2022年9月22日木曜日

志位さんは昔の日本共産党(国際共産党日本支部)とソ連の関係を内緒にしたいー昔の日本共産党員、左翼知識人はロシア革命に無関心だったのかー

 齢を重ねると、若い頃の失敗が時折脳裏に浮かび、やれやれ、という気分になる方は多いのではないでしょうか。

失敗も現在の自分を形成する事に何かの役割を果たしているのでしょうから、気を取り直して日々の業務に取り組むしかありません。

志位さんが昔の日本共産党(国際共産党日本支部)の数々の文献を読むと、これはどうしようもないな、やれやれ、という気分になると私には思えるのです。

志位さん、いかがですか。

本ブログでは、志位さんは日本共産党百年の記念講演で27年テーゼ、32年テーゼなどの昔の日本共産党の革命理論について言及できない事を指摘しました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは来る100周年記念講演会で、昔の日本共産党の綱領的文書(27年テーゼ、32年テーゼ、51年綱領)と宮本さんの「日本革命の展望」について語れるかー (blueribbonasiya.blogspot.com)

実際に志位さんは、講演で27年テーゼ、32年テーゼについて言及しませんでした。

志位さんは、昔の日本共産党とソ連の関係を内緒にしたい

志位さんは昔の日本共産党が、国際共産党日本支部としてソ連から指導を受け、資金と拳銃を受け取っていたことを内緒にしたいのです。

志位さんは昔の日本共産党を、単なる反戦団体だったように日本共産党員と支援者に普及したいのでしょうね。

昔の日本共産党がどんな革命戦略を持っていたのか、という疑問そのものが、一般の日本共産党員から出てこないようにしたい。

32年テーゼの全文が広まれば、日本のソ連化を目指したことがばれてしまいます。

志位さん、地主の家の焼き討ちは抵抗運動ですか


32年テーゼには、地主の家屋焼き討ちや、裁判所、警察署の建物破壊などの暴動を称賛する記述もあります。

家屋を焼いたら、住んでいる方が焼死してしまうかもしれません。昔の日本共産党員は、農民が地主とその家族を焼死させることは抵抗運動だ、と見ていたのでしょうね。

32年テーゼは、クーシネンというソ連共産党幹部(フィンランド出身)が中心になってつくりました。片山潜、野坂参三両氏も多少はこれの作成に参加したようですが。

野坂参三さんがどういう経路を通じてか不明ですが、ドイツ語の原文を河上肇京大教授に送り、河上教授が翻訳したようです。

当時の日本共産党の中央幹部だった野呂栄太郎さん、宮本顕治さんらはこれを受け取って感激したでしょうね。

この辺りも、志位さんは全て内緒にしたい。

共産党の歴史は、共産党の最高指導者の都合で修正される

志位さんは32年テーゼを内緒にしたいのですから、これを誰が作成して、誰がどのように受け取り、普及されたかも内緒にせねばならない。

志位さんは、昔の日本共産党員、左翼知識人がロシア革命とソ連の社会主義建設に無関係だったことにしたいのです。

今の日本共産党に、歴史学を真剣に学ぶ方はいないのでしょうね。

共産党の歴史は、時の共産党指導者の都合の良いように修正されます。不破さんが20年間行った中国共産党との理論交流など、なかったことにされそうです。






2022年9月18日日曜日

日本共産党は朝鮮労働党を平和勢力と見ているー不破さんは朝鮮労働党を、きちんとした話し合いのできる相手と高く評価した(平成12年8月24日の赤旗紙面)

不破さんは議長だった時期、野党外交とやらを重視しました。 

日本共産党の平和理論は、レーニンの帝国主義論に基礎をおいています。

この見地なら、金融資本、帝国主義が戦争を起こしますから、世界の帝国主義である米国が世界最大の戦争国家です。

日本共産党の平和理論では、米国に追随する日本政府は、アジア最大の戦争国家です。

日米安保を批判する中国共産党、朝鮮労働党とロシアは大局的には平和勢力です。不破さんが行った野党外交とやらも、この見地を基礎に置いていたと考えられます。

私は本ブログとtwitterでこれを繰り返し論じてきました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニン主義者の日本共産党員は祖国擁護に断固反対するーレーニン「マルクス主義の戯画と『帝国主義的経済主義』とについて」(レーニン全集第23巻所収)より (blueribbonasiya.blogspot.com)

 黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さん、米軍は欧州とアジアから出ていけ、で中朝露と共闘してください―日本共産党の平和理論なら、中朝露は大局的には平和勢力ー (blueribbonasiya.blogspot.com)

日本共産党第22大会決議は、朝鮮労働党を朝鮮半島における新しい平和の流れの一方の当時国、と規定しました。


第22大会決定の見地では、朝鮮労働党は平和勢力そのものです。

不破さんはこの見地から、朝鮮労働党を平和勢力、きちんとした話し合いのできる相手とみなし朝鮮労働党との交流再開を模索しました。

レーニンの帝国主義論の見地では、日米安保を批判する朝鮮労働党は平和勢力です。

以下は平成12年8月24日の赤旗紙面です。




朝鮮労働党を平和勢力と見ているから、日本共産党は中国や北朝鮮をも包摂して、あらゆる紛争問題を平和的に解決するASEANのような枠組みを作ろう、と訴えてきたのです。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 田村智子議員のもめ事のある国と絶交するのではなく、話し合う外交努力が必要論より思うー志位さんに朝鮮労働党との交流再開を提案したらいかがですかー (blueribbonasiya.blogspot.com)

日本共産党の皆さんには、南北首脳会談を繰り返し行った金正日、金正恩を平和のために尽力した立派な政治家だ、と考えている方が多そうです。

田村智子議員なら、記者会見で金正日、金正恩への評価を聞かれたらそのように答えそうです。不破さんもそう言いそうですね。






2022年9月5日月曜日

小池晃書記局長、在日本朝鮮人総連合会と朝鮮労働党はチュチェ思想を信奉する過激な左翼団体ですよー日本共産党は日米安保を批判する朝鮮労働党を平和勢力とみなすー

 インターネット記事によれば、今朝(9月4日)のNHK討論番組で自由民主党の茂木幹事長が「日本共産党と過激な左翼団体との関係も問われねばならない」旨、発言しました。

これに対し小池晃書記局長は「公共の電波を使って事実無根のことを言うべきでない。撤回して下さい」と抗議しました。


この件について、日本共産党大阪の中村正男さんも怒っています。



日本共産党は在日本朝鮮人総連合会と友好関係を維持しています。朝鮮総連結成50周年に当たってのあいさつ/日本共産党中央委員会議長 不破 哲三 (jcp.or.jp)

大山奈々子神奈川県議(日本共産党)は、朝鮮学校への補助金増額を強く主張しています。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんは、金正恩と朝鮮労働党に忠誠を誓っています。

朝鮮労働党と在日本朝鮮人総連合会はチュチェ思想を信奉する過激な左翼団体である

朝鮮労働党は、日本人や韓国人の拉致、日本漁船銃撃と船員射殺、大韓航空機爆破、金正男さんの毒ガスによる殺害など数々の蛮行を断行してきました。

朝鮮労働党と在日本朝鮮人総連合会は、チュチェ思想を信奉する過激な左翼団体です。

茂木幹事長の発言は、極めて適切です。

察するに、不破哲三さんら日本共産党員はチュチェ思想を大局的には進歩的思想、朝鮮労働党を平和勢力と見ているのでないでしょうか。

小池晃書記局長はチュチェ思想を進歩的思想とお考えではないでしょうか。youtubeでこの件も、見解を表明して頂きたいですね。

「党の唯一思想体系確立の十大原則」を、昔の日本共産党は「世界政治」とかいう雑誌に翻訳してチュチェ思想を批判していました。

これはチュチェ思想の神髄とも言うべき文献です。不破さんがこれを御存知ないはずはありません。日本共産党の雑誌に出ていたのですから(昭和63年4月頃)。


それでも不破さんは、在日本朝鮮人総連合会との交流再開を決断しました。

不破さんは、日米安保を批判し、朝鮮半島の完全な非核化とやらを目指す朝鮮労働党を大局的には平和勢力と見たのでしょう。本ブログではこの件、繰り返し論じてきました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 川田忠明さんら日本共産党員はチュチェ思想についての思考と議論を拒否するー金正恩は核兵器を小型化、精密化 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 畑田重夫・川越敬三著「朝鮮問題と日本」(新日本新書。昭和43年刊行)より思うー日本共産党は「帝国主義論」の見地で朝鮮半島情勢、台湾有事を分析 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 朝鮮労働党は日本人と話し合いなどしないー川田忠明さんに問う。拉致された日本人、韓国人は朝鮮労働党と話し合っていないから帰国できないのかー (blueribbonasiya.blogspot.com)


(追記)茂木幹事長は過激な左翼団体、と言ったのではなく、左翼的な過激団体、と言ったようです。

在日本朝鮮人総連合会の殆どの幹部が所属しているとみられる朝鮮労働党の在日非公開組織「学習組」については、金昌烈「朝鮮総聯の大罪」(宝島社)が詳しいです。

統一朝鮮新聞特集班「金柄植事件ーその真相と背景」(昭和48年刊行)は、昭和47年の金日成の還暦祝いのために在日本朝鮮人総連合会の皆さんが行った巨額の献金、奢侈品献上について詳述しています。



2022年9月3日土曜日

宮本顕治さんも昭和26年秋以降、臨時中央指導部(徳田・野坂分派)に従ったー宮本顕治さんは元来、暴力革命論者だったー

 殆どの日本共産党員は、昭和25年からの50年問題の際に宮本顕治さんが武装闘争に反対して徳田球一さん、野坂参三さんと対決したと信じています。

しかし宮本顕治さんは、昭和25年5月の「前衛」に掲載した論考「共産党・労働者党情報局の『論評』の積極的意義」で野坂参三さんの平和革命論を暴力革命論の見地から徹底批判しています。


この件、本ブログでは何度か論じてきました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 唱和25年頃、宮本顕治さんは極左冒険主義者だったー野坂参三さんの平和革命論を徹底批判ー (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 不破哲三さんも、昭和26年秋には臨時中央指導部の指導下で日本共産党が分裂を解消したことを認めているー不破哲三「日本共産党史を語る」(新日本出版社刊行, p203)より (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 昭和25~30年頃の日本共産党員は、臨時中央指導部(今の日本共産党は徳田・野坂分派と規定)こそ党中央とみていたー「日本共産党の八十年」(p107。日本共産党中央委員会発行)より (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 昔の日本共産党は暴力革命集団だったー暴力革命論の時代、日本共産党は中国共産党から学んで武装闘争 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党の暴力革命論について―宮本顕治氏は51年綱領(暴力革命論)の積極面を第七回大会報告で認めていた(昭和33年7月)― (blueribbonasiya.blogspot.com)

田村智子議員は、今でも昔の日本共産党が平和革命、議会を通じての民主的改革とやらを一貫して追求してきたと信じていそうですね。以下、敬称を省きます。

徳田球一、野坂参三、伊藤律、志田重男、紺野与次郎、西沢隆二らが宮本顕治、志賀義雄らを排除

「日本共産党の八十年」(日本共産党中央委員会刊行。p105)によれば、昭和25年4月末の第十九回中央委員会総会が終わった後、徳田球一が上記の人々を自宅に集め、宮本、志賀を排除して非公然の組織と指導体制を作る方針を申し合わせました。

これをもって、今の日本共産党は徳田・野坂分派が旗あげされたと主張しています。

昭和25年6月7日、徳田らは中央委員会の解体を宣言し、椎野悦郎を議長とする臨時中央指導部を指名しました。

臨時中央指導部とは、以下の方々です(「五十年問題資料集2」より)。


河田賢治、谷口善太郎も臨時中央指導部に入っていたのです。紺野与次郎がなぜこの中に入らなかったのかはわかりません。

「日本共産党の八十年」によれば、徳田・野坂分派が臨時中央指導部をマッカーサーの弾圧への対応と装ったこともあって、多くの日本共産党員は臨時中央指導部を考えました(同書p107)。

この後、宮本顕治ら排除された方々は昭和25年9月に「全国統一委員会」という組織をつくります。

宮本顕治ら排除された中央幹部は、昭和26年秋には臨時中央指導部の指導下に入った

「日本共産党の八十年」によれば、全国統一委員会には十余りの府県党組織といくつかの地区組織、大衆団体グループが参加しました(同書p109)。

昭和26年8月10日に、コミンフォルム(共産党・労働者党情報局)が臨時中央指導部側が正しいという論考を発表しました。

この論考に、宮本顕治らは屈服し、「全国統一会議」(全国統一委員会は昭和25年10月に解散)という組織を解散して臨時中央指導部の指導下に入りました。

「日本共産党の八十年」はこの辺りを曖昧にしています。宮本顕治が全国統一会議解体後、何をしていたのかが記述されていないのです。

昭和26年秋からは、日本共産党国会議員団も「徳田・野坂分派」となった

昭和26年秋からは、臨時中央指導部が名実ともに党中央となったのですから、この時期の日本共産党国会議員団や日本共産党の影響下にある団体は皆、臨時中央指導部(今の日本共産党の解釈では、徳田・野坂分派)の指導下に入りました。

この時期の日本共産党員は皆分派だ、とは変な話ですが、今の日本共産党の歴史解釈だとそういう結論になります。

川上貫一議員も勿論、徳田・野坂分派とやらの有力な一員でした。河田賢治、谷口善太郎、紺野与次郎は言うまでもありません。

私は四十年ぐらい前、この時期に日本共産党の一般党員だった方(故人)から、50年問題は悪夢だった、決して起きるはずがないと信じていたことが起きたのだから、と伺いました。

四十年ぐらい前(昭和57年頃)には、昭和25年からの五十年問題の体験者がまだお元気だったのです。

この方によれば、昭和27年の総選挙の際、全党員が地を這うようにして頑張りました。これは勿論、臨時中央指導部の指導下です。惨敗だったそうです。

この時期の日本共産党は強力な武装闘争を断行しましたが、全党員が四六時中武装闘争を行っていたわけではない。

自分は武装闘争など嫌だが、選挙運動は頑張る、という方も相当数いたのです。今の日本共産党の歴史観では、この時期の選挙運動も徳田・野坂分派の所業ということになりますね。

宮本顕治は臨時中央指導部の指導下で東京一区衆議院候補者になった

宮本顕治が昭和26年秋から、臨時中央指導部からどのように指導されていたのはか不明です。昭和29年秋ぐらいまで無視されていたかもしれません。

「宮本顕治の半世紀譜」(新日本出版社昭和58年刊行)には、以下が出ています。




「宮本顕治の半世紀譜」によれば、宮本顕治は昭和29年11月上旬に党主催演説会の弁士として岩手県に入っています。

12月11日には、東京都党員決起大会(浅草公会堂)で一区衆議院予定候補者として決意表明をしました。

これらは、「日本共産党の八十年」には記されていません。同書には、昭和30年1月頃に、志田重男が宮本顕治に会見を求め、党の統一と運動の転換について協議を持ちかけてきたと記されています(p121)。

現実には、昭和29年冬には臨時中央指導部から宮本顕治に、何らかの打診があったと考えられます。臨時中央指導部が宮本顕治を、東京一区の候補者として認定しているのですから。

昭和30年1月9日、宮本顕治は臨時中央指導部主催による「55年赤旗びらき」(渋谷公会堂、参加者八百名)に参加し、郷土民謡を歌ったそうです。

日本共産党の資料を見ていけば明らかなように、宮本顕治も、昭和26年秋からは徳田・野坂分派とやらの一員でした。

たつみコータローさん、わたなべ結さんは山田六左衛門を御存知ですか

この時期、一貫して臨時中央指導部に反対した方は、臨時中央指導部から除名処分になった方々ぐらいではないでしょうか。

大阪の山田六左衛門はそうだったかもしれません。春日庄次郎と共に、第七回大会頃から「構造改革論」を唱えた方です。

たつみコータローさん、わたなべ結さんは、山田六左衛門を御存知なさそうです。山田六左衛門は確か、大阪の参議院選挙の候補者にもなっていますよ。

日本共産党はロシアとウクライナの戦争の現状について分析できないー志位さんは、日本共産党内で軍事についての思考と議論が広がることを恐れているー

 日本共産党は、米国が世界の帝国主義であり、世界各地での戦争の根源になっていると宣伝しています。

これはレーニンの帝国主義論の見地によるものです。

マルクス主義経済学者なら、今のロシアは帝国主義だから領土拡張のためにウクライナに侵略したのだ、と見る方がいてもおかしくないのですが、日本共産党員と同党支援者にはそういう方はいないようですね。

この件、本ブログでは繰り返し論じてきました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんの、国連憲章を守れの一点で世界が団結せよ論を考えるープーチンが大局的には平和勢力だから、国際世論の高揚で改心するとみるー (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんはアジアと欧州から米軍は出ていけ、で中朝露、韓国左翼と国際統一戦線を結成するべきだー志位さんの近著「ウクライナ侵略と日本共産党の安全保障論」より思うー (blueribbonasiya.blogspot.com)

志位さんはウクライナとロシアの戦争の現状について語れない

志位さんの講演冊子「ウクライナ侵略と日本共産党の安全保障論」や、少し前の赤旗記事、検証 ウクライナ侵略半年 日本共産党の平和の論陣/「国連憲章守れ」貫く/価値観で二分するな 世界の良識と共鳴 (jcp.or.jp) には、ロシアとウクライナの戦争の現状分析がありません。

戦争の現状分析をやれば、ウクライナがこれまで持ちこたえるこができた背景の一つとして米国による莫大な軍事支援があることが明白になってしまいます。

志位さんにとって、厄介な話になるのです。

志位さんの講演や、上記の赤旗記事の中心的主張はロシアは国連憲章を守れ、という国際世論を喚起して侵略をやめさせよう論です。

志位さんによれば、ロシアは侵略をやめよ、国連憲章を守れの一点で世界中の政府と市民社会が声をあげ、力を合わせることが侵略を止める最大の力になります。

志位さんはプーチンは国際世論を一番恐れていると上記冊子で断言しています。

志位さんはこう宣伝するだけで、国際世論とやらが、プーチンの権力をどういう経路で脅かすのかについての分析は一切やりません。

ウクライナとロシアの戦争の現状分析、米国によるウクライナへの軍事支援がロシア軍にどう打撃を与えたかについて、志位さんは思考と議論ができないのです。

同様に、志位さんら日本共産党員は中国共産党が台湾、沖縄を攻撃する可能性について思考と議論をできません。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんの、日米による台湾問題への軍事的関与反対論より思うー日本共産党は中国共産党と朝鮮労働党の応援団ー (blueribbonasiya.blogspot.com)

志位さんは、日本共産党員と支援者の中で軍事には軍事で反撃するしかないという思考と議論が広まる事を恐れていると考えられます。

中朝露の日本攻撃に対し、どのように反撃するのか、という話それ自体が戦争を招くからそんな話をすべきでない、という意見を志位さんは広めたいのです。

日本共産党員が思考と議論をすべき軍事問題とは、日米軍事同盟の現状と今後のみ、という発想です。

中朝露の軍事力と領土拡張策についての思考と議論をする人は戦争勢力だ、という世論を、志位さんら日本共産党指導部は喚起したいのです。

志位さんの世界観では、日米安保強化に反対する中朝露は平和勢力であるー日本共産党は中朝露の応援団

志位さんら日本共産党員の脳裏には、昭和36年7月の第八回大会で定式化された社会主義国は平和勢力論の残滓が未だに存在していると考えられます。


今の日本共産党は中朝露を社会主義国とは見ていませんが、資本主義国になった、帝国主義だという認識もない。

中朝露の政治経済、特に軍事力の分析を拒否しています。中朝露の軍事力に対する分析を嫌がるのは日本共産党だけではなく、左翼知識人と運動家全体の特徴です。

中朝露は日米安保強化に反対しますから、レーニンの帝国主義論に依拠する志位さんの世界観では大局的には平和勢力です。

基地のない沖縄、が実現すれば中朝露は共謀して日本を攻撃する

中朝露は大局的は平和勢力だが、日米軍事同盟強化に貢献した故安倍総理は最大の戦争勢力だったと志位さんら日本共産党員は見ています。

日本共産党員が故安倍総理の国葬に断固反対するのは、日米軍事同盟強化で中朝露による日本攻撃を抑止しよう、という世論が高まる事が怖いからです。

日本共産党は憲法九条完全実施、すなわち自衛隊解散と日米安保廃棄を一刻も早く実現したい。

野党と市民の政府とやらがそこまで実現できなくても、基地のない沖縄、が実現したら、中朝露は共謀して日本を攻撃しますよ。

私見では,韓国左翼も日本共産党と同様の世界観を持っています。韓国左翼は、中国共産党と朝鮮労働党を大局的には平和勢力とみなしますから。

志位さんは韓国左翼、中朝露と協力し、日本政府を包囲する国際統一戦線結成を呼びかけたらいかがですか。