バブル経済崩壊のあと、日本経済の長期不況突入を予測できた経済学者は殆どいませんでした。
私もそんなことは全く予測できず、1990年代にも日本は、年4~5%の実質経済成長率を達成できるだろう、ぐらいに思っていました。
なぜ多くのマクロ経済学者が日本経済の長期不況突入を予測できなかったのかを、改めて考えることは大事と思います。
大規模な財政金融政策の発動をせよ、という発想が弱かったのは一因と考えられます。
巡航ミサイルと弾道ミサイルの大量保有は社会資本建設です。これを国債大量発行で実施しても、財政政策として有効です。
そんなことをマクロ経済学者が言い出したら、左翼に徹底批判されてしまいます。厄介と考え、発言できなくなってしまう経済学者が多そうです。
不破さんはなぜ、東欧社会主義崩壊を資本主義化と把握できなかったのか
同様に、科学的社会主義の経済学、政治学を探求する方なら、同時期の日本共産党が東欧社会主義の崩壊を直視できなかったことを真剣に受け止めるべきです。
日本共産党員なら、社会主義の復元力が大国主義、覇権主義を崩している、ポーランドやハンガリーが資本主義に変質していく過程ではない、などと不破さんが宣伝していたことをどう見るのか、真剣に考えるべきではないですか。
以下は、不破さんの当時の著書「社会主義の原点と未来」からの抜粋です。
不破さんは、東欧社会主義諸国はソ連覇権主義の支配から脱却し、議会制民主主義のある社会主義国になっていくだろうと考えていたのです。
現実には、東欧社会主義国は雪崩のように資本主義化し、NATOにも加盟していきました。国有企業を順調に民営化するためには、大金が必要です。
大金を準備するためには、資本市場、株式会社制度を確立せねばならない。株式会社制度が存在するなら、資本主義です。
市場に強い社会主義、とは資本主義化でしかない。この件、本ブログでは繰り返し論じてきました。
不破さんは「社会主義の原点と未来」を出した8年ぐらい後に、中国共産党と交流を再開します。
不破さんは、中国共産党は大国主義、覇権主義を克服した、社会主義の復元力が発揮されたと考えたのでしょうね。これは、日本共産党第十六大会の見地でした。
建国直後に、朝鮮戦争に参戦しています。これは中国共産党が朝鮮半島を自国の勢力範囲と考えていたからです。覇権主義そのものです。
今でも日本共産党は、中国共産党が台湾だけでなく、沖縄にも侵攻しうることを直視できません。
中朝露は日米安保に反対ですから、日本共産党の平和理論では中朝露は大局的には平和勢力です。
科学的社会主義の理論、羅針盤とやらに固執している限り、レーニンの帝国主義論の見地で世界情勢を把握することになるので、そんな結論が出てしまうのです。
志位さんは、宮本顕治さんが主導した時期の大会決定や重要論文を内緒にしたいのでしょうね。
第十六大会、第十七大会、第十八大会それぞれの冒頭発言や中央委員会報告を日本共産党本部のHPに出したら、社会主義国は立派な成果をあげてきたという宣伝が一般党員と支援者にもばれてしまいます。
ロシア革命後、内戦で経済が崩壊し、推定百万人以上の餓死者が出ました。ボリシェヴィキは教育や医療を無料にすると宣伝しましたが、これは宣伝でしかない。
今の北朝鮮でも、医療と教育は無料です。北朝鮮には税金はないので、地上の楽園です。
不破さんが「社会主義の原点と未来」で行ったロシア革命は素晴らしい宣伝は、この水準の話です。
医療が無料なら、飢餓水準の方々は無料で医療サービスを享受できたはずです。日本共産党員にはそこまで言わないとわからないのでしょうか。
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