この冊子は、去る4月29日に志位さんが、日本共産党を支援する学者、研究者の方々に向けて行った講演と質疑応答を加筆、修正したものです。
残念というか、当たり前ですがそのような分析はありません。
この本のp36で志位さんは、日本における現実の危険は米国が軍事行動を始め、日本政府が集団的自衛権を発動し自衛隊が米軍と一体となって相手国に攻め込むことだと主張しています。
中朝露が日本の支配するために、攻撃する事を策しているなどありえないと志位さんは考えているのです。
中朝露が日本の支配を策していることを認めたら、国防力強化が必要だという話になってしまいます。
今こそ祖国防衛、という話ですから、日本革命、すなわち日本国家の解体を目指す日本共産党はこれを徹底的に拒否せねばなりません。
現実の危険だというなら、米国政府の文献や高官の発言、米国政府の国防政策分析からこれを論証すべきです。
志位さんは敵基地攻撃は危険だ、と繰り返し宣伝するだけで、米国政府の国防政策についての分析はしません。
日本共産党員は現実の分析ではなく、マルクスやエンゲルス、レーニンの命題から出発する
日本共産党の平和理論では米国は世界の帝国主義ですから、米軍は世界中で侵略戦争を起こします。
レーニンの帝国主義論の見地では、帝国主義、金融資本が戦争を起こします。米国には多国籍企業が数限りなくあります。
多国籍企業の利益を守るために、その代理人たる米国政府が世界中で戦争を起こす、というレーニン流の話を日本共産党員は固く信じています。
志位さんは、中朝露は大局的には平和勢力と見ています。中朝露は米軍のいないアジア、欧州を目指していますから。
中朝露は侵略戦争の根源となっている米国、米軍は出て行けと主張するのですから、覇権主義という問題はあっても大局的には平和勢力です。
私はこれをブログやtwitterで繰り返し主張してきました。
中朝露は、日本国家を弱体化させることが平和を守るという世論形成を策している
中朝露は日本を支配するため、それぞれの在日工作組織を置いています。工作員とは、テロを断行する屈強な戦闘員だけではありません。
あらゆる政治宣伝を行い、日本国家を弱体化させることが平和を守る、という世論を強化する政治工作員が相当数配置されていると考えられます。
中国共産党は、対外連絡部という部署が長年、日本共産党への工作を担当してきました。
現時点でもそうなのか、対外連絡部は他の政党や政治家への工作も担当しているのか。これはわかりません。
中国共産党は政治家や言論人、運動家の動向を調べている
中国共産党なら、日本の主な政治家や言論人、社会運動家に関する詳細な書類を作成していてもおかしくない。
政治家や知識人、運動家がどんな人物か、どんな発言をしてきたか、どんな人脈を持っているのか。学歴や職歴はどうか。これらについての書類を作成している可能性が高い。
中国共産党は中国の国民全員について、そうした書類を作成しています。タン案材料といいます。タンは木へんに当、という字です。
中国共産党は香港の住民にも、徐々にこれを作成しているのでしょうね。
朝鮮労働党には、統一戦線部、社会文化部、対外連絡部とかいう工作担当部署があります。名称はいろいろ変わるので、現時点でどの部署が日本を主に担当しているのかは不明です。
志位さんは中朝露、韓国左翼との連帯を強化するべきだー日本国家弱体化のため
朝鮮労働党やロシアの工作部署も、中国共産党と同様の調査を行い、日本国家の弱体化を策しています。
殆どの韓国左翼は、何らかの経路で朝鮮労働党の影響下ないしは指導下にあると考えられます。
志位さんはソ連共産党が日本共産党に長年、工作を行ってきたことをよく御存知でしょう。ソ連共産党では、コワレンコという人物がこの中心だったようですね。
日本共産党はソ連共産党を批判してきましたが、これは我々こそレーニンの革命理論の正当な継承者だ、という批判です。
日本共産党はレーニンの革命理論を日本に適用し、日本国家の弱体化のために尽力してきました。
志位さん、習近平と金正恩、プーチンと韓国左翼は日本国家を弱体化させること、米軍はアジアと欧州から出ていけ、という点で完全に一致しています。
志位さんは習近平と金正恩、プーチン、韓国左翼と、米軍はアジアと欧州から出ていけを主張する国際統一戦線を結成したらいかがですか。
不破さんは大まじめで、こんな国際統一戦線を展望していたと考えられます。中国共産党とのおよそ20年間、科学的社会主義の理論交流を行ってきたのですから。
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