲罰する、と称して人民解放軍をベトナムに侵攻させました。

人民解放軍の侵攻現場を取材しようとした高野功赤旗記者は、人民解放軍に射殺されました。

この件、今の日本共産党内ではタブーになっていますね。不破さんは中国共産党に、高野功さん射殺について謝罪と補償を要求できませんでした。

不破さんはこの件で、中国共産党に外交努力をしなかったのです。

小池晃書記局長。中朝露は、日本やアジア諸国を様々な理屈で支配したいのですよ。

中国共産党は、様々な理屈で日本に国家安全維持法を適用し中国共産党を批判する人を逮捕、投獄したいのです。

国家安全維持法を適用しないなら人民解放軍が日本に核ミサイル攻撃をするぞ、と脅迫してきたら、小池晃書記局長はどんな外交努力をせよというのでしょうか。

日本共産党が政権に参加し、自衛隊大幅縮小、日米同盟弱体化で基地のない沖縄、が実現したら中朝露は共謀して日本攻撃を断行します。

日本共産党が政権に参加したら血のにじむような外交努力、とやらの結果、中朝露からのミサイル攻撃が待っています。



2022年6月3日金曜日

志位さんと田村智子議員は、大企業が内部留保を今の水準より増やすことを絶対悪と見ているー日本共産党の内部留保課税論よりー

 日本共産党は、大企業には巨額の内部留保があるからこれを国民のために使えという主張をいつごろから始めたのでしょうか。

四十年ほど前は、大企業本位の政治から国民本位の政治へ、という主張はありましたが、内部留保については言及していなかったような気がします。

工藤晃さんの「経済危機への挑戦」(昭和57年新日本出版社)には、内部留保云々の記述はありません。

四十年ほど前の私は、工藤晃さんによる資本の有機的構成の試算に驚きました。

工藤晃さんの後任にあたる佐々木憲昭さんの時期に、大企業の内部留保云々という経済政策論が出てきたようですね。

大企業の巨額内部留保論の問題点については、本ブログでも何度か指摘してきました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党の経済観、経済政策について思う―日本共産党員と左翼経済学者は投資と労働者の雇用維持の関係を検討できない― (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 続・日本共産党の経済観、経済政策論について思う―大企業の内部留保四百数十兆円は巨額なのか― (blueribbonasiya.blogspot.com)

最近の日本共産党は、大企業の内部留保への課税を主張

日本共産党によれば、大企業は安倍政権により不当な減税の恩恵を受け、巨額の内部留保を貯めこみました。

そこでそれを国民に返すべく、日本共産党は大企業の内部留保に課税せよと主張しています。

資本金10億円以上の大企業に、2012年以降増えた内部留保額に毎年2%、5年間で10%の時限的課税を行い、毎年2兆円程度、総額で10兆円程度の財源が生まれると日本共産党は見込んでいます。

アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適正な課税を――大企業優遇の減税をただし、内部留保を賃上げと「グリーン投資」など国内投資に│経済改革│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp)


日本共産党による大企業の巨額の内部留保論の問題点については、既に相当数の方がtwitterやブログで指摘しています。例えば以下です。

共産党による「大企業課税強化」は日本経済に深刻な打撃 | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp)

共産党委員長「内部留保は脂肪」 – 新宿会計士の政治経済評論 (shinjukuacc.com)

「いったい貴方達共産党は「内部留保」とは企業が貯めている預貯金のことではないと何万回言われたら理解する…」akoustamのスレッド (twinotes.com)

大企業は本当に内部留保をため込んでいるのか?内部留保=現金という誤解! | CPA会計ブログ (cpa-net.jp)

現在の日本共産党では、田村智子副委員長が政策委員会責任者ですから、政策の立案の中心にいるのでしょう。

田村智子副委員長は、インターネットでの無数の批判を「反共攻撃だ」という具合に受け止めて、大企業と戦う自分たちは正しいと思い込み、批判については一切思考と議論をしないのでしょうね。

くるみわりさんがtwitterで、田村智子副委員長と山添拓議員の対談動画を引用しています。

これを見ると、田村智子副委員長は大企業の内部留保の殆どは現金・預金であり、大企業は無駄に大金をため込んでいると確信している事がわかります。

(3) くるみわりさんはTwitterを使っています: 「59 #一日一回田村智子動画あげる 今日の参院予算委員会で小池晃議員が鋭く迫った #内部留保課税。3月の配信企画で山添さんと田村さんがすっきり説明してくれていたことを思い出しました 増える一方の内部留保、このままで良いのか、です 2022.3.21 国会と日本共産党を語る https://t.co/DzhlLC6UsH https://t.co/mItpsxTjE9」 / Twitter

この対談で田村智子副委員長は、これ以上内部留保を増やさずに賃金に回せ、がこれまでの日本共産党の政策だった事、大企業は賃金をまともに払わず、人を雇わない事と法人税減税により内部留保を増やしたと主張しています。

お金は天下の回りもの、なのに大企業がお金を回さないから経済が腐るそうです。田村智子副委員長も、大企業が今の水準より内部留保を増やすことを絶対悪と見ているのでしょう。

志位さん、田村智子副委員長は内部留保と貸借対照表の関係を一切理解していません。

私見ではフローの内部留保は、税引き後の利益から配当と役員報酬を差し引いた残りですから、毎期多少の利益が出ればストックとして蓄積されていきます。

蓄積された内部留保は現金・預金、有価証券だけでなく設備や土地、建物などの実物資産にも配分されます。

ストックとしての内部留保は通常、貸借対照表の利益剰余金の額として把握されます。

この額は人体の余分な脂肪、などではありえません。設備や土地、建物などの実物資産は勿論、現金、預金や有価証券も企業活動のために運用されているのですから。

企業が保有している現金・預金総額が大幅に増えていても、それだけでその企業が利益を貯めこんでいるとは断言できません。

社債の発行や銀行借り入れでも、企業が保有する現金・預金額は当面増加しますから。

志位さん、田村智子副委員長は企業の貸借対照表を見たことがないのでしょう。

志位さんは新日本出版社の方に貸借対照表を見せてもらい、同社の内部留保は同社が保有する現金・預金総額とどういう関係にあるかを説明してもらったらいかがですか。

企業の税引き後利益が負、すなわち赤字経営になっていれば、利益剰余金(利益準備金)が減りますから内部留保は減少します。

田村智子副委員長は社債発行や銀行借り入れにより増加した預金、現金は腐っているのか、新日本出版社の方に質問したらいかがでしょうか。

466.8兆円の内部留保、という数字はどこから出たのか

ところで、日本共産党は大企業が466.8兆円もの莫大な内部留保をため込んでいる、というとき、466.8兆円という数字はどこから出ているのでしょうか。

大企業の内部留保/コロナ下 兆円増/役員報酬・配当も増 労働者賃金は減/20年度法人企業統計 (jcp.or.jp)

赤旗記事によれば、財務省が発表する法人企業統計からだそうです。財務省の法人企業統計には、全産業(金融業・保険業を除く)の貸借対照表が出ていました。

これの昨年4-6月で利益剰余金(457兆8836億円)、一昨年10-12月で467兆2781億円と出ていますから、これに貸借対照表のどこかほかの欄の数字を考慮していそうです。

しかしこの貸借対照表は全産業、ですから中小企業も含まれているのではないですか。日本共産党が法人企業統計調査のどの欄を見ているのか不明です。


日本共産党大阪は、内部留保を滞留資金とは見ていない

志位さん、田村智子副委員長は大企業の内部留保を余分な脂肪、滞留資金と理解していますが、日本共産党大阪はそう見ていません。

大阪本社大企業101社で内部留保34兆円前年比1兆4366億円増活用して賃金引上げを大阪労連がビクトリーマップ/日本共産党大阪府委員会 (jcp-osaka.jp)

日本共産党大阪によれば、内部留保は企業の収益から原材料費や人件費などの費用をもとに税金を払い、株主配当などを除いて企業が蓄積したものです(大阪民主新報、2017年2月5日)。

日本共産党大阪が内部留保=企業が保有する現金・預金総額、滞留資金で余分な脂肪などという奇々怪々な主張をしていないことに注目しましょう。

どなたかわかりませんが、日本共産党大阪の担当者は大阪の大企業の貸借対照表を見て判断していると考えられます。

上記の34兆円がなぜ多すぎると言えるのか、日本共産党大阪は一切説明していませんが。

日本共産党大阪の中村正男さんに、大阪の大企業が保有すべき内部留保額は一体いくらなのかを御説明頂きたいですね。

志位さんはレーニンによる富農の財産没収・追放論の視点で大企業の内部留保を把握している

志位さんは東京大学の学生時代、超伝導という分野を勉強したそうです。同時に、レーニン全集も熱心に読んだのではないでしょうか。

レーニンは余剰穀物を保有する富農の穀物と財産没収、富農追放指令を出しました。志位さんは大企業を富農のような存在と把握していると考えられます。

志位さんが訴える大企業の内部留保は人体の余分な脂肪論は、レーニンによる富農は余剰穀物を持っているから財産を没収、追放せよ論と似ています。

スターリンはレーニンの富農論からしっかり学び、階級としての富農の絶滅を断行しました。スターリンと志位さんはレーニンからよく学んでいますね。

日本共産党新宿の中野顕さんは、レーニンによる富農追放指令や、ロシア正教会弾圧、ニコライ二世一家処刑を支持しているのでしょうか。機会があれば、お尋ねしたいものです。