2022年7月30日土曜日

松崎いたるさんの大著「日本共産党暗黒の百年史」(飛鳥新社)よりー過酷な査問現場から逃げようとした小畑達夫さんは、エコノミークラス症候群で亡くなったー

 この本の第三章は、「リンチ事件の真相」です。松崎さんは、小畑達夫さんがエコノミークラス症候群、またはクラッシュ症候群で亡くなった可能性を指摘しています。

以下、松崎さんの本(p86-87)に依拠し、この事件について簡単に説明します。

宮本顕治さんらは、スパイと疑った仲間の手足を縛り、監禁した

事件は昭和8年12月23日に起きました。当時の日本共産党では、宮本顕治さん、逸見重雄さん、小畑達夫さん、大泉兼蔵さんが中央委員でした。

大泉さんは警察のスパイでした。

宮本顕治さんらは小畑達夫さんがスパイだと疑い、アジトにおびき寄せて針金などで手足を縛りました。

宮本顕治さんらは小畑達夫さんに目隠し、さるぐつわをして押し入れ内に監禁しました。さらに殴る、蹴るなどの暴行を加えました。

翌24日昼過ぎに小畑さんは監視役の隙をつき、拘束をほどいて逃げようとしたのですが、宮本さん、袴田里見さん、逸見重雄さん、木島隆明さんに抑えられてしまいました。

小畑さんは大声をあげた後、ぐったりして亡くなりました。

この事件については、本ブログでも何度か論じています。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党のスパイ査問事件(昭和8年12月23、24日)について―袴田里見判決文(亀山幸三「代々木は歴史を偽造する」経済往来社昭和51年刊行)より思う― (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 宮本顕治氏はスパイ査問事件(昭和8年12月23、24日)について論文でどう語ったかー「スパイ挑発との闘争ー1933年の一記録ー」より (blueribbonasiya.blogspot.com)

小畑さんの死体は、秋笹さん、木島さんにより現場の床下に埋められました。宮本さんは12月26日に検挙されました。

小畑さんの死因について、判決は、古畑種基博士による再鑑定の結果に依拠して「外傷性ショック死」としました。

宮本顕治さんは、小畑さんの特異体質による内因的急死と主張しています。

小畑さんは一昼夜、手足を縛られて同じ姿勢にされていた

これらに対し、松崎さんは古畑博士の「外傷性ショック死」とは、現在ではクラッシュ症候群、またはエコノミークラス症候群に該当すると説明しています(同書p96-99)。

小畑さんは一昼夜、手足を縛られて同じ姿勢をとることを強制されました。便所にも行かせてもらえなかった可能性があります。

エコノミークラス症候群の場合、狭い座席に長時間座っていると血行不良となり、血の固まりが血管の中に流れ、肺がふさがってしまうようです。

小畑さんの死体鑑定には、肺がふさがったという記述はありません。しかし、この可能性は否定できないでしょう。

宮本さんがうつ伏せに倒れた小畑さんの背に片膝をのせ、小畑さんの腕をひねるように抑えて胸が圧迫された事も、死因に関係しているでしょう。

小池晃書記局長に、youtubeで小畑達夫さんの死因について御説明頂きたい

私は医学については素人なので、死因として何が適切なのか断定できません。

小畑さんの死因について、古畑博士の鑑定書などからどう考えるべきかを、医師の小池晃書記局長が御自身のyoutubeで論じて下されば良いと考えます。

小池晃書記局長なら、クラッシュ症候群、エコノミークラス症候群がどのような状況で起きるかを説明できるでしょう。

ところで、田村智子議員、山添拓議員、吉良よし子議員はある党員がスパイである可能性が誰かにより提起されたら、その党員の手足を縛り監禁すべきとお考えでしょうか。

日本共産党の皆さんがそんなことは決してすべきでない、とお考えなら、宮本顕治さんを徹底批判すべきではないでしょうか。

小畑達夫さんが手足を縛られていなかったのなら、査問の場から簡単に出られたはずです。

手足を縛ってあるはずなのに、小畑さんが監視者の隙をついてそれをほどき、逃げようとしたから皆で抑えたのです。

小畑さんは最期に、ウォーという大きな声をあげたそうです。宮本顕治さんはその叫びを、その後どう考えていたのでしょうね。

普通の方なら、小畑さんの叫びが心中から消えることはないと思います。宮本顕治さんは、ボリシェヴィキでした。



2022年7月24日日曜日

松崎いたるさんの大著「日本共産党 暗黒の百年史」(飛鳥新社刊行)より思うー渡辺政之輔ら昔の日本共産党中央幹部は待合で豪遊ー

 松崎いたるさん、渾身の作です。

この本の「はじめに 共産党の百年と私の三十年」によれば松崎いたるさんは昭和60年に日本共産党に入りました。田村智子議員と同世代になりますね。

平成13年から同党板橋区議を務めていたのですが、議員生活15年目に日本共産党を除籍されました。

松崎さんによれば、日本共産党内で日本共産党の歴史を批判する方は反党的と烙印をおされ、放逐されてしまいます。

日本共産党公認の歴史と異なる史実を公表したことにより、除名処分になった赤旗記者もいるそうです(同書p3)。下里正樹さんのことでしょうか。

私見では、日本共産党の職員、議員が日本共産党の歴史や政策、方針を公の文献やインターネットで批判したら放逐されるでしょうが、今は一般党員なら担当職員の方に批判される程度で終わります。

一昔前なら放逐、除名でしょうけれど。昭和60年、東大の院生だった伊里一智さんは宮本顕治さんの辞任を求めるなどの活動を行ったので除名されました。

インターネットでは、伊里一智さんの本名、現職も出ています。故萩原遼さんは一般党員でしたが、不破さんを公の場で批判したので除籍になりました。

萩原遼氏を除籍 (jcp.or.jp)

日本共産党は、都合の悪い史実を無視、排除し偽装する(同書p31)

この本の章立ては以下です。

序章 幹部たちの歴史観とつくられる「党史」

第一章 神にされた男 市川正一の生涯

第二章 モスクワ生まれの「粗製乱造的」党

第三章 リンチ事件の真相

第四章 徳田球一と宮本顕治

第五章 中国共産党との関係

第六章 除名された人々ー多様性を許さぬ民主集中制

第七章 「退廃との闘争」と優生思想

第八章 憲法と革命(その1)ー自衛隊をめぐって

第九章 憲法と革命(その2)ー天皇をめぐって

おわりに 憲法をどうするか

私見ではどの章も、日本共産党の文献や指導者の発言に裏付けられています。

この本は学術書ではないので、学術論文のような形式にはなっていませんが、日本共産党の歴史を研究する方なら避けて通ることができない文献です。

私の筆力では全部の章の内容を一度に紹介するのは無理です。どの章でも、不破さん、志位さんには内緒にしたい史実が文献資料を根拠にして説明されています。

市川正一(昔の日本共産党幹部)は逮捕された時、拳銃と現金三千円を所持していた

今回は、第二章にある、昔の日本共産党の資金原資と使途を紹介します(同書p63-64)。

市川正一(昔の日本共産党幹部)は昭和3年10月から昭和4年4月28日に逮捕されるまでの間、国際共産党(コミンテルン)から計6500円受け取りました。

当時の6500円は、現在の貨幣価値に換算すれば四百万円と松崎さんは記しています。

昭和恐慌の時期の物価を、内橋克人「ドキュメント恐慌」に出ている財価格から推測すれば、現在の約1/5000と私は考えました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 内橋克人「ドキュメント恐慌」(現代教養文庫、平成4年刊行)より思う―昭和恐慌(昭和4~6年頃)と性産業、「身代金」・「玉代」 (blueribbonasiya.blogspot.com)

6500×5000は3250万円ですから、松崎さんの試算より大きな額になります。以下は、この本(p64-65)からの抜粋です。

人件費 市川正一 三百円(昭和3年11月~昭和4年4月)

    砂間一良 百五十円(昭和4年1月~3月)

    間庭末吉 二百円(昭和3年12月~昭和4年3月)

宣伝費     約二百五十円(昭和3年12月~昭和4年3月)

組織費  東京 約百円(昭和4年1月~3月)

     京浜 約百円(昭和4年2月~3月)

私流の試算では、市川正一が受け取った人件費三百円(五か月)は現在の価額では百五十万円です。一か月に三十万円程度の支出ができることになります。

市川正一は東京府下馬込町の民家に、横浜の富豪に扮して月五十円を支払って下宿していたそうです。

昭和4年4月28日朝、市川正一は警官隊に急襲され、逮捕されます。このとき、市川正一は拳銃一丁と現金三千円を所持していました(同書p67-68)。

私の試算では、三千円は現在の約1500万円です。家賃50円は、25万円となります。市川正一は、受け取った資金の多くを家賃に支出していたことになります。

市川正一、宮本顕治ら昔の日本共産党中央幹部は、拳銃と大金を国際共産党(コミンテルン)から受け取り、内乱を策していたのですから逮捕、投獄は当然です。

市川正一は真面目な方だったのでしょうが、日本共産党中央幹部には豪放なお人柄の方も多かったようです。

渡辺政之輔ら昔の日本共産党幹部は芸妓を招いて豪遊していた

同書(p66)によれば、渡辺政之輔、佐野学、国領五一郎、鍋山貞親、三田村四郎ら日本共産党中央幹部は、昭和3年4月上旬頃から十月まで日本橋区、浅草区の待合で数名の芸妓を招き繰り返し豪遊しました。

渡辺政之輔は53回も豪遊しました。一回の遊興費用は22円から150,160円だったそうです。これに5000を乗じれば、11万円から750万円、800万円となります。

遊興費用総計は5000円。5000を乗じる私の試算は、遊興費用から考えれば、当たるといえども遠からず、ではないでしょうか。総計2500万円になってしまいますが。

数人の富裕層が銀座でホステスの方々と百回程度飲食をすればこれぐらいの額になりませんか。国際共産党幹部はこれを把握していたのでしょうか。

渡辺政之輔も、台湾で逮捕された時に拳銃を所持していました。

ジェンダー平等、を訴える田村智子議員、池内さおりさん、堀川あきこさんは、昔の日本共産党中央幹部の豪遊についてどうお考えなのでしょうか。

伊藤千代子さんは、中央幹部の豪遊を御存知なかったでしょうね。



2022年7月22日金曜日

昔の日本共産党はソ連盲信者集団だったから、名前を変えなかったー田村智子議員、宮本顕治さんの論文や宮本百合子のソ連評論を読みましたか

 昔の日本共産党は、ソ連盲信者の集団でした。

昭和20年秋、徳田球一さん、宮本顕治さんら昔の日本共産党中央幹部が監獄から出てきます。この方々が、共産党という名前を変えようなどと言う提案をするはずがない。

ソ連の指令に忠実に従ってきたことを誇ってきた方々ですから。

田村智子議員は、日本共産党に入ってから自分の人生は大きな時代の中にあると考えるようになったそうです。

田村智子議員は宮本顕治さんの昔の論文や、宮本百合子のソ連評論を読んだことがあるのでしょうか。

左翼知識人、運動家がソ連に対する幻想をまだ抱いている時代に、御自身は日本共産党に入ったのです。

田村智子議員のtwitterや街頭演説を見聞する限り、何も読んでいないのではと思えてしまいます。

昔の日本共産党がソ連盲信者集団だった件について、私は本ブログやtwitterで繰り返し論じてきました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 唱和25年頃、宮本顕治さんは極左冒険主義者だったー野坂参三さんの平和革命論を徹底批判ー (blueribbonasiya.blogspot.com) 

宮本百合子は、スターリンの時期のソ連を訪問して正体を見破る評論を書いたアンドレ・ジイドを厳しく批判しています。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: アンドレ・ジイド「ソヴェト旅行記修正」(昭和27年新潮文庫)より思う (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 宮本百合子「モスクワの姿―あちらのクリスマス―」(「宮本百合子全集」第九巻。原著は「婦人サロン」昭和6年12月号掲載)より思う。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

宮本顕治さんはソ連がやることは大体間違いなかろうと信じていた

日本共産党は去る7月15日に百周年を迎えました。

志位さんは宮本顕治さんから聞いた話として、昔はソ連がやることは大体間違いなかろうと考えていたと話しています。宮本顕治さんは長く、ソ連信者だったのです。


志位さんなら、宮本顕治さんから直接昔の日本共産党の話を聴く機会が多々あったのでしょう。

昔の日本共産党はソ連軍による満蒙開拓民への蛮行や日本兵士のシベリア連行、労働強制を批判すらできませんでした。

野坂参三さんが、満蒙開拓民への暴力をやめてほしい、と長春でソ連軍のマリノフスキー総司令官に要求したようですが、その程度です。

「この五十年をふりかえって」(新日本新書、p135。昭和47年)にそんな話が出ていました。

野坂さんは多少は気にしたのでしょうが、昔の日本共産党員なら、満蒙開拓民や日本兵士を軍国主義者だからソ連軍に暴力を振るわれても仕方がない、と考えてもおかしくない。

宮本顕治さんが主導した時期、日本共産党はソ連共産党と何度も会談や交流をしていますが、ソ連軍による満蒙開拓民への暴行、残虐行為や日本兵士のシベリア連行について謝罪や補償など求めていません。

宮本顕治さんは昭和30年代でもソ連信者だった

宮本顕治さんは、昭和31年のハンガリー事件でソ連軍の介入を支持しました。ソ連軍によるハンガリーの政治家や市民への残虐行為を、宮本さんは正当化したのです。

宮本顕治さんは昭和34年5月の「前衛」にソ連礼賛論文を出しています。


日本共産党第八回大会(昭和36年7月)でも宮本顕治さんはソ連は共産主義社会の建設に成功していると報告しています。



ソ連や中国、東欧、北朝鮮が人類社会発展の決定的要因だそうです。

今の日本共産党は、ソ連や中国は社会主義と無縁だと宣伝していますが、金融資本、帝国主義が戦争を起こすというレーニンとソ連共産党が普及してきた平和理論を信奉しています。


今の日本共産党は、憲法九条教徒というべきでしょうね。

田村智子議員は、憲法九条完全実施すなわち自衛隊解散と日米安保廃棄を実現したらアジアは平和になる、と信じていそうです。



2022年7月17日日曜日

宮本顕治さんは、27年、32年テーゼの発想で社会党を見ていたー昔の日本共産党(国際共産党日本支部)の社民主要打撃論を内心では信奉

 若い頃に抱いた世界観、社会観から脱却する人もいますが、それに固執し続ける人もいます。

若い頃の世界観、社会観は非現実的だ、世の中はそんなようにはできていないと何かの拍子に気づき、部分的に修正する方もいます。

私見では、宮本顕治さんはそんな方でした。宮本顕治さんは若い頃からソ連を盲信していました。

ソ連盲信は、昭和36年7月の第八回大会でも続いていました。宮本顕治さんによれば、ソ連は共産主義社会の建設に成功しつつあるそうです。


宮本さんはこの後、ソ連盲信を少しずつ改め、ソ連共産党を批判するようになります。

それでもソ連が社会主義国であり、生産手段が社会化され搾取がなくなったという類の宣伝を信奉していました。

ソ連が崩壊する少し前の第18大会でも、宮本さんはソ連宣伝を続けています。

第八回大会以降の日本共産党による社会党徹底批判の背景には、宮本さんが27年テーゼ、32年テーゼに明記されている社会民主主義者観を信奉していたことが背景にあると考えます。

社会民主主義者はブルジョアジーの買収された代理人(27年テーゼ)、革命運動にとっての主要な危険(32年テーゼ)である、と若い頃の宮本顕治さんは信じていました。


宮本顕治さんはその後も、支配階級と社会民主主義者は同じだ、という発想を保持し続けたと考えられます。

社会党の江田三郎さんも、第七回、第八回大会の頃に春日庄次郎さんが提起した構造改革論を採用していました。

宮本さんは支配階級と同じだから徹底批判せねばならない、と考えたのではないでしょうか。

松竹伸幸さんは、御自身が民青同盟幹部だった時期に宮本顕治さんの指導により、社会主義青年同盟(社会党の青年団体)に対して行った批判はおかしかったと語っています。

これは私見では、宮本さんが27年、32年テーゼの発想で社会党を把握していたからです。

27年テーゼ、32年テーゼ全文を宮本顕治さんが信奉していたわけではない。しかしその中にある発想、人物や集団に関する見方を宮本さんは保持し続けていたのです。

今の日本共産党員が中国共産党、朝鮮労働党とロシアを礼賛しているわけではないですが、日米安保反対、アジアから米軍は出ていけと主張していることから、大局的には平和勢力と見ていると考えられます。

一昔前の日本共産党は、社会主義国は平和勢力と断言して宣伝していました。この発想の延長で、今の日本共産党員は中朝露を把握していると考えられます。

若い頃抱いた世界観、社会観を部分的には修正しても、脱却できない方は多い。

在日本朝鮮人総連合会の所業に疑問を持ちつつも、金日成を今でも敬愛している方は少なくない。日本共産党と在日本朝鮮人総連合会は似ていますね。


2022年7月13日水曜日

日本共産党は参院選で、赤旗読者数が少ないから敗北したのかー日本共産党職員は志位さんに本音を言えないー

 参議院選挙で日本共産党は現有議席を減らしました。この件について、日本共産党中央の常任幹部会が次の声明を発表しています。

参議院選挙の結果について│声明・談話・発言│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp) 

常任幹部会とは、普通の会社の取締役会に相当する組織のようです。ホームページを見ますと、なぜか26人もいます。中央委員会の機構と人事(第28回党大会)|党紹介│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp) 

26人もいたら、本音の議論などできないでしょう。

志位さんの報告を丁重にお伺いして、ハイわかりました、頑張りますという調子になってしまいませんか。

志位さん、常任幹部会員の数を数名に絞ったらいかがですか

幹部の方々が最高経営者たる志位さんに本音で意見具申をできるようにするなら、最高幹部を数名に絞るべきでしょうね。

数名規模なら、腹蔵なく志位さん、小池さんになぜ参議院選挙で敗北したのか、これを意見具申できそうに思えます。

推測ですが、常任幹部会員の中で志位さんに率直に意見具申できる方は全くいないように感じます。

一般に、日本共産党職員が本音を志位さんだけでなく上司に意見として具申するのは困難と考えられます。

~君はわが党の路線、方針に確信がない。これでは重要な部署を任せることはできない、という調子で配置転換などをされてしまう可能性がありますから。

日本共産党職員を辞めた方なら志位さんに率直な意見具申が可能

松竹伸幸さんのように、日本共産党職員を辞すればそれなりのことをインターネットを通して意見具申できるでしょうが、志位さんが松竹伸幸さんの諸提案を採用する可能性は極めて低い。

志位さんの自衛隊論を擁護してみる・了 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp) 

上記の常任幹部会声明は、簡単に言えば赤旗の読者数が少なかったから負けたという昔からの結論と同じです。

赤旗の紙面が型にはまりきった中身で非現実的な内容だから、読者が減っていったのです。

大企業の内部留保は大企業の経営維持に貢献している

自力の弱さを克服するために率直な御意見、御提案をお寄せ下さいと声明は述べていますが、自力が弱くなったのは科学的社会主義の理論を信奉しているからです。

科学的社会主義の経済学なら、大企業は庶民を収奪、搾取する経済主体ですから重税をかけて大企業から奪われた富を取りもどせ、という結論になってしまいます。

大企業の内部留保への課税論はそんな話です。これは、レーニンが提起した穀物投機をする富農は搾取者だ、という理論と同じ発想です。

大企業の内部留保は、大企業の存続に貢献し、大企業の経営者、株主、労働者の暮らしを維持する事に貢献しているのです。

これを志位さんに意見具申できる日本共産党職員はいないでしょうね。

2022年7月10日日曜日

日本共産党があの戦争に反対し、自由と民主主義、平和のためにたたかった論より思うー内乱を策した武装集団の逮捕・投獄は当然ー

 日本共産党はあの戦争に反対し、自由と民主主義、平和のためにたたかった唯一の政党である、と日本共産党員の皆さんがよく宣伝しています。

例えば、斎藤まりこ都議のtwitterです。

この件、私はtwitterや本ブログで繰り返し指摘してきましたが、改めて論じておきます。

昔の日本共産党(国際共産党日本支部)は君主制の廃止、日本のソ連化を目指した

第一に、昔の日本共産党(国際共産党日本支部)が最も強く主張したのは君主制の廃止、日本のソ連化でした。

昔の日本共産党(国際共産党日本支部)はソ連から資金と拳銃を受取り、武装していました。

今の日本共産党も高く評価する32年テーゼ(ソ連共産党幹部のクーシネンが主に作成)には、プロレタリア赤衛軍創設、議会と権力機関の解散、帝国主義戦争を内乱に転化せよ、労働者農民兵士ソビエト樹立などが記されています。

内戦になれば、日本人同士が殺しあうのですから、平和は徹底的に破壊されます。戦争に反対したというより、戦争をやろうとしたのです。

プロレタリア赤衛軍とやらが結成され、内戦に勝利し、日本がソ連化すれば自由と民主主義、言論の自由や、結社の自由もなくなります。

武装集団の逮捕、投獄は当然です。

日本共産党員が庶民に内乱を起こそう、と訴えても、常識のある人なら相手にしない

昭和7年(1932年)頃は世界恐慌の時期ですから、庶民の暮らしは厳しかった。

内橋克人「ドキュメント恐慌」(現代教養文庫、p36)によれば、昭和5年は米が大豊作で米価が下落。昭和6年は冷害凶作で、東北を中心に娘の身売り激増。昭和7年、農漁村で欠食児童20万人。都市ではストライキが勃発したそうです。

しかしいくら庶民の暮らしが厳しいと言っても、プロレタリア赤衛軍を作って内乱を起こし、君主制を廃止しようなどという訴えにはいそうしましょう、と同意する人がどれだけいたでしょうか。

誰だって殺し合いは嫌ですよ。くるみわりさん(日本共産党員の方)だけではありません。くるみわりさんには32年テーゼを読んで頂きたいですね。



内乱は人が殺し殺される世の中、です。ソ連共産党はこれを各国、特に日本でやらせたかったのです。

多少の常識のある方なら、内乱を起こして君主制を廃止しようなどという宣伝に同調しないでしょう。

野呂栄太郎は32年テーゼに感銘していたらしいですが、内乱の実施方法について真剣に検討したのでしょうか。

いつの時代でも、内乱を起こそうなどという非常識な主張と宣伝をすれば、社会から浮き上がっていくだけです。

日本共産党幹部は日中戦争の頃、獄中にいたから反対運動などできない

第二に、あの戦争、あの戦時中、とはどの戦争の話なのでしょうか。昭和10年3月4日(1935年)に袴田里見さんが逮捕されて、日本共産党中央は壊滅しました(袴田里見「党と共に歩んで」新日本選書p251、昭和48年刊行)。

その後、昭和12年12月に関西で春日庄次郎さん、竹中恒三郎さん、安賀君子さんらにより日本共産主義団、という日本共産党の再建を目指す団体がつくられました。

大阪の共産党の中村正男さんによる、「時代をつないで」にこれが出ています。

時代をつないで大阪の日本共産党物語第12話 人民戦線運動/日本共産党大阪府委員会 (jcp-osaka.jp)

昭和13年9月頃にはこの方々は検挙されました。

春日庄次郎さんは、昭和3年(1928年)3月15日の共産主義者一斉検挙で逮捕されたのですが、満期で釈放されていたのですね。安賀君子さんは春日さんの奥さんです。

この方が、日本共産党第七、八回大会の頃に構造改革論、日本革命の平和的移行唯一論を唱えて除名になった方です。

私見では、革命とは漸次的な改革の積み重ねだという考え方になっている今の日本共産党の綱領は、構造改革派そのものです。

日本共産主義者団、に参加した方々は、日中戦争(昭和12年7月より。7月7日の盧溝橋事件が発端)に文書を多少配布するなどして反対したでしょうが、八か月程度しか活動していません。

過激な武装集団だった日本共産党は、日中戦争反対運動など殆どできなかったのです。監獄で幹部が戦争反対、と呟いても反対したことにはならないでしょう。

昔の日本共産党員が戦争断固反対、を第一の目標とするなら、君主制の廃止、帝国主義戦争の内乱への転化、日本のソ連化などを目標とすべきでなかったのです。

ソ連盲信者には、何を言っても無理でしょうけれど。

歴史にもしも、ですがソ連と無関係で戦争反対、だけを主張する団体なら、過酷な弾圧を受けることもなかったでしょう。逮捕されてもそう長く投獄されなかった。

真珠湾攻撃の頃は、日本共産党の国内での活動は皆無と考えられます。

野坂参三さんは中国で反戦運動を実行

日本共産党中央が壊滅した後ですが、世界共産党(コミンテルン)第七回大会(昭和10年7,8月)が統一戦線戦術を提起します。勿論これはソ連の指令です。

この方針転換に沿って野坂参三さんと山本懸蔵さんは「日本の共産主義者への手紙」を日本に届けました(昭和11年2月)。

野坂参三さんはこの後、ソ連の指令で中国に行って反戦活動をやりましたから、日中戦争に反対したといえるでしょう。

日本共産党員の皆さんが想定する、あの戦争に反対して自由と民主主義、平和のために戦ったとは野坂参三さん、春日庄次郎さんのことなのでしょうか。

あの戦争、が日中戦争や太平洋戦争を意味しているならそんな話になります。

野坂参三さん、春日庄次郎さんは除名されました。今の日本共産党としては、このお二人がやったことを再評価したら厄介ですから、可能な限り内緒にしていると考えられます。

労農党が対支非干渉運動を主導した

労農党(労働農民党。大山郁夫委員長)が主導した対支非干渉運動(昭和2,3年頃。1927~28年)は反戦運動ですが、日中戦争より約10年前です。

中村政則「昭和の恐慌」(昭和の歴史2。小学館ライブラリー)によれば昭和3年2月20日(1928年)の普通選挙に日本共産党は党員を労農党から立候補させています。

労農党からの40名の立候補者のうち、共産党員は徳田球一、山本懸蔵、南喜一ら11人が含まれていました。

日本共産党も対支非干渉運動に賛成して、多少の反戦運動をしています。阪口喜一郎の「聳ゆるマスト」配布は対支非干渉運動のもう少し後ですね。

時代をつないで大阪の日本共産党物語 第7話 侵略戦争反対のたたかい/日本共産党大阪府委員会 (jcp-osaka.jp)

日中戦争より前の、対支非干渉運動に関連する反戦運動を根拠にあの戦争に反対した、と主張するなら、これを主導した労農党や、労農党に入って反戦運動に参加した徳田球一さんらを高く評価すべきですね。

昔の日本共産党(国際共産党日本支部)がいかなる反戦運動もしていない、とまでは主張しませんが、大正から昭和初期にかけての反戦運動の主な担い手は労農党だったと考えます。





2022年7月7日木曜日

山添拓議員は内心で日米安保の抑止力を認めているーロシアがいきなり攻めてきたらどうするのか、という疑問への山添拓議員の答えよりー

 山添拓議員は日米安保廃棄と自衛隊解散を目指しているかと存じます。

しかしこれは建前で、当面は日米安保が中朝露の日本侵攻を抑止する役割を果たしている事を内心では認めている可能性が高い。

山添拓議員の以下の呟きより、そう考えられます。


山添拓議員によれば、ロシアが日本をいきなり攻める理由はありません。

米国を巻き込む可能性を考えれば、そんな合理性はないそうです。

ロシアが日本にミサイル攻撃などをすれば、日本政府が日米安保第五条により米軍に出動要請をして大きな戦争になってしまう。

従ってプーチンはそんなことはしないだろうと、山添拓議員は考えているのでしょう。

これは日米安保が、プーチンによる日本攻撃を抑止する役割を果たしているという認識です。

日本共産党員は内心では、日米安保があるから中朝露は日本攻撃などできないと考えている

先ほど山添拓議員のこの呟きを再度見ました。9243件のリツィート、2.8万件の言い値、と出ていました。

相当数の日本共産党員の内心は、山添拓議員と同じではないでしょうか。

日本共産党は内心では、日米安保により日本の平和と民主主義が守られているとみているが、これを表に出すと仲間から徹底批判されるから内緒にしているのでしょうね。

日本共産党員とは、内心と異なる言動を長年続けて生きていく道を選択した方々なのでしょう。

日本共産党員は、~さんは立派な日本共産党員だと日本共産党員が形成する小社会で評価されることを第一義とみなしますから。

日本共産党員、在日本朝鮮人総連合会と韓国左翼の行動様式は似ている

在日本朝鮮人総連合会の皆さんにも、そんな方が多いように感じます。

内心では、金正恩と朝鮮労働党は駄目だとわかっているが、これを表に出すと民族反逆者とみなされてしまいます。

民族反逆者とみなされたら在日本朝鮮人総連合会の皆さんが形成する小社会から排除されてしまうので、金正恩と朝鮮労働党礼賛を続けている方が多いと考えられます。

韓国左翼の皆さんも同様かもしれませんね。韓国左翼の皆さんが形成する小社会では、朝鮮労働党は大日本帝国と対決した栄えある集団です。

朝鮮労働党を批判する人は、親日派だから韓国社会から徹底排除すべきだという発想です。

韓国左翼は、親日派を徹底排除することなしに、韓国がまともになることはないと信じているようです。

私は社会学の素養がないので、左翼の皆さんの言動を社会学のような理論化はできません。

左翼人と囚人のジレンマ(Prisoner's Dilemma)

ゲーム理論で把握すれば、日本共産党員、在日本朝鮮人総連合会と韓国左翼は日米安保批判、朝鮮労働党礼賛、朝鮮労働党批判者排除という行動をそれぞれの小社会でお互い採用することがナッシュ均衡(Nash equilibrium)になっているのでしょうね。

これらと逆の行動をとれば、双方が得る利得が向上するが一人だけで逆の行動をとると小社会から排除され、低い利得しか得られない。そんな状況なのでしょう。

これを囚人のジレンマ、と言います。




you tuber小池晃書記局長、台湾政府を東アジアの包括的な話し合いの枠組み、から排除すべきですかー

 小池晃書記局長は、youtuber小池、と称してyou tubeで発信を続けています。【緊急特番】#小池晃になんでも聞いてみよう@ #参院選2022 - YouTube 

この中で、放送開始後24分ぐらいに次の質問がありました。

日本共産党は対話による平和外交を打ち出していますが、ロシアや中国など覇権主義的な国は対話に応じてくれるでしょうか、という問いです。

小池晃書記局長は、ロシアと中国が日本政府と対話などしない事を認めている

この質問に対し、小池晃書記局長は日本だけでは無理だから、ロシアや中国も包み込んだ話し合いの枠組みをASEANのように東アジアでも作るべきだと訴えています。

ロシア、中国は日本政府とは普通の意味での対話などしないということを、小池晃書記局長は暗に認めているのです。

日本政府が中国やロシアと対話をしないのではない。中国共産党、ロシア政府が日本政府を支配すべき対象と見ているから、普通の対話など成立しないのです。

朝鮮労働党も同様です。日本政府が何かのルートで朝鮮労働党幹部に対話を呼びかければ、対話をしてほしければ金をよこせ、と要求してくるでしょう。

中朝露は、日本政府から何かの実利を得るために、対話のふりをするだけです。

小池晃書記局長に伺いたい。それではASEAN諸国や韓国を対話の枠組み、に入れるとロシア、中国共産党、朝鮮労働党が態度を変えて対話に応じるでしょうか。

ASEAN諸国や韓国がどうやって中朝露の対日政策を変えるのですか。そんなことをASEAN諸国や韓国がやるはずがないでしょう。

日本共産党は中国共産党に、台湾政府と話し合えと要求するべきだ

そもそも、台湾有事とは中国共産党が台湾に侵攻する事により生じるのです。

日本共産党が対話により平和をつくるというなら、中国共産党は台湾政府と話し合え、台湾政府のASEAN参加を認めよ、台湾政府の東アジアサミット参加を認めよと要求するべきではないですか。

これが言えないなら、台湾有事を対話によって防ぐことなどできないと認めているに等しい。当事者間での対話を要求しないのですから。

中国共産党が台湾政府と対話をするはずがないから、無理して要求しても仕方ないと志位さんは本音では考えているのかもしれませんね。

現状では、東アジアで台湾政府と話し合う国はありません。

日本の主要政党は台湾政府の存在を認めていない。台湾政府を国際的な話し合いの枠組みから排除するという点で、アジア諸国と日本の主な政党は完全に一致しています。

中国共産党の圧力に皆、屈服しているのです。この件、私は本ブログで繰り返し論じています。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 小池晃書記局長、絶対に戦争を起こさない血のにじむような外交努力を訴えるなら、台湾政府を東アジアの対話と協力の安全保障の仕組みに入れようとなぜ言えないのですかー (blueribbonasiya.blogspot.com)

日本共産党も、東アジアで話し合いにより紛争を解決するための包括的な枠組み、とやらから台湾政府を排除していると考えられます。

台湾政府をなぜ国際的な話し合いの場から排除するのか。この質問は、日本共産党、左翼知識人と運動家の間でタブーになっているようですね。

次回のyoutuber小池、で台湾政府を東アジアで話し合いにより紛争を解決するための包括的な枠組みから排除すべきか否かについて、視聴者と議論して下されば幸いです。



2022年7月5日火曜日

福山和人さん、企業の内部留保は企業が保有する現金・預金総額と一致しませんよー福山和人さんの呟きより思うー

 福山和人弁護士は、京都市長選に立候補なさるなど、大変活躍なさっています。

福山和人(ふくやまかずひと)オフィシャルサイト (fukuyamakazuhito.jp) 福山和人さんが次の呟きを発信していたので驚きました。


福山和人さんによれば、大企業は466兆円という巨額の内部留保を貯めこんでいます。

このお金は、設備投資にも給与にも回らない死に金だそうです。
金は世の中に回ってこそ役に立つのだから、賃上げのために供出すべきだそうです。

日本共産党と同党支援者の皆さんには、大企業の内部留保を福山和人さんのように理解している方は多いですね。この件、私は少し前にも指摘しました。
黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんと田村智子議員は、大企業が内部留保を今の水準より増やすことを絶対悪と見ているー日本共産党の内部留保課税論よりー (blueribbonasiya.blogspot.com)

福山和人さん、大阪の日本共産党のサイトを御参考に!

上記でも指摘しましたが、日本共産党大阪は大企業の内部留保=大企業が保有する現金・預金総額などという奇々怪々な見方はしていません。

日本共産党大阪は内部留保について、常識的な見方をしています。

大門みきしさんも、youtubeで内部留保は企業が保有する現金・預金総額ではないと指摘していました。これは当たり前です。

大企業の内部留保は、大企業の経営維持と大企業の株主、経営者、労働者の生活維持に貢献している

大企業の内部留保は、実物資産ないしは金融資産として保有され、その企業の経営を維持するために貢献していると考えられます。

大企業の内部留保は、大企業の経営維持に貢献しているのですから大企業の株主、経営者、労働者が生活を維持するためにも貢献しているのです。

ひょっとしたら福山和人さんは、大企業を大金を貯めこんで投機をしているから悪の経済主体だ、という見方をしているのではないでしょうか。

福山和人さん、レーニンの「青年同盟の任務」を御存知ですか

レーニンは穀物を多少保有している農民を富農と定義し、投機をしているから悪の経済主体とみなし、富農との徹底的な闘争を呼びかけました。

福山和人さんは、レーニンの「青年同盟の任務」を御存知でしょうか。


その他、レーニン全集で1918年頃に書かれた文章を探せば、富農に対する徹底的な闘争を呼びかけたものが沢山出てきます。


レーニンのこの理論に従って、スターリンは階級としての富農(クラーク)の撲滅という大量餓死政策を実行しました。福山和人さんの、何かの御参考になれば幸いです。


2022年7月3日日曜日

田村智子議員のもめ事のある国と絶交するのではなく、話し合う外交努力が必要論より思うー志位さんに朝鮮労働党との交流再開を提案したらいかがですかー

 田村智子議員が、街頭演説で日本政府は北朝鮮と対話せよと訴えています。以下で開始後、9分30秒頃です。6・26 日本共産党 田村智子参院議員の訴え【錦糸町駅北口】 - YouTube 

田村智子議員によれば、戦争準備ではなく、戦争をさせない外交、もめ事のある国と絶交するのではなく、もめ事のある国と話し合いをする努力が必要です。

日本の外交官や政治家が何らかの経路で朝鮮労働党幹部に対話を求めれば、朝鮮労働党幹部は対話をしてほしいなら金をよこせ、と要求してくるでしょう。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 山添拓議員の北朝鮮と対話せよ論より思うー朝鮮労働党は対話をしてほしいなら大金をよこせと言いますよ。金正恩に大金を献上できなければ処刑されうるー (blueribbonasiya.blogspot.com)

田村智子議員は、30数年前まで日本共産党が朝鮮労働党と交流していたことを御存知でしょう。

不破さんは朝鮮労働党との関係断絶を打開せねばならないと思ったのでしょうか。平成12年10月に、在日本朝鮮人総連合会との交流を再開しています。



不破さんによれば日本共産党と在日本朝鮮人総連合会は意見が違う問題が起きても、敵対的な論争はしないと合意したそうです。

不破さんは17年前、在日本朝鮮人総連合会、朝鮮労働党に六項目の提案をしています。

日朝関係の打開めざして提言│朝鮮半島・不審船問題│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp)

不破さんの提案に対する、在日本朝鮮人総連合会、朝鮮労働党側の回答はどうだったのでしょうか。

これについて赤旗には、何の報道もありません。私見では、朝鮮労働党は日本共産党に、不破さんが訪朝したいなら大金を持ってこい、という要求をした可能性があります。

不破さんがそんな要求に応じるはずもない。どういうわけか、不破さんの六項目の提案とやらについて、この後日本共産党幹部が言及しなくなっています。

不破さん、志位さんにとって嫌な事があったのでしょうね。

田村智子議員がもめ事のある国と絶交するのではなく、話し合う外交努力が必要だというなら、不破さんの六項目の提案を再検討してください、と在日本朝鮮人総連合会に再提案するべきではないでしょうか。

田村智子議員は、朝鮮労働党に敵対的な批判をされても、交流を再開すべきと志位さんに提案すべきではないですか。

朝鮮労働党の解釈では朝鮮半島の完全な非核化、とは米国が朝鮮労働党の核保有を認める事だ

ところで南北首脳会談はこれまで五回、開催されました。報道によれば、金大中政権は朝鮮労働党に首脳会談開催のため、4億5千万ドルを提供したそうです。

文在寅大統領は4年前に三回、金正恩と首脳会談を行っています。首脳会談の合意文には朝鮮半島の完全な非核化云々という記述もあります。

金正恩はこれで米国に核保有国と認められると思ったのでしょうか。朝鮮労働党の解釈では、朝鮮半島の完全な非核化とは米国が朝鮮労働党の核軍拡を認めるという話ですから。

奇想天外な解釈ですが、朝鮮半島の完全な非核化、を首脳間で合意して核軍拡を進めるのが朝鮮労働党なのです。

米国がそんなことを認めるはずもないのですが、文在寅大統領は金正恩に、これでトランプ大統領は金正恩の核軍拡を認めると首脳会談でささやいた可能性があります。

金正恩は韓国から、4億5千万ドルどころではない大金を韓国側から得られると思ったのかもしれません。

金正恩の思惑は外れました。2回の米朝首脳会談(第一回は平成30年6月12日にシンガポールで開催。第二回は平成31年2月27日と28日にハノイで開催)で金正恩は何も得られませんでした。

この結果で金正恩は文在寅に騙された、と激怒したと考えられます。一昨年6月、朝鮮労働党は開城工業団地内にある南北共同連絡事務所を爆破しました。

爆破、とはいかにも朝鮮労働党らしいですね。民間航空機を爆破して喜ぶ集団ですから。

朝鮮労働党は韓国政府関係者を裏切り者、人間の屑と評価している

一昨年6月13日の朝鮮中央通信に、金輿正(金正恩の妹)の談話が掲載されています。次の記述があります。下手ですが、日本語に訳してみました。

The judgement that we should force the betrayers and human scums to pay the dearest price for their crimes and retaliatory action plans we have made on this basis have become a firm public opinion at home ....

裏切り者と人間の屑に、彼らが犯した罪に対する高い代償を支払わせるという事と、これを基礎とした報復的な行動をとるという決断は、わが国の確固たる世論となった。

裏切り者(betrayers)、人間の屑(human scums)という表現に注目してください。これは朝鮮労働党とこれまで接触してきた文大統領以下、韓国政府関係者全体の事と考えられます。

何かは不明ですが、韓国政府が相当な約束を朝鮮労働党にしていた可能性があります。大金が入る、トランプ大統領に金正恩の核軍拡を認めさせるという話と考えられます。

ともあれ、田村智子議員は志位さんに朝鮮労働党の交流再開を提案したらいかがでしょうか。現状では日本共産党は、朝鮮労働党と絶交しています。

宮本顕治さんは金日成、朝鮮労働党と二度、共同声明を作成し発表しています。これを基礎にして、田村智子議員は交流再開を呼びかけたらいかがですか。

繰り返しですが、朝鮮労働党の対日工作担当者は、日本人と対話とやらをして大金を得られなければ、処刑される可能性があります。

日本共産党が大金を出せないなら、対話のふりも成立しないように思えてなりません。




 









2022年7月2日土曜日

山添拓議員の北朝鮮と対話せよ論より思うー朝鮮労働党は対話をしてほしいなら大金をよこせと言いますよ。金正恩に大金を献上できなければ処刑されうるー

 猛暑となりました。山添拓議員、田村智子議員は連日街頭で日本共産党への支援を訴えています。

以下の開始後34分ぐらいに、山添拓議員が中国、北朝鮮と対話すべきと訴えています。2022.7.2 山添拓 東京選挙区候補と田村智子 比例候補 三軒茶屋キャロットタワー前での街頭演説 - YouTube 

山添拓議員によれば、平和は対話により築くしかありません。

中国や北朝鮮と対話ができないからといって、敵対するのではなく、どうやれば対話できるのか、どういう関係を作れば対話の枠組みを作れるのかを考えるのが政治の役割だそうです。

中朝露は日本を支配、隷属させる対象とみている

山添拓議員の北朝鮮と対話せよ論について、以下の点を指摘しておきます。

第一に、中国共産党、朝鮮労働党は日本人、日本政府と通常の意味における対話などしません。

私見では中朝露は日本を支配、隷属させる対象とみなしています。

支配、隷属させるための手段として対話の芝居が必要と判断したら、中朝露の対日担当者は芝居をします。

24年ぐらい前に中国共産党の対外連絡部が日本共産党と対話の芝居をし、不破さんを懐柔しました。

これは、中国共産党が日本共産党を自らになびかせ、批判させないようにすることが有利だと判断したからです。



第二に、私見では朝鮮労働党は日本人、日本政府が接触を試みれば、必ず金品を要求します。

日本人、日本政府あるいは在日韓国・朝鮮人からどれだけ金品をむしり取るかが、朝鮮労働党の対日工作担当者の最大の使命です。

日本の外交官が朝鮮労働党の誰かに対話をしましょうと訴えたら、対話をしてほしいなら金をよこせといわれるだけです。

対話、とやらの結果、全く金品を得られなければ朝鮮労働党の対日工作担当者は金正恩から責任を問われて政治犯収容所送りとなりえます。

朝鮮労働党の対日、対韓国、あるいは対米工作担当者は常に命がけで工作活動に従事しています。

山添拓議員は、朝鮮労働党について何か文献を読んで発言しているのでしょうか。大いに疑問です。

20年ほど前の小泉総理訪朝時、朝鮮労働党側の実務担当者だった柳ギョンという方はその後、韓国の李明博大統領と会って工作をすべく、ソウルと訪問したそうです。

しかし韓国側の守りは固く、柳ギョン一行は李明博大統領と会えませんでした。

平壌に戻ってから、柳ギョンは自分の訪韓により大きな成果があったという虚偽報告をしたようです。

これが少し後にばれて、柳ギョンは金正日の怒りを買い、処刑されてしまったそうです。

周成賀東亜日報記者のyoutubeで、国家保衛部出身の脱北者が概ね上記のように語っています。

山添拓議員に御関心があれば、朝鮮語のわかる方に以下を見てもらえば良いかと思います。국가보위부 출신 탈북자가 밝히는, 서울 방문 직후 처형된 2중 영웅 류경 부부장 비화 - YouTube 

(国家保衛部出身の脱北者が明かす、ソウル訪問直後に処刑された柳ギョン部長の悲劇)

柳ギョンは2011年初め頃、スパイ罪で処刑されたそうです。

この事件は、朝鮮労働党の高位幹部なら知っているはずです。

金正日の側近のような立場だった国家保衛部の高位幹部が処刑されたのですから。

トランプ大統領と金正恩のハノイでの会談を準備した北朝鮮外務省幹部の中にも、行方不明になっている方が数名いるらしいのです。

これも、別の脱北者がyoutubeで語っています。証拠などないので、断言はできません。

金正恩はハノイで何も得られず帰国しました。外務省のどなたかは政治犯収容所に連行されたのかもしれません。

こんな調子ですから、朝鮮労働党幹部は日本から相応の金品を最初に得られないと、対話のふりすらしないでしょう。

朝鮮労働党幹部は北朝鮮に親族がいる在日韓国・朝鮮人から相応の金品を得られれば、親族のために何らかの便宜をはかります。

全く金を献上しない人との対話などしません。

山添拓議員は、どうやれば朝鮮労働党と対話できるのか考えるのが政治の役割だと訴えています。

朝鮮労働党幹部に対話のふりをしてもらうためには相応の金品、例えば10億円程度を提供せねばならないのが現実です。

第三に、山添拓議員はなぜ日本共産党と交流のある中国共産党に、台湾政府と対話をせよ、台湾政府のASEAN加盟を認めよ、台湾政府の東アジアサミット参加を認めよと要求しないのでしょうか。

山添拓議員流の戦争と平和理論なら、中国共産党が台湾政府と対話をしないから、台湾有事が生じうると考えるべきです。

私見では中国共産党は台湾政府を破壊の対象と考えているので、通常の意味での対話などしません。

山添拓議員は、中朝露の実態について何らかの文献を読んだことがあるのでしょうか。街頭演説を聞いている限り、中朝露の実態について一切御存知ないように思えます。

チュチェ思想については、日本共産党の以下の文献をぜひ読んで頂きたいですね。この文献は朝鮮労働党が日本のチュチェ思想化を策していると指摘しています。