一昔前の日本共産党の文献には、朝鮮労働党のチュチェ思想を批判したものがあります。日本共産党第十七大会決議は、朝鮮労働党を野蛮な覇権主義と規定しています(昭和60年11月)。
第十七大会決議によれば、日本共産党は自国指導者の名を冠する主義や思想を世界的な指導思想として礼賛し、あれこれの追従組織を育成してそれをわが国におしつける覇権主義的行為に対してもこれを断固拒否します。
これはチュチェ思想批判です。昔の朝鮮労働党は金日成主義、今は金日成・金正日主義という表現をします。
第十七大会の頃、志位さんは日本共産党の本部職員だったと思いますが、志位さんがこの決議を知らないはずがありません。
以下は、昔の日本共産党の雑誌に掲載されていた「党の唯一思想体系確立の十大原則」の一部です。故萩原遼さんが翻訳をされたと伺いました。
志位さんなら、これも御存知でしょう。
第20回大会で日本共産党は、金日成のわが共和国には核兵器を持つ意思も能力もない、という発言を信頼し、朝鮮労働党への制裁に反対しました。
以下はこの時の志位さんの報告です。
不破さん、志位さんら日本共産党の指導部は金日成と朝鮮労働党を信頼したのです。
不破さん、志位さんが第17大会決議の見地で朝鮮労働党を把握していたのなら、大韓航空機を爆破したことを隠蔽する集団が大嘘をつかない保証はない、と見たでしょう。
不破さん、志位さんは何らかの理由で、第17大会決議の見地で朝鮮労働党を把握すべきでない、とこの時点で判断していたと考えられます。
理由は不明ですが、不破さん、志位さんはチュチェ思想を大局的には進歩的思想ととらえ、日米安保を批判してきた金日成と金正日、朝鮮労働党を平和勢力だから共闘できる、と見たのでしょう。
不破さんの著作「世紀の転換点に立って」(平成13年2月刊行)に掲載されている緒方靖夫さんとの対談や、不破さんの、日本共産党は在日本朝鮮人総連合会と平成12年10月に話し合いの場を持ちました。
このとき、過去の反省を踏まえて「意見が違う問題がおきても、敵対的な論争はしない」事を確認しあって、関係を正常化したそうです。
日本共産党は在日本朝鮮人総連合会と敵対的な論争はしないというのですから、不破さん、志位さんは以前のようなチュチェ思想批判は行き過ぎだった、チュチェ思想は大局的には進歩的思想だと判断したと考えられます。
「党の唯一思想体系確立の十大原則」に、不破さん、志位さんは違和感がないのでしょうね。民主主義的中央集権制度の一形態だ、という受け止めなのでしょう。
故小田実さんは、金日成と朝鮮労働党に敬意を抱いていました。
日本帝国主義、米帝国主義と戦った金日成と朝鮮労働党は偉大だ、いろいろな問題はあっても第三世界だ、という観点です。
不破さん、志位さんも同様ではないですか。
今でも志位さんは、ASEANのようにあらゆる紛争を話し合いで解決する仕組みをつくり、その場で日本政府が金正恩とじっくり話し合えば、金正恩は核兵器を廃絶すると見ていると考えられます。
9条生かした外交で平和をつくりだす/志位委員長 共産党の安全保障論を語る (jcp.or.jp)
朝鮮労働党は日本人を奴隷にしようと策しているー日本人と話し合いなどしない
日本共産党と左翼人士の中国共産党、朝鮮労働党観について、私は何度も論じてきました。以下をご覧くだされば幸いです。
朝鮮労働党は日本人、日本政府と話し合い、対話などしません。韓国人、韓国政府とも話し合いなどしない。
悔しいですが、朝鮮労働党は日本人や韓国人を奴隷にするべき人間と把握しています。チュチェ思想とは、首領の指令に全国民が従うことを強要する思想です。
不破さん、志位さんは十七大会の頃のチュチェ思想批判は行き過ぎだったと判断したのですから、日本人、韓国人が金正日、金正恩の指令実行を強要される事に違和感がないのでしょう。
不破さん、志位さんら日本共産党員は、朝鮮労働党の蛮行の歴史を直視できません。
厄介な事には関わらない、という発想が強いからと考えられます。
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