不破さんは、中朝両党と交流を再開し、一種の「反ファシズム国際統一戦線」結成を考えていたのではないでしょうか。
私は少し前にブログでこれを指摘しました。
日本共産党の平和理論では、金融資本、多国籍企業が利潤を獲得するために軍拡と戦争を起こします。
レーニンの帝国主義論、正統派マルクス主義経済学はそう説きます。
林直道教授の「経済学」(新日本新書)や岡本博之さんの「科学的社会主義」はそんな話です。
この視点では、金融資本のある日本がアジア最大の戦争国家です。
中国にも金融資本、多国籍企業がいくらでもあるではないか、人民解放軍所属の企業はいくらでもある、という方がいそうですね。
日本共産党と同党を支援するマルクス主義経済学者は中国共産党の戦争政策、人民解放軍の動向については思考と議論をしません。
ともあれ、日本共産党の平和理論では日米安保と自衛隊強化を批判する中国共産党、朝鮮労働党は平和勢力です。
日本共産党は中国共産党、朝鮮労働党を覇権主義と批判していますが、不破さんは中朝は覇権主義でも平和勢力と見たのです。
不破さんは中朝と連帯し、新ガイドラインと自衛隊の強化、日本軍国主義反対などを掲げた「反ファシズム国際統一戦線」結成を考えていたのでしょう。
日本共産党職員が不破さんを批判するのは辞職を覚悟するとき
中朝がファシズム、全体主義ではないかという方はいくらでもいそうですが、日本共産党内部でそんな意見を不破さんに言える方はいなかったのでしょう。
日本共産党職員が不破さんを批判するときには、辞職を覚悟するぐらいの気持ちが必要でしょう。
一般党員なら、不破さんを批判するのはさほど難しくないでしょうけれど。
在日本朝鮮人総連合会との交流再開は、金日成主義を指導思想として礼賛し、あれこれの追従組織を育成してそれを日本に押し付けるのは覇権主義だ、と規定した第十七回大会決定の否定です(昭和60年11月)。
第十七回大会の頃、日本共産党は「野蛮な覇権主義の典型の新たな証明」(昭和61年6月29日「赤旗」掲載)とい論考を出しています。
この論考は朝鮮労働党は朝鮮総連を指導し、日本の革命運動、民主運動に対する介入と干渉を継続していると断言していました。
この論考は「国際友好・連帯運動と覇権主義」(日本共産党中央委員会出版局)に掲載されていますが、最近の若い日本共産党員には入手しにくくなっています。
朝鮮学校への無償化適用を繰り返し主張する大山奈々子神奈川県議は、この本や論考「野蛮な覇権主義の典型の新たな証明」をご存知なのでしょうか。
論考「野蛮な覇権主義の典型の新たな証明」の見地なら、チュチェ思想教育を行う朝鮮学校への補助金支出や無償化適用は野蛮な覇権主義への屈伏と言えそうです。
最近の日本共産党議員は、一昔前の日本共産党の文献を全く読んでいない方ばかりのように思えてなりません。
この論考や第十七回大会の見地が日本共産党内に広まれば、チュチエ思想、金日成主義を指導思想として礼賛している在日本朝鮮人総連合会と交流するのは野蛮な覇権主義への屈伏ではないか、という声が一般党員から出てしまいかねない。
チュチェ型の革命家が日本人拉致や大韓航空機爆破、ラングーン事件を断行したのなら、彼らを逮捕するためにスパイ防止法が必要ではないかという世論も広まってしまいます。
不破さんはこれを恐れて、朝鮮労働党は覇権主義だが平和勢力とみなし、在日本朝鮮人総連合会との交流を再開したのです。
不破さんは野蛮な覇権主義、朝鮮労働党に屈伏したのです。
不破さんは中朝の覇権主義に屈伏したー覇権主義だが平和勢力とみて交流の道を選択
ところで、松竹伸幸さんが不破さんの中国共産党に対する路線転換についてブログで語っています。
重大な人権侵害と内政干渉と・下 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp)
松竹さんによれば、不破さんは日本共産党が中国と密接な関係にあると、国際的に信頼を勝ち取れると、平成15年くらいに本部勤務員向けの勉強会で話したそうです。
このころ不破さんは、著書「北京の五日間」などで中国共産党を高く評価していました、
日本共産党流にいえば、不破さんは中国共産党、朝鮮労働党の覇権主義に屈伏したのです。
不破さんは覇権主義との生死をかけた戦い、とやらに敗北したことになります。
不破さんの路線転換を察知した日本共産党職員はいたのでしょうけれど、批判は困難だったのでしょう。
日本共産党にも、朝鮮労働党のように「党の唯一思想体系の確立」がなされていそうですね。
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