最近の日本共産党は、搾取制度が廃止された経済ではどのように財の生産と分配、消費がなされるのかについて、思考と議論をしません。
昔の日本共産党は、ソ連型の中央計画経済を想定し、中央計画当局が財の生産と分配、消費を決定すると考えていました。
宮本顕治さんによれば、社会主義国には資本主義的搾取制度の廃止と男女同権、教育、医療、保育、社会保障の面で資本主義国制度にない制度的優位性があります(第十八大会での冒頭発言より。昭和62年11月25日)。
山添拓議員はお若いので、ソ連崩壊より前の日本共産党の社会主義国宣伝について見聞したことがないのでしょうけれど、日本共産党の昔の大会決定を読んで頂きたいですね。
山添拓議員は御自身のyoutubeで、資本主義は利潤第一主義の社会、効率よく金を稼ぐ事が第一の社会であると主張しています。
お金儲けとは誰かの犠牲の上で誰かが利益をあげる、搾取の仕組みであると山添拓議員は訴えています(開始後1分25秒頃より)。山添拓に聞いてみよう vol.4/共産主義とは・ストレス解消法編 - YouTube
山添拓議員は主に、志位さんの近著「新・綱領教室 下」の第五章に依拠していると考えられます。
最近の日本共産党の未来社会論に対して、本ブログは何度か論じてきました。
中央計画当局が財、サービスの生産と配分を決定する経済なら、生産と消費の大幅削減により労働時間を大幅短縮可能
株式会社制度では、経営者は利潤を最大化すべく行動します。十分な利潤をあげられない経営者は、株主総会で交代させられるのは当然です。
これを私は、上記で繰り返し主張してきました。山添拓議員が目指す未来社会では、株式会社は存在しないのでしょうか。
株式会社が存在せず、利潤目的で生産をしないなら、財やサービスの生産と消費、配分を誰がどのような基準で決定するのでしょうか。
ソ連のように中央計画当局が財とサービスの生産、配分を決定するなら、中央計画当局が財とサービスの消費総量を大幅削減すれば労働時間の大幅削減もありえるでしょう。
財を配給制、例えば衣服は人民服だけしか生産しない、食料品も配給制で家電製品も殆ど生産しない経済を考えましょう。自家用車の保有を禁止すれば、環境にも良いでしょう。
財とサービスの生産量が大幅削減されますから、労働時間が大幅削減できそうです。志位さん、山添拓議員が目指す未来社会は、こんな社会なのでしょうか。
山添拓議員は江戸時代の日本への復帰を目指していますかー江戸時代の日本なら、環境にやさしい経済
あるいは、山添拓議員は江戸時代のような社会経済を目指しているのでしょうか。
江戸や大阪、あるいは東海道や中山道などの宿場都市には市場が存在しましたが、株式会社は存在しない。
人口の多数は農業に従事しています。労働時間は長いですが、農民は利潤第一主義で行動しているわけではない。豊作を第一に目指して、米や野菜をつくっていたでしょう。
江戸時代の日本なら、環境にも優しい経済運営だったと考えられます。江戸時代に戻るなら、やはり財とサービスの生産と消費を大幅削減することになりますが。
江戸時代の日本では化学肥料など一切使わない。電力がないのですから、自動車、家電製品は皆無です。
山添拓議員には、御自身のyoutubeで搾取制度の廃止された経済の運営、企業経営、株式会社制度の有無について語って頂きたいですね。
志位さんの脳裏には、ソ連型計画経済こそ社会主義という発想が残っている
志位さんの近著「新・綱領教室」下巻の第五章によれば、利潤第一主義をやめると浪費が一掃されるそうです。
財やサービスの生産量の浪費のない水準とやらを、誰がどんな基準で決めるのかについて、志位さんは何も語っていません。
志位さんの脳裏には、ソ連型計画経済こそ社会主義だ、という発想が残っていてもおかしくないですね。
志位さんなら、宮本顕治さんの昔の論文を熟読しているでしょうから。
0 件のコメント:
コメントを投稿