2016年7月28日木曜日

レーニンとボリシェヴィキ(後のソ連共産党)によるロシア正教会弾圧に思う(廣岡正久「ロシア正教の千年」1993年、NHK Booksより)

「安全である者は一人としてなく、誰もが欠乏、略奪、逮捕そして死刑に怯えながら毎日を過ごしている。毎日数百人にも上る無力な市民が捕えられ、何か月もの間不潔な牢獄に朽ち果てるままに放置され、審査も裁判もなしに処刑される。...


処刑されるのは、あなたがたに対して有罪である人たちだけでなく、ただ人質として収容され、あなたがたが無罪であることを知っている人たちなのだ。何の罪もない主教、司祭、修道士そして尼僧たちが、反革命などという大雑把で、曖昧かつ不明確な罪名で射殺されている」(「ロシア正教会の千年」p144-145掲載のチーホン総主教によるメッセージより抜粋)。


まるで北朝鮮社会のようです。不破哲三氏や聴濤弘氏(日本共産党元参議院議員)らが称賛する、レーニンの時代のロシア社会は、現在の北朝鮮と大差ない。

1917年のロシア革命の一年後にチーホン総主教はレーニンらボリシェヴィキ(後のソ連共産党)に勇気あるメッセージを送りました。

チーホン総主教はロシア革命の真っただ中に、ロシア正教会の第十一代総主教に選出された方です。この本によれば、1914年当時ロシアの総人口の約70%が正教会の信者でした。

ロシアは多民族国家です。ロシア人はほぼ100%が正教会の信者でした。

唯物論者すなわち無神論者のボリシェヴィキにとってロシア正教会は旧体制の重要な支柱の一つですから、徹底的に対決し根絶されねばならない存在だったのです。

チーホン総主教はレーニンとボリシェヴィキ、ソ連政府を正面から批判するメッセージを送ったのです。殉教を覚悟されていたのではないでしょうか。

ソ連政府はチーホン総主教を直ちに逮捕し、軟禁しました。

さらにボリシェヴィキは、教会財産の没収に乗り出しました。内戦の中、各地で教会財産の没収に反抗する信徒は抵抗しました。

この本によれば、教会財産をめぐるボリシェヴィキの迫害により8100人の聖職者とおびただしい数の信徒が殺害されました。

チーホン総主教は1923年4月の裁判で「反ソ的言動」の撤回を余儀なくされました(同書p152)。

チーホン総主教はかなりの拷問と、何らかの脅迫をされたのではないでしょうか。

遠藤周作の「沈黙」のフェレイラとチーホン総主教


遠藤周作の「沈黙」を思い出しました。私は基督教徒ではありません。ロシア正教会の教えについて何も存じません。

しかし「沈黙」のフェレイラとチーホン総主教が重なってくるように思えるのは、私だけでしょうか。チーホン総主教は、信徒たちを守るために「転向」を余儀なくされたのではないでしょうか。

チーホン総主教のボリシェヴィキに対するメッセージをもう少し抜粋しておきます。吉良よし子議員ら若い共産党員はロシア革命の現実について一切御存知ないようです。

共産主義者であることに誇りを持っているなら、「偉大なロシア革命」の現実について学ぶべきです。

「偉大なロシア革命」とは、基督教徒の虐殺と抑圧だったのです。北朝鮮と同じです。レーニンこそ、スターリン、毛沢東、金日成そして金正日の師です。

数家族が、そして時には一棟に住む全住民が立ち退きを強要され、その財産が路上に放り出されているのに、また市民が人為的に分類され、ある者は窮乏のゆえに盗人になることを余儀なくされるというのに、それが自由であるというのか。

言論の自由、表現の自由はどこにあるのか。説教を行う自由はどこにあるのか。

多くの勇気ある教会の説教者たちは、すでに血の代償を、殉教者の血を支払った。社会と国家についての討論は抑圧された。新聞は、一部の親ボリシェヴィキ派を除くと完全に窒息させられた。

2016年7月20日水曜日

「躍動する祖国朝鮮に帰って 帰国者からのたより」(「世界政治資料」臨時増刊『伸びゆく社会主義朝鮮』1960年3月号、日本共産党中央委員会発行)より思う

拝啓 お母さん、お元気ですか。ながい間迷惑のかけとおしだった私たち三人は、無事祖国の土をふむことができ、新しい人生のスタートをきりました。これはみな、愛情をもって理解してくれたお母さんのおかげと感謝しております。品川駅をでて、しばらくは涙がとまりませんでした。途中、高崎、前橋と夜中にもかかわらず同胞のあたたかいもてなしをうけ、予定どおりセンターに入りました。


これは、「世界政治資料」という日本共産党が刊行していた雑誌に掲載されている、北朝鮮へ渡った日本人妻林愛子さんによるお母さんへの手紙の一部です。

手紙の日付が昭和35年1月13日になっていますから、56年くらい前です。

林愛子さんはお子さん二人と北朝鮮に帰国されたのでしょうか。御主人が一足先に帰国なさっていたのかな。「キューポラのある街」に出てくる在日朝鮮人一家はこんな感じでしょうか。

手紙によれば、林さんはハムフン医科大学病院で働くことになったようです。ハムフンは北朝鮮の北方の港町です。かなり寒い。

一家は五階建てのアパートの四階の13号室に住むように手配されました。部屋は二つで台所、水洗便所もあります。一か月の食べ物が全て整っていました。

手紙によれば帰国した子供たちのための特別授業があり、お子さんも通学しているそうです。

千里馬の勢いで社会主義を建設する共和国は本当に素晴らしい。自分たちも帰国しよう!とこの手記を読んだ在日朝鮮人や日本人妻は決意を新たにしたのではないでしょうか。

林愛子さん一家のように帰国事業のごく初期に北朝鮮へ渡った方々は、平壌を見物することができました。もう少し後になると、清津で配置を決定され、すぐに移動させられました。

林愛子さんは金日成とも面会したそうですから、当時の朝鮮労働党が宣伝用に重視した日本人妻の一人だった可能性が高い。なぜ林愛子さんが重視されたのかは不明です。

北朝鮮は常に体制の優位性を宣伝する


「世界政治資料」には3人の帰国者の手紙が掲載されています。どの手紙も、北朝鮮の素晴らしさを熱烈に書いていますが、これは公表を前提とした体制宣伝文書とみなすべきです。

林愛子さんが金日成と会ったことに着目すべきです。当時の在日朝鮮人はこれで感激したでしょう。

共産主義国は、宣伝を最重視します。朝鮮労働党には、宣伝扇動部という強力な権限を持つ部署があります。昔の日本共産党のアジプロ部に該当するような部署です。

帰国者が親族にあてた手紙は当局の検閲を受けています。親族への手紙の中でさえ、帰国者は体制宣伝をせねばならなかった。林愛子さんの言動を監視する人物が複数いたはずです。

林愛子さん一家には一か月分の食べ物が給付されたそうですが、そのあとはどうなったでしょうか。当時でさえ、北朝鮮は慢性的な食糧不足でした。宣伝が終わればおしまいの可能性が高い。

食糧は一家ごとに割り当てられるチケットと引き換えで配給されるはずですが、その制度がハムフンでいつまで継続したか不明です。チケットがあっても物資をくれなければ空手形です。

小さい子供たちはお菓子を食べたがったはずですが、北朝鮮にお菓子やアイスクリームの配給制度はありません。玩具配給制度もありません。

若い女性なら、多少の化粧はしたいでしょうが化粧品など配給物資にはありません。闇市場でも化粧品購入は困難だったでしょう。洒落た衣服など買えるはずもない。

寒いことこの上ないハムフンで、暖房設備はどうだったか、寝具がどのくらい配給されたのかは不明です。寒さで風邪をひいても、北朝鮮では薬があまりない。抗生物質は貴重品です。

社会主義計画経済ですから、計画にないものは生産、配給されません。良い物資は平壌や、特権層に優先的に配給されます。ハムフンはさほど良い地域ではない。

子供たちは学校で、金日成崇拝教育を受けたはずです。この時期はまだ金正日が登場していないので、70年代と比較すれば軽度でしたが。

北朝鮮へ帰国した元在日朝鮮人の実情については、宮崎俊輔「北朝鮮大脱出 地獄からの生還」(新潮OH!文庫)が詳しい。宮崎さんの母、和歌子さんは日本人妻でした。

元在日朝鮮人や日本人妻は潜在的反体制派-「動揺階層」


元在日朝鮮人や日本人妻は日本の自由な生活を知っていますから、生活への不満はもちろん、気軽に体制批判をします。

朝鮮労働党の指示でも、非合理的なことがあればすぐに口答えしてしまいます。日本にいたとき、自民党政府を批判するような気持で金日成や労働党を批判してしまった方もいたようです。

北朝鮮で生まれ育った人々からみれば、これは信じられない奇行、愚行でした。

朝鮮労働党からみれば帰国者は潜在的な反党宗派分子(反体制派のことを北朝鮮はこう呼ぶ)です。

北朝鮮には全住民をその出自により差別する「成分」制度があります。核心階層、動揺階層、敵対階層の3つの成分があり、これにより物資の配給、進学、就職が区別されます。

殆どの帰国者は動揺階層に区分されたようです。金日成と朝鮮労働党に対する忠誠心が低く、動揺するとみなされたからです。

動揺するというより、人生には様々な選択肢があること、金日成や朝鮮労働党の命令とは違う生き方があること在日朝鮮人は実感として知っていました。これが危険とみなされたのです。

宮崎俊輔さんは上記著書で、帰国者は自由な思考ができるから危険視されたと述べています。

お前の夫は「学習」に行った―行方不明になった元在日朝鮮人は少なくない


体制への不満を口走ったことが監視役から当局に通報されれば、突如山間僻地に追放されてしまいます。日本の親族とは以降、一切連絡が取れなくなります。

僻地への追放を北朝鮮当局、労働党は、「学習に行く」と言います。ある日、夫が「学習に行った」と突然当局に言われ、その後二度と連絡が取れなくなってしまった日本人妻もいました。

林愛子さん一家がその後どうなったかは全くわかりません。90年代後半の「苦難の行軍」という飢饉のとき、御一家はどうしていたでしょうか。ハムギョン道ではかなりの餓死者が出ました。

昭和34年末より行われた在日朝鮮人による集団的な北朝鮮への渡航、帰国事業により北朝鮮へ渡った元在日朝鮮人とその家族は約93000人です。

日本人妻はそのうち約1800名でした。日本人妻のうち、再度日本の土を踏めたのは脱北して戻ってきた方を含めれば、1パーセントを越えているでしょう。

北朝鮮は住民の外国旅行を基本的に禁止しています。

外国へ行けるのは「外貨稼ぎ」のために建設現場などで低賃金重労働をする、当局が経営する料理店などで働く、工作員として策動する、韓国要人暗殺のために現地に行く方等です。

圧倒的多数の日本人妻は、親兄弟と生き別れになってしまいました。日本の親族が数千万円程度の寄付を在日本朝鮮人総連合会にした場合には、一時帰国を許可された例があるようです。

在日本朝鮮人総連合会関係者は日本人妻に「3年すれば里帰りさせてやる」と大嘘をついた


日本共産党がかつて、テロ国家北朝鮮をしつこく礼賛していたことを本ブログは繰り返ししてきました。

宮本顕治氏に至っては、北朝鮮がとんでもない人権抑圧国家であることを十分にわかっていても北朝鮮礼賛を繰り返しました。

宮本顕治氏は一人でも多くの在日朝鮮人を帰国させ、金日成の「奴隷」を増やすべく尽力しました。「地獄への片道切符」配布がそんなに楽しかったのでしょうか。

宮本顕治氏ら日本共産党員が昭和34年の帰国事業開始当時から北朝鮮の凄惨な現実を知っていたわけではありません。

「世界政治資料」臨時増刊「伸びゆく社会主義朝鮮」(1960年3月、日本共産党中央委員会発行)が出された頃なら、宮本顕治氏らも北朝鮮の現実をよくわかっていなかったでしょう。

昭和43年の訪朝時には、宮本顕治氏らはかなりの情報を得ていました。これは「北朝鮮覇権主義への反撃」(新日本出版社刊行)の不破哲三のインタビュー記事より明白です。

わかっていないなら、無責任な礼賛や宣伝を差し控えるべきでしょうが、共産主義者に共産主義国宣伝をやめろと言っても無駄です。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんは、夫と共に北朝鮮へ渡る決意をした日本人妻に「3年すれば里帰りさせてやる」と言ったそうですが、これは大嘘でした。

日本人妻の中には、金日成に里帰りを直訴した方がいた


殆どの日本人妻には、数千万円もの寄付を在日本朝鮮人総連合会にする親族はいませんから、一時帰国すらできませんでした。政治犯収容所に連行されてしまった方もいます。

日本人妻の中には、金日成が現地指導に来たとき里帰りを直訴した方がいたらしい。剣徳鉱山というところでそういう「事件」があったとある脱北者から私は伺いました。

北朝鮮社会では金日成に直訴など、とんでもない違法行為です。「民族反逆者」のレッテルを貼られかねない。直ちに政治犯収容所とまではいかなくても、「山送り」になった可能性があります。

「山送り」とは、水道、電気がないような山間僻地の小屋のようなところに強制移住させられることです。そんな地域には配給などほとんどありませんから、何かの闇商売をやるしかない。

「学習に行った」日本人妻もいたことでしょう。

「楽園の夢破れて」著者関貴星氏の生き方に思う


北朝鮮へ渡った元在日朝鮮人らの惨状を、昭和35年8月に訪朝した関貴星さんは、そのときの体験談「楽園の夢破れて」を昭和37年に全貌社から刊行しました。

平成9年にこの本を「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」が復刻しました。

関貴星さんはこの本の刊行当時もその後も、在日本朝鮮人総連合会関係者から反動、スパイなどと罵られたそうです。

関貴星さんの著作は生前にはあまり顧みられませんでした。しかし関貴星さんが昭和37年に北朝鮮を徹底批判したことを、後世の私たちは忘れるべきではありません。

「楽園の夢破れて」がもっと多くの人に真剣に読まれていれば、日本人の朝鮮半島と在日韓国・朝鮮人に対する認識が変わっていたはずです。

日本政府は対北朝鮮ラジオ放送で金正日の女性関係を暴くべきだ


日本政府は北朝鮮に対し「対話と圧力」という方針にいまだに固執していますが、これを「圧力と思想攻撃」に転換すべきです。普通の「対話」が通じる相手ではない。

日本政府は対北朝鮮ラジオ放送で金日成、金正日を批判すべきです。

金日成が日本軍に討伐されてソ連領に逃げ込んだこと、金正日の女性関係を対北朝鮮ラジオ放送で放送すべきなのです。

金日成が、「朝鮮は偉大なソ連邦により解放された」と自ら論文で述べていたことを対北朝鮮ラジオ放送で指摘するのも面白い。北朝鮮の住民は、中国朝鮮族からその情報を得られます。

これをやれば、北朝鮮が直ちにラジオ放送をやめろ、さもなければ核攻撃を加えるというような脅迫をしてくる可能性があります。

そのとき日本政府は、「ラジオ放送をやめてほしければ横田めぐみ、有本恵子、増本るみ子さんらを返せ。返さなければ海外衛星放送で金正日の女性関係について放映する」と言えば良い。

これをやれば、テロ国家北朝鮮との「対話」「交渉」が始まるのです。金正恩、金予正は驚愕しうろたえるでしょう。これをやれば、労働党最高幹部さえ心中で喜ぶかもしれません。

労働党最高幹部には心中で、金正恩と妹金予正に激しい憎悪心を抱いている人物がいくらでもいるはずです。

金正日の女性関係が住民の中に広まれば、「最高尊厳」とやらの権威は地に落ちます。

「楽園の夢破れて」の一部を抜粋して引用します。関貴星氏の必死の叫びに、政治家の皆さんには耳を傾けていただきたい。

ところが社会主義の国、北朝鮮の現実はどうであったか。


社会はあまりにも階級的であり、党員と一般人民との差はあまりにもひどすぎた。そして自由であるべき人民は、共産主義を信奉するか共産主義に屈従しなければ、肉体も精神も自分の所有にならなかった。


北朝鮮では労働党員、とくに高級党員とさらにその上の特権階級だけが自由で、富貴で贅沢ざんまいの生活ができ、働く一般人民は一杯の冷麺を食うのにもびくびくしなければならない低賃金で苦しんでいた。







2016年7月17日日曜日

革命的階級は、反動的戦争の場合には、ただ自国政府の敗北を願いうるばかりである。政府軍隊の敗北は、支配階級にたいする内乱を容易にする(日本共産党の32年テーゼより抜粋)

帝国主義戦争の内乱への転化を目標とする日本共産党は、戦争の性質に適応してそのスローガンを掲げ、反戦活動を行わねばならぬ(「32年テーゼ」より抜粋。「日本共産党綱領文献集」掲載。発行は日本共産党中央委員会出版局、1996年)。


吉良よし子議員ら今の若い共産党員の皆さんにとって、80数年前の文書をいまさら持ち出されても困るかもしれません。自分たちには全く関係ない、と言いたいかもしれません。

若い共産党員の皆さんは、昔の日本共産党の文書を全く読みません。昔の共産党が実際にどんな主張をしていたのかを全く知らないで、駅前でビラを撒いているだけなのです。

図書館などで昔の共産党の「赤旗」掲載の声明や文献を調べてみるという知的誠実さが若い共産党員にはない。

北朝鮮の実態を、北朝鮮で長年生活していた脱北者の手記を読んで考えることができない在日本朝鮮人総連合会の皆さんと通じるものがあります。

80数年前には、宮本顕治氏や蔵原惟人氏、小林多喜二氏ら若者が共産党中央にいました。

革命運動に青春を捧げた彼らがどんな革命戦略を持っていたのか。何を思い、誰を信じていたのか。

小林多喜二氏はソ連の文芸理論に通じていた蔵原惟人氏を深く尊敬していました。「党生活者」からこれは明らかです。

吉良よし子議員ら若い共産党員は、昔の共産党員が信奉した文書は自分たちとは無関係だと本気で主張しますか?

本ブログでは何度も昔の日本共産党の文献を取り上げて論じていますが、共産主義運動の歴史を論じるなら当時の文献をきちんと読むべきではないでしょうか。

昔の日本共産党は、軍国主義政府の厳しい弾圧にも関わらず、主権在民を掲げ、平和と民主主義のために戦ったという類の宣伝を現在の日本共産党はしています。

これは大嘘です。

昔の日本共産党は、資金と「理論」を世界共産党(コミンテルン)に依存していました。昔の日本共産党は、スターリンとソ連共産党に忠誠を誓っていたのです。

外国から指示を受け、資金と武器を受け取り内乱を策している連中は売国奴かつテロリスト集団ではないですか。

「〇〇〇〇原理主義」「〇〇〇真理教」というテロリスト集団が主権在民、平和と民主主義のために戦っているわけがない。

〇〇〇〇原理主義の連中は、フランスやベルギー、欧州の平和と民主主義を守っていますか?

「32年テーゼ」は、大衆闘争を徹底的に行って帝国主義戦争を内乱に転化せよと明記しています。戦前も、戦後の一時期も宮本顕治氏らは一貫して「議会を通じての革命」を否定していました。

宮本顕治氏は武装闘争、テロの「理論家」だったのです。御本人の表現を借りれば、マルクス・レーニン・スターリン主義者です。

日本共産党はソ連に資金と「理論」で依存し、スターリンに忠誠を誓っていた


「32年テーゼ」と言っても、吉良よし子議員ら若い共産党員は何も知らないかもしれません。少し説明しておきます。

これは、宮本顕治氏ら戦前の日本共産党が信奉していた「革命戦略」の文書です。藤野保史議員ならきっとご存知です。

スターリンに対する宮本顕治氏の忠誠は、本ブログで何度も取り上げた宮本顕治氏の論考「共産党・労働者党情報局の『論評』の積極的意義」からも明らかです。

ソ連と日本が戦ったとき共産党員は当然、ソ連が勝つように日本で内乱を起こさねばなりません。共産主義者は、自国政府の敗北を願うのです。

「帝国主義戦争を内乱に転化せよ!」はロシア革命の頃のレーニンのスローガンです。「中国国民の解放」とは、中国共産党の勝利のために日本共産党は貢献せよという意味です。

今日の日本共産党が、自衛隊の装備の大幅削減を主張するのは、中国や北朝鮮が日本に侵攻した際、日本が負ければ日本革命にとって有利という判断があるからと考えたら、わかり易い。

吉良よし子議員ら若い共産党員にはそんな発想はないでしょうが、不破哲三氏や志位和夫氏ら最高幹部ならそれくらいの議論をしていてもおかしくない。

昭和43年1月の青瓦台事件のとき、当時の日本共産党最高幹部は「赤旗」記事とは全く異なる情勢判断をしていましたが、それを下部党員や「赤旗」読者には隠ぺいしていました。

日本共産党最高幹部が、下部党員に決して明かせない情勢判断や政策決定をしている場合もあるのです。聴濤弘氏(元参議院議員)なら、何か心当たりがあるかもしれません。

宮本顕治氏らは、日本を「人間抑圧社会」にするために獄中で長年闘争した


スターリンとソ連共産党は共産党を批判する人を「人民の敵」呼ばわりし政治犯収容所に連行する体制を32年テーゼの頃には確立していました。

これが悪名高き「プロレタリア民主主義」「ソビエト民主主義」です。

日本をソ連のような社会、今日の不破哲三氏の言葉を借りれば「人間抑圧社会」にするために日本共産党は戦ってきたのです。

「人間抑圧社会」建設のために、不屈の闘志で宮本顕治氏らは獄中闘争を行いました。

これは、昔の日本共産党員が金科玉条のごとく崇めていた「32年テーゼ」(日本における情勢と日本共産党の任務にかんするテーゼ)を読めば明らかです。

どういうわけか、共産主義者は「テーゼ」という語の入った文書を最重要視します。レーニンの「四月テーゼ」の影響でしょうか。

金日成にも「社会主義教育テーゼ」「農村テーゼ」など、「テーゼ」という語の入った論文があります。朝鮮学校の教育方針の基本は、「社会主義教育テーゼ」です。

テロリストは妄想の世界に生きている


昔の日本共産党員は大まじめに、「全国にわたり広範に、労働者農民兵士ソビエト」とやらを樹立することを考えていたのです。妄想の世界に生きていたとしか言いようがありません。

労働者農民兵士ソビエトをつくりましょう!と共産党員が呼び掛けて、はいそうしましょうと答えた人が一体何人いたのでしょうか。

テロリストは、自分たちだけで理解しあえる独特の術語を用いて現実とは無縁の、妄想の世界を心中に描きます。独特の術語を用いることにより、英雄になったような気分に浸れるのです。

内戦や「武装闘争」、要人暗殺などのテロはその世界の中では正当化されるのです。

現在の日本では、在日本朝鮮人総連合会関係者により構成されている非公然組織が、昔の日本共産党員のような発想で世界を把握し策動しています。

彼らにより、たくさんの日本人が拉致されました。彼らが、北朝鮮から派遣されて侵入してくる武装工作員と連携し、想像を絶するようなテロを断行する可能性があるのです。

大韓航空機の爆破を確認したとき、犯人の一人金賢姫は「自分たちは本当に偉大なことをやった!」と思ったそうです。

吉良よし子議員ら若い共産党員は「32年テーゼ」を少しは読むべきだ


「32年テーゼ」のうち、奇奇怪怪な術語のある文章を以下、抜粋して紹介します。吉良よし子議員ら若い共産党員が読めば、不気味に感じるだけかもしれません。

過激派、テロリストの妄想の世界ですからね。昔の共産党員がこれををいくら宣伝しても、世人には軽蔑されるだけだったでしょう。武装してソビエト政府をつくろうというのですから。

常識はないが、奇妙な理屈を延々と並べて妄想の世界をあたかも現実のように他人に見せる能力を持つ人が、優秀な革命家、共産主義者なのです。宮本顕治氏は優れた革命家でした。

下記に、若き宮本顕治氏、蔵原惟人氏らは心躍らせたことでしょう。

現在の時期にたいする主要な緊切な行動スローガンは次のごときものでなければならぬ。

(一)帝国主義戦争反対、帝国主義戦争の内乱への転化。

(二)ブルジョア=地主的天皇制の転覆。労働者農民のソビエト政府の樹立。

(途中略)

労働者農民の革命は、それが労働者農民兵士ソビエトの権力を樹立する場合にのみ勝利しうる。

革命的変革の諸関係の下で共産主義者にとっての欠くべからざる任務は、次のごとくである。

すなわち革命的情勢の存在するとき、なかんずく天皇制の転覆の瞬間において、全国にわたり広範に、労働者農民兵士ソビエトを樹立すること、ブルジョア=地主的独裁の完全なる粉砕(警官、憲兵、陸海軍兵士の武装解除、労働者農民の武装、プロレタリア赤衛軍の創設、議会や中央および地方の権力機関の解散、労働者農民による官吏の選挙制の実施、等々)のために闘争すること、これである。




2016年7月12日火曜日

上田耕一郎氏の自衛隊即解散論「自衛隊については、対米従属、国民にたいする弾圧、憲法違反の軍隊としてただちに解散すべきと共産党は主張しています」より思う(「先進国革命の理論」大月書店昭和48年刊行、p268)

もう一つの重要な点は、反動的国家機構の変革にあたって、決定的な役割を果たすのが軍事的=官僚的機構を粉砕するという革命的課題だということである。(不破哲三「国家独占資本主義における修正主義」、「前衛」1963年3月号、4月号掲載論考より抜粋)。


一昔前の日本共産党は、自衛隊は直ちに解散させるべきだと大真面目に主張していました。

共産主義理論によれば自衛隊は「反動的国家機構」の軍事的=官僚的機構の中心ですから、粉砕せねばならないのです。若き不破哲三氏は「前衛」掲載論文でそう断言していました。

自衛隊を即解散もしくは粉砕せねばならないですから、防衛費を「人を殺すための予算」と共産主義者が断言するのは当然です。藤野保史議員は共産主義理論を良く学んでいる。

故上田耕一郎氏は、不破哲三氏の実兄です。御二人とも東京大学出身で、この世代の日本共産党の代表的理論家でした。

御二人の共著「マルクス主義と現代イデオロギー」(昭和38年大月書店)や、不破哲三氏の「マルクス主義と現代修正主義」(昭和40年大月書店)、上田耕一郎氏の「マルクス主義と平和運動」(昭和40年大月書店)、「先進国革命の理論」を読まずして、日本の共産主義運動を語ることなかれ、と私は言いたいですね。

上田兄弟の一昔前の著作では、共産主義理論の原理論ともいうべき革命理論、国家論から政策や戦争論を説いています。

吉良よし子議員は読書好きだそうですが、これらは読んでいないでしょうね。革命理論を知らない方が、共産党の国会議員をやっているなら国民を愚弄しているとしか私には思えません。

今日の日本共産党も、「国民の合意」さえあれば、中国や北朝鮮による日本侵略の危険がどうであれ、自衛隊を直ちに解散するのでしょう。

上田耕一郎氏の「核抑止論」-ソ連の核兵器は防衛的


上田兄弟は共産主義理論の術語を巧みに用いて、自衛隊解散論を全力で国民に普及していました。

昭和48年の「先進国革命の理論」では、「民主連合政府とその政策」という一問一答形式の論考で上田耕一郎氏は自衛隊を直ちに解散すべきと断言していました。上記はその一部です。

上田耕一郎氏によれば、日本の安全はどこかから侵略される危険というよりも、日本がアメリカの侵略の手先になるとか、日本自身がアジアの諸民族に侵略戦争を仕掛ける危険により一番脅かされているそうです。

上田耕一郎氏はソ連の核兵器が米帝国主義の戦争政策から世界平和を守る抑止力になっているという「核抑止論」を著書「マルクス主義と平和運動」で唱えました。

若き不破哲三氏は自衛隊粉砕論を主張した


共産主義理論によれば戦争を起こすのは帝国主義です。搾取制度を廃止した社会主義国であるソ連や中国、北朝鮮は平和陣営、三大革命勢力の一つです。

平和陣営、三大革命勢力の北朝鮮が日本や韓国に戦争を仕掛けたり、潜水艦や工作船、武装ゲリラを派遣してテロや拉致を行うことなど絶対にありえない、そんな話になっていたのです。

共産主義理論では、共産主義国は平和陣営です。「革命戦争」という「理論」もありそうですが。

ソ連軍による満蒙開拓民への残虐行為を、上田兄弟の世代の日本人ならよく知っていたはずなのですが。

共産主義国の現実を調べて、それがどういう仕組みにより成立しているのかという実証的思考が、上田兄弟にはできなかった。できないというより、あえてしなかったのかもしれません。

宮本顕治氏は共産主義国に対する実証的思考が全くできない方でした。

共産主義者の「分析」手法はマルクスやレーニン、スターリン、毛沢東や金日成の本を読んで術語を並べ、共産党の決定や決議により正当性を主張するだけです。

若き不破哲三氏が力説するように、日本革命のためには「軍事的=官僚的機構」の粉砕がどうしても必要です。自衛隊は「軍事的=官僚的機構」の中心ですから、粉砕する以外ないのです。

「粉砕」という語が具体的に何を意味しているのか、この論文では何も記されていません。要は、政権を握ったら問答無用で直ちに自衛隊を解散することなのでしょう。

自衛隊粉砕とは、政府の命令により解散させるか、それができなければ自衛隊の装備を大幅に削減し壊滅的な打撃を与えてしまうことなのでしょう。

今日の日本共産党も自衛隊の装備の大幅削減を主張しています。この意味を、少し考えてみましょう。

北朝鮮の武装工作員が日本に潜入し、生物・化学兵器で大規模テロを断行したら...


北朝鮮の武装工作員が日本国内に潜入し、生物・化学兵器による大規模なテロを断行し、とんでもない数の犠牲者が出てしまったら日本政府はどうすべきなのでしょうか。

日本共産党はきっと、「六か国協議緊急開催を呼びかけるべきだ」「外交ルートで抗議すべきだ」という類の主張をし、日本が北朝鮮へ反撃することに全力で反対するでしょう。

不破哲三氏ら日本共産党最高幹部は、昭和43年1月の「青瓦台事件」(北朝鮮が武装工作員をソウルに侵入させて韓国の朴大統領暗殺を企図した事件)の経緯をよく知っています。

従って不破哲三氏は、北朝鮮が「日本はわが共和国の自主権を侵害した」などという理屈で日本に対し、大規模なテロを実行する可能性があることを熟知しています。

自衛隊の装備を今から大幅に削減しておけば、大量の犠牲者が出ても日本政府は北朝鮮に一切反撃できません。自衛隊が敵基地攻撃能力をなくしたら、反撃不能です。

警察の装備(ライフルと拳銃程度)で北朝鮮に反撃できるはずがない。

共産主義者の狙いは、共産主義国からの攻撃に対し、資本主義日本が反撃不能の状態にすることです。

共産主義者は、帝国主義(米日)と共産主義国(中国、北朝鮮)が対決した場合、共産主義国が勝利するようにあらゆる宣伝を行い、帝国主義側の国民が武装解除に同意するように努力します。

自衛隊が北朝鮮に反撃する能力を持っていなければ、北朝鮮は気軽にテロをできる


自衛隊に北朝鮮への反撃能力が一切なければ、北朝鮮は日本に対して気軽にテロや生物・化学兵器攻撃をできる。

北朝鮮の武装工作員が来襲しても、警察の装備では勝負になりません。警察官が北朝鮮の武装工作員を逮捕するべく接近したら、殉死者が続出してしまう。

自衛隊が戦車を出動させても、武装工作員が市民を人質に取り、市街地にたてこもったら何もできないかもしれません。

武装工作員を殲滅するため自衛隊の戦車が公道を走れば、道路交通法違反で自衛隊員が逮捕されてしまうかもしれません。戦車を警察のパトカーが先導するのでしょうか?

パトカーが武装工作員のロケット砲で吹き飛ばされてしまいます。

自衛隊が北朝鮮武装工作員を殲滅するために市街戦を行うのは、現在の法では困難です。自衛隊による私権の制限が殆ど認められていませんから。

腹が立ちますが、現状では北朝鮮武装工作員のやりたい放題になってしまう可能性があるのです。村上龍「半島を出よ」(幻冬舎)は絵空事ではない。

不破哲三氏は北朝鮮が強力な特殊部隊を持っていることを昭和43年くらいから熟知していた


宮本顕治氏、不破哲三氏は北朝鮮が強力な特殊部隊を持っていることを、48年くらい前から熟知していました。「北朝鮮覇権主義への反撃」を読めば明白です。

それにも関わらず、日本共産党は自衛隊即解散を長年主張してきました。北朝鮮によるテロを側面から支援するためとしか私には思えない。

米国、日本と北朝鮮が対決した場合、北朝鮮が勝利するように努力するのが、共産主義者なのです。第一次世界大戦でレーニンは、自国ロシアの敗北を望みました。

自国が共産主義国との戦争に負ければ、社会不安が高潮し革命的情勢が到来しうる。「帝国主義戦争を内乱に転化せよ!」はレーニンの教えです。

自衛隊即解散、粉砕は日本共産党の悲願です。「防衛費は人殺しのための予算だ」と主張した藤野保史議員は、若き上田耕一郎氏、不破哲三氏とレーニンからよく学んでいるのでしょう。



2016年7月10日日曜日

それでも宮本顕治氏(元日本共産党議長)は北朝鮮を礼賛し、一人でも多くの在日朝鮮人を北朝鮮に帰国させようとした

私どもは、あなたがたの党代表者会議における金日成同志の報告、および最高人民会議における十大政綱、この報告を読んで、みなさんがたの党が、金日成同志の指導のもとに正しく、確固とした道を成功的にあゆんでおられるということを心から喜んでいます(「赤旗」昭和43年8月28日記事より。「新しい日本への道2」新日本出版社刊、p128にも掲載)。


日本共産党は長年、ソ連や中国、北朝鮮、東欧を「平和のとりで」「社会主義を建設している」「医療と福祉が良い」などと宣伝してきました。

聴濤弘氏(元参議院議員)は、日本共産党でソ連礼賛を最も行ってきた一人でした。

「北朝鮮覇権主義への反撃」(新日本出版社刊)掲載の不破哲三氏のインタビューによれば、日本共産党最高幹部は昭和42年末に朝鮮労働党が発表した「十大政綱」を読み、北朝鮮が「解放戦争」の名目で韓国への南進を企ていることを察知していました。

昭和43年1月に起きた「青瓦台事件」(北朝鮮の武装工作員が、韓国の朴大統領殺害のために潜入し、ソウル市内で銃撃戦をした事件)について少し記しておきます。

昭和43年1月の「青瓦台事件」が北朝鮮武装ゲリラによるテロであることを不破哲三氏らは熟知していたが、「赤旗」記事はテロを礼賛していた


宮本顕治氏、不破哲三氏らはこれが韓国の闘争の必然の産物などではなく、北朝鮮が送り込んだ武装ゲリラによるテロであることを認識していました。

ところが、宮本顕治氏ら当時の日本共産党最高幹部はこの認識を下部党員と「赤旗」読者には知らせませんでした。

この時期の「赤旗」紙面では北朝鮮の武装工作員によるテロが韓国人民の闘争の必然の産物であるかのような「報道」がなされていました。

この件については、本ブログ(2013年10月10日)で詳しく説明しています。

昭和43年8月に宮本顕治氏、不破哲三氏、松本善明氏らが北朝鮮を訪問しているのですが、そのときにも北朝鮮は日本共産党代表団が宿泊した部屋に盗聴器を仕掛けていました。

北朝鮮がとんでもない抑圧国家であることは、この時点でも明白でした。

盗聴器を外国の政党に仕掛けるなら、元在日朝鮮人が住む家にも当然仕掛けられていることが少なくなかったはずです。

自宅で家族と内緒の話もできないような抑圧社会に、元在日朝鮮人は帰国してしまったのです。

当時の「赤旗」にはそんな話は一切掲載されませんでした。松本善明氏は、北朝鮮の農業が素晴らしいなどという愚論を「赤旗」に出していました。

当時の日本共産党大幹部は、在日朝鮮人を何としてもだましたかったのでしょう。

宮本顕治氏は「地獄への片道切符」配布をしつこく続けた


宮本顕治氏は北朝鮮から帰国後、上述のようにしつこく北朝鮮を美化し、一人でも多くの在日朝鮮人を北朝鮮に帰国させようと尽力しました。

この時期には、北朝鮮へ渡った元在日朝鮮人から窮状を訴える手紙が日本の親族のもとに届いていました。行方不明になってしまった元在日朝鮮人も出ていました。

帰国を希望する在日朝鮮人がすでに激減していたので、帰国事業は一時中断していました。宮本顕治氏はこれがよほど気にいらなかったのでしょう。

「赤旗」昭和43年9月4日記事で、宮本顕治氏は「帰国事業を再開させることは、人道上からも、日本側が一日も早く責任をもって実現しなければならない問題です」と自信をもって断言しています。

何としても、一人でも多くの在日朝鮮人を北朝鮮へ帰国させ、金日成と朝鮮労働党の「指導」下で奴隷のごとき重労働を強制される人間を少しでも増やしたい。

それこそ社会主義建設だ!そんな気持ちで、宮本顕治氏は北朝鮮宣伝を行っていたのですしょう。宮本顕治氏の北朝鮮礼賛癖はしつこかった。

「地獄への片道切符配布」がよほど楽しかったのでしょうね。

社会主義では基本的生産手段が社会化されているので生産の無政府性を克服し、生産の発展を無限に保障している


昭和46年1月1日「赤旗」記事「真の革新を問いかける年に」で宮本顕治氏は、北朝鮮がここ数年間に物価を5割下げるという公約をしたことを取り上げ、社会主義経済の立場に立てば可能と宣伝しています。

宮本顕治氏によれば、社会主義では基本的生産手段が社会化されているので生産の無政府性を克服し、生産の発展を無限に保障しているそうです。

生産の発展は必然的に物価の安定と低下、賃金の増大をもたらすと宮本顕治氏はこの記事で共産主義経済学の「理論」を披露しています。

その現実例として、宮本顕治氏が取り上げたのがテロ国家北朝鮮なのです。

現実の北朝鮮は、この時期にすでに核兵器開発を策していたはずです。日本人や韓国人拉致も断行していました。

共産主義者は、不屈の闘志で共産主義国を礼賛します。日本共産党は、ソ連を労働者の祖国などと不屈の闘志で礼賛してきた唯一の政党です。

この伝統に基づき、不破哲三氏らは今日に至っても、北朝鮮の人権抑圧の中心ともいうべき政治犯収容所の存在について沈黙しているのです。



2016年7月9日土曜日

核兵器と中長距離弾道ロケットは「正義の宝剣」(朝鮮中央通信より)ー「憲法九条は世界の宝だ」と叫ぶ左翼の皆さんへ

わが国の核と中長距離戦略弾道ロケットにより核先制攻撃体制が完成した。これは決して誰かの認定を受けたり、何らかの交渉を前提とするような駆け引き物ではない。(6月30日朝鮮中央通信より抜粋)


これは、「祖国平和統一委員会」という北朝鮮の組織による声明の一部です。朝鮮中央通信に出ていますから北朝鮮当局の公式声明です。

「誰かの認定」とは、米国だけでなく中国をも意味していると考えられます。

中国は北朝鮮の核開発に一貫して反対してきましたから。

この声明は、形式上は米国と韓国、そして日本に対する脅迫ですが中国に対する強烈な反発の意味も含んでいるとしか私には思えません。次の記述もあります。

それは民族の自主権と生存権をしっかりと守り、朝鮮半島に堅固な平和と地域の安全を守るための血と汗を奉げて練り上げた完璧な正義の宝剣である。

核兵器と中長距離戦略弾道ロケットとやらの開発・保有は「共和国の自主権と生存権」であり、宝剣だそうです。宝剣を「対話」とやらで手放すわけがない。


約束を破ることは「共和国の自主権」


この声明は「六か国協議」の議長国である中国の面子を完全につぶしています。

公式声明でここまで断言しているのですから、六か国協議や首脳会談、米朝交渉を何度行っても、北朝鮮が核兵器や弾道ミサイルを放棄するはずがない。

日朝平壌宣言、南北首脳会談での合意だけでなく、北朝鮮はあらゆる約束を破ってきました。91年12月31日の「南北非核化宣言」は、朝鮮半島の非核化合意文書でした。

これは初めから破られていたのです。北朝鮮は核兵器保有のために長年、資源を投入してきました。北朝鮮にとって韓国政府は「傀儡」です。

「傀儡」との約束を破るのは、「共和国の自主権」なのです。米国や日本、中国との約束破棄も同様です。

中国共産党首脳部がこの声明に怒らないはずがない。何らかの制裁、対抗措置を、金正恩は蒙っているでしょう。国際政治は甘くない。

私見では、金正恩とその周囲に関する情報を最もよく入手しているのは中国共産党です。中国朝鮮族なら、労働党最高幹部に賄賂を渡して情報を入手できます。

金正恩や金予正に本気で忠誠心を抱いている労働党最高幹部などいない。最高幹部の誰かが、金正恩や金予正の日々の発言を外部に漏らしている可能性を指摘しておきます。


相当数の朝鮮商工人と韓国企業が北朝鮮で工場運営、鉱山開発、観光事業を試みて大失敗した


北朝鮮当局と合弁企業をつくって大損した朝鮮商工人はいくらでもいます。北朝鮮当局は朝鮮商工人との合意を破り、利益を独り占めにしてしまうのですからどうしようもない。

利益どころか、北朝鮮に作った工場や設備を没収されてしまう場合もあります。開城工業団地はそうなってしまいました。北朝鮮当局は長期的な視点を持てないのです。

故張龍雲氏は、北朝鮮で金山の開発(雲山鉱山)を企図しましたが、頓挫しました。この経緯は「朝鮮総連工作員」(小学館文庫)に詳しく記されています。

北朝鮮当局の手口をよく御存知の朝鮮商工人はいくらでもいます。徹底的に利用され、大損しても黙っている方が多い。

韓国の大財閥「現代」も、「金剛山観光」などで徹底利用されました。この件に関連してもう十三年くらい前になりますが、とんでもない悲劇が起きました。

テロ国家北朝鮮と「誠意」を尽くして「対話」をしても、金や資源を取られて利用されるだけなのです。

朝鮮労働党大幹部としては、金正日(今は金正恩)に金や資源を献上し続けなければ忠誠心を疑われ処刑ないしは「山送り」になってしまうかもしれないのです。

朝鮮労働党大幹部は皆、明日をも知れぬ身なのですから日本や韓国と「対話」などするはずがない。処刑を覚悟して日本や韓国と「対話」する人がいるでしょうか。

「憲法九条は世界の宝だ」と叫ぶ左翼知識人と運動家の皆さんには、在日本朝鮮人総連合会の活動に長年参加した方々や脱北者の手記を読むことすらできないのでしょうか。


左翼知識人・運動家は在日本朝鮮人総連合会に「主体革命偉業」「全社会の金日成・金正日主義化」断念を要求するべきだ



地方自治体の首長や幹部が、地元暴力団の組長や若頭と「粘り強い交渉」「対話」をして住民のために尽力してもらおうと「努力」したらどうなるでしょうか。

そんな首長や自治体幹部は直ちに辞職すべきでしょう。暴力団大幹部と「対話」したらこの自治体は暴力団となれ合っていると言われても仕方ありません。

左翼の皆さんの中には、在日本朝鮮人総連合会の皆さんとヘイトスピーチ反対などで協力・共闘されている方がいくらでもいるはずです。

左翼の皆さんが在日本朝鮮人総連合会に、金正恩に核開発資金や奢侈品献上をやめるべきだと「粘り強い交渉」「対話」をしたらどうでしょうか。

在日本朝鮮人総連合会の皆さんに、「主体革命偉業」「全社会の金日成・金正日主義化」をやめるべきだと左翼の方から一声かけていただきたい。

その程度の努力もしないで、北朝鮮との対話をせよと日本政府に叫んでいるだけならあまりにも無責任です。不破哲三氏はそういう生き方を選択した方です。

なお、私は以前在日本朝鮮人総連合会のある方に田口八重子さん(金賢姫の日本語教師。拉致された日本人の一人)を返すよう、皆さんから北朝鮮に言ってくださいと話しかけました。

私のこの話が終わる前に、「お前の頭がおかしいんだ!」と怒鳴りつけられました。短気な方々だったようです。


北朝鮮の核兵器と弾道ロケットは在日朝鮮人にも向けられている


6月30日声明は、核兵器と弾道ロケットにより日本本土と沖縄、グアム島とハワイ、そして米国本土さえも、事前に制圧し焦土化できる旨断言しています。

北朝鮮の核兵器や弾道ロケットは、日本人だけでなく在日本朝鮮人総連合会の皆さんにも向けられているのです。

朝鮮学校の教職員の方々は、北朝鮮の核兵器が朝鮮学校で学ぶ子供たちにも向けられていることを子供たちにどのように教えているのでしょうか。

通常、朝鮮中央通信には朝鮮語文をほぼ正確に訳した英文が掲載されます。どういうわけか、今回の声明ではこの部分が英訳されていません。下記です。


이제는 우리에 대한 위협과 공갈이 일본본토와 오끼나와에서 오든 괌도와 하와이에서 오든 미국본토에서 오든 모든것을 사전에 제압하고 초토화해버리게 된것이 우리의 핵무력이고 중장거리전략탄도로케트의 무진막강한 위력이다.























2016年7月3日日曜日

レーニン「賃金労働を使用するもの、他人の犠牲でもうけているものからわれれは全部収奪するであろう」(レーニン全集第28巻より)

「どんな疑いもありえない。富農は、ソヴェト権力の仇敵である。富農が数かぎりなく労働者を殺すか、でなければ労働者が、勤労者の権力にたいする、国民のなかの少数の強盗的富農の暴動を、容赦なくふみつぶすかである」(労働者の同志諸君!最後の決戦にすすもう!」レーニン全集第28巻より抜粋)。


吉良よし子議員、池内さおり議員ら若い共産党員はロシア革命後の内戦期にレーニンが書いた論文を読んだことがあるのでしょうか。

日本共産党の国会議員が「赤旗」を少し読むだけで、レーニンや宮本顕治氏、不破哲三氏の昔の論文を一切読まずに自分が共産主義者だと思っているなら、国民を愚弄しています。

1918年頃からのレーニンの論文を読めば、「富農」という人々を罵倒し「踏みつぶす」「全部収奪する」「抑圧する」などと主張していることに気づきます。

1917年のロシア革命以来、モンゴル、東欧、中国、北朝鮮、キューバ、ベトナム等共産主義国がたくさんできました。

政権を奪取した共産党は、反革命分子(共産党を批判する人のこと)を抑圧してきました。

日本共産党の大幹部だった宮本顕治氏はそれを正当化しました。本ブログではこれを何度も論じてきました。

共産主義思想は反革命分子の投獄、処刑、囚人労働強制を正当化する


共産主義理論(宮本顕治氏の言を借りればマルクス・レーニン・スターリン主義)では反革命分子の投獄、処刑、追放を正当化します。

反革命分子の呼称は各国様々です。

富農、トロツキスト、地主、反党分子、走資派、祖国分離主義者、民族反逆者、宗派分子、新日和見主義者などのおどろおどろしい表現が用いられてきました。

北朝鮮の金正恩の叔父張成澤は「反党反革命宗派分子」というレッテルを貼られて処刑されました。

宮本顕治氏は「マルクス・レーニン・スターリン主義」とやらへの信仰とソ連共産党への忠誠を論文「共産党・労働者党情報局の『論評』の積極的意義」(「前衛」1950年5月掲載)で表明しました。

宮本顕治氏は、レーニンとスターリンの諸論文を熟読していました。共産主義理論では、王室は旧支配階級の頭目で大地主ですから処刑ないしは追放すべき対象です。

レーニン「穀物を蓄えている富農はもっとも悪質な犯罪人であり、人民の最悪の敵」


レーニンは「モスクワ地方貧農委員会の代表にたいする演説 1918年11月8日」(レーニン全集第28巻掲載)で英仏では数百年前に皇帝が処刑されていること、ロシアではツァーリ(ロシア皇帝のこと)を処理するのが遅れていたと述べました。

「処理」とは、ニコライ2世一家の処刑を意味していたとしか考えられない。皇帝一家(皇后と皇太子、四人の皇女)はこの演説の4か月くらい前に処刑されてしまいました。

レーニンは、フランス革命でのルイ16世とマリー・アントワネットの処刑を当然視しています。

レーニンによれば、欧州の全ての革命は農村が自分の敵をかたづけることができなかったからしばらくすると旧秩序が君臨してしまいました。

従って労働者階級は、農村の貧農と同盟し富農を徹底的に抑圧せねばならない。

富農が飢えているロシアで投機のために穀物を蓄えているから、もっとも悪質な犯罪人であり、人民の最悪の敵である旨、レーニンはこの論文で力説しています。

この演説の最後でレーニンは、賃金労働を使用するもの、他人の犠牲でもうけているものからは全部収奪するであろうと述べました。

演説は「あらしのような拍手」で終わったそうです。北朝鮮、在日本朝鮮人総連合会を思い出すのは私だけでしょうか。

レーニン「富農、吸血鬼、人民の略奪者、飢えでもうける投機者を容赦なく抑圧せよ」


「労働者の同志諸君!最後の決戦にすすもう!」でレーニンは、富農が他国の歴史上、地主、皇帝、坊主、資本家の権力を一度ならず復活させた、もっとも凶悪かつ野蛮な搾取者であると述べています。

レーニンによれば、ロシアには約1500万の農家があり、そのうち約1000万は貧農、約300万は中農で富農、金持ち、穀物投機者は200万人程度です。

レーニンによれば富農、金持ち、投機者は吸血鬼、蜘蛛、蛭だそうです。

この吸血者が戦時の国民の窮乏でもうけ、穀物その他の物資の価格を引き上げて、何千、何十万の金を貯めたそうです。

富農、この血を吸う者、吸血鬼、人民の略奪者、飢えでもうける投機者を容赦なく抑圧することが自覚した労働者の綱領であり政策であるとレーニンはこの論文で断言しています。

200万人の財産を没収し抑圧しようとしたら、内戦になるのは当たり前です。「自覚した労働者の綱領」とやらがそういう内容なら、自覚しない人のほうがどれだけましかわからない。

スターリンは富農や反革命分子の大量殺戮、囚人労働の強制を断行しました。これはレーニンの教えに基づいています。

富農や闇商売に従事する人はなぜ吸血鬼、蜘蛛、蛭なのか


ところで、内戦、戦時そして終戦後暫くでも生産がまともにできませんから物資が不足し価格が上昇します。

その機会を狙って闇で物資を運び、金儲けをする人はいくらでも出ますが、そんなことで吸血者、蜘蛛、蛭だのと政治家に呼ばれるいわれはない。

内戦期に闇屋が存在しなければ食糧を得られませんから、餓死する人が増えるだけです。

闇屋が金もうけをしていることは間違いないのですが、比較的収穫の良い地域から農産物を購入し飢饉の地域でそれを販売する程度のことが凶悪行為であろうはずはない。

レーニンが主張したように共産主義理論では人を雇用して農業や商業、工業を行う人は他人の犠牲でもうけていることになります。

どこの地域でも、農村には地主と小作人がいました。自分の土地を僅かでも持っている農民の中には、農繁期に多少の人を雇う農民もいます。

レーニンの定義によれば多少の農地を持ち、農繁期に人を雇う農民は皆、富農で吸血鬼、蜘蛛、蛭です。

当時のロシアで約200万人が富農や投機者、すなわち吸血鬼、蜘蛛、蛭だからそいつらを抑圧し収奪せよとレーニンは大まじめに主張していたのです。

こんなレッテルを貼られて財産を没収された人々(富農の方々)が黙っていたのなら、赤軍に殺される可能性が十分にあったからでしょう。なんせ、吸血鬼なのですから。

今の北朝鮮で金正恩、朝鮮労働党の命令に背けば処刑ないしは政治犯収容所で囚人労働を強制されかねない。

宮本顕治「日本革命の平和的発展の可能性を提起することは根本的な誤りとなる」(「共産党・労働者党情報局の『論評』の積極的意義」(「前衛」1950年5月掲載)


共産主義理論からみれば、日本の農村でも相当数の農民が富農扱いされて財産を没収されることになります。

宮本顕治氏はかつて、日本革命の「平和的発展の可能性」を提起すること、議会を通じての政権獲得の理論は根本的な誤りであると断言しました。

宮本顕治氏が若い頃想定していた「日本革命」は当然、「富農」の財産没収と抑圧です。

そんな蛮行を「平和的」に、議会を通じて行えたのなら、国会議員が異常な人間だらけになっていることになります。そんな国会議員こそ吸血鬼呼ばわりされても仕方がない。

議会を通じて富農の財産を没収し抑圧するのは無理だと宮本顕治氏は判断したのでしょう。この判断自体は適切です。

「富農の財産没収・抑圧」の公約をする人間が国会議員選挙で当選するはずがない。

聴濤弘氏(日本共産党の元参議院議員。1935年生まれ)もマルクス・レーニン・スターリン主義者なのか


聴濤弘氏は著書「レーニンの再検証」(2010年大月書店刊行、p172)で次のように述べています。

戦時共産主義の時期の「血の海」をみて、十月革命はやるべきではなかった、時期尚早であった、この点にスターリン主義の起源があるとし、血の責任をレーニンにかぶせ、反革命を免罪する「十月革命」論は歴史の進歩を前向きにしようとしない議論である。

この文章を読む限り、聴濤弘氏はレーニンによる富農の財産没収、抑圧論を擁護しているとしか思えません。

聴濤弘氏は富農の財産没収と抑圧や、ロシア皇帝一家処刑を「歴史の進歩」と本気で考えているのでしょうか。200万人の財産没収と抑圧、皇帝一家処刑が歴史の進歩ですか。

皇后や皇太子、皇女処刑も歴史の進歩なのですか。「反革命」なら子供も処刑するのがマルクス・レーニン・スターリン主義なのでしょうけれど。

富農は吸血鬼、蜘蛛、蛭ですか。

聴濤弘氏がマルクス・レーニン・スターリン主義者なら、これを正当化するのは当然です。宮本顕治氏は前掲論文で次のように力説しています。

われわれはもちろん、わが国の革命のために、責任を負って活動しなければならないが、それは、ソ同盟共産党を中心とする国際プロレタリアートの輝かしい活動とその成果から深く学ぶことによって、世界革命運動の一環としての責任を、果たしうるのである。