マルクス主義経済学者は株主を搾取者と見る
株主は企業に資金を提供して経営の危険を負担していますが、労働は提供していませんから。配当は搾取です。
故長洲一二教授(後に神奈川県知事)は、著書「構造改革論の形成」(現代の理論社、昭和48年刊行。p44)で少額株主でも所有に基づく受益者だから搾取者であると述べています。
日本共産党やマルクス主義経済学者が搾取制度の廃止を主張するなら、株式会社制度、金融資産市場の廃止を主張すべきです。
金融資産保有者は通常、利子所得を受け取ります。マルクス主義経済学では金融資産の保有者は搾取者です。
マルクス主義経済学者には、企業への資金提供者が危険を負担することにより企業に貢献しているから、報酬が与えられるのは当然だという見方ができない。
レーニンは余剰穀物を手元に置く農民を搾取者とみた
レーニンは「青年同盟の任務」で農民が穀物を余剰に保有し、投機をするなら搾取者だと明言しています。
農民が、穀物を一切保有していない労働者に保有している穀物をいくらか与え、自分の畑で農業労働をさせたら、マルクス主義経済学では搾取です。
一定期間後にできる穀物は農民(地主)のものになります。労働者が次期もその農場で働くなら、穀物の一部が与えられるでしょう。
労働者は凶作になる前に賃金を受け取っていますから、農業経営の危険を負担していない。
地主は労働者に農業労働を熱心にやらせる誘因をどうやって与えるか、という問題は残っていますが。
奴隷は、地主が監視していなければ農業労働を熱心にやらないでしょう。農業労働の誘因の与え方という問題は、奴隷でも同じです。
株式会社についても同じことが言えます。大不況になれば、赤字を出す会社はいくらでもあります。赤字経営なら、原則無配当です。
経営の危険を負担することの代価として、利子や配当所得を地主や株主に配分することを法で禁止したら、企業に資金を出す人がいなくなり、企業経営は存続できません。
企業経営者は才能を生かす場を、労働者は職場を失います。
日本共産党、マルクス主経済学者には企業経営の危険を株主や金融資産保有者が負担しているという発想ができない。
不破さんは株式会社、金融資産市場を社会発展の障害物とみている
不破さんは「党綱領の力点」で、実体経済の上にそびえたつ金融経済の巨大な機構の大きな部分が未来社会では御用済みとしてお引き取り願うと明言しています(同書p154)。
レーニンから多くを学んでいる不破さんには、株式会社、金融資産市場が社会発展の障害物と見えるのです。
「お引き取り願う」とは共産党の政府が株式会社、金融資産市場を法で禁止することなのでしょうね。
搾取制度の廃止のためには、株式会社、金融資産市場の廃止が不可欠です。不破さんは上記著書でそれを示唆したのです。
金融資産市場が政府により禁止されたら、保有している金融資産が無価値となり、倒産する企業が続出します。日本初の世界不況になりえる。大失業時代到来です。
日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)がゼロになるのですから。銀行や保険会社も軒並み倒産です。金融資産市場が無くなったら、金融機関は存続できません。
金融資産市場を廃止したい不破さん、志位さんは本音では、ソ連型計画経済を未来社会のモデルとして想定しているのでしょう。当面はこれを内緒にしていると考えられます。
旧ソ連では株式会社は存在しなかった。何らかの金融資産市場は、闇では存在していたでしょう。
ボリシェヴイキは収奪者を収奪するなどと称して、地主と資本家、ロシア正教会の財産を没収し、彼らを追放しました。
日本共産党は日経平均株価が暴落しても労働者には何の関係もないと本気で考えていそうです。搾取者が大損をしただけだ、という発想です。
自衛隊解散、日米安保廃棄と金融資産市場の全廃を宿願とする日本共産党こそ、お引き取り願いたいですね。
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