2022年8月15日月曜日

労働市場が存在するなら、資本主義的搾取制度が存在するーベーム・バヴェルクとレーニン、スターリンに共通点ー

 資本主義的搾取制度は、労働市場と金融資産市場が存在するなら廃止できません。

これを企業経営方式から表現するなら、株式会社制度が存在するなら資本主義的搾取制度は廃止できません。この件、私は何度も論じてきました。

前回紹介したもののほかに、以下があります。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 市場経済では生産手段の社会化(資本主義的搾取の廃止)はできない―不破哲三「マルクス主義と現代修正主義」(昭和40年、大月書店刊行)より思う (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 聴濤弘著「200歳のマルクスならどう新しく共産主義を論じるか」(かもがわ出版)より思う。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニン「青年同盟の任務」(1920年10月2日。「レーニン全集」第31巻、大月書店刊行)より思う、 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニン「賃金労働を使用するもの、他人の犠牲でもうけているものからわれれは全部収奪するであろう」(レーニン全集第28巻より) (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 社会主義体制はなぜ崩壊したのか―エンゲルス「空想より科学へ」(大内兵衛訳、岩波文庫。英語ではSocialism, Utopian and Scientific)より聴濤弘氏に問う。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

マルクスの搾取理論に対する批判としては、ベーム・バヴェルクによる搾取利子説が重要です。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: マルクスの搾取論とベーム・バヴェルク(1851-1914) (blueribbonasiya.blogspot.com)

ベーム・バヴェルクによれば、マルクスは現在財と将来財の違いを無視しています。

マルクスは、労働者が自分が作り出した製品の将来価値の全てを現在受け取らないと搾取があると主張している、とベーム・バヴェルクは批判しました(上記に引用した、根岸隆「経済学の歴史」第四章より。東洋経済新報社昭和58年刊行)。

資本主義的搾取制度の廃止とは何かーベーム・バヴェルク、根岸隆教授の見地より考える

ベーム・バヴェルク、根岸隆教授によるマルクス批判の見地を敷衍して、搾取制度の廃止とは何かについて考えてみましょう。

労働者が一人で、1年かけて何かの財を生産するとします。その財を生産するためには、材料が必要ですが、これは資本家から提供されるとします。

労働者は資本家から、賃金を前払いで受け取ります。労働者はこの賃金で一年間の暮らしに必要な財を購入します。

財の生産に直接、間接に必要な労働総量には、材料の生産に必要な労働量も含まれます。この財が一年後に完成して販売できたら、多少の利益が得られるとします。

このとき労働者が一年間に提供した労働総量と、それと引き換えに得られる賃金で購入できる財の生産に直接・間接に必要な労働総量を比較すると、後者が前者より多いので、マルクス流にいえば搾取が存在します(置塩・森嶋教授によるマルクスの基本定理)。

労働者が一年後に得られる機械の売り上げ全部をはじめに受け取ったら、搾取は勿論存在しません。資本家は何も得られないので、利潤も存在しません。

利潤がなければ、搾取はありません。

ベーム・バヴェルク流に考えると、搾取制度の廃止とは労働者が、将来得られる財の売り上げを生産の初めに資本家から得る事です。

資本主義的搾取制度を廃止するなら、将来得られる売り上げを労働者が現在取得することになり、資本家は労働者を雇用しても何も得られない。資本家は損をするだけです。

雇用という制度を無くすこととは、労働市場の廃止です。

レーニンは資本家と地主、富農とツァーリの追放を搾取制度廃止の必要条件と主張した

レーニンは、資本家階級、地主階級と富農の廃止、ツァーリの追放を搾取の廃止の必要条件と考えました(例えば、「青年同盟の任務」)。

レーニンは「青年同盟の任務」で、社会の一部が工場を持ち、株式や資本を持っていて、他の一部のものがこれらの工場で働いているなら、資本家階級雄労働者階級が存在する事になると指摘しています(「青年同盟の任務」柴田順吉訳。いづみ書房刊行のp100より)。

レーニンは全ての人が単一の共通の計画で、共通の土地で、共通の工場で働くようにしなければならないと述べています(同書p101)。

これを実現するために、レーニンは労働者階級が農民の一部を再教育し、他人の困窮で金もうけをしている金持ちの農民の反抗を撲滅せねばならないと説きました(同書p102)。

農民の再教育と富農の反抗の撲滅も、搾取制度廃止のための必要条件とレーニンは考えていたのでしょう。

単一の共通の計画云々も、レーニンがこれを搾取制度廃止の十分条件とみなしていたとは考えにくい。

レーニンはベーム・バヴェルクの著書を読んでいなかったと考えられますが、同じことを違う角度から主張していると考えられます。

レーニンとボリシェヴィキはニコライ2世一家を処刑した(1918年7月17日。大正七年)

実際には、レーニンとボリシェヴィキはツァーリだったニコライ2世一家を追放したのではなく、処刑しました。

「青年同盟の任務」執筆はニコライ一世一家の処刑より2年少し後です。

ニコライ2世一家については、以下が参考になります。ロマノフ王朝、最後の皇女、アナスタシア皇女。ロマノフ家。 - YouTube

資本家階級、地主階級と富農の追放とは、彼らの全財産を没収してしまうことです。文字通りこれをされたら、一文無しになります。

この命令がロシア全域で完全に実行されたのか、私にはわかりませんが、相当数の餓死者が出たことは間違いありません。

レーニンはこれらの残虐行為に何の反省もしていません。

レーニンは、搾取制度廃止のためにはロシア皇帝一家処刑、資本家と地主、富農の追放、餓死も、必要不可欠と考えていたのでしょうね。

不破さん、志位さんは今でもロシア革命を高く評価していますが、ロシア皇帝一家の処刑や大量餓死も社会進歩のために必要不可欠と考えているのでしょうか。

全ての人が人が単一の共通の計画で、共通の土地で、共通の工場で働くようにせねばならないなら、中央計画当局が作成した計画に従って、財と労働の配分が行われるソ連型計画経済こそ社会主義だ、という話になります。

スターリンは「青年同盟の任務」に示された、レーニンの遺志を継承しました。

不破さんはソ連を、人間抑圧社会だったと評していますが、搾取制度を廃止するなら人間抑圧型社会を建設することになるのです。

「青年同盟の任務」の上記該当部分の英訳を、下記に記しておきます(前掲書p98、100より抜粋)。

What are classes in general? Classes are that which permits one section of society to appropriate the labour of another section. If one section of society appropriates all the land, we have a landowner class and a peasant class. if one section of society owns the factories, shares and capital, while another section works in these factories, we have a capitalist class and a proletariat class. 

All should work according to a single common plan, on common land, in common factories and in accordance with a common system. Is that easy to attain? You see that it is not as easy as driving out the tsar, the landowners and the capitalists.


2022年8月14日日曜日

山添拓議員が目指す未来社会では、株式会社は存在しないのですかー株式会社制度では、経営者は利潤を最大化すべく行動するので利潤第一主義になりますー

 最近の日本共産党は、搾取制度が廃止された経済ではどのように財の生産と分配、消費がなされるのかについて、思考と議論をしません。

昔の日本共産党は、ソ連型の中央計画経済を想定し、中央計画当局が財の生産と分配、消費を決定すると考えていました。

宮本顕治さんによれば、社会主義国には資本主義的搾取制度の廃止と男女同権、教育、医療、保育、社会保障の面で資本主義国制度にない制度的優位性があります(第十八大会での冒頭発言より。昭和62年11月25日)。


ソ連、東欧が崩壊する前まで、日本共産党はソ連型の経済制度を高く評価していたのです。

山添拓議員はお若いので、ソ連崩壊より前の日本共産党の社会主義国宣伝について見聞したことがないのでしょうけれど、日本共産党の昔の大会決定を読んで頂きたいですね。

山添拓議員は御自身のyoutubeで、資本主義は利潤第一主義の社会、効率よく金を稼ぐ事が第一の社会であると主張しています。

お金儲けとは誰かの犠牲の上で誰かが利益をあげる、搾取の仕組みであると山添拓議員は訴えています(開始後1分25秒頃より)。山添拓に聞いてみよう vol.4/共産主義とは・ストレス解消法編 - YouTube

山添拓議員は主に、志位さんの近著「新・綱領教室 下」の第五章に依拠していると考えられます。

最近の日本共産党の未来社会論に対して、本ブログは何度か論じてきました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党が政権を掌握したら、金融資産市場を「御用済みとしてお引き取り願う」ー不破哲三「党綱領の力点」(平成26年刊行。pp. 153-154 )より。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 生産手段の社会化(搾取制度の廃止)と株式会社制度は両立しないー日本共産党と同党を支援するマルクス主義学徒に問う (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニンの「青年同盟の任務」(柴田順吉訳、いづみ書房刊)より思うー搾取制度廃止のためには共通の計画、共通の土地、共通の工場で働くー全体主義を準備 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニン「青年同盟の任務」(レーニン全集第31巻所収、大月書店)より思うースターリンはレーニンの愛弟子ー (blueribbonasiya.blogspot.com)

中央計画当局が財、サービスの生産と配分を決定する経済なら、生産と消費の大幅削減により労働時間を大幅短縮可能

株式会社制度では、経営者は利潤を最大化すべく行動します。十分な利潤をあげられない経営者は、株主総会で交代させられるのは当然です。

これを私は、上記で繰り返し主張してきました。山添拓議員が目指す未来社会では、株式会社は存在しないのでしょうか。

株式会社が存在せず、利潤目的で生産をしないなら、財やサービスの生産と消費、配分を誰がどのような基準で決定するのでしょうか。

ソ連のように中央計画当局が財とサービスの生産、配分を決定するなら、中央計画当局が財とサービスの消費総量を大幅削減すれば労働時間の大幅削減もありえるでしょう。

財を配給制、例えば衣服は人民服だけしか生産しない、食料品も配給制で家電製品も殆ど生産しない経済を考えましょう。自家用車の保有を禁止すれば、環境にも良いでしょう。

財とサービスの生産量が大幅削減されますから、労働時間が大幅削減できそうです。志位さん、山添拓議員が目指す未来社会は、こんな社会なのでしょうか。

山添拓議員は江戸時代の日本への復帰を目指していますかー江戸時代の日本なら、環境にやさしい経済

あるいは、山添拓議員は江戸時代のような社会経済を目指しているのでしょうか。

江戸や大阪、あるいは東海道や中山道などの宿場都市には市場が存在しましたが、株式会社は存在しない。

人口の多数は農業に従事しています。労働時間は長いですが、農民は利潤第一主義で行動しているわけではない。豊作を第一に目指して、米や野菜をつくっていたでしょう。

江戸時代の日本なら、環境にも優しい経済運営だったと考えられます。江戸時代に戻るなら、やはり財とサービスの生産と消費を大幅削減することになりますが。

江戸時代の日本では化学肥料など一切使わない。電力がないのですから、自動車、家電製品は皆無です。

山添拓議員には、御自身のyoutubeで搾取制度の廃止された経済の運営、企業経営、株式会社制度の有無について語って頂きたいですね。

志位さんの脳裏には、ソ連型計画経済こそ社会主義という発想が残っている

志位さんの近著「新・綱領教室」下巻の第五章によれば、利潤第一主義をやめると浪費が一掃されるそうです。

財やサービスの生産量の浪費のない水準とやらを、誰がどんな基準で決めるのかについて、志位さんは何も語っていません。

志位さんの脳裏には、ソ連型計画経済こそ社会主義だ、という発想が残っていてもおかしくないですね。

志位さんなら、宮本顕治さんの昔の論文を熟読しているでしょうから。







2022年8月11日木曜日

宮本顕治さんは連合国軍最高司令部から司法省への超法規的命令により「刑の言い渡しがなかったものとみなす」とみなされ、資格回復の措置が取られたー稲葉修法相の国会答弁より(昭和51年9月28日)

 昭和8年12月23、24日に宮本顕治さんらが行った過酷な査問の結果、スパイと疑われた小畑達夫さんは亡くなりました。

小畑達夫さんの死因について、松崎いたるさんが近著でエコノミークラス症候群だった可能性を指摘しました。

松崎いたるさんの本(第四章、p122)に稲葉修法相のこの件に関する国会答弁が引用されています(昭和51年9月28日)。第78回国会 衆議院 本会議 第5号 昭和51年9月28日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム (ndl.go.jp) 

稲葉修法相によれば、宮本顕治さんは連合国最高司令部からわが国司法省への超法規的命令により、公民権を回復したのです。

稲葉法相によれば、将来に向かって刑の言い渡しを受けなかったと同様に取り扱うことになっただけです。

過去の犯罪事実がなくなったり有罪の確定判決があったという事実そのものが否定されたわけではない。

司令部のおかげで助かったと申して差し支えないと稲葉法相は国会で断言しています。

日本共産党員には、稲葉法相の国会答弁を御存知ない方が多いようですね。そんな呟きが良く出てきます。



繰り返しですが、小畑達夫さんの死因について医師の小池晃書記局長はどうお考えなのでしょうか。
小畑さんが特異体質の持ち主だったから、突然死したとお考えなのでしょうか。古畑教授の鑑定書からそのように考えられるのでしょうか。

この件、小池晃書記局長に是非、御自身のyoutubeで解説をして頂きたいですね。私には、松崎いたるさんの説のには説得力があると思えます。

2022年8月9日火曜日

昭和8年12月23、24日に宮本顕治さんらは小畑達夫さんの手足を縛り、監禁。過酷な査問の末、小畑さんは亡くなったー

昔の日本共産党は武装集団だった 

昔の日本共産党(国際共産党日本支部)は、ソ連から拳銃と資金を受取り武装して内乱を起こそうとしていました。

特別高等警察は内乱を防ぐべく、武装集団の日本共産党内にスパイを送っていました。

この時期に中央幹部だった宮本顕治(当時25歳)、袴田里見(当時29歳)、秋笹正之輔(当時30歳)、逸見重雄(当時34歳)、木島隆明(年齢不詳)、小畑達夫(当時26歳)各氏はスパイは近くにいるに違いない、という気持ちにさいなまされていたでしょう(年齢は松崎いたるさんの本より抜粋)。

小畑さんと同時期に査問された大泉兼蔵氏(当時35歳)は実際にスパイでした。

宮本顕治さんらが行った過酷な査問の末、小畑達夫さんは亡くなりました。

この事件について、殆どの日本共産党員はリンチ、過酷な査問など特別高等警察の捏造で、小畑達夫さんは特異体質だから突然死したと信じていると考えられます。

そう信じている日本共産党員の皆さんは、この事件に関する宮本顕治さん、袴田里見さんの文献を読んだのでしょうか。

日本共産党員は宮本顕治さんの論考を読むべきだ

ある事件についての史実を調べる時、その事件に参加した方の手記や、発言の記録を参照するべきです。

その方がその事件のごく一部しか体験していないなら、手記や発言の記録に思い違い、聞き違いが生じうる。

またその事件の全体を把握しうる地位にいた方の場合、何らかの思惑により自分の役割を誇張もしくは矮小化する場合もあります。

その事件に参加した方々の手記や発言記録を可能な限り多く集め、読み込んで行くことにより史実が徐々に明らかになると考えられます。

日本共産党(国際共産党日本支部)が昭和8年12月23日から24日に起こしたスパイ査問事件については、査問する側だった宮本顕治さんと袴田里見さんの公判調書、訊問調書と手記が出版されています。

今の日本共産党員がこの事件について語るなら、少なくとも次を読むべきでしょう。

宮本顕治論考「スパイ挑発との闘争」と「宮本顕治 公判記録」(昭和51年新日本出版社刊行)

平野謙「『リンチ共産党事件』の思い出』(昭和51年三一書房刊行)に掲載されている袴田里見さんの訊問・公判調書。

これらを読めば、小畑達夫さんがどのように亡くなっていったかについて宮本顕治さんと袴田里見さんの間で、大きな違いはないことがわかります。

この件について、本ブログは以前にも論じています。下記です。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 宮本顕治氏はスパイ査問事件(昭和8年12月23、24日)について論文でどう語ったかー「スパイ挑発との闘争ー1933年の一記録ー」より (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党のスパイ査問事件(昭和8年12月23、24日)について―袴田里見判決文(亀山幸三「代々木は歴史を偽造する」経済往来社昭和51年刊行)より思う― (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 松崎いたるさんの大著「日本共産党暗黒の百年史」(飛鳥新社)よりー過酷な査問現場から逃げようとした小畑達夫さんは、エコノミークラス症候群で亡くなったー (blueribbonasiya.blogspot.com)

宮本顕治さんの公判調書の該当部分を、以下現代語訳します。出典は上記の公判記録です。

宮本顕治さんは小畑さんの手足を縛っていたことを認めている

次に小畑の死に関して

私は夜間徹夜で三名を一通り訊問して疲れたので当日は木島と共に同書の炬燵(こたつ)に入って寝た。

眠る前の状景は小畑は座敷の押し入れと窓際の中央あたりに手足を縛られ、足を投げ出し、腰をしたにしていた。

何かによりかかっていたようなことはない。同人が押し入れに入っていた時に壁に穴をあけ逃げようとしたので座敷へ出されたのである。

大泉は座敷の真ん中へ転がしてあった。二人とも押し入れから出してあった事に間違いない。

私がひと眠りしたとき、物音で目を覚ますと小畑は手足が自由になっていて起き上がろうとしていた。それに袴田が飛びかかっていき、逸見もそこへ来て袴田は足の方、逸見は頭の方にいた。

私も駆け寄って小畑の右手を小畑の横に座って両腕を抱きかかえる形で止めており、木島も来て向かい側で暴れる小畑の手を止めようとしていた。

小畑は手足を動かし声をたてようとするので逸見は声をたてさせまいと口のあたりを押さえた。

その時小畑は風呂敷か外套を頭からかぶされていたが、そのまま暴れたので皆で小畑を押さえつけた。

そのうちに小畑は声をたてなくなり、静かになった。

私は彼が観念したかと思ったのであるが、そこへ秋笹が上がってきて小畑を起こした。手ごたえなくこれはいかんと皆を難詰したのである。

被せた風呂敷を取り除いてみると顔色が既に変わっていたのであって、これは瞬時の出来事である。

それで秋笹が人工呼吸をしたが効果なく、逸見が脈を取ったが既になかった。自分は柔道の手で活をいれたがそれも駄目であった。

それで彼の死を知ったのである。(黒坂による訳はここまで)。

宮本さんは、小畑さんの手足を縛っていたことを認めています。以下は宮本さんの公判調書の抜粋です。




以下は、宮本さんの論考「スパイ挑発との闘争」の抜粋です。

宮本さんの公判調書や、論考「スパイ挑発との闘争」からも、小畑達夫さんに対して一昼夜間、過酷な査問が行われたと考えられます。私は医師ではないので断言などできませんが、松崎いたるさんの新説、エコノミークラス症候群が適切に思えるのです。医師の小池晃書記局長が、御自身のyoutubeでこの件を解説してくださると良いですね。

2022年8月7日日曜日

志位さんは不破さんの路線「台湾も一国二制度で中国に復帰させるべきだ」を内緒にしたいー不破さんの本「世紀の転換点に立って」(新日本出版社刊行)と志位さんの近著「新・綱領教室」より

志位さんは不破さんの中国論は駄目だったと思っている

志位さんはなぜ、ペロシ下院議長の台湾訪問を「一つの中国」の原則を踏みにじる行為だ、と徹底批判しなかったのでしょうか。 

不破さんがこの本で示した日中関係の五原則、を志位さんが尊重するなら、そう批判するべきでした。

この問題を考えるためには、不破さんが20数年前に中国共産党に示した提案を参照するべきです。これを志位さんが今、どう評価しているかという問題を考えるべきです。

志位さんは、不破さんの路線「台湾も一国二制度で中国に復帰させるべきだ」を内緒にしたいと考えられます。

不破さんのこの見地なら、米国政府や日本政府の要人が台湾を訪問し、台湾の総統と会談する事は一つの中国、の原則を踏みにじる無法行為です。

なぜ志位さんは不破さんの見地から、米国ペロシ下院議長を批判しなかったのでしょうか。

不破さんは台湾も香港と同様に、「一国二制度」で中国に復帰させるべきと主張

不破さんは著書「世紀の転換点に立って」で、台湾も香港やマカオと同様に、一国二制度という方式で中国に復帰させることが有効だと述べています(同書p122)。


不破さんによれば、香港、マカオはそれぞれ英国、ポルトガルの植民地だったので住民の意思は問題になりませんでした。

不破さんは中国共産党に、台湾の住民の支持を得て「一国二制度」の方式で中国に復帰させるべきだと提案しました。

志位さんが民主主義的中央集権制度の原則を重視するなら、改めて中国共産党と台湾の住民にこれを提案するべきでした。

志位さんがこれを実際に提案したら、台湾住民は勿論、日本の中でも相当批判されてしまうでしょう。

台湾に一国二制度、なら台湾市民は事実上選挙権、被選挙権を喪失してしまいます。

中国共産党の「一国二制度」とは台湾、香港の住民が中国共産党の指導に従う事

中国共産党によれば、香港では一国二制度が遵守されています。

中国共産党が主張する一国二制度とは、香港市民、台湾住民が中国共産党の指導に従うことなのです。

台湾、香港に国家安全維持法を施行することが、一国二制度を維持することなのです。

習近平が目指す偉大なる中華民族の復興、とは台湾、香港だけでなく日本やベトナム、東南アジア諸国も中国共産党の指導性とやらを認めることです。

不破さんは、自分の提案が中国共産党の台湾問題に対する政策を変えたと宣伝

不破さんは中国共産党に、台湾の住民の支持を得るようにすべきと主張したところ、中国共産党の台湾問題に対する態度が変わったとこの本で宣伝しています。

不破さんの提案に、10人近い中国共産党の代表団がざわめいたそうです。これは芝居でしょうね。

不破さんは中国共産党幹部の皆さんの芝居を信じたのです。今では志位さんも、中国共産党に騙されたな、と気づいている可能性が高い。

志位さんは不破さんが中国共産党に行った提案、中国共産党との交流を内緒にしたい

しかし志位さんは、公の場で不破さんの中国論は現実の中国と大きく異なる空論だった、不破さんは騙されたなどとは言えません。

志位さんが台湾は香港と同じように一国二制度で中国に復帰するべきだ、などと記者会見やテレビ番組で言ったら、日本共産党はやはり中国共産党と同じだと宣伝するようなものです。

志位さんは不破さんが行った中国共産党に関する提案、中国共産党との理論交流史を内緒にしたいのです。

志位さんは近著「新・綱領教室」でも、これらについて言及していません。

「新・綱領教室」には、中国共産党は市場に強い社会主義という、レーニンが目指した道を探求しているという話はありません。

市場経済を通じて社会主義に進む、という話は「新・綱領教室 下」(p189)に出ていますが、中国やベトナムがこれを探求しているという話は出ていません。

本音を内緒にしている日本共産党員は多いー山添拓議員の本音は日米安保があるからロシアは日本を攻撃できない

これなら、ロシア革命後に社会主義を目指した国々はあったが、全滅したという結論になりそうです。

吉良よし子議員ら若い日本共産党員は、昔の日本共産党の文献を読んでいないでしょうから、志位さんの近著を変だな、と感じることはないでしょう。

志位さんは本音では、市場に強い社会主義とは結局資本主義だな、と思い始めているのかもしれませんね。本音を漏らしたら厄介な事になるので、内緒にしていると考えられます。

日本共産党員は本音を内緒にして生きねばならない。時折本音を漏らしてしまう方もいますけれど。

山添拓議員は、本音では日米安保があるからロシアは日本を攻撃できないと思っているようです。











2022年8月6日土曜日

志位さんは中国共産党に、台湾政府と話し合えと要求できないー日本共産党の平和理論なら、日米軍事同盟強化を支持する台湾政府は戦争勢力ー

 日本共産党は先の参議院選挙で、ASEANに倣い東アジアであらゆる紛争問題を話し合いで解決する枠組みをつくるべきだと主張していました。

この見地なら、志位さんは中国共産党に台湾政府と話し合え、台湾政府のASEANに加盟と東アジアサミット参加を認めよと要求するべきです。

ところが、昨日の声明にはそんな話はありません。台湾に対する中国の軍事的威嚇の強化に抗議する│声明・談話・発言│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp) 

志位さんは、台湾問題の解決はあくまで平和的話し合いで行われるべきだと述べていますが、話し合いの主体については言及していません。

福建省のどなたかが、台北に行って台湾に住む友人と何かを話し合えば台湾問題は解決する、と志位さんは考えているのでしょうか。

福建省の言葉は台湾の言葉と近いので、意思疎通が簡単ですから。

この件、小池晃書記局長に御自身のyoutubeで、日本共産党は誰と誰の話し合いにより台湾問題、とやらの解決を望んでいるのか、発言して頂きたいですね。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: you tuber小池晃書記局長、台湾政府を東アジアの包括的な話し合いの枠組み、から排除すべきですかー (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 小池晃書記局長、絶対に戦争を起こさない血のにじむような外交努力を訴えるなら、台湾政府を東アジアの対話と協力の安全保障の仕組みに入れようとなぜ言えないのですかー (blueribbonasiya.blogspot.com)

志位さんは中国共産党との交流を継続したい

志位さんが中国共産党に台湾政府と話し合えと主張すると、不破さんが24年ぐらい前に締結した両党合意の、相互の内部問題不干渉に反してしまうという解釈がありえます。

志位さんは中国共産党を批判はしても交流関係は維持しようと考えているのでしょうね。

志位さんが中国共産党に台湾政府と話し合え、台湾政府のASEAN加盟と東アジアサミット参加を認めよと主張するなら、台湾政府の存在を認める事になります。

志位さんはこれが嫌なのかもしれません。この可能性もありますが、より本質的には日本共産党が依拠している平和理論に注目すべきです。

志位さんは中国共産党が核軍事力で台湾政府を脅かして屈服させ、国家安全維持法を台湾に普及する事は中国の内部問題とみなす

中国共産党は当然、台湾問題は中国の内部問題だから日本はいかなる干渉もするなと脅かします。
志位さんは声明で、日米が台湾問題に軍事的に関与する事に強く反対しています。

人民解放軍が台湾を攻撃したとき、米軍が座視するなら習近平は大喜びします。台湾統一の絶好の機会到来、と判断するでしょう。

志位さんは、中国共産党が台湾の完全領有すなわち台湾政府を破壊することを、大局的には社会進歩、歴史の発展と考えているのでしょう。

習近平が人民解放軍の核軍事力による脅迫で台湾政府を屈服させ、台湾に国家安全維持法を普及する事は、日本共産党にとって中国の内部問題です。

志位さんら日本共産党員は、レーニンの帝国主義論の枠組みで国際情勢を把握しますから、中国共産党、朝鮮労働党とロシアを大局的には平和勢力とみなします。

中朝露は米軍はアジアと欧州から出ていけ、と主張していますから。台湾政府は日米軍事同盟強化を支持しますから、日本共産党の平和理論では戦争勢力です。


志位さんは米国のペロシ下院議長の訪台を批判できなかった

ところで志位さんの声明は、日本共産党の平和理論から考えればおかしいのです。志位さんはペロシ下院議長の訪台を批判できませんでした。

ペロシ下院議長の訪台は、台湾海峡の軍事的緊張を激化させ、日米軍事同盟の強化を促すものだから断固反対、と志位さんは主張せねばなりませんでした。

志位さんは有事の際には日米安保第五条により米軍に出動要請することを断言していますから、米国をあまり批判できにくくなっているのでしょうね(「新・綱領教室」下巻p56より)。


田村智子議員は台湾政府を戦争勢力とみなしている

田村智子議員は、参議院選挙の時に街頭演説で繰り返し、ASEANに倣い東アジアであらゆる紛争問題を話し合いで解決する枠組みをつくるべきだと力説していました。

しかし田村智子議員は、志位さんと同様に中国共産党に台湾政府とは話し合え、台湾政府のASEAN加盟と東アジアサミット参加を認めよと要求できません。


田村智子議員は、日米軍事同盟強化を支持する台湾政府を戦争勢力とみているのでしょう。田村智子議員がこう明言したわけではないのですが、そう考えるとわかりやすい。

田村智子議員にとって台湾政府は戦争勢力なのですから、中国共産党が台湾政府を核軍事力で脅迫し、台湾に国家安全維持法を普及していくことを社会進歩、平和への貢献とみなすのは当然です。



2022年8月4日木曜日

志位さん、昔の日本共産党の大会決定や重要論文、32年テーゼ、27年テーゼを日本共産党のHPに掲載しましょうー昔の日本共産党はソ連を盲信ー

 志位さんが、最近のマスコミは日本共産党の全体像を把握せずに、断片だけで日本共産党を論じいていると怒っています。


youtubeでは以下です。

開始後9分ぐらいで志位さんは、最近のメディアはあらかじめつくられた反共の型紙に沿って、断片だけで自分に都合の良いように日本共産党を論じているものが多いと主張しています。日本共産党国会議員団総会 - YouTube

反共の型紙、断片とは例えばどんな話なのか、志位さんは語っていません。

日本共産党を反共の型紙、断片とやらで論じるのは勿論、不適切です。

そうさせないため、日本共産党本部のHPに宮本顕治さんが主導した時期の大会決定や、宮本顕治さんの昔の論文、日本共産党の無署名論文、国際共産党日本支部の時期の綱領ともいえる27年テーゼや32年テーゼを掲載するべきです。

日本共産党の歴史について論じるなら、これらに依拠して論じるべきだ、と志位さんからマスコミ関係者に記者会見で訴えたらいかがですか。

昭和36年7月の第八回大会で宮本顕治さんはソ連を礼賛しました。


志位さんはあらかじめ作られた型紙に沿って断片だけで日本共産党の歴史を論じている

ところで、日本共産党の文献に依拠して全体像を論じるのではなく、あらかじめつくられた型紙に沿って断片だけを論じているのは、志位さんの「新・綱領教室」ではないですか。

この件、私は以下で論じました。志位さんは、昔の日本共産党がソ連を盲信していたことを内緒にしたいのでしょうね。



志位さんは国会議員団の皆さんに、理論の勉強をしようと呼び掛けています。国会議員団の皆さんは、日本共産党の昔の文献を殆ど読んでいないと考えられます。

山添拓議員、吉良よし子議員は日本共産党がソ連崩壊の四年ほど前まで、ソ連を高く評価していたことを御存知ないでしょうね。


上記で引用している無署名論文を是非、日本共産党本部のHPに掲載して頂きたいものです。65年間の日ソ両党関係の主要な部分は、友好と協力の関係だそうです。

これは志位さんの宣伝と異なっていませんか。