2023年12月31日日曜日

ベトナム政府は、故安倍総理に平和安全法制と積極的平和主義への支持と理解を表明(平成27年11月20日)ー志位さん、これは日本共産党に対する干渉ではないのですか

 少し前に志位さん、田村智子副委員長らがASEAN諸国を訪問しました。

志位さんはハノイで、グエン・フー・チョン共産党書記長と会談をしました。両党が協力して東アジアの平和構築を/ベトナム共産党チョン書記長と志位委員長が会談 (jcp.or.jp)

志位さんは、ASEAN訪問は大いなる成果をあげたと考えているでしょう。

ところで、ベトナムのズン首相は8年ほど前に、安倍総理に対し平和安全法制と積極的平和主義への支持と理解を表明しています。日・ベトナム首脳会談|外務省 (mofa.go.jp) 

 平和安全法制とは、日本共産党が強く反対している戦争法とやらです。73、安保・基地・自衛隊(2021総選挙/各分野政策)│各分野の政策(2021年)│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp)

志位さんは、ベトナム共産党と本音の対話などできないことを熟知している

しんぶん赤旗記事を見る限り、志位さんはベトナム共産党に「社会主義国が戦争法を支持することは、わが党と日本の平和運動に対する干渉である」という話をしていません。

勿論志位さんは、ベトナム政府が故安倍総理に平和安全法制(日本共産党によれば戦争法)支持を表明したことを百も承知と考えられます。

志位さんは、ベトナム共産党に戦争法に反対してください、と要求しても無駄と判断しているのでしょうね。

志位さんは、ベトナム共産党と本音での対話など無理と判断しているのです。

ベトナム共産党としては、日本共産党との関係より与党や日本政府との関係の方が大事ですから。

中国共産党、人民解放軍の脅威に直面しているベトナム共産党が、日米軍事同盟強化を歓迎するのは当然です。

しかしこれを露骨に言うと、ロシアとの関係がおかしくなるので、ベトナム共産党、ベトナム政府は直接的な発言を控えていると考えられます。

私の記憶では、ベトナム共産党(当時は労働党?)はソ連によるアフガニスタン侵攻を支持しました。

43年ぐらい前の事ですから、断言できません。

わが党はベトナム共産党と本音の対話をしていると憤る方は、志位さんにベトナム共産党に戦争法に反対してくださいと要求するよう、進言したらいかがですか。

日本共産党の平和理論から考えれば、社会主義国が資本主義国の戦争政策に支持を表明する事は、第一次大戦時に社会民主主義の政党が祖国擁護を掲げた事よりも深刻な誤りです。

日本共産党と日本の平和運動に対する、大国主義的干渉のはずです。

志位さんは本音では、ベトナムは資本主義国になったから、社会主義国は本来~という議論をしても無駄だ、と判断しているのかもしれませんね。




志位さんは、昔の日本共産党が行った日韓会談粉砕・日韓条約反対運動を内緒にしたいー日本共産党は元祖嫌韓論者です。

 昔から共産党(労働党)の最高指導者は、自分が偉大な人物であると宣伝するために、自分にとって都合よく修正した歴史観の普及に心血を注ぎます。

スターリン、毛沢東、金日成、金正日は歴史を修正するために、自分と共産党(労働党)にとって都合の悪い史実を隠蔽してきました。

宮本顕治さん、不破哲三さんら日本共産党の指導者は、歴史の修正を熱心に行ってきました。殆どの若い日本共産党員は、宮本顕治さんによるソ連礼賛を知りません。

志位さんも、様々な点で日本共産党の歴史の修正を行っています。

本ブログでは、志位さんによる日本共産党の歴史修正について、何度も指摘してきました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 「日本共産党の百年」をざっと読みましたー志位さんは、日本共産党の歴史を修正したいー (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 「日本共産党の百年」より思うー不破さん、志位さんは昭和34年2月の朝鮮労働党との共同声明を内緒にしたい (blueribbonasiya.blogspot.com)

宮本顕治さんら昔の日本共産党が行った朝鮮労働党礼賛宣伝に加え、志位さんは日韓会談粉砕・日韓条約反対運動も内緒にしたいと考えられます。

「日本共産党の七十年」は日韓条約反対論の根拠を説明していた

以下、日韓条約(昭和40年6月締結)に関する日本共産党の歴史本の記述を抜き書きします、

「日本共産党の七十年」(上巻、p346。平成六年刊行)は次の二点を指摘しています。

(その1)日韓条約は米帝国主義の支配下にある大韓民国(南朝鮮)を朝鮮の唯一の合法政府として朝鮮の自主的・平和的統一を妨害する。

(その2)日韓条約は米日韓の事実上の軍事同盟をめざし、「経済協力」の名のもとに、日本独占資本の南朝鮮への経済侵略を合法化するものである。

「日本共産党の八十年」(p166、p167より。平成十五年刊行)は、自民党政府が昭和40年に、東北アジア軍事同盟の構想ともむすびついた「日韓条約」締結を強行した事、当時の日本共産党がベトナム侵略反対運動等と共に、日韓条約反対運動を実施した事を指摘しています。

「日本共産党の百年」(p153)は、日本共産党が日韓基本条約の際、条約そのものの問題点を追及する取り組みを行った事、国会審議と並行してアカハタ記事で特集を組み、この条約締結が植民地支配への反省を欠いている問題点を指摘した事を主張しています。

「日本共産党の百年」だけを読めば、昔の日本共産党は日韓条約の問題点を指摘しただけで、日韓条約締結には賛成したように思えてしまいます。

殆どの若い日本共産党員はそう思い込んでいそうです。

志位さんは昔の日本共産党が行った日韓会談粉砕・日韓条約反対運動を内緒にしたいのです。

昔の日本共産党は、朝鮮労働党による大韓民国滅亡策(南朝鮮革命路線)を支持した

昔の日本共産党は、朝鮮労働党が朝鮮半島を統一する事を朝鮮労働党との共同声明で支持していました。

昭和41年に宮本顕治さんは平壌を訪問し、金日成と朝鮮労働党を礼賛しました。

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朝鮮労働党による朝鮮半島の統一とは、大韓民国を滅亡させることです。昔の日本共産党は、朴正熙政権を米国の傀儡と宣伝していました。

昔の日本共産党は大韓民国滅亡を訴えていたのですから、日本共産党は元祖嫌韓論者です。

若い日本共産党員の皆さんは畑田重夫・川越敬三「朝鮮問題と日本」(昭和43年新日本新書)を御存知ですか

昔の日本共産党員と同党支援者が韓国と朝鮮労働党をどう宣伝していたかについては、畑田重夫・川越敬三著「朝鮮問題と日本」(昭和43年刊行。新日本新書)を読めばよくわかります。

この本の第六章「『日韓会談』と『日韓条約』」(pp. 180-181)によれば、南朝鮮は米帝国主義の植民地、侵略的な軍事基地です。

朝鮮労働党は、人民の民族的悲願である祖国統一を達成するためには、朝鮮民主主義人民共和国北半部に強固な革命基地をうちたてることおよび南朝鮮革命をなしとげることが必要だと強調しているそうです。

今日、南朝鮮人民にとっては、「日韓条約」を破棄し、米帝国主義に従属する日本独占資本と日本軍国主義勢力の南朝鮮侵略のたくらみとたたかうことが、南朝鮮を解放する革命の大きな課題となっているそうです。

「日韓条約」そのものが、米帝国主義のアジア侵略体制の一環であり、わたしたち日本人民が日米安保条約破棄のたたかいを一つ一つ具体的にすすめているのと同じ意味で、日朝両国人民は、「日韓条約」の具体化の一つ一つと着実にたたかわねばならないそうです。

韓国左翼の皆さんがこの本を読めば、大感激しそうです。上記の、朝鮮民主主義人民共和国北半部に強固な革命基地、という表現に注目しましょう。

これは金日成の革命理論に依拠しています。故畑田重夫先生はお若い頃、金日成と朝鮮労働党の文献を熟読したのでしょうね。

祖国の北半部に強固な革命基地をつくり、祖国を統一しましょう、という調子で在日本朝鮮人総連合会の職員の皆さんは、朝鮮商工人に巨額の寄付を訴えてきたと考えられます。

志位さんは勿論、この本や昔の日本共産党の日韓会談粉砕・日韓条約反対運動を御存知でしょう。

昔の日本共産党が大韓民国滅亡を支持した史実を、志位さんは隠蔽したいのです。これは歴史の修正そのものです。

日本共産党の日韓条約論について、本ブログは何度か指摘してきました。以下を御参考まで。

 黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党と左翼知識人は昔、日「韓」会談粉砕、日韓条約破棄を叫んだ―畑田重夫・川越敬三著「朝鮮問題と日本」(新日本新書、昭和43年刊行)より (blueribbonasiya.blogspot.com)

  黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 昔の日本共産党は日韓会談粉砕論を党大会で採択していた―日本共産党第九回大会(昭和39年11月24-30日)決定より― (blueribbonasiya.blogspot.com)

 黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 吉良よし子議員ら若い日本共産党員は日韓条約粉砕闘争の歴史を直視するべきだ―安保破棄中央実行委員会(日本共産党など)と全国実行委員会(社会党、総評等)は昭和40年秋、日韓条約粉砕闘争で共闘して大運動 (blueribbonasiya.blogspot.com)

 



2023年12月30日土曜日

志位さんは、自分の日米安保活用論を内緒にしたいー「日本共産党の百年」(新日本出版社刊行、p300)より思う。

 「日本共産党の百年」を読んでいくと、志位さんが日本共産党の歴史をどのように修正しているのかがわかります。

志位さんが訴えてきたことの中でこれは内緒にしたいと考えている事もわかってきます。

日米安保活用論はその一つです。

日本共産党は、政権に参加できたら、急迫不正の主権侵害時に日米安保第五条に基づき、米軍に出動要請をします。

今は違憲と宣伝している自衛隊が合憲であると認め、自衛隊の防衛出動を認めます。志位さんはこの見解を、平成27年10月30日の記者会見で表明しました。

「国民連合政府」について/志位委員長の記者会見 (jcp.or.jp) 

志位さんの日米安保活用論なら、周辺事態法で自衛隊が米軍の後方支援をすることも認めうる

志位さんはこの見解を、著書「新・綱領教室」でも表明しています。志位和夫著『新・綱領教室 2020年改定綱領を踏まえて』(上・下巻)/一つひとつ、理を尽くして語りかける/長久理嗣 (jcp.or.jp)

長久理嗣さんが上記で説明しているように、志位さんはこの著書で連合政権(日本共産党が参加する政権)では日米安保条約を維持・継続するとした平成27年の方針を説明しています。

日本共産党第28回大会の第一決議は、日本共産党が参加する政権では、集団的自衛権の行使を可能にする安保法制を廃止するが、安全保障に関してはそれ以外の法や条約上の取り決め、憲法解釈を廃止しないことを明記しています。

そこで日本共産党が参加する政権では、安保法制強行以前の憲法解釈・法制度・条約上の取り決めで対応するそうです。

それなら、日本共産党は政権に参加できたら台湾有事の際に周辺事態法に基づき、自衛隊が米軍の後方支援をする事も認めそうです。

周辺事態法で自衛隊が米軍の後方支援をすることを認めるなら、志位さんは昔の社会党より右です。右転落どころではありません。

この辺り、「日本共産党の百年」には殆ど記載されていません。

p300で「党は、日本共産党が参加する民主的な連合政権ができた場合の自衛隊の憲法判断についての方針を明確にしました」と述べていますが、日米安保についての言及はありません。

松竹伸幸さんは京都南地区委員会での調査の際、志位さんの日米安保活用論のおかしさを指摘した

私見では、志位さんは自らの日米安保活用論が松竹伸幸さんの安全保障論や、昔の社会党と大差ないことを認識し、内緒にするように何らかの経路で本部職員に指令を出した可能性が高い。

志位さんは右転落した、という評判が一般党員や支援者に広がったら厄介ですから。

政権に参加できたら日本の平和を守るために日米安保を活用するというなら、野党の今でも志位さんは、急迫不正の主権侵害時に政府と与党が日米安保を活用することに賛成すべきです。

松竹伸幸さんは「調査」の際、これを指摘しました。以下の「除名問題資料庫」の中に、2月2日に京都南地区委員会で行われた調査の音声記録があります。

松竹伸幸|公式ページ (matutake-nobuyuki.com)

調査開始後32分頃で、松竹伸幸さんと京都南地区委員会の方々の議論を聴取できます。

松竹伸幸さんと、日本共産党京都南地区委員会の討論よりー日本共産党職員は赤旗掲載論文の内容を繰り返す

松竹伸幸さんは、以下の点を調査を担当した京都南地区委員会の方々に提起しました。

(その1)私の著書の日米安保活用論が綱領に違反しているというなら、なぜ志位さんの日米安保活用論は綱領に違反していないのか。

これに対し京都南地区委員会の池田さんが、自衛隊が違憲であるという綱領の前提は変わらないこと、我々は安保を廃棄する。松竹さんとこの点が違う旨述べました。

安保法制を廃棄するために日本共産党が政権に参加したときを、日本共産党は第一段階と呼んでいます。

池田さんによれば、第一段階で政府がそのことをどう考えるかという事と、日本共産党が一致点を見出して、どう考えているかは別の問題です。

(その2)共産党が政権に入っていなかったら、侵略されたとき、例えば中国が尖閣にやってきたとき、共産党は自衛隊が出動する事に反対なのか。

京都南地区委員会の河合さんは、「今日はその点については踏み込まない。その議論を党内ですべきだった」と指摘しました。

(その3)侵略されても、政権に入っていなかったら、自衛隊の出動や日米安保第5条の発動に反対するのが日本共産党の立場なのか。

京都南地区委員会の池田さんは、その議論、その問題について今日は踏み込みまない事、安保容認、自衛隊合憲という松竹伸幸さんの立場は日本共産党の綱領とは相いれない旨指摘しました。

京都南地区委員会の河合さん、池田さんは、以下の藤田論文に依拠し、同じ主張を繰りかえしただけです。

規約と綱領からの逸脱は明らか/――松竹伸幸氏の一連の言動について/赤旗編集局次長 藤田健 (jcp.or.jp)

藤田論文には、志位さんの日米安保活用論と松竹伸幸さんのそれとどう異なるかについての説明はありません。

大同小異ですから。

ここが異なっている、と京都南地区委員会の方々が独自の解釈をして松竹伸幸さんと議論をしたら、京都南地区委員会の方々が規約に違反したという話になりかねない。

日本共産党職員としての地位を保持したいなら、自分なりの解釈を一切しないで、赤旗掲載論文と同じ主張を繰り返すしかないのです。

日本共産党京都の皆さん。同じ主張をしても松竹伸幸さんは除名だが、志位さんは綱領路線を発展させたという変な話になっていませんか。





2023年12月29日金曜日

志位さん、革命などありえませんよー市場経済では各企業は競争していますから、利潤第一主義経営をしないと競争で敗北ー

 インターネットに、日本共産党の常任幹部会メモ、なるものが幾つか出ています。常任幹部会とは、日本共産党では役員会議に相当する組織です。

常任幹部会メモは日本共産党の内部文書で、主に日本共産党職員、議員に事務所で配布されるようです。

これがどういう経路なのか不明ですか、流出してインターネットに出ています。

このうちの一つによれば、松竹伸幸さんの言論活動に影響を受けて一部の日本共産党員が、革命抜きの組織論を唱えているそうです。

常任幹部会メモによれば、日本共産党はそもそも多数者革命の実現を目指す組織です。

多数者革命の実現のためには、支配勢力と戦わねばならないので、民主集中制の組織原則がどうしても必要だそうです。

それでは、革命とは一体何なのでしょう。

志位さん、市場経済で生産手段の社会化が実現できますか

日本共産党はソ連型の計画経済を目指さないそうですから、日本共産党が目指す社会主義は市場経済らしい。

この辺り、日本共産党の文献を読んでも歯切れが悪く、わが党は社会主義の青写真をつくらないなどと述べています。

日本共産党が目指す生産手段の社会化とは何かについてのデッサン(下絵)がなければ、利潤第一主義から脱却できるという根拠は何もありません。

青写真が無理でも、生産手段の社会化についての下絵(デッサン)ぐらい提示できなければ、資本主義的搾取制度の廃止は夢物語でしかありません。

市場経済では各企業は競争しています。競争に負ければ企業経営が悪化し、倒産しかねない。

倒産したら経営者と労働者は解雇、株式会社なら株式は無価値となります。

それが嫌なら、利潤第一主義に徹し、競争に勝つように努めねばなりません。

政府が市場に全面的に介入し、企業間競争を禁止するなら倒産しないかもしれませんが、それなら旧ソ連と大差ない。

日本共産党員は生産手段の社会化、資本主義的搾取制度の廃止について思考と議論をしない

市場経済で生産手段の社会化とやらが可能なのか、そもそも生産手段の社会化とやらが実現した経済制度では企業がどのように経営されるのか。

志位さんら日本共産党の皆さんはこれらについて、真面目に考えたことがあるのでしょうか。

最近、志位さんはベトナム訪問をしましたが、ベトナムの国有企業は社会全体のための生産を行っていたのでしょうか。

これらを日本共産党の会議以外で議論すると、規約に反して処分されてしまうのかもしれませんね。

日本共産党の会議でこの問題を提起すると、わが党は社会主義の青写真はつくらない、と一言ではねつけられそうです。

日本共産党員には政治、社会と経済の問題について、思考と議論を嫌がる方が多いと考えられます。宣伝・扇動を何より重視する政党ですから。

本ブログでは、株式会社制度が存在するなら生産手段の社会化・資本主義的搾取制度の廃止などありえないことを繰り返し主張してきました。

科学的社会主義の経済学を熱心に学ぶと、生産手段の社会化・資本主義的搾取制度の廃止について思考と議論をするべきでないという結論になるのでしょうか。

以下を御参考まで。

 黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党、左翼知識人の富裕層課税強化論より思う―大門みきし参議院議員は、株式会社、金融資産市場の存在意義を理解できないのか― (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 山添拓議員が目指す未来社会では、株式会社は存在しないのですかー株式会社制度では、経営者は利潤を最大化すべく行動するので利潤第一主義になりますー (blueribbonasiya.blogspot.com)

 黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 大門みきしさん、富裕層や大企業が株や社債を保有すると、資金が滞留しますかー株主は企業経営の危険を負担して社会に貢献しているー (blueribbonasiya.blogspot.com)




2023年12月26日火曜日

松竹伸幸さん、鈴木元さんはなぜすぐに除名されたのかー志位さんは両氏を伊里一智さんと同様の反党分子と把握したー

 日本共産党の規約では、除名は党の最高の処分であるから慎重に行わなくてはならないと明記されています(第54条)。日本共産党規約 (jcp.or.jp)

何らかの理由で重大な規律違反をしたとみなされた党員は、除名決定に先立ち、規律違反についての取り調べのような面談時間を指導部と持つことになっています。

日本共産党規約の第54条は、党員の除名を決定し、または承認する場合には、関係資料を公平に調査し、本人の訴えを聞き取らなくてはならないと明記していますから。

昔はこの取り調べ時間を「査問」、最近は「調査」と呼んでいます。日本共産党としては、「調査」を本人の訴えを聞き取る機会と考えているのでしょう。

松竹伸幸さん、鈴木元さんは手軽に除名された

少し前に、「査問」「調査」のこれまでの例について、いろいろな文献に依拠して要約しました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 3月 2023 (blueribbonasiya.blogspot.com) 

「調査」の時間は松竹伸幸さんは1時間少し、鈴木元さんは30分程度だったそうですから、極めて短い。両氏は手軽に除名されたと言えそうです。

御二人の除名を決定したのは京都府の日本共産党ですが、中央本部の担当部署から何らかの指導が京都の共産党になされていたと考えられます。

担当部署を指導するのは志位さんです。

志位さんが松竹伸幸さん、鈴木元さんの除名処分を早く進めるようにと担当部署に出したと見るのが自然です。

それでは、志位さんはなぜ御二人の除名処分を早く進めねばならないと判断したのでしょうか。

志位さんは藤田論文を出して松竹伸幸さんに警告を出した、と言いたいのでしょうが、それでも除名の手続きは迅速に行われています。

志位さんは、松竹伸幸さん、鈴木元さんの主張が日本共産党内に広がる事を恐れた

私見では志位さんは、両氏を伊里一智さんと同様に日本共産党規約を蹂躙した「反党分子」と認識しました。

最近の日本共産党はこの語を用いていませんが、昔の「赤旗」では除名処分となった元党員をそのように表現していました。

共産主義運動では、何らかの論点で共産党を批判する人を極悪人であると人々が把握するべく、独特の表現を用いて宣伝します。

共産党を批判する人々は、旧ソ連では「人民の敵」、中国では「右派」「走資派」「祖国分離主義者」「反中乱港分子」、北朝鮮、在日本朝鮮人総連合会では「反革命分子」「宗派分子」などと表現されてきました。

反中乱港分子、とは最近の用語で、中国に反対し香港を混乱させる人という意味です。香港の民主化運動に参加し、今は外国に住んでいる活動家に対する用語です。

志位さんの脳裏では、両氏は「反党分子」という極悪人なのですから、一刻も早く一般党員と支援者から隔離せねばなりません。

旧ソ連や中国、北朝鮮では「人民の敵」云々と把握された人々は処刑か政治犯収容所送りにされました。

しんぶん赤旗が両氏を「反党分子」という語で表現すると、やはり日本共産党は旧ソ連、中国共産党、朝鮮労働党と同じだなという印象が広がってしまいます。

そこで志位さんは、松竹伸幸さんを「反党分子」という語ではなく、新しい語で表現するように指示を出したと考えられます。党攻撃とかく乱の宣言/――松竹伸幸氏の言動について/書記局次長 土井洋彦 (jcp.or.jp)

それではなぜ、志位さんと日本共産党は松竹伸幸さんだけを「破壊・かくらん者」と規定し、鈴木元さんには、除名決定の文書以外で一切反論、批判をしなかったのでしょうか。

鈴木元氏の除名処分について | JCP京都: 日本共産党 京都府委員会 (jcp-kyoto.jp)

志位さんは日本共産党の路線に近い主張をする松竹伸幸さんは極めて危険と判断した

志位さんは、鈴木元さんより松竹伸幸さんの方が日本共産党にとって危険と判断したと考えられます。

松竹伸幸さんは、自らの主張は日本共産党の綱領・規約に沿っていると強く主張し、党首選挙が行われたら御自身が立候補すると表明していました(「シン・日本共産党宣言」第二章「私には立候補する資格がある」、文春新書)。

松竹伸幸さんは、ブログでは随分前に、日本共産党の党首公選制導入と、自分が立候補する事を明言していました。党員投票の党首選挙と共産党規約・上  | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp)

鈴木元さんの著書は、日本共産党を批判しつつも提言をする、という論調です。仲間を募って何か行動をしようという趣旨ではありません。

鈴木元さんの著書より、松竹伸幸さんの著書とブログの方が志位さんと日本共産党の路線に近いのです。

宮本顕治さんによる春日庄次郎さん批判と同じ発想で志位さんは、日本共産党に近い主張をする人が最も危険であると判断したと考えられます。

春日庄次郎さん、山田六左衛門さんら「構造改革派」は昭和36年7月の日本共産党第八回大会の頃に除名されました。

「構造改革派」の主張の中心は、議会を通じた漸次的な改革の積み重ねにより社会主義に到達できるというものですから、今の日本共産党の革命理論と殆ど同じです。

日本共産党の革命理論、反党分子観とスターリンの「レーニン主義の基礎」

第八回当時の宮本顕治さんの脳裏には、スターリンが「レーニン主義の基礎」で訴えた革命理論があったと考えられます。

昔々の日本共産党員は、スターリンのこの著書を熟読したと考えられます。今の在日本朝鮮人総連合会の皆さんが、金日成や金正日の著作を熟読することと同様です。

スターリンによれば、ソ連共産党の結束をつくりあげることができたのは、時期を逃さずに日和見主義の汚物を掃除できたからです。

ソ連共産党が解党主義者とメンシェヴィキを党外に追放できたからです。

プロレタリア党を発展させ、かためる道は、日和見主義者と改良主義者、社会帝国主義者と社会排外主義者、社会愛国主義者と社会平和主義者からの、党の清掃をとおっているそうです。

第七回大会、第八回大会でつくられた規約と綱領は今日の日本共産党の規約と綱領の基礎になっています。

多くの日本共産党員は両氏を分派だ、という調子で憎んでいると考えられます。分派、破壊・かくらん者という表現と、日和見主義の汚物という表現は大同小異です。

日本共産党は松竹伸幸さん=破壊・かく乱者宣伝を今後も続けるー「レーニン主義の基礎」の見地

鈴木元さんの著書について、しんぶん赤旗が一切言及しなければ日本共産党員で読む人はあまり出ないだろうと志位さんは判断したのでしょう。

今後も志位さんは、鈴木元さんについては一切言及しないでしょう。

日本共産党は今後も、松竹伸幸さんに対し「党内で異論を提起しなかった」「日米安保、自衛隊堅持論は日本共産党の綱領路線と両立しない」の二点で、破壊・かく乱者であるという宣伝し続けると考えます。

1月の日本共産党大会で、そのような報告がなされるのでしょう。その後、松竹伸幸さんは裁判所に訴えををするそうですが、日本共産党の態度は変わらないと考えます。

日本共産党はレーニン、スターリンの革命路線の継承者ですから。

「レーニン主義の基礎」によれば、プロレタリアートの独裁の獲得と維持は、その結束と鉄の規律によって強力な党がなくては不可能です。

共産党の鉄の規律は、全党員の完全な、無条件な、行動の統一なしには考えられません。

このような見地で、日本共産党第七回大会、第八回大会で規約と綱領が作成されたと考えます。志位さんなら、「レーニン主義の基礎」をよくご存じでしょう。


追記

松竹伸幸さんが、日本共産党の党首公選制導入を最初に訴えたのはこの時のようです。除名より1年2か月くらい前です。

こちらで、松竹伸幸さんは党首選挙が行われるなら立候補すると明言しています。

総選挙結果に関する覚書・了 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp)










2023年12月22日金曜日

死刑囚大森勝久さんの発言機会を確保するために、御支援をお願いします。

 死刑囚大森勝久さんが、御自身のHPで下記のように訴えています。私は大森さんの主張に全て賛成しているわけではないのですが、真犯人は別人と考えています。

私の発言機会確保のために新ブログを開設し、管理人になっていただけないでしょうか | 新・大森勝久評論集 (ameblo.jp)

どなたか、管理人になっていただけないでしょうか。可能でしたら、下記に掲載されている連絡先までお願いします。

続編・私の発言機会を確保するため、新ブログを開設し管理人になっていただけませんか | 新・大森勝久評論集 (ameblo.jp)

2023年12月17日日曜日

日本共産党は除名と決まった党員と議論、対話をしないー松竹伸幸さんへの「調査」と「常任幹部会メモ」より思う

 松竹伸幸さんが、来年一月に開催予定の日本共産党大会で、除名の再審査を求めています。

私見では、ここで松竹伸幸さんの除名が間違いだったと志位さんが認める可能性は殆どありません。皆無に近い。

松竹伸幸さん御自身もそうお考えではないでしょうか。

松竹伸幸さんは、「調査というが、セレモニーではないか」と憤った

松竹伸幸さんが日本共産党京都から「調査」をされたのは今年の2月2日です。

この時の音声が、松竹伸幸さんのHPの中野「除名問題資料庫」に掲載されています。

松竹伸幸|公式ページ (matutake-nobuyuki.com) 

これを聴くと、終わりの方で松竹伸幸さんが「何を言っても藤田論文通りだ、というだけなら、この調査はセレモニーではないか」と憤っています。

藤田論文とは、1月21日の「赤旗」に掲載された論文です。規約と綱領からの逸脱は明らか/――松竹伸幸氏の一連の言動について/赤旗編集局次長 藤田健 (jcp.or.jp) 

京都南地区委員会の河合さんと、池田さんという方(京都府委員会の方と推測)は藤田論文に尽きている、と繰り返し松竹さんに主張しています。

日本共産党の職員、議員が、調査の場や公の文献で日本共産党本部と異なる主張をしたら、除名、除籍等の処分をされてしまいます。

私が言うのも奇妙ですが、河合さんらが藤田論文どおりの話しかしないのは、日本共産党職員として当然の事です。

松竹伸幸さんが「調査」の場で、「確かに藤田論文のとおりです。私が全て間違っていました」と述べたら、再検討された可能性があったでしょう。

そうしなければ、京都府委員会では松竹伸幸さんを除名するという決定がなされていたと考えます。

私見では日本共産党は、除名と決まった党員や、「破壊者・かく乱者」とやらに同調する党員と議論をしません。

日本共産党による松竹伸幸さんは破壊者・かく乱者論については、以下が参考になります。松竹氏 党かく乱者であることを告白 (jcp.or.jp)

少し前にインターネットで流布されていた同党の「常任幹部会メモ」も貴重な文献です。


松竹伸幸さんに同調する方は、日本共産党員の資格を失っているそうです。日本共産党は、松竹伸幸さんに同調する方とも議論、対話をしないのです。

「人民の敵」「反党分子」との議論、対話は有害だ、という発想なのでしょうね。在日本朝鮮人総連合会の皆さんも、「民族反逆者」と規定された方と議論、対話などしません。

党の唯一思想体系の確立、とやらに有害だという発想でしょう。

藤田健さんの論考や、日本共産党による松竹さん批判について本ブログは何度も論じてきました。以下は、御参考のために。







2023年12月10日日曜日

志位さん。松竹伸幸さんに「氏」をつけるなら、伊里一智さん、野坂参三さん、徳田球一さんにも「氏」をつけましょう。

よく知られているように、志位さんは昭和61年頃、東京大学の院生だった伊里一智さん(仮名)を徹底批判する論考を出して、宮本顕治さんに高く評価されました。

志位さんは当時、日本共産党本部の勤務員として日本共産党の学生や院生の指導を担当していたのです。

「投降主義者の観念論史観」(昭和61年日本共産党中央委員会出版局刊行)には、若き志位さんが執筆した論考が掲載されています。

多分、この本の初めに出ている論考「反動攻勢へのみじめな屈服」「ふざけた計画、ふざけた弁明」の執筆者は志位さんなのでしょう。

伊里一智さんと松竹伸幸さんの主張は随分異なっていますが、志位さんら日本共産党指導部の皆さんにとっては大同小異です。

日本共産党は伊里一智さんを「反党分派分子」、松竹伸幸さんを「攻撃・かくらん者」と規定しています。

2月8日に出た土井洋彦さんの論考では、松竹伸幸さんは日本共産党に対する攻撃・かく乱者と規定しています。

党攻撃とかく乱の宣言/――松竹伸幸氏の言動について/書記局次長 土井洋彦 (jcp.or.jp)

「反党分派分子」と「攻撃・かく乱者」はどう違うのか、志位さんにお尋ねしたいものです。

私見では、「反党分派分子」という語を用いるとあまりにも異様で、朝鮮労働党と同じだなと言われてしまう事を志位さんが恐れ、この語を使わないようにしているだけです。

志位さんら日本共産党指導部の皆さんの心中では、伊里一智さんと松竹伸幸さんは同様の人物として把握されていると考えます。

しかしインターネットで多くの方が指摘していますが、日本共産党の伊里一智さんと松竹伸幸さんに対する態度では、以下の点が異なっています。

日本共産党は、伊里一智さんは勿論、野坂参三さん、徳田球一さん、志賀義雄さん、袴田里見さんにも「氏」「さん」をつけるべきだ

 少し前の「赤旗」に松竹伸幸さんを批判する論考が掲載されました。

筆者は土方明果日本共産党組織局長です。この論考はどういうわけか、日本共産党のHPに掲載されていません。

松竹伸幸さんがこの論考の全文を御自身のブログに掲載しています。下記です。本日付「赤旗」論文の全文をご紹介 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp) 

土方明果さんの論考は、松竹伸幸さんに「氏」という呼称をつけています。

土井洋彦さんの論考も、松竹伸幸さんに「氏」をつけています。

「攻撃・かく乱者」に「氏」をつけるなら、志位さんは今後「反党分派分子」にも「氏」をつけるべきではないですか。

志位さんが今後、日本共産党の歴史を語る際、昭和25年頃に徳田球一さんと野坂参三さんらが日本共産党内に派閥をつくった、という表現に改めるべきです。

これは志位さんにはできなさそうですね。志位さんは、チュチェ思想を進歩的思想と把握しているのでしょうから。