2017年3月10日金曜日

在日本朝鮮人総連合会は「在日特権」があると主張している―殷宗基「在日朝鮮人の経済活動にたいする不当な攻撃」(「月刊朝鮮資料」1989年12月号掲載論考)より思う。

「税金問題の公正な解決とは、在日朝鮮人の歴史的事情と同胞商工人のおかれている現実を無視して日本の税法を機械的に適用するのではなく、彼らの特殊な実情を十分に考慮したうえでの解決にならなければならないということである。」(上記論文p15より抜粋)


これはどう読んでも、在日朝鮮人には納税額についての特権があるという主張です。

日本人と同じ所得でも、在日朝鮮人の歴史的事情を考慮すれば納税額は安くなって当然というお話しなのでしょう。税法にはそんな規定は存在しません。

近年、在日韓国・朝鮮人には超法規的な特権、「在日特権」が存在しているからこれを撤廃すべきだという議論があります。

こう主張する人の中には、「韓国・朝鮮人は出て行け!」といった口汚い言辞を振りまく方がいます。誰に対してであれ、罵るのは適切ではありません。

一方、「在日特権」などそもそも存在しない。在日韓国・朝鮮人を誹謗するのはやめろ、と左翼人士、在日韓国人運動家は主張します。

在日特権云々は、ヘイトスピーチ、嫌悪言論だと左翼人士や在日韓国人運動家は主張します。

「ヘイトスピーチ反対」を叫ぶ左翼の皆さんは、在日本朝鮮人総連合会が在日朝鮮人の歴史的事情を考慮すれば納税額について特権があって当然だという主張を長年していることを直視するべきです。

税法には、在日朝鮮人の歴史的事情と納税額の関係について定めた規定は存在しないことを改めて強調しておきます。

左翼人士と在日韓国人運動家、在日本朝鮮人総連合会は日本が最悪国家だという点で完全に一致している


左翼人士は、「従軍慰安婦」に謝罪と償いをせよ、沖縄から米軍は出て行け、徴用で日本に来た韓国・朝鮮人に謝罪と償いをせよといった運動で在日韓国人運動家、在日本朝鮮人総連合会と協力しています。

朝鮮半島の植民地支配に日本人は謝罪と償いをすべきだ、という主張で左翼と在日韓国人の運動家、在日本朝鮮人総連合会、韓国と北朝鮮は完全に一致しているのです。

要は、左翼、在日韓国人運動家と在日本朝鮮人総連合会は、日本が最悪国家だという点では完全に一致しています。韓国左翼も同様に日本を把握しています。

近年は在日中国人も相当な数になりました。在日中国人のうち、漢族の多くは日本が最悪国家だと考えているでしょう。中国の少数民族や台湾人は必ずしもそうでない。

漢族による蛮行の歴史を知っていますから。

左翼はいまだに中国と北朝鮮が進歩的な国家と思い込んでいる―左翼には庶民目線がない


殆どの左翼人士と在日韓国人運動家は中国と北朝鮮は日本と対決しているから進歩的な国だ、と思い込んでいます。

そういう方々は、中国と北朝鮮の凄惨な人権抑圧について沈黙しています。中国ではウイグル、チベット、モンゴル人ら少数民族は常に監視され、政権への批判など殆どできません。

北朝鮮には政治犯収容所があります。国家安全保衛部(現在は保衛省)により、政治犯の公開処刑が時折実施されています。

政治犯収容所や公開処刑の現実を直視すれば、北朝鮮はナチス・ドイツと同様の全体主義国家だという話になってしまいます。金で腐敗しきった中国社会のどこに進歩性があるのでしょう。

中国と北朝鮮の現実を庶民目線で観察すれば、「日本が一番悪い」という左翼運動の前提が崩れてしまいます。左翼は庶民目線で中国、北朝鮮社会を観察、分析できない。

左翼人士が「従軍慰安婦」や朝鮮人強制連行、南京虐殺、沖縄の米軍基地云々と言い出したら、この人はとにかく、日本が一番悪い国だと言いたいのだなと思えば、「相互理解」が進むでしょう。

それほど悪い日本を批判している自分は素晴らしい人格者などだと宣伝したいのでしょう。

金正恩は北朝鮮工作員に生物・化学兵器テロを断行させうる


左翼人士と在日韓国人運動家は、金正恩は日本を批判しているから、大局的には社会進歩に貢献する人物であるとみなしている。

左翼視点では、元在日朝鮮人高英姫の息子である金正恩は日本の植民地支配の被害者です。

金正恩が生物・化学兵器や核ミサイルで日本を攻撃すれば、日本人だけでなく在日韓国人、朝鮮学校教職員と子供たちも犠牲になってしまう。

この現実を、左翼と在日韓国人運動家、在日本朝鮮人総連合会の皆さんは直視すべきです。

朝鮮中央通信(2014年11月23日)掲載論考「朝鮮国防委員会、『人権決議』を全面拒否、排撃」は、米国と朴グネ一派、そして日本が朝鮮人民軍の聖戦により徹底攻撃、焦土化・水葬されるだろうと主張しています。

朝鮮人民軍の核軍事力により、日本が焦土化、水葬されれば在日本朝鮮人総連合会の皆さんも生存は困難です。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんも、朝鮮人民軍の「無慈悲な攻撃」の的になっていることを申し上げておきたい。

朝鮮人民軍は日本人と在日韓国・朝鮮人、在日中国人を差別しません。

日韓併合期の朝鮮半島がどのようであれ、北朝鮮工作員が散布しうる生物・化学兵器で韓国人、日本人、在日韓国・朝鮮人、在日中国人はどうなるのか。

金正男氏はVXガスで殺されました。VXガスをベトナム、インドネシア女性が作ったはずがない。朝鮮人民軍ないしは朝鮮労働党の該当部署しか考えられない。

「朝鮮人の税金問題はすべて、商工人と税務当局との話し合いによって解決する」という合意


「在日特権」についていえば、在日本朝鮮人総連合会の皆さん、朝鮮商工会の皆さんは上記のような理屈で朝鮮商工人に日本の税法を機械的に適用したら、公正ではなく差別だと主張してきました。

上記論文によれば、朝鮮商工会は本国に代わり、同胞商工人の利益と意思を代表して日本国税当局と話し合いを行って、在日朝鮮商工人のすべての税金問題の解決をめざすたたかいが地道に進められました。

その結果、昭和51年11月、在日本朝鮮商工人と日本政務当局の間に、「朝鮮人の税金問題はすべて、商工人と税務当局との話し合いによって解決する」という内容をふくむ五項目の合意がなされたと上記論文は主張しています。

この件は、国会でも問題になっています。政府はそんな合意は存在しないと答弁しています。

しかし徴税実務の現場ではどうなっているのでしょうか。

朝鮮商工人の中には、「暴力団の共生者」がいる


大いに疑問です。

私見では、朝鮮商工人の中には暴力団と密接な関わりを持っている方がいます。「暴力団の共生者」とも言える方々です。

暴力団の共生者、あるいは暴力団のフロント企業に、一税務署職員が粛々と実務をできるでしょうか。

自分が担当している地域の暴力団の共生者、フロント企業に一人で「こんにちは」と税務署員が訪問し、所得を正確に把握するために業務を遂行したら、何をされるかわからない。

脅かされて何でも「損金」扱いにされ、大幅に少なくなった利益で納税額が計算されるようになってしまってもおかしくない。

暴力団の共生者、フロント企業に対しては各地の税務署が警察と協力し、税法に基づいた実務を行うべきなのです。

その際、入手できたあらゆる情報を税務署が警察に全面提供できるよう、法を改正すべきです。現行法では、税務署と警察の協力は困難です。

さらに以下の点を、政府は全国の税務署に周知徹底すべきです。

(その1)在日韓国・朝鮮人の納税額は、在日韓国・朝鮮人が日本に定住するようになった歴史的事情と無関係であること。

(その2)朝鮮商工人の納税額は、彼らのおかれた状況と無関係であり、所得に基づいて決定されること。

(その3)朝鮮人の税金問題を、朝鮮商工人と税務当局との話し合いによって解決することはできないこと。

(その4)朝鮮総連系諸団体への献金を損金として認めないこと。


参考資料 朝鮮国防委員会、「人権決議」を全面拒否、排撃(平成26年11月23日朝鮮中央通信より抜粋。


Once a sacred war is launched to protect the sovereignty of the DPRK, not only the U. S. but the Park Geun Hye group and Japan will have to be hit hard and sent to the bottom of the sea.


일단 자주권수호의 성전을 개시하면 미국은 그들대로 얻어맞아야 하며 박근혜패당은 물론 일본도 통채로 초토화되고 수장되여야 한다.

英語と韓国語は少し異なっています。英語には「焦土化」という語はありません。「水葬」ではなく、「海の底に送られる」になっています。

「水葬」という語はそもそも、朝鮮語や日本語にあるのでしょうか?漢字で書かないとわかりませんね。

朝鮮中央通信はこの言葉を1月6日の「安倍の真珠湾行脚の目的暴露」(労働新聞掲載委)でもまた用いています。

英語ではresult in bringing the archipelago of Japan to the bottom of the sea, になっています。

日本列島が海の底に持っていかれる結果となるそうです。

朝鮮人民軍は、日本人と在日本朝鮮人総連合会を区別しないのです。朝鮮学校で学ぶ子供たちも、「安倍の好戦的な動き」とやらのために朝鮮人民軍の攻撃の的になっています。

朝鮮学校教職員の皆さんは、朝鮮人民軍の標的になって海の底に沈められてしまうかもしれないことを、子供たちにどう教えているのでしょうか。

朝鮮人民軍により、朝鮮学校で学ぶ子供たちの命と暮らしが脅かされているのです。

左翼の皆さんは朝鮮学校に自治体が補助金を出すべきと主張していますが、朝鮮学校が自治体と一緒に海の底に沈んでしまったら補助金は雲散霧消してしまいます。

朝鮮学校教職員の方々は、「労働新聞」「朝鮮中央通信」のこの類の論考を熱心に読んでおられるはずです。朝鮮大学校の学生諸君ならこの論文を読めるはずです。

御自分たちが朝鮮人民軍の攻撃目標となり、日本人と一緒に海の底に沈められる?かもしれないことをどう受けとめているのでしょうか。

追記 北朝鮮の核実験により白頭山噴火?


少し前の新聞に、北朝鮮が白頭山からさほど遠くないところで核実験をやれば、噴火の可能性があるという記事が出ていました。

核実験の規模によって、ありうることなのでしょう。噴火と言っても、その規模により影響は大きく異なる。

白頭山噴火の可能性を、在日本朝鮮人総連合会の皆さんは金正恩に進言すべきではないでしょうか?朝鮮労働党高位幹部には進言などできないでしょう。









2017年3月7日火曜日

宮本顕治氏、畑田重夫氏による北朝鮮礼賛より思う。―「ソ連邦共産党第二十一回臨時大会の意義と兄弟諸党との連帯の強化について(「前衛」1959年5月号掲載論考)、「朝鮮問題と日本」(新日本新書)―

「朝鮮民主主義人民共和国は、アメリカ帝国主義の侵略戦争によって国土に大きな破壊と犠牲をうけたにかかわらず、朝鮮労働党の指導のもとに団結をつよめ、『千里の駒』運動の標語が示すように、すばらしい速度で復興から新しい社会主義建設の発展にむかってまい進しつつある」(同論考より抜粋)


一昔前の日本共産党は、テロ国家北朝鮮を礼賛していました。日本共産党の最高幹部だった宮本顕治氏(当時は書記長)は、北朝鮮礼賛の中心でした。

昭和30年まで在日朝鮮人の共産主義者は日本共産党員でしたから、日本共産党の宣伝は在日朝鮮人の間に大きな影響力がありました。

寺尾五郎氏の「38度線の北」(新日本出版社刊行)は北朝鮮がいかに素晴らしく発展しているかを詳述しています。これは当時の日本共産党の宣伝方針に沿った文献です。

日本共産党と在日本朝鮮人総連合会の宣伝を信じて北朝鮮への帰国を決意した在日朝鮮人一家はいくらでもいました。

日本共産党は朝鮮労働党の共同コミュニケで、在日朝鮮人の帰国後の生活安定と子女の教育保障があると宣伝した


日本共産党と朝鮮労働党の共同コミュニケ(昭和34年2月27日)には次があります。

「日本共産党代表団は、祖国に帰ることを望む在日朝鮮公民の切実な念願を実現させるために朝鮮民主主義人民共和国がとった一連の措置を全面的に支持し、かれらの帰国後の生活安定と子女の教育を保障すべき一切の準備がととのっていることを満足感をもって指摘した。」

宮本顕治氏は、いったい何を根拠として在日朝鮮人が帰国した後の生活安定と子女の教育の保障があるなどと指摘したのでしょうか。

日活の映画「キューポラのある街」では、北朝鮮へ帰国していく在日朝鮮人一家の様子が描かれています。

この映画を観て、帰国できてよかった、在日朝鮮人は祖国北朝鮮に帰ってこそ幸せになれるのだとほとんどの観客は思ったことでしょう。

北朝鮮へ帰国した元在日朝鮮人について、川越敬三氏との共著「朝鮮問題と日本」(昭和43年新日本出版社)などで北朝鮮を礼賛してきた畑田重夫氏はどう考えているのでしょうか。

畑田重夫は上記の著作で、「朝鮮の統一という課題を追及する努力とたたかいが民主主義のためのたたかいとして承認されるなら、戦争は政治の継続ですから、民主主義の為の戦争(内戦)もまた承認されなければなりません。」と述べています(同書p107) .

朝鮮人民軍は昭和25年6月25日に38度線を越えて韓国に侵攻し、韓国軍兵士だけでなく、女性や子供、老人も沢山殺しました。

畑田重夫氏に問いたい。朝鮮人民軍による韓国人殺害は民主主義ですか。内戦では、普通の韓国人は朝鮮人民軍に殺害されてしかるべきなのでしょうか。

国際政治学者畑田重夫氏は、「憲法人生」を生きてきたそうです。

「憲法人生」と、朝鮮人民軍による韓国市民殺害の関係を国際政治学の眼で冷静に分析していただきたい。

吉良よし子議員、池内さおり議員、朝岡晶子氏(「とことん共産党」という共産党のインターネット放送の司会)ら若い共産党員は宮本顕治氏の上記論文や畑田重夫氏の昔の著作を全くご存じないらしい。

「とことん共産党」という表現は、誇大広告ではないでしょうか。宮本顕治氏の論考は日本共産党の路線を理解するためには基本的な文献です。

基本文献をまともに読んでいない共産党員は、「とことん共産党」ではなく、「何となく共産党」です。

金日成、金正日の論考をしっかり読んでいない在日本朝鮮人総連合会の方は、金日成民族の一員ではありえない。それと同じです。

優れた共産主義者は最高指導者の論考を日々の行動の指針とする


宮本顕治氏は、日本共産党の党首を長年務めた方です。現在の日本共産党の基本路線は、宮本氏の主導により昭和36年夏に作成された綱領です。

宮本顕治氏が書記長として活躍していた頃の日本共産党はソ連、東欧、中国や北朝鮮を礼賛していました。

これは、当時の「赤旗」「前衛」や、新日本出版社の「経済」などを図書館で少し調べれば明らかです。宮本顕治氏のこの論文を読めば、当時の左翼、日本共産党の宣伝をよく実感できます。

その後の日本共産党は宮本顕治氏の路線を部分的に修正していますが、基本は同じです。

吉良よし子議員ら若い共産党員の主張の基本パターンを理解するためにも、宮本顕治氏の諸論文は大事です。

一般に、優秀な共産主義者は最高指導者の論考を必死で読み、日々の行動の指針とします。

旧ソ連ではレーニンとスターリン、かつての中国なら毛沢東や劉少奇、鄧小平、北朝鮮では金日成や金正日の論考を読み解くことが、共産主義研究の基本です。

北朝鮮研究では、朝鮮中央通信や労働新聞掲載の諸論考も大事です。

日本共産党の研究をするならば宮本顕治氏、不破哲三氏、上田耕一郎氏や志位和夫氏の文献を読みこみ、基本は同じでも部分的にどのように修正されているかを看破せねばなりません。

畑田重夫氏の昔の著作も、日本共産党が主導してきた「平和運動」がどんな役割を果たしてきたかを検討するために重要な文献です。

「何となく共産党」の若い共産党員は革命家としては水準が低い。

そういう方々は日本革命を実現しようなどとは全く思っていない。共産党員との人脈を維持するために共産党の活動に参加しているだけです。

宮本顕治氏は、朝鮮戦争は米国が始めたと大嘘宣伝をした―ソ連や中国、北朝鮮は「平和のとりで」


宮本顕治氏は上記論文で、朝鮮戦争を始めたのは米国であるという大嘘宣伝をしました。これは、当時の左翼としては常識でした。

宮本顕治氏が定式化した日本共産党の「平和理論」の基本は次です。

米国が日本と朝鮮の主権と平和を侵害している。米国はアジアの平和の敵でもある。米国と対立してきたソ連や中国、北朝鮮は「平和のとりで」である。

吉良よし子議員、池内さおり議員や朝岡晶子氏は、あるいは「平和運動」を担当している川田忠明氏は、ソ連や中国、北朝鮮が「平和のとりでである」など日本共産党は主張していない、と怒るかもしれません。

怒る方々は、宮本顕治氏の論文を読んでいない。宮本顕治氏の上記論文には次があります。

「ソ連邦およびソ連邦を先頭とする社会主義世界体制が、世界平和のたしかなとりでである意義は一そう巨大かつ決定的となる。」

「社会主義諸国の対外政策は、平和と諸民族の主権の尊重の政策であり、社会主義世界体制の成功は、帝国主義陣営の戦争と侵略の政策へのより一そう大きな制動力の出現を意味する。」

「しかし、考えてもみよ。七か年計画の目標数字は、その実現のためのソ連邦人民と共産党のあのすばらしい熱情は、ソ連邦が戦争政策でなく、平和共存の政策を堅持することを前提としている。」

宮本顕治氏はこの論文で、ソ連が世界の平和をのぞんでいることをうたがうことができるものは、一にぎりの戦争きちがいだけである、と断言しています。

宮本顕治氏によれば、ソ連邦における核兵器保有、ICBMの量産は、帝国主義陣営が侵略と戦争の政策をとりつづけていることへの必要にしてやむを得ない措置です。

宮本顕治氏のこの考え方を、「理論化」したのが上田耕一郎氏の「マルクス主義と平和運動」(昭和40年大月書店刊行)です。

日本共産党の「平和運動」の基本路線―社会主義の手にある核兵器は平和の武器である―上田耕一郎「マルクス主義と平和運動」(昭和40年大月書店刊行)


ソ連や中国、北朝鮮など共産主義国は本質的に平和勢力であり、核軍事力を平和のために保有している。

これは、上田耕一郎氏が「理論化」し日本共産党が主導してきた「平和運動」の基本路線です。上田氏の前掲著は次のように述べています。

「ソ連が最初に原爆実験に成功したとき、すべての平和活動家が世界戦争防止の事業の成功に新しい確信をいだきえたように、社会主義の手にある核兵器はただ侵略戦争の防止、社会主義と民主主義の防衛のための平和の武器である」(同書p56より抜粋)。

ソ連や中国の核兵器は平和の武器だという主張です。

国際政治学者畑田重夫氏は、日本共産党の「平和運動」に長年参加してきた方です。

国際政治学者畑田重夫氏は若い頃から新聞や雑誌を丹念に読んでこられたはずですから、宮本顕治氏の前掲論文や上田耕一郎のこの本を読んでいることでしょう。

畑田重夫氏の著作には、宮本顕治氏や上田耕一郎氏への批判は一切ありません。従って現在でも畑田氏は共産主義国である中国や北朝鮮が平和勢力であると信じているのでしょう。

川田忠明氏の最近の論文「北朝鮮と中国にどう対応するか―平和運動の立場から「(「前衛」2016年2月号掲載)も同様です。

川田氏は、「北朝鮮の行動は深刻な脅威となっている。」から「平和運動はこの脅威を取り除くことを強く求める」と述べていますが(論文p14)、北朝鮮が日本に先制攻撃をする可能性については全くふれていません。

北朝鮮はこれまで数えきれないほど、日本に対して脅迫めいた声明を朝鮮中央通信で発表しています。去る1月6日にも、日本を水葬すると放言しています。

水葬とは、日本列島に連続核攻撃を加えて陸地を低くし、海の底に沈めるという意味なのでしょう。核攻撃により陸地が低くなることがありえるのでしょうか。

いずれにせよ、北朝鮮は核ミサイルや生物・化学兵器で先制攻撃を日本や韓国に断行しうる。北朝鮮はマレーシアで既に化学兵器、VXガスを使いました。

腹が立ちますが現状では、北朝鮮による先制攻撃を防ぐことは極めて困難です。北朝鮮工作員が生物・化学兵器を日本に持ち込むのは難しくない。

北朝鮮が核ミサイルや生物・化学兵器により先制攻撃をしてきたら、日本はどうすべきなのか


核ミサイルや生物・化学兵器攻撃をされてしまった場合、日本はどうすべきなのか。

私は日米安全保障条約の全面発動を米国に要請し、北朝鮮、特に金正恩の居住地域を徹底攻撃するべきと考えます。自衛隊は米軍と一緒に出撃するべきです。

川田忠明氏ら日本共産党員はこのとき当然、日米安全保障条約の発動に全力で反対するのでしょう。

近年の日本共産党は自衛隊による反撃を認めているようですが、自衛隊に敵基地攻撃能力はありません。

北朝鮮に核ミサイルや生物・化学兵器攻撃をされてしまっても、自衛隊だけでは報復できないのです。真に残念ですが、自衛隊は朝鮮半島まで届くミサイルや爆撃機を保有していません。

川田忠明氏ら日本共産党員は、日本が北朝鮮から核ミサイル攻撃や生物・化学兵器攻撃をされても、「六か国協議を緊急開催すべきだ」「外交的解決が唯一の道」などとつぶやくだけなのでしょう。

東京に核ミサイルが命中してしまったら、政府だけでなく与野党首脳とマスコミ各社も全滅する可能性があります。「赤旗」も暫く発行困難になる。

「赤旗」を編集、作成する方がいなくなってしまうかもしれないのです。「平和運動」の集会やデモは、東京ではもうできなくなる。参加者がいないからです。

こんなことを云うのは私も本当に悔しいのですが、核ミサイル攻撃で政府首脳がいなくなれば文民統制下にある自衛隊は出撃できませんし、米国に日米安全保障条約の発動要請を出す人もいない。

大阪や名古屋が北朝鮮の次の標的になっても、何の報復もできないかもしれません。

こんな破滅的な事態を防ぐために法的準備と自衛隊による敵基地攻撃能力を保持しよう、という知識人は稀有です。

左翼に「戦争勢力」とレッテルを貼られることを怖がる知識人があまりにも多すぎる。

日本の知識人であるなら、多少の知性と想像力を駆使して日本を守るための言論活動をするべきです。

日本共産党が主導してきた「平和運動」は共産主義国による戦争実現運動だった


日本共産党の「平和運動」とは、共産主義国の軍事力を平和の武器である、危険はないと宣伝し、共産主義国対する警戒心を緩めて、共産主義国が戦争を仕掛けたら勝利するように仕向ける策動なのです。

日本共産党が主導する「平和運動」は、共産主義国による戦争実現運動だったのです。日本共産党と在日本朝鮮人総連合会は戦争勢力です。

吉良よし子議員、池内さおり議員、朝岡晶子氏ら若い共産党員はこれを否定するでしょう。

そうであるなら、吉良よし子議員ら若い共産党員は中国、北朝鮮の核軍拡と北朝鮮の化学兵器量産に反対、批判するデモや集会を実行するべきです。

朝岡晶子氏は、「とことん共産党」で宮本顕治氏の上記論文や、上田耕一郎氏の「マルクス主義と平和運動」、畑田重夫・川越敬三「朝鮮問題と日本」(新日本新書)を取り上げ、出鱈目な宣伝と主張をした昔の日本共産党員を徹底批判するべきです。











2017年3月6日月曜日

金正日の「社会的政治的生命体論」から金正男氏殺人事件を考える―領袖の孫、息子は社会的政治的生命体の頭脳である領袖と無関係なのか―

「金日成同志は、史上初めて、個人の肉体的生命と区別される社会的政治生命体があることを明らかにしました。不滅の社会的政治生命体は、領袖、党、大衆の統一体である社会的政治的集団を離れては考えられません。


(中略)個々人の生命の中心が頭脳であるのと同じように、社会的政治集団の生命の中心はこの集団の最高頭脳である領袖です。」(金正日『チュチェ思想教育における若干の問題について」、朝鮮労働党中央委員会の責任幹部との談話―1986年7月15日)


在日本朝鮮人総連合会の皆さん。主体思想を一生懸命学んでいるのなら、金正日のこの論文を御存知でしょう。

金正日によれば、領袖を社会的政治的生命体の最高頭脳というのは、領袖がまさにこの生命体の生命活動を統一的に指揮する中心だからです。

朝鮮労働党は領袖を中心に組織的、思想的に強固に結合した人民大衆の中核部隊として、自主的な社会的政治的生命体の中枢をなしています。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんも、金日成民族、金正日朝鮮の一員として、社会的政治的生命体に入っていらっしゃるのでしょう。

個人は党と運命をともにするとき、不滅の社会的政治的生命をもつ


金正日によれば個々人は党組織を通じて社会的政治的生命体の中心である領袖と組織的、思想的に結合し、党と運命をともにするとき、不滅の社会的政治的生命をもつようになるそうです。

領袖とは金日成を指すのでしょう。金日成死後は、金正日が「領袖」になりました。

では在日本朝鮮人総連合会の皆さんにお尋ねしたい。

領袖の孫、「党中央」すなわち金正日の息子金正男氏は朝鮮労働党の組織を離れて海外で、きままな暮らしをするようになりました。

金正男氏は社会的政治的生命体の中心である領袖との血縁的な結びつきが希薄になっていたのでしょうか?

「親バカ」金正日と「爺バカ」金日成


金正日にとって、金正男氏は「放蕩息子」「駄目息子」だったかもしれません。しかし金正日は成ヘリムさんが金正男氏を産んだとき大喜びしたそうです。

李韓永氏の手記「金正日に暗殺された私」(太刀川正樹訳 廣済堂出版)によれば、金正日は「親バカ」でした(同書p58 )。

金正日が長男の存在を初めて金日成に話したは、1975年4月ごろだったそうです。金日成は初めは金正日を𠮟りつけましたが、すぐに気を静め、会ってみようという話になったそうです。

会ってみるとその子は、大きな目だけは母親似ですが口元から鼻にかけては幼い頃の金正日そっくりで、金日成はたちまちこの子を気に入り、「正男」と名付けたそうです。

これ以降、金日成は暇さえあれば正男を側において可愛がり、「親バカの金正日」以上に「爺バカ」ぶりを発揮したと李韓永氏は記しています(同書p61-62)。

李韓永氏は成ヘリムさんの姉の息子ですから、金正日の甥です。

李氏は子供の頃、「十五号官邸」という、中央党本庁舎のすぐそばの金正日邸で金正男氏と一緒に過ごしたたそうです。

在日本朝鮮人総連合会の皆さん。

主体思想では、「領袖」の孫ないしは息子は、社会的政治的生命体のどこの部分になるのでしょうか。頭脳の近くなら、顔のどこかでしょうか。

金正日の論文は、これについて何も解明していません。

「領袖」も「偉大なる領導者」も、幼き正男を目の中に入れても痛くないぐらいに思っていたのです。初孫で長男ですから。

金正男氏は領袖と党から離れていたから、人間の本性に反する価値のない生活をしていたのか


金正日によれば、領袖は社会的政治的集団の中心ですから、革命的信義と同志愛も領袖を中心としたものになるべきです。

領袖は社会的政治的生命体の最高頭脳であり、集団の生命を代表しているため、領袖への忠実性と同志愛は絶対的で無条件的なものとなります。

社会的政治的生命体から離れて自由奔放に生きていた金正男氏は、三大世襲を批判していました。

金正男氏は領袖金正恩への絶対的で無条件な忠実性と同志愛を否定したと言えます。会ったこともない弟にそんなものを求めても無理でしょう。

金正男氏は領袖と党から離れ、孤立した生活をしていたから、人間の社会的本性に反する価値のない生活をしていたことになるのですか。

従って金正男氏は、外国人女性によりVXガスで殺害されてしかるべき存在であると、草葉の陰にいる「党中央」、金正日が考えるはずがない。

「偉大なる領導者金正日将軍」は放蕩息子金正男の面倒を見てくれと妹金慶喜、張成澤に遺言を残したのでは?


金正日は、絶対性、無条件性をもって金正男氏を愛していたのではないでしょうか?

「社会的政治的生命体」とやらから離れた「放蕩息子」でも、父親としての愛情は何一つ変わらなかった。

正男は放蕩息子だから後継者にはしないが、面倒をみてやってくれと金正日は妹金慶喜と張成澤、そして金正恩に遺言をして亡くなったのではないでしょうか。

全くの推測ですが、私にはそう思えてならない。

朝鮮学校教職員の皆さんは、子供たちに「社会的政治的生命体」から離れた金正男氏は、実父の領袖と無縁だから外国人女性によりVXガスで殺害されてしかるべきだと教えるのでしょうか。

それならば、リビアの革命は素晴らしい、金正恩は独裁者だとフィンランドのテレビ番組で語った金ハンソル氏(金正男氏の長男)も同様ですか?

金正日の孫、金ハンソル氏が、国家安全保衛省の次の的になっているかもしれないのです。

「偉大なる領導者 金正日将軍」が明らかにしたという総連事業方針は、金正日の息子や孫をどのように処遇せよと述べていたのでしょうか。

金正日の遺志はどうあれ、金正恩と国家安全保衛省の好きなようにさせるのが「自主的な生き方」なのでしょうか。