2022年8月29日月曜日

不破さんは東欧社会主義崩壊を覇権主義からの脱却とみなし、資本主義化ではないと見た(平成元年当時)ー不破哲三「社会主義の原点と未来」(新日本出版社平成2年刊行)より思うー

誰しも、先を見通す事は難しいものです。一年後の為替や株価を正確に予想できるはずがない。

バブル経済崩壊のあと、日本経済の長期不況突入を予測できた経済学者は殆どいませんでした。

私もそんなことは全く予測できず、1990年代にも日本は、年4~5%の実質経済成長率を達成できるだろう、ぐらいに思っていました。

なぜ多くのマクロ経済学者が日本経済の長期不況突入を予測できなかったのかを、改めて考えることは大事と思います。

大規模な財政金融政策の発動をせよ、という発想が弱かったのは一因と考えられます。

巡航ミサイルと弾道ミサイルの大量保有は社会資本建設です。これを国債大量発行で実施しても、財政政策として有効です。

そんなことをマクロ経済学者が言い出したら、左翼に徹底批判されてしまいます。厄介と考え、発言できなくなってしまう経済学者が多そうです。

不破さんはなぜ、東欧社会主義崩壊を資本主義化と把握できなかったのか

同様に、科学的社会主義の経済学、政治学を探求する方なら、同時期の日本共産党が東欧社会主義の崩壊を直視できなかったことを真剣に受け止めるべきです。

日本共産党員なら、社会主義の復元力が大国主義、覇権主義を崩している、ポーランドやハンガリーが資本主義に変質していく過程ではない、などと不破さんが宣伝していたことをどう見るのか、真剣に考えるべきではないですか。

以下は、不破さんの当時の著書「社会主義の原点と未来」からの抜粋です。



不破さんは、東欧社会主義諸国はソ連覇権主義の支配から脱却し、議会制民主主義のある社会主義国になっていくだろうと考えていたのです。

現実には、東欧社会主義国は雪崩のように資本主義化し、NATOにも加盟していきました。国有企業を順調に民営化するためには、大金が必要です。

大金を準備するためには、資本市場、株式会社制度を確立せねばならない。株式会社制度が存在するなら、資本主義です。

市場に強い社会主義、とは資本主義化でしかない。この件、本ブログでは繰り返し論じてきました。

不破さんは「社会主義の原点と未来」を出した8年ぐらい後に、中国共産党と交流を再開します。

不破さんは、中国共産党は大国主義、覇権主義を克服した、社会主義の復元力が発揮されたと考えたのでしょうね。これは、日本共産党第十六大会の見地でした。

中国共産党は建国以来、国民に言論の自由、結社の自由など認めていません。一貫して、少数民族を抑圧しています。

建国直後に、朝鮮戦争に参戦しています。これは中国共産党が朝鮮半島を自国の勢力範囲と考えていたからです。覇権主義そのものです。

今でも日本共産党は、中国共産党が台湾だけでなく、沖縄にも侵攻しうることを直視できません。

中朝露は日米安保に反対ですから、日本共産党の平和理論では中朝露は大局的には平和勢力です。

科学的社会主義の理論、羅針盤とやらに固執している限り、レーニンの帝国主義論の見地で世界情勢を把握することになるので、そんな結論が出てしまうのです。

志位さんは、宮本顕治さんが主導した時期の大会決定や重要論文を内緒にしたいのでしょうね。

第十六大会、第十七大会、第十八大会それぞれの冒頭発言や中央委員会報告を日本共産党本部のHPに出したら、社会主義国は立派な成果をあげてきたという宣伝が一般党員と支援者にもばれてしまいます。

ロシア革命後、内戦で経済が崩壊し、推定百万人以上の餓死者が出ました。ボリシェヴィキは教育や医療を無料にすると宣伝しましたが、これは宣伝でしかない。

今の北朝鮮でも、医療と教育は無料です。北朝鮮には税金はないので、地上の楽園です。

不破さんが「社会主義の原点と未来」で行ったロシア革命は素晴らしい宣伝は、この水準の話です。

医療が無料なら、飢餓水準の方々は無料で医療サービスを享受できたはずです。日本共産党員にはそこまで言わないとわからないのでしょうか。




2022年8月28日日曜日

労働新聞2004年(平成16年)6月10日に掲載されている写真の女性はどなたでしょうか。

 もう18年も前に、労働新聞に出た写真です。金正日の横に若い女性が、金正日の腕をとって映っています。労働新聞記事には、この女性についての記述はありません。

北朝鮮社会では、金正日とこのような姿勢で写真を撮ることが許されるのは大変な栄誉です。一体、この若い女性はどなただったのでしょうか。

これは私の想像でしかないので、お名前を記すわけにはいきません。

私には一人のお名前しか思い浮かばない。勿論、金正日の愛人などではありえません。娘さんでもないでしょう。

この時点では、金正恩、金輿正もまだ表に出ていませんから。

金正日と朝鮮労働党は、この写真を掲載して日本政府に何かのメッセージを送ったのでしょうね。

横田めぐみさん、有本恵子さん、増元るみ子さん、市川修一さん、田口八重子さん、田中実ら拉致された日本人の救出を、何とか実現せねばなりませんね。

どうやって被拉致日本人を救出するのか。私は何度も訴えてきました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 金正恩は精神的に追い詰められている。日本政府は金正恩に思想攻撃をかけるべきだ! (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 7月 2014 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 7月 2021 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 朝鮮学校への無償化不適用、補助金ゼロは当然ーチュチェ型の革命家養成教育に公金を支出すべきでないー (blueribbonasiya.blogspot.com)

金正恩と朝鮮労働党に思想攻撃を実施するべきだ

私は、日本政府の対北朝鮮政策の基本である対話と圧力を、思想攻撃と圧力、に変更すべきと考えます。

日本の総力をあげて、金正恩と朝鮮労働党に対する思想攻撃を実施するべきです。これをやれば、朝鮮労働党からテロがありえますが、何もやらなくてもこれは同じです。

朝鮮労働党は総合犯罪集団ですから。いつ、どんなテロを日本に行ってもおかしくない。

テロを許さないために、一刻も早くスパイ防止法を作らねばなりません。

金正恩と朝鮮労働党に徹底的な思想攻撃を実施し、金正恩の周囲の人物でさえ、金正恩への忠誠心をあまり持てなくなり、指令の実施をさぼるような状況を作らねばならない。

そうなれば、被拉致日本人を取り返すことが可能になると考えられます。

首領への絶対性、無条件性の忠誠心とやらを、金正恩の周囲の人物でさえ持てないような状況になれば、金正恩と朝鮮労働党による国民支配体制が揺らぎます。

金日成、金正日と金正恩への徹底批判を、海外衛星放送は勿論、あらゆるメディアで日本政府は実施するべきです。これをやれば、韓国左翼にも甚大な影響を与えるでしょう。





不破さんはスパイ査問事件(昭和8年12月23,24日)をどう語っているかー不破哲三「日本共産党史を語る 上」(平成18年新日本出版社刊行)よりー

 古今東西、共産主義者は歴史を都合が良いように修正します。

北朝鮮の住民は金日成が中国共産党員だったこと、日本の警察に追われてソ連領に逃げ、ハバロフスク近郊で金日成が昭和20年8月15日を迎えた事など知りません。

同様に多くの日本共産党員は、小畑達夫さんの死亡事件を、小畑さんが特異体質だったから亡くなったのであり、査問などという拷問などなかったと信じていると考えられます。

不破さんは、小畑達夫さんが「調査の会議」の途中、心臓発作で急死したと語っている

この事件について、不破さんは上記の著作で、大意次のように語っています。

(その1)小畑、大泉がスパイであるという容疑が出てきたので、それを確かめるために「査問」という調査の会議を開いた。

(その2)小畑は警察との秘密の連絡をはじめ、スパイでなければ考えられない不審な行動がいくつも出てきた。調査をさらにすすめようとしたら、その途中で小畑が心臓発作を起こして急死した。



不破さんのこの記述は、宮本顕治さんが裁判や論考「スパイ挑発との闘争」で語った事とも大きく異なっています。本ブログでは、この事件について何度も論じてきました。
黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 宮本顕治氏はスパイ査問事件(昭和8年12月23、24日)について論文でどう語ったかー「スパイ挑発との闘争ー1933年の一記録ー」より (blueribbonasiya.blogspot.com)

不破さん、宮本顕治さんの論考「スパイ挑発との闘争」はデマですか

改めて記しておきます。

宮本顕治さんは、論考「スパイ挑発との闘争」や裁判で昭和8年12月23日、24日に小畑達夫さんの手足を縛っていた事、小畑さんが査問現場から逃げ出そうとしたから皆で抑えつけたと語っています。


二日近くも手足を縛られた状態にすることは、調査の会議、なのでしょうか。

小畑さんが亡くなっていくときの状況について、宮本顕治さんと袴田里見さんの主な違いは、以下の三点です。

(その1)小畑さんが倒されたとき仰向けだったか(宮本説)、うつ伏せだったか(袴田説)。
(その2)宮本さんは小畑さんの腕を抑えただけだったか(宮本説)、宮本さんは小畑さんの背に膝を押し付け、腕をねじ上げたか(袴田説)。
(その3)逸見重雄さんが、倒れた小畑さんの喉を絞めたか否か。
宮本さんは、逸見さんが小畑さんの頭上から風呂敷のようなものをかぶせていたと述べています。袴田さんは、小畑さんがオーバーを頭にかぶせられており、その上から逸見さんが両手で小畑さんの喉を押さえて大声を出せないようにしたと述べています。

不破さんの著書だと、調査の会議の最中に小畑さんは心臓発作で突然死したのですから、宮本さん、袴田さんの二人が裁判や論文で大噓をついたかような話になってしまいます。

不破さんは著書で、宮本さんが原則的な法廷闘争を展開して、特高警察のでっちあげを撃破していたから、戦後の反共攻撃もうち破れた、と主張しています(同書p.77)。

原則的な法廷闘争、とは一体何でしょうか。宮本さんは法廷で、小畑さんが調査の会議の途中、心臓発作で突然死したなどとは語っていません。

最近の日本共産党は、日本共産党の昔の文献に依拠しないで歴史を語ります。不破さんはの上記の見解は、宮本顕治さんの論考や、法廷での主張とは何の関係もありません。


小池晃書記局長に、youtubeで小畑達夫さんの死因について論じて頂きたい

小畑さんの死因について、松崎いたるさんは近著でエコノミークラス症候群だったのではないかという説を提起しています。

手足を二日近く縛られていた方が、縛りをほどいて逃げようとしたところ、抑えつけられたら血流に異常が生じそうです。

私には、松崎いたるさんの新説には説得力があるように思えてなりません。しかしこれが、小畑さんの死亡鑑定書に出てくる死体の特徴からもいえるのかは、私にはわかりません。

小池晃書記局長に、小畑達夫さんの死因について医師としてyoutubeで論じて頂きたいですね。





2022年8月27日土曜日

志位さん、自衛隊解散、日米安保廃棄と皇室廃止で日本国家を無くしたい日本共産党は没落していきますよー科学的社会主義という羅針盤を持つと、中朝露の凶暴性を把握できないー

 日本共産党が、党首選挙を行っていないという批判に対する反論の論考を出しました。日本社会の根本的変革をめざす革命政党にふさわしい幹部政策とは何か/――一部の批判にこたえる (jcp.or.jp) 

この論考は、去る7月16日の朝日新聞社説に対する反論です。

朝日社説は、志位さんが党員の直接選挙で選ばれていないから、日本共産党には閉鎖的な体質がある旨、指摘しています。

この論文を書いた方々は、日本共産党は真に民主的な組織運営をしていると確信していると考えられます。

この論文は松竹伸幸さんを暗に批判している

この論文では明記はされていませんが、日本共産党の党首を党員の直接選挙で選ぶべきだと主張している松竹伸幸さんへの批判という意味もあったと考えられます。

共産党の党首公選を考える・了 | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp) 

松竹伸幸さんは御自身のブログで、日本共産党の党首を党員の直接選挙で選出する事を主張していましたが、あっさり拒否されました。

これは十分予想できることです。

松竹伸幸さんがどういう根拠で、志位さんが党首の直接選挙をやる可能性が有ると考えていたのかはわかりません。そのうちブログで言及なさるのかもしれませんね。

民主主義革命とは日本国家を無くすことである

上記論文によれば、日本共産党は日本の政治を根底から変革する民主主義革命を目指しています。

民主主義革命の次には、日本を社会主義、共産主義にすることを目標にしています。

民主主義革命の大前提は、自衛隊解散、日米安保廃棄で日本国家の国防力を皆無にすることです。

皇室の廃止も、日本共産党が目指す民主主義革命の課題と考えられます。

自衛隊解散、日米安保廃棄で日本国家の国防力が皆無になれば、中朝露は必ず日本を攻撃するでしょう。

その前に、野党と市民の政権とやらができ、基地のない沖縄、とやらが実現したら中朝露は共謀して日本を攻撃するでしょう。

基地のない沖縄、とやらが実現したら、米軍は日本から全面的に撤退する可能性が高い。

日本人が沖縄を中朝露の攻撃から守る気がないのに、米軍が中朝露と戦争をしたらその時の米国大統領は次期の大統領選挙で落選する可能性が高い。

日本共産党が目指す民主主義革命とは、日本国家の破壊です。32年テーゼも、日本国家の破壊を目指していました。

志位さんは、中朝露を大局的には平和勢とをみている

日本共産党の民主主義革命論はとやらは、中朝露が大局的には平和勢力であることを大前提としています。

これは、日本共産党がレーニンの帝国主義論をその理論的基礎としていることによるものです。中朝露の現状と蛮行の歴史、軍事戦略から導かれた結論ではありません。

上記の論文は、日本共産党本部の党建設委員会から出ています。

党建設委員会、という部署はどんな方がいるのか、日本共産党中央のHPを見ました。中央委員会の機構と人事(第28回党大会)|党紹介│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp)

山下芳生議員が責任者です。若林義春さんが責任者代理、副責任者は田中悠さんというお若い方です。吉良よし子議員も副責任者です。

失礼ながら、私見では党建設委員会の皆さんに、中朝露の現状と蛮行の歴史、軍事戦略について思考と議論をする方はいないように感じます。

日本共産党中央にも、そんな方は一人もないと考えられます。

上記論文によれば、日本共産党の幹部政策の基本は正確で機敏、安定した指導性を発揮できるものだそうです。

中国共産党と科学的社会主義の理論交流をおよそ二十年間続けた不破さんは、正確で機敏、安定した指導性を発揮したのでしょうか。

日本国家を無くしたい政党は、日本国民に嫌われ没落していく

党首選挙の有無にかかわらず、自衛隊解散、日米安保廃棄と皇室廃止を目指す日本共産党の没落は必至ですよ。

日本国家を無くしたい政党が、日本国民から嫌われるのは当然です。

志位さんにはこれが全く見えていない。科学的社会主義の目、羅針盤とやらをもって世界を見ているとそうなるのでしょう。

私は日本共産党の組織の現状について、詳しいことはわかりませんが、youtubeなどで日本共産党幹部の街頭演説に参加しているの殆どは高齢者のように思えます。

10年、15年と歳月が過ぎたら、どうなるのか。

日本共産党本部に危機意識を持つ方がいても、真剣に議論する場がないのでしょうね。議論するより、赤旗を増やせと言われてしまいそうです。


2022年8月21日日曜日

志位さんの、日米による台湾問題への軍事的関与反対論より思うー日本共産党は中国共産党と朝鮮労働党の応援団ー

 日本共産党は、米軍はアジアと欧州から出ていけを主張する中国共産党、朝鮮労働党とプーチン政権を大局的には平和勢力と見ています。

日本共産党にとって、戦争の根源は米帝国主義、米軍の存在です。

この点で日本共産党は、中朝露、韓国左翼と同じです。

日本共産党、韓国左翼はレーニンの帝国主義論の見地で世界を把握します。

レーニンによれば、帝国主義、金融資本が侵略戦争を起こします。

レーニンの見地で現代の世界経済を見ると、多国籍企業の権益を守るために米国がアジアと欧州に米軍基地を置き、戦争を起こそうと策していることになります。

この件、私は本ブログで繰り返し訴えてきました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニン「十月革命四周年によせて」(レーニン全集第33巻、大月書店昭和34年刊行)より思う。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニン「帝国主義戦争の内乱への転化というスローガンについて」(レーニン全集第41巻、大月書店昭和42年刊行、p421掲載)より思う (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 共産主義者と「祖国擁護」について―レーニン「プロレタリア革命と背教者カウツキー」(全集第28巻、大月書店刊行)より思う (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 中朝露は、日本の支配、攻撃と破壊を策しているー志位さんは中朝露が日米安保とNATOに反対だから、大局的には平和勢力とみなすー (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 小池晃書記局長、絶対に戦争を起こさない血のにじむような外交努力を訴えるなら、台湾政府を東アジアの対話と協力の安全保障の仕組みに入れようとなぜ言えないのですかー (blueribbonasiya.blogspot.com)

日本政府は集団的自衛権を行使して米国が世界各地で行うであろう侵略戦争の手助けをしようと策している旨、日本共産党は全力で宣伝しています。

この見地から、志位さんは8月5日の声明で日米による台湾問題への軍事的関与に反対する、と述べています。台湾に対する中国の軍事的威嚇の強化に抗議する│声明・談話・発言│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp)


志位さんは中国共産党による台湾吸収を応援したい

志位さんはこの声明で、日米が台湾問題に軍事的関与する事に断固反対と明言しています。台湾問題に軍事的関与、という表現に注目しましょう。

これなら、台湾問題とは米軍が台湾を支配するために台湾に侵攻する事だ、と思う日本共産党員が相当数いそうです。私見では、志位さんはこれを狙っていると考えられます。

言うまでもなく、台湾問題とは中国共産党、人民解放軍が台湾に侵攻、攻撃する事です。

これに対する米国と日本の軍事的関与とは、中国共産党による台湾攻撃に対し、米国と日本が台湾政府を支援するべく中国共産党と人民解放軍に反撃する事です。

志位さんはこれに反対なのですから、日本共産党は中国共産党の応援団です。朝鮮戦争の時、日本共産党は武装闘争を行い、朝鮮労働党による大韓民国滅亡策に協力しました。

志位さんは、台湾問題とは中国共産党、人民解放軍が台湾に侵攻、攻撃する事であり、米軍と自衛隊はその時台湾政府を守るべく出動しうる事を認められません。

これを言えば、日本共産党がこれまで普及してきた平和理論は何だったのか、という疑問が一般党員から出されてしまいます。

一般党員から多少の疑問が出されても、志位さんの地位が脅かされることはないでしょうが、日本共産党にはボクシングのボディブローのような打撃になるでしょう。

日本共産党は中国共産党による台湾政府解体を社会進歩とみなす

志位さん、日本共産党の世界観では、中国共産党が台湾政府を解体させ、台湾を吸収することは大局的には社会進歩、歴史の法則的発展です。

不破さんはそう考えたから、中国共産党との会談で香港のように一国二制度を前提として、台湾の住民を説得し吸収すればよいと提案しました。


台湾の住民がすぐに中国共産党の政治支配を受け入れることが嫌だというなら、当面は一国二制度を掲げ、一定の時間が過ぎたら圧力をかけて台湾政府を解体させればよいと不破さんは考えたのでしょうね。

日本共産党の世界観では、台湾政府の解体は社会進歩です。不破さんは中国共産党との会談で、その類の発言を何度もしています。

中国共産党は当面、台湾と沖縄の領有を策しているー中華帝国を再建するために

近年の中国共産党は、偉大なる中華民族の復興という表現をよく用いています。私見ではこれは、中華帝国の再建を意味します。

中華帝国の再建とは、周辺諸国は皆、中国共産党の指導下に入れという事です。新中国、中国共産党は伝統的な中華思想の継承者ですから。

琉球王国は明朝に朝貢していました。従って中国共産党の世界観では、沖縄は元来、中国領です。

中国共産党員は日本、朝鮮半島、東南アジア諸国、モンゴルなど周辺諸国は皆、中華帝国の皇帝たる習近平に指導されるべきだ、という世界観を抱いていると考えられます。

何だそれは、と仰天する方もいるでしょうが、毛沢東が健在だった頃の中国共産党は、毛沢東は世界革命運動の最高指導者だという宣伝をしていました。

これは全世界の民衆は毛沢東に従うべきだという宣伝でした。

今の中国共産党は、世界革命運動云々という表現は用いませんが、習近平は全世界の指導者だ、という発想を継承しているのです。

中華思想では、中国の皇帝は天帝から全人類社会の指導者であることを認められた偉人です。中国共産党はこの視点を継承していると考えられます。







2022年8月20日土曜日

志位さんは来る100周年記念講演会で、昔の日本共産党の綱領的文書(27年テーゼ、32年テーゼ、51年綱領)と宮本さんの「日本革命の展望」について語れるかー

 昔から、共産主義者は自己正当化のため歴史を修正します。

ソ連共産党はロシア革命を語る時、トロツキーの存在を隠蔽していました。ブハーリンについてはどうだったのでしょうね。

今の日本共産党も、ロシア革命後の内戦から新経済政策初期に、推定百万人以上の餓死者が出ている事や、ボリシェヴィキが貴族や地主、富農、ロシア正教会聖職者の財産没収と追放、処刑を断行した事を内緒にしています。

この件、本ブログでは繰り返し論じてきました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: G. ボッファが語る新経済政策(NEP)の時代の飢饉とロシア正教会弾圧ー「ソ連邦史1」(坂井信義・大久保昭夫訳 大月書店昭和54年刊行)より (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 小泉信三教授「エルフルト綱領の教訓」、梶川伸一教授の論考にみるロシア革命後の大飢饉(「共産主義批判の常識」昭和24年新潮社刊行、「ソヴェト=ロシアにおける赤色テロル」社会評論社刊行の解説)より思う (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党は自衛隊解散、日米安保廃棄、皇室廃止を宿願とするーレーニン主義の継承者ー (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党員は32年テーゼ(日本における情勢と日本共産党の任務に関するテーゼ)を読もうー昔の左翼は日本のソ連化が労働者、農民を救うと信じた (blueribbonasiya.blogspot.com)

ニコライ2世一家の処刑も勿論内緒です。ところで志位さんは、9月17日に日本共産党の百周年記念講演会をやるそうです。

志位さんは宮本顕治さんの主著「日本革命の展望」を内緒にしたい

志位さんが記念講演をやるのでしょうね。

私見では、志位さんは昔の日本共産党の綱領的文書に基づいて、日本共産党の歴史を語る事はできないと考えられます。

今の日本共産党は、日本革命理論を語れないのです。

志位さんの近著「新・綱領教室」には、日本革命、という語がなさそうです。民主的変革、民主主義革命という語はありますが。

志位さんは宮本顕治さんの主著「日本革命の展望」という本に掲載されている論考や報告を、一般党員があまり読まないようにしたいのです。

宮本顕治さんの第七回大会、第八回大会での報告は今の日本共産党にとって都合の悪い記述が満載ですから。


第七回大会で宮本顕治さんは、51年綱領には積極面があったが問題もあるので、新しい綱領を作ると報告しています。

今の若い日本共産党員がこれを読んだら、昔の日本共産党員が暴力革命論である51年綱領を信奉していたことが明らかになってしまいます。

それでは、昭和25年から5年ほど、臨時中央指導部が党中央だったことが若い日本共産党員にばれてしまいます。

徳田・野坂分派とやらは分派でなく、昭和26年秋からは党中央そのものだったのです。

志位さんはこれを何としても隠蔽したい。

志位さんは国際共産党日本支部とソ連の関係も内緒にしたい

同様に、昔の日本共産党(国際共産党日本支部)がソ連から資金と拳銃を受取り、武装していた事も志位さんは内緒にしたい。

内緒にするためには、当時の綱領的文書だった27年テーゼと32年テーゼも内緒にせねばならない。

要は、志位さんは昔の日本共産党の日本革命理論全体を内緒にせねばならないのです。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 宮本顕治さんは、27年、32年テーゼの発想で社会党を見ていたー昔の日本共産党(国際共産党日本支部)の社民主要打撃論を内心では信奉 (blueribbonasiya.blogspot.com)

志位さんは昔の日本共産党が普通の反戦団体、議会制民主主義の徹底を要求する団体だったかのように日本共産党の歴史を描かねばならない。

志位さんは昔の日本共産党がソ連信者だったことを内緒にせねばならない。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんは、ソ連共産党との関係をなかったことにしたいー志位さんの近著「新・綱領教室」(新日本出版社刊行)より思うー (blueribbonasiya.blogspot.com)

志位さんが来る9月17日にそんな講演をしたら、歴史の大幅修正です。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 唱和25年頃、宮本顕治さんは極左冒険主義者だったー野坂参三さんの平和革命論を徹底批判ー (blueribbonasiya.blogspot.com)

日本共産党と同党支援者には、歴史学徒はいないのでしょうか。

歴史学を研究する方はいるのでしょうけれど、32年テーゼや51年綱領について日本共産党内で議論をすると厄介な事になるから、黙っている方が多いのでしょうね。

歴史に背く潮流に未来はありません。宮本顕治さんのこの訴えを、田村智子議員は覚えているでしょうか。




2022年8月15日月曜日

労働市場が存在するなら、資本主義的搾取制度が存在するーベーム・バヴェルクとレーニン、スターリンに共通点ー

 資本主義的搾取制度は、労働市場と金融資産市場が存在するなら廃止できません。

これを企業経営方式から表現するなら、株式会社制度が存在するなら資本主義的搾取制度は廃止できません。この件、私は何度も論じてきました。

前回紹介したもののほかに、以下があります。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 市場経済では生産手段の社会化(資本主義的搾取の廃止)はできない―不破哲三「マルクス主義と現代修正主義」(昭和40年、大月書店刊行)より思う (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 聴濤弘著「200歳のマルクスならどう新しく共産主義を論じるか」(かもがわ出版)より思う。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニン「青年同盟の任務」(1920年10月2日。「レーニン全集」第31巻、大月書店刊行)より思う、 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニン「賃金労働を使用するもの、他人の犠牲でもうけているものからわれれは全部収奪するであろう」(レーニン全集第28巻より) (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 社会主義体制はなぜ崩壊したのか―エンゲルス「空想より科学へ」(大内兵衛訳、岩波文庫。英語ではSocialism, Utopian and Scientific)より聴濤弘氏に問う。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

マルクスの搾取理論に対する批判としては、ベーム・バヴェルクによる搾取利子説が重要です。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: マルクスの搾取論とベーム・バヴェルク(1851-1914) (blueribbonasiya.blogspot.com)

ベーム・バヴェルクによれば、マルクスは現在財と将来財の違いを無視しています。

マルクスは、労働者が自分が作り出した製品の将来価値の全てを現在受け取らないと搾取があると主張している、とベーム・バヴェルクは批判しました(上記に引用した、根岸隆「経済学の歴史」第四章より。東洋経済新報社昭和58年刊行)。

資本主義的搾取制度の廃止とは何かーベーム・バヴェルク、根岸隆教授の見地より考える

ベーム・バヴェルク、根岸隆教授によるマルクス批判の見地を敷衍して、搾取制度の廃止とは何かについて考えてみましょう。

労働者が一人で、1年かけて何かの財を生産するとします。その財を生産するためには、材料が必要ですが、これは資本家から提供されるとします。

労働者は資本家から、賃金を前払いで受け取ります。労働者はこの賃金で一年間の暮らしに必要な財を購入します。

財の生産に直接、間接に必要な労働総量には、材料の生産に必要な労働量も含まれます。この財が一年後に完成して販売できたら、多少の利益が得られるとします。

このとき労働者が一年間に提供した労働総量と、それと引き換えに得られる賃金で購入できる財の生産に直接・間接に必要な労働総量を比較すると、後者が前者より多いので、マルクス流にいえば搾取が存在します(置塩・森嶋教授によるマルクスの基本定理)。

労働者が一年後に得られる機械の売り上げ全部をはじめに受け取ったら、搾取は勿論存在しません。資本家は何も得られないので、利潤も存在しません。

利潤がなければ、搾取はありません。

ベーム・バヴェルク流に考えると、搾取制度の廃止とは労働者が、将来得られる財の売り上げを生産の初めに資本家から得る事です。

資本主義的搾取制度を廃止するなら、将来得られる売り上げを労働者が現在取得することになり、資本家は労働者を雇用しても何も得られない。資本家は損をするだけです。

雇用という制度を無くすこととは、労働市場の廃止です。

レーニンは資本家と地主、富農とツァーリの追放を搾取制度廃止の必要条件と主張した

レーニンは、資本家階級、地主階級と富農の廃止、ツァーリの追放を搾取の廃止の必要条件と考えました(例えば、「青年同盟の任務」)。

レーニンは「青年同盟の任務」で、社会の一部が工場を持ち、株式や資本を持っていて、他の一部のものがこれらの工場で働いているなら、資本家階級雄労働者階級が存在する事になると指摘しています(「青年同盟の任務」柴田順吉訳。いづみ書房刊行のp100より)。

レーニンは全ての人が単一の共通の計画で、共通の土地で、共通の工場で働くようにしなければならないと述べています(同書p101)。

これを実現するために、レーニンは労働者階級が農民の一部を再教育し、他人の困窮で金もうけをしている金持ちの農民の反抗を撲滅せねばならないと説きました(同書p102)。

農民の再教育と富農の反抗の撲滅も、搾取制度廃止のための必要条件とレーニンは考えていたのでしょう。

単一の共通の計画云々も、レーニンがこれを搾取制度廃止の十分条件とみなしていたとは考えにくい。

レーニンはベーム・バヴェルクの著書を読んでいなかったと考えられますが、同じことを違う角度から主張していると考えられます。

レーニンとボリシェヴィキはニコライ2世一家を処刑した(1918年7月17日。大正七年)

実際には、レーニンとボリシェヴィキはツァーリだったニコライ2世一家を追放したのではなく、処刑しました。

「青年同盟の任務」執筆はニコライ一世一家の処刑より2年少し後です。

ニコライ2世一家については、以下が参考になります。ロマノフ王朝、最後の皇女、アナスタシア皇女。ロマノフ家。 - YouTube

資本家階級、地主階級と富農の追放とは、彼らの全財産を没収してしまうことです。文字通りこれをされたら、一文無しになります。

この命令がロシア全域で完全に実行されたのか、私にはわかりませんが、相当数の餓死者が出たことは間違いありません。

レーニンはこれらの残虐行為に何の反省もしていません。

レーニンは、搾取制度廃止のためにはロシア皇帝一家処刑、資本家と地主、富農の追放、餓死も、必要不可欠と考えていたのでしょうね。

不破さん、志位さんは今でもロシア革命を高く評価していますが、ロシア皇帝一家の処刑や大量餓死も社会進歩のために必要不可欠と考えているのでしょうか。

全ての人が人が単一の共通の計画で、共通の土地で、共通の工場で働くようにせねばならないなら、中央計画当局が作成した計画に従って、財と労働の配分が行われるソ連型計画経済こそ社会主義だ、という話になります。

スターリンは「青年同盟の任務」に示された、レーニンの遺志を継承しました。

不破さんはソ連を、人間抑圧社会だったと評していますが、搾取制度を廃止するなら人間抑圧型社会を建設することになるのです。

「青年同盟の任務」の上記該当部分の英訳を、下記に記しておきます(前掲書p98、100より抜粋)。

What are classes in general? Classes are that which permits one section of society to appropriate the labour of another section. If one section of society appropriates all the land, we have a landowner class and a peasant class. if one section of society owns the factories, shares and capital, while another section works in these factories, we have a capitalist class and a proletariat class. 

All should work according to a single common plan, on common land, in common factories and in accordance with a common system. Is that easy to attain? You see that it is not as easy as driving out the tsar, the landowners and the capitalists.


2022年8月14日日曜日

山添拓議員が目指す未来社会では、株式会社は存在しないのですかー株式会社制度では、経営者は利潤を最大化すべく行動するので利潤第一主義になりますー

 最近の日本共産党は、搾取制度が廃止された経済ではどのように財の生産と分配、消費がなされるのかについて、思考と議論をしません。

昔の日本共産党は、ソ連型の中央計画経済を想定し、中央計画当局が財の生産と分配、消費を決定すると考えていました。

宮本顕治さんによれば、社会主義国には資本主義的搾取制度の廃止と男女同権、教育、医療、保育、社会保障の面で資本主義国制度にない制度的優位性があります(第十八大会での冒頭発言より。昭和62年11月25日)。


ソ連、東欧が崩壊する前まで、日本共産党はソ連型の経済制度を高く評価していたのです。

山添拓議員はお若いので、ソ連崩壊より前の日本共産党の社会主義国宣伝について見聞したことがないのでしょうけれど、日本共産党の昔の大会決定を読んで頂きたいですね。

山添拓議員は御自身のyoutubeで、資本主義は利潤第一主義の社会、効率よく金を稼ぐ事が第一の社会であると主張しています。

お金儲けとは誰かの犠牲の上で誰かが利益をあげる、搾取の仕組みであると山添拓議員は訴えています(開始後1分25秒頃より)。山添拓に聞いてみよう vol.4/共産主義とは・ストレス解消法編 - YouTube

山添拓議員は主に、志位さんの近著「新・綱領教室 下」の第五章に依拠していると考えられます。

最近の日本共産党の未来社会論に対して、本ブログは何度か論じてきました。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党が政権を掌握したら、金融資産市場を「御用済みとしてお引き取り願う」ー不破哲三「党綱領の力点」(平成26年刊行。pp. 153-154 )より。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 生産手段の社会化(搾取制度の廃止)と株式会社制度は両立しないー日本共産党と同党を支援するマルクス主義学徒に問う (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニンの「青年同盟の任務」(柴田順吉訳、いづみ書房刊)より思うー搾取制度廃止のためには共通の計画、共通の土地、共通の工場で働くー全体主義を準備 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニン「青年同盟の任務」(レーニン全集第31巻所収、大月書店)より思うースターリンはレーニンの愛弟子ー (blueribbonasiya.blogspot.com)

中央計画当局が財、サービスの生産と配分を決定する経済なら、生産と消費の大幅削減により労働時間を大幅短縮可能

株式会社制度では、経営者は利潤を最大化すべく行動します。十分な利潤をあげられない経営者は、株主総会で交代させられるのは当然です。

これを私は、上記で繰り返し主張してきました。山添拓議員が目指す未来社会では、株式会社は存在しないのでしょうか。

株式会社が存在せず、利潤目的で生産をしないなら、財やサービスの生産と消費、配分を誰がどのような基準で決定するのでしょうか。

ソ連のように中央計画当局が財とサービスの生産、配分を決定するなら、中央計画当局が財とサービスの消費総量を大幅削減すれば労働時間の大幅削減もありえるでしょう。

財を配給制、例えば衣服は人民服だけしか生産しない、食料品も配給制で家電製品も殆ど生産しない経済を考えましょう。自家用車の保有を禁止すれば、環境にも良いでしょう。

財とサービスの生産量が大幅削減されますから、労働時間が大幅削減できそうです。志位さん、山添拓議員が目指す未来社会は、こんな社会なのでしょうか。

山添拓議員は江戸時代の日本への復帰を目指していますかー江戸時代の日本なら、環境にやさしい経済

あるいは、山添拓議員は江戸時代のような社会経済を目指しているのでしょうか。

江戸や大阪、あるいは東海道や中山道などの宿場都市には市場が存在しましたが、株式会社は存在しない。

人口の多数は農業に従事しています。労働時間は長いですが、農民は利潤第一主義で行動しているわけではない。豊作を第一に目指して、米や野菜をつくっていたでしょう。

江戸時代の日本なら、環境にも優しい経済運営だったと考えられます。江戸時代に戻るなら、やはり財とサービスの生産と消費を大幅削減することになりますが。

江戸時代の日本では化学肥料など一切使わない。電力がないのですから、自動車、家電製品は皆無です。

山添拓議員には、御自身のyoutubeで搾取制度の廃止された経済の運営、企業経営、株式会社制度の有無について語って頂きたいですね。

志位さんの脳裏には、ソ連型計画経済こそ社会主義という発想が残っている

志位さんの近著「新・綱領教室」下巻の第五章によれば、利潤第一主義をやめると浪費が一掃されるそうです。

財やサービスの生産量の浪費のない水準とやらを、誰がどんな基準で決めるのかについて、志位さんは何も語っていません。

志位さんの脳裏には、ソ連型計画経済こそ社会主義だ、という発想が残っていてもおかしくないですね。

志位さんなら、宮本顕治さんの昔の論文を熟読しているでしょうから。







2022年8月11日木曜日

宮本顕治さんは連合国軍最高司令部から司法省への超法規的命令により「刑の言い渡しがなかったものとみなす」とみなされ、資格回復の措置が取られたー稲葉修法相の国会答弁より(昭和51年9月28日)

 昭和8年12月23、24日に宮本顕治さんらが行った過酷な査問の結果、スパイと疑われた小畑達夫さんは亡くなりました。

小畑達夫さんの死因について、松崎いたるさんが近著でエコノミークラス症候群だった可能性を指摘しました。

松崎いたるさんの本(第四章、p122)に稲葉修法相のこの件に関する国会答弁が引用されています(昭和51年9月28日)。第78回国会 衆議院 本会議 第5号 昭和51年9月28日 | テキスト表示 | 国会会議録検索システム (ndl.go.jp) 

稲葉修法相によれば、宮本顕治さんは連合国最高司令部からわが国司法省への超法規的命令により、公民権を回復したのです。

稲葉法相によれば、将来に向かって刑の言い渡しを受けなかったと同様に取り扱うことになっただけです。

過去の犯罪事実がなくなったり有罪の確定判決があったという事実そのものが否定されたわけではない。

司令部のおかげで助かったと申して差し支えないと稲葉法相は国会で断言しています。

日本共産党員には、稲葉法相の国会答弁を御存知ない方が多いようですね。そんな呟きが良く出てきます。



繰り返しですが、小畑達夫さんの死因について医師の小池晃書記局長はどうお考えなのでしょうか。
小畑さんが特異体質の持ち主だったから、突然死したとお考えなのでしょうか。古畑教授の鑑定書からそのように考えられるのでしょうか。

この件、小池晃書記局長に是非、御自身のyoutubeで解説をして頂きたいですね。私には、松崎いたるさんの説のには説得力があると思えます。

2022年8月9日火曜日

昭和8年12月23、24日に宮本顕治さんらは小畑達夫さんの手足を縛り、監禁。過酷な査問の末、小畑さんは亡くなったー

昔の日本共産党は武装集団だった 

昔の日本共産党(国際共産党日本支部)は、ソ連から拳銃と資金を受取り武装して内乱を起こそうとしていました。

特別高等警察は内乱を防ぐべく、武装集団の日本共産党内にスパイを送っていました。

この時期に中央幹部だった宮本顕治(当時25歳)、袴田里見(当時29歳)、秋笹正之輔(当時30歳)、逸見重雄(当時34歳)、木島隆明(年齢不詳)、小畑達夫(当時26歳)各氏はスパイは近くにいるに違いない、という気持ちにさいなまされていたでしょう(年齢は松崎いたるさんの本より抜粋)。

小畑さんと同時期に査問された大泉兼蔵氏(当時35歳)は実際にスパイでした。

宮本顕治さんらが行った過酷な査問の末、小畑達夫さんは亡くなりました。

この事件について、殆どの日本共産党員はリンチ、過酷な査問など特別高等警察の捏造で、小畑達夫さんは特異体質だから突然死したと信じていると考えられます。

そう信じている日本共産党員の皆さんは、この事件に関する宮本顕治さん、袴田里見さんの文献を読んだのでしょうか。

日本共産党員は宮本顕治さんの論考を読むべきだ

ある事件についての史実を調べる時、その事件に参加した方の手記や、発言の記録を参照するべきです。

その方がその事件のごく一部しか体験していないなら、手記や発言の記録に思い違い、聞き違いが生じうる。

またその事件の全体を把握しうる地位にいた方の場合、何らかの思惑により自分の役割を誇張もしくは矮小化する場合もあります。

その事件に参加した方々の手記や発言記録を可能な限り多く集め、読み込んで行くことにより史実が徐々に明らかになると考えられます。

日本共産党(国際共産党日本支部)が昭和8年12月23日から24日に起こしたスパイ査問事件については、査問する側だった宮本顕治さんと袴田里見さんの公判調書、訊問調書と手記が出版されています。

今の日本共産党員がこの事件について語るなら、少なくとも次を読むべきでしょう。

宮本顕治論考「スパイ挑発との闘争」と「宮本顕治 公判記録」(昭和51年新日本出版社刊行)

平野謙「『リンチ共産党事件』の思い出』(昭和51年三一書房刊行)に掲載されている袴田里見さんの訊問・公判調書。

これらを読めば、小畑達夫さんがどのように亡くなっていったかについて宮本顕治さんと袴田里見さんの間で、大きな違いはないことがわかります。

この件について、本ブログは以前にも論じています。下記です。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 宮本顕治氏はスパイ査問事件(昭和8年12月23、24日)について論文でどう語ったかー「スパイ挑発との闘争ー1933年の一記録ー」より (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党のスパイ査問事件(昭和8年12月23、24日)について―袴田里見判決文(亀山幸三「代々木は歴史を偽造する」経済往来社昭和51年刊行)より思う― (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 松崎いたるさんの大著「日本共産党暗黒の百年史」(飛鳥新社)よりー過酷な査問現場から逃げようとした小畑達夫さんは、エコノミークラス症候群で亡くなったー (blueribbonasiya.blogspot.com)

宮本顕治さんの公判調書の該当部分を、以下現代語訳します。出典は上記の公判記録です。

宮本顕治さんは小畑さんの手足を縛っていたことを認めている

次に小畑の死に関して

私は夜間徹夜で三名を一通り訊問して疲れたので当日は木島と共に同書の炬燵(こたつ)に入って寝た。

眠る前の状景は小畑は座敷の押し入れと窓際の中央あたりに手足を縛られ、足を投げ出し、腰をしたにしていた。

何かによりかかっていたようなことはない。同人が押し入れに入っていた時に壁に穴をあけ逃げようとしたので座敷へ出されたのである。

大泉は座敷の真ん中へ転がしてあった。二人とも押し入れから出してあった事に間違いない。

私がひと眠りしたとき、物音で目を覚ますと小畑は手足が自由になっていて起き上がろうとしていた。それに袴田が飛びかかっていき、逸見もそこへ来て袴田は足の方、逸見は頭の方にいた。

私も駆け寄って小畑の右手を小畑の横に座って両腕を抱きかかえる形で止めており、木島も来て向かい側で暴れる小畑の手を止めようとしていた。

小畑は手足を動かし声をたてようとするので逸見は声をたてさせまいと口のあたりを押さえた。

その時小畑は風呂敷か外套を頭からかぶされていたが、そのまま暴れたので皆で小畑を押さえつけた。

そのうちに小畑は声をたてなくなり、静かになった。

私は彼が観念したかと思ったのであるが、そこへ秋笹が上がってきて小畑を起こした。手ごたえなくこれはいかんと皆を難詰したのである。

被せた風呂敷を取り除いてみると顔色が既に変わっていたのであって、これは瞬時の出来事である。

それで秋笹が人工呼吸をしたが効果なく、逸見が脈を取ったが既になかった。自分は柔道の手で活をいれたがそれも駄目であった。

それで彼の死を知ったのである。(黒坂による訳はここまで)。

宮本さんは、小畑さんの手足を縛っていたことを認めています。以下は宮本さんの公判調書の抜粋です。




以下は、宮本さんの論考「スパイ挑発との闘争」の抜粋です。

宮本さんの公判調書や、論考「スパイ挑発との闘争」からも、小畑達夫さんに対して一昼夜間、過酷な査問が行われたと考えられます。私は医師ではないので断言などできませんが、松崎いたるさんの新説、エコノミークラス症候群が適切に思えるのです。医師の小池晃書記局長が、御自身のyoutubeでこの件を解説してくださると良いですね。

2022年8月7日日曜日

志位さんは不破さんの路線「台湾も一国二制度で中国に復帰させるべきだ」を内緒にしたいー不破さんの本「世紀の転換点に立って」(新日本出版社刊行)と志位さんの近著「新・綱領教室」より

志位さんは不破さんの中国論は駄目だったと思っている

志位さんはなぜ、ペロシ下院議長の台湾訪問を「一つの中国」の原則を踏みにじる行為だ、と徹底批判しなかったのでしょうか。 

不破さんがこの本で示した日中関係の五原則、を志位さんが尊重するなら、そう批判するべきでした。

この問題を考えるためには、不破さんが20数年前に中国共産党に示した提案を参照するべきです。これを志位さんが今、どう評価しているかという問題を考えるべきです。

志位さんは、不破さんの路線「台湾も一国二制度で中国に復帰させるべきだ」を内緒にしたいと考えられます。

不破さんのこの見地なら、米国政府や日本政府の要人が台湾を訪問し、台湾の総統と会談する事は一つの中国、の原則を踏みにじる無法行為です。

なぜ志位さんは不破さんの見地から、米国ペロシ下院議長を批判しなかったのでしょうか。

不破さんは台湾も香港と同様に、「一国二制度」で中国に復帰させるべきと主張

不破さんは著書「世紀の転換点に立って」で、台湾も香港やマカオと同様に、一国二制度という方式で中国に復帰させることが有効だと述べています(同書p122)。


不破さんによれば、香港、マカオはそれぞれ英国、ポルトガルの植民地だったので住民の意思は問題になりませんでした。

不破さんは中国共産党に、台湾の住民の支持を得て「一国二制度」の方式で中国に復帰させるべきだと提案しました。

志位さんが民主主義的中央集権制度の原則を重視するなら、改めて中国共産党と台湾の住民にこれを提案するべきでした。

志位さんがこれを実際に提案したら、台湾住民は勿論、日本の中でも相当批判されてしまうでしょう。

台湾に一国二制度、なら台湾市民は事実上選挙権、被選挙権を喪失してしまいます。

中国共産党の「一国二制度」とは台湾、香港の住民が中国共産党の指導に従う事

中国共産党によれば、香港では一国二制度が遵守されています。

中国共産党が主張する一国二制度とは、香港市民、台湾住民が中国共産党の指導に従うことなのです。

台湾、香港に国家安全維持法を施行することが、一国二制度を維持することなのです。

習近平が目指す偉大なる中華民族の復興、とは台湾、香港だけでなく日本やベトナム、東南アジア諸国も中国共産党の指導性とやらを認めることです。

不破さんは、自分の提案が中国共産党の台湾問題に対する政策を変えたと宣伝

不破さんは中国共産党に、台湾の住民の支持を得るようにすべきと主張したところ、中国共産党の台湾問題に対する態度が変わったとこの本で宣伝しています。

不破さんの提案に、10人近い中国共産党の代表団がざわめいたそうです。これは芝居でしょうね。

不破さんは中国共産党幹部の皆さんの芝居を信じたのです。今では志位さんも、中国共産党に騙されたな、と気づいている可能性が高い。

志位さんは不破さんが中国共産党に行った提案、中国共産党との交流を内緒にしたい

しかし志位さんは、公の場で不破さんの中国論は現実の中国と大きく異なる空論だった、不破さんは騙されたなどとは言えません。

志位さんが台湾は香港と同じように一国二制度で中国に復帰するべきだ、などと記者会見やテレビ番組で言ったら、日本共産党はやはり中国共産党と同じだと宣伝するようなものです。

志位さんは不破さんが行った中国共産党に関する提案、中国共産党との理論交流史を内緒にしたいのです。

志位さんは近著「新・綱領教室」でも、これらについて言及していません。

「新・綱領教室」には、中国共産党は市場に強い社会主義という、レーニンが目指した道を探求しているという話はありません。

市場経済を通じて社会主義に進む、という話は「新・綱領教室 下」(p189)に出ていますが、中国やベトナムがこれを探求しているという話は出ていません。

本音を内緒にしている日本共産党員は多いー山添拓議員の本音は日米安保があるからロシアは日本を攻撃できない

これなら、ロシア革命後に社会主義を目指した国々はあったが、全滅したという結論になりそうです。

吉良よし子議員ら若い日本共産党員は、昔の日本共産党の文献を読んでいないでしょうから、志位さんの近著を変だな、と感じることはないでしょう。

志位さんは本音では、市場に強い社会主義とは結局資本主義だな、と思い始めているのかもしれませんね。本音を漏らしたら厄介な事になるので、内緒にしていると考えられます。

日本共産党員は本音を内緒にして生きねばならない。時折本音を漏らしてしまう方もいますけれど。

山添拓議員は、本音では日米安保があるからロシアは日本を攻撃できないと思っているようです。











2022年8月6日土曜日

志位さんは中国共産党に、台湾政府と話し合えと要求できないー日本共産党の平和理論なら、日米軍事同盟強化を支持する台湾政府は戦争勢力ー

 日本共産党は先の参議院選挙で、ASEANに倣い東アジアであらゆる紛争問題を話し合いで解決する枠組みをつくるべきだと主張していました。

この見地なら、志位さんは中国共産党に台湾政府と話し合え、台湾政府のASEANに加盟と東アジアサミット参加を認めよと要求するべきです。

ところが、昨日の声明にはそんな話はありません。台湾に対する中国の軍事的威嚇の強化に抗議する│声明・談話・発言│日本共産党の政策│日本共産党中央委員会 (jcp.or.jp) 

志位さんは、台湾問題の解決はあくまで平和的話し合いで行われるべきだと述べていますが、話し合いの主体については言及していません。

福建省のどなたかが、台北に行って台湾に住む友人と何かを話し合えば台湾問題は解決する、と志位さんは考えているのでしょうか。

福建省の言葉は台湾の言葉と近いので、意思疎通が簡単ですから。

この件、小池晃書記局長に御自身のyoutubeで、日本共産党は誰と誰の話し合いにより台湾問題、とやらの解決を望んでいるのか、発言して頂きたいですね。

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: you tuber小池晃書記局長、台湾政府を東アジアの包括的な話し合いの枠組み、から排除すべきですかー (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 小池晃書記局長、絶対に戦争を起こさない血のにじむような外交努力を訴えるなら、台湾政府を東アジアの対話と協力の安全保障の仕組みに入れようとなぜ言えないのですかー (blueribbonasiya.blogspot.com)

志位さんは中国共産党との交流を継続したい

志位さんが中国共産党に台湾政府と話し合えと主張すると、不破さんが24年ぐらい前に締結した両党合意の、相互の内部問題不干渉に反してしまうという解釈がありえます。

志位さんは中国共産党を批判はしても交流関係は維持しようと考えているのでしょうね。

志位さんが中国共産党に台湾政府と話し合え、台湾政府のASEAN加盟と東アジアサミット参加を認めよと主張するなら、台湾政府の存在を認める事になります。

志位さんはこれが嫌なのかもしれません。この可能性もありますが、より本質的には日本共産党が依拠している平和理論に注目すべきです。

志位さんは中国共産党が核軍事力で台湾政府を脅かして屈服させ、国家安全維持法を台湾に普及する事は中国の内部問題とみなす

中国共産党は当然、台湾問題は中国の内部問題だから日本はいかなる干渉もするなと脅かします。
志位さんは声明で、日米が台湾問題に軍事的に関与する事に強く反対しています。

人民解放軍が台湾を攻撃したとき、米軍が座視するなら習近平は大喜びします。台湾統一の絶好の機会到来、と判断するでしょう。

志位さんは、中国共産党が台湾の完全領有すなわち台湾政府を破壊することを、大局的には社会進歩、歴史の発展と考えているのでしょう。

習近平が人民解放軍の核軍事力による脅迫で台湾政府を屈服させ、台湾に国家安全維持法を普及する事は、日本共産党にとって中国の内部問題です。

志位さんら日本共産党員は、レーニンの帝国主義論の枠組みで国際情勢を把握しますから、中国共産党、朝鮮労働党とロシアを大局的には平和勢力とみなします。

中朝露は米軍はアジアと欧州から出ていけ、と主張していますから。台湾政府は日米軍事同盟強化を支持しますから、日本共産党の平和理論では戦争勢力です。


志位さんは米国のペロシ下院議長の訪台を批判できなかった

ところで志位さんの声明は、日本共産党の平和理論から考えればおかしいのです。志位さんはペロシ下院議長の訪台を批判できませんでした。

ペロシ下院議長の訪台は、台湾海峡の軍事的緊張を激化させ、日米軍事同盟の強化を促すものだから断固反対、と志位さんは主張せねばなりませんでした。

志位さんは有事の際には日米安保第五条により米軍に出動要請することを断言していますから、米国をあまり批判できにくくなっているのでしょうね(「新・綱領教室」下巻p56より)。


田村智子議員は台湾政府を戦争勢力とみなしている

田村智子議員は、参議院選挙の時に街頭演説で繰り返し、ASEANに倣い東アジアであらゆる紛争問題を話し合いで解決する枠組みをつくるべきだと力説していました。

しかし田村智子議員は、志位さんと同様に中国共産党に台湾政府とは話し合え、台湾政府のASEAN加盟と東アジアサミット参加を認めよと要求できません。


田村智子議員は、日米軍事同盟強化を支持する台湾政府を戦争勢力とみているのでしょう。田村智子議員がこう明言したわけではないのですが、そう考えるとわかりやすい。

田村智子議員にとって台湾政府は戦争勢力なのですから、中国共産党が台湾政府を核軍事力で脅迫し、台湾に国家安全維持法を普及していくことを社会進歩、平和への貢献とみなすのは当然です。



2022年8月4日木曜日

志位さん、昔の日本共産党の大会決定や重要論文、32年テーゼ、27年テーゼを日本共産党のHPに掲載しましょうー昔の日本共産党はソ連を盲信ー

 志位さんが、最近のマスコミは日本共産党の全体像を把握せずに、断片だけで日本共産党を論じいていると怒っています。


youtubeでは以下です。

開始後9分ぐらいで志位さんは、最近のメディアはあらかじめつくられた反共の型紙に沿って、断片だけで自分に都合の良いように日本共産党を論じているものが多いと主張しています。日本共産党国会議員団総会 - YouTube

反共の型紙、断片とは例えばどんな話なのか、志位さんは語っていません。

日本共産党を反共の型紙、断片とやらで論じるのは勿論、不適切です。

そうさせないため、日本共産党本部のHPに宮本顕治さんが主導した時期の大会決定や、宮本顕治さんの昔の論文、日本共産党の無署名論文、国際共産党日本支部の時期の綱領ともいえる27年テーゼや32年テーゼを掲載するべきです。

日本共産党の歴史について論じるなら、これらに依拠して論じるべきだ、と志位さんからマスコミ関係者に記者会見で訴えたらいかがですか。

昭和36年7月の第八回大会で宮本顕治さんはソ連を礼賛しました。


志位さんはあらかじめ作られた型紙に沿って断片だけで日本共産党の歴史を論じている

ところで、日本共産党の文献に依拠して全体像を論じるのではなく、あらかじめつくられた型紙に沿って断片だけを論じているのは、志位さんの「新・綱領教室」ではないですか。

この件、私は以下で論じました。志位さんは、昔の日本共産党がソ連を盲信していたことを内緒にしたいのでしょうね。



志位さんは国会議員団の皆さんに、理論の勉強をしようと呼び掛けています。国会議員団の皆さんは、日本共産党の昔の文献を殆ど読んでいないと考えられます。

山添拓議員、吉良よし子議員は日本共産党がソ連崩壊の四年ほど前まで、ソ連を高く評価していたことを御存知ないでしょうね。


上記で引用している無署名論文を是非、日本共産党本部のHPに掲載して頂きたいものです。65年間の日ソ両党関係の主要な部分は、友好と協力の関係だそうです。

これは志位さんの宣伝と異なっていませんか。