志位さんの上記近著をざっと読みました。
志位さんとしては、宮本顕治さんの「日本革命の展望」のように、日本共産党員の座右の書にさせたいのでしょうね。
志位さんには宮本顕治さんのような権威はないので、これは難しいでしょう。
志位さんはソ連共産党との関係をなかったことにしたい。レーニンの理論とロシア革命を無視したいのだな、と感じました。
昔の日本共産党が国際共産党日本支部だったことを、志位さんは内緒にしたい
この本は序論と五つの章から構成されています。
第一章は、「戦前の日本社会と日本共産党」です。
本来ならここで、昔の日本共産党が国際共産党日本支部だったこと、ソ連から理論と運動双方で指導を受けていたことを記述せねばならないはずですが、そんな話はどこにもありません。
この本だけを読めば、昔の日本共産党はソ連と何の関係もないかのように思えてしまいます。
野呂栄太郎や小林多喜二、伊藤千代子は戦争はt内、平和と民主主義のために命がけで戦ったという調子の話だけで、ソ連製の革命理論、27年テーゼや32年テーゼの話はありません。
これでは、昔の日本共産党はソ連や、ソ連製の革命理論と何の関係もなかったように思えてしまいます。
志位さんは、ソ連共産党との関係をなかったことにしたいのです。
志位さんは、レーニンの理論とロシア革命を無視する風潮をつくりたい
この本には、レーニンの理論についても殆ど言及がありません。
レーニンの時代のソ連では社会主義への真剣な探求がなされたという記述も見当たりません。
下巻のp289に、レーニンの新経済政策は市場経済を復活させる方針への転換だったという記述があるだけです。
下巻の巻末に党綱領が掲載されているので、そちらには出ていますが。
志位さんは、レーニンの理論とロシア革命の史実を無視する風潮をつくりたいのです。
お若い頃、志位さんはレーニン全集を繰り返し読んだはずですけれど。
レーニンとソ連は結局駄目だったな、レーニンとソ連の歴史については内緒にしておこう、と志位さんは内心で呟いていそうですね。
志位さんとソ連共産党は歴史を修正している
レーニンとソ連共産党を無視して日本共産党の歴史と綱領を語る志位さんは、トロツキーを無視してロシア革命を語っていたソ連共産党と似ていませんか。
日本共産党員と同党を支援する知識人の皆さんは、ソ連共産党の公認の歴史にトロツキーが出ていなかったことを御存知でしょう。
レーニンによる蛮行指令、ロシア正教会弾圧指令やロシア皇帝一家処刑の史実が知れ渡ると厄介だ、と志位さんは判断していると考えられます。
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