2020年11月30日月曜日

日本共産党職員は規約で事実上、労組結成を禁止されている―レーニンとボリシェヴィキの伝統を受け継ぐ組織原則よりー

 松田史男さんより、twitterで三つの質問を頂きました。

第一点ですが、私のtwitterでの呟きやBlogでの発言は、勤務先とは無関係です。

twitterではこれをprofileに明記しています。

第二点は日本共産党の規約についての私の解釈です。

私はtwitterで繰り返し、日本共産党職員は規約で事実上、労組結成を禁止されていると日本共産党議員や職員、幹部の方々に宛ててつぶやいてきました。

日本共産党職員は残業、休日出勤手当が支給されないと呟いてきました。

本ブログでも何度か論じています。

それでも現在まで、日本共産党議員や職員、幹部の方々から反論は皆無です。

私のこの点での主張は、日本共産党議員や職員、幹部の方々に受け入れられているからだと考えています。

日本共産党は規約の第三条で明記されているように、民主集中制を組織原則としています。

民主集中制の規約は、何が正しく、何が間違っているかを最高指導者と指導部が決定できるという話になっています。

四十数年前、不破氏と田口富久治教授の間で論争がありました。不破氏の主張は、このように要約できるでしょう。

この組織原則を取っているのは、日本では日本共産党と在日本朝鮮人総連合会だけです。

レーニンとボリシェヴィキの伝統を受け継ぐ政党の組織原則です。

この組織原則により、職員が労組を結成して最高指導者と職場の諸問題や、職場の諸問題の原因と考えられうる日本共産党の路線や政策について交渉したら、どうなるでしょうか。

規約の以下を破る行為と解釈されうるのです。

民主主義的中央集権制度では規約を破っているか、いないかは最高指導者と指導部の解釈により決定されます。

以下、上記のように私が考えた規約上の根拠を列挙しておきます。

日本共産党の規約よりー職員が労組を結成するとこれらに違反といわれうる

第三条

(二)行動の統一は、国民にたいする公党としての責任である。

(四)党内に派閥、分派は作らない。

第五条(二)党の統一と団結に努力し、党に敵対する行為は行わない。

(五)党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない。

(八)党の内部問題は党内で解決する。

第十七条 全島の行動の統一をはかるために、国際的・全国的な性質の問題については、個々の党組織と党員は、党の全国方針に反する意見を、勝手に発表することをしない。

第四十八条 党員が規約とその精神に反し、党と国民の利益をいちじるしくそこなうときは規律違反として処分される。

第五十六条 中央委員会は、この規約に決められていない問題については、規約の精神にもとづいて、処理することができる。

職員労組の結成が、職員の意見はどうあれ、これらの条項に反しているか否かを決定できるのは最高指導者と指導部です。

第五十六条には、「規約の精神にもとづいて処理」とあります。中央委員会が規約の精神にもとづいて処理しているか否かを、決定するのは中央委員会の指導者と指導部です。

不破さんか志位さん、という事です。小池晃書記局長が決定し、志位さんが追認する場合もありそうですが。

日本共産党、民青同盟職員に対する過酷な査問の史実を見つめよう

要は最高指導者と指導部が、職員や議員のある行為は規約に反しているか否かを決定できます。

日本共産党では、民主集中制の原則に基づき、職員や議員に対して長年そのように対応してきました。

これについては、職員に対する過酷な査問の現場を記した沢山の文献があります。

民青同盟職員だった油井喜夫さんによれば査問では、査問される側が規約を破っていないと証明せねばならないそうです。

昭和47年、新日和見主義者とされた民青同盟職員だった方々は査問をされた際、そのように日本共産党の指導部から要求されたそうです。

油井喜夫「汚名」(毎日新聞社)に査問の現場が詳述されています。

第三点ですが、日本共産党が宮地健一さん相手の裁判で主張したように自分たちは労働基準法の適用を受けない、という論理は暴論の極みと考えます。

これを許容したら、政党や宗教団体、非営利団体は労働基準法を適用されないという話になってしまいます。

暴論を流布する政党、政治家は徹底的に批判されるべきです。

この呟きを松田史男さんは御自分なりに解釈されたのでしょう。簡単ですが、回答します。

松田史男さんには、日本共産党職員、議員の方々から私見に反論が一切ないという事実の重みを、受け止めていただきたいものです。

議員や職員のある行為が日本共産党の規約とその精神に反しているか否かについて、以下の文献は日本共産党指導部が規約をどう適用するかを詳述しており、貴重な文献です。

「原水協で何がおこったか 吉田嘉生が語る」(日中出版)

柳瀬宣久編「鮮烈なる体験 出版の自由と日本共産党」(日中出版)

中里喜昭「昭和末期」みずち書房