2022年5月26日木曜日

宮本徹議員は、プラハの春(昭和43年)の頃の日本共産党の文献を何か読みましたかー当時の日本共産党は、言論抑圧を当然視したー

 宮本徹議員は、プラハの春の頃の日本共産党の文献を何も読んでいないと考えられます。

宮本徹議員の最近の呟きより、私はそう感じました。以下です。


宮本徹議員は、この時に日本共産党が出した論文「チェコスロバキアへの五か国軍隊の侵入問題と科学的社会主義の原則の擁護」を御存知ないのでしょうね。

少しご紹介します。




この論文も、日本共産党のHPには出ていませんから、若い日本共産党員は入手しにくくなっています。


日本共産党はソ連によるチェコスロバキア介入を批判しましたが、社会主義国での言論の由、表現の自由や結社の自由を無制限に認める事も強く批判しました。

この件について、私は何度か本ブログで論じています。以下です。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 「プラハの春」(1968年)と日本共産党 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 日本共産党はプラハの春(昭和43年)でチェコスロバキア共産党による「ブルジョア民主主義の導入」を反社会主義勢力に活動の自由を与える重大な右翼的誤りと断じた。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: レーニンと共産主義インタナショナル第一回大会、1919年3月2-6日(レーニン全集第28巻p487-508、大月書店)より思う。 (blueribbonasiya.blogspot.com)

昭和43年頃の日本共産党によれば、言論の自由、表現の自由の導入は反社会主義勢力に活動の自由を与える重大な右翼的誤り、だそうです。

私見では、日本共産党が社会主義国でも言論の自由、表現の自由が認められるべきだと主張しだしたのはこのもう少し後です。

第十一回大会(昭和45年7月)でそれらを認めるべきと路線転換したと考えられます。

なお、「日本共産党の八十年」(日本共産党中央委員会刊行。p197)には、チェコ事件当時の論文には社会主義と政治的民主主義の関係について不用意な論及が含まれていた、という記述があります。

若い日本共産党員の皆さん。昔の日本共産党の文献を読みましょう。私がtwitterでこんな主張をすると、すごく頭にくる方がいるようですね。




宮本徹議員には、昭和43年当時日本共産党が「プラハの春」について論じた文献の感想をtwitterに出して頂きたいものです。

この時期の日本共産党には、ソ連を理想の社会主義とみなす風潮がまだまだ強かったのですよ。








2022年5月22日日曜日

日本共産党第七回大会(昭和33年7月)で確立したとされる自主独立路線とは、ソ連を理想郷とする路線だったー志位さんの「新・綱領教室」はこれを隠蔽ー

 志位さんは、日本共産党とソ連共産党の友好と協力の関係を何とかして内緒にしたいのですね。

志位さんの近著「新・綱領教室」には、昔の日本共産党、国際共産党日本支部が理論と運動の双方でソ連から指導を受けていたことを一切言及していません。

この本だけを読んだ若い日本共産党員は、日本共産党がソ連や中国から大国主義的干渉を受けたとか言われても、干渉という語の意味がよくわからないでしょう。

赤の他人が突然、貴方はこうしなさい、ああしなさいと言ってきたら普通は無視します。

若い日本共産党員は、ソ連や中国からの大国主義的干渉をそんな調子で受け取っていると考えられます。

宮本顕治さんはソ連共産党に心酔していた

昭和33年頃に至るまで長年ソ連共産党、中国共産党から指導と物質的支援を受けてきた古参の日本共産党員は、ソ連共産党と中国共産党に深い崇敬感を抱いていました。

北京機関に所属していた方々は、毛沢東に心酔していたと考えられます。宮本顕治さんは、ソ連共産党に心酔していました。

第七回大会(昭和33年7月)、第八回大会(昭和36年7月)の頃の日本共産党員は、ソ連は社会主義から共産主義建設の段階に入っており、成功していると大真面目に信じていました。

これは、宮本顕治さんがこの時期に雑誌「前衛」に掲載した論文や、、第七回大会決定、第八回大会決定を虚心坦懐に読めば明らかです。





志位さんは勿論、第七回大会決定、第八回大会決定や宮本顕治さんの「前衛」掲載論考を御存知です。

それでも志位さんは、「新・綱領教室 上」(新日本出版社刊行、p29)で第七回党大会で日本共産党は自主独立路線を確立したと述べています。

従って志位さんの言う自主独立路線とは、ソ連を理想郷とする路線です。

ソ連共産党の指図は受けないが、ソ連共産党の経験に学び、日本をソ連のような社会にしていくことが日本共産党の使命であるという自主独立路線です。日本のソ連化、ですよ。

宮本顕治さんの上記論文や第八回大会での宮本顕治さんによる中央委員会報告から、ソ連共産党への深い崇敬感が節々に感じられます。

不破さんは、ソ連共産党は駄目だったが中国共産党はレーニンの道を歩むようになったと見た

不破さんは、ソ連共産党は駄目だったが中国共産党はいろいろあっても、レーニンが示した道に復帰し、市場に強い社会主義を目指していると判断したのでしょう。

昔の日本共産党員は、ソ連共産党と中国共産党、朝鮮労働党を尊敬していたのです。これは、宮本顕治さん、不破哲三さんの文献を普通に読んでいけば明らかです。




中野顕さん(日本共産党新宿)、中村正男さん(日本共産党大阪)は、昔の大会決定や宮本顕治さんの論考、岡本博之さんの著作「科学的社会主義」を御存知でしょう。

日本共産党の昔の文献や、不破さんの著書「北京の五日間」を、若い日本共産党員や民青同盟員にも読んでもらいたいですね。

志位さんの「新・綱領教室」には、不破さんが二十年間にわたり行ってきた中国共産党との科学的社会主義の理論交流の意義の説明がありません。

志位さんは中国共産党との科学的社会主義の理論交流も、内緒にしたいのでしょうね。



2022年5月20日金曜日

日本共産党はソ連崩壊の四年ほど前まで、ソ連を高く評価していたー無署名論文「日ソ両共産党関係を素描する 十月革命七十周年にあたって」よりー

 志位さんは最近、ソ連共産党が崩壊したときにわが党はそれを歓迎した、と宣伝しています。

若い頃、日本共産党やマルクス主義経済学の文献を真面目に読んだ方なら、日本共産党は反革命分子になったのか、ソ連崩壊を歓迎するなら資本主義復活万歳ではないかとすぐに思うのではないでしょうか。

日本共産党はソ連崩壊の四年ぐらい前まで、ソ連礼賛を行っていました。

この件、私は以下でも論じています。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 不破さんの「世界史のなかの社会主義」(昭和62年新日本出版社刊行)より思うー不破さんはソ連では男女平等、教育と医療無料化云々と宣伝ー (blueribbonasiya.blogspot.com) 

不破さんのこの本や、ソ連崩壊前の日本共産党大会決定、昔の「自由と民主主義の宣言」等はソ連社会主義の積極面を論じています。

以下の無署名論文「日ソ両共産党関係を素描する 十月革命七十周年にあたって」(昭和62年10月22日)は、ソ連共産党と日本共産党の関係は主に、友好と協力の関係だったと断言しています。





山添拓議員、吉良よし子議員ら若い日本共産党員は、この論文を御存知ないでしょうね。

35年も前の論文ですから。田村智子副委員長はこの論文を、早大在学時に読んだのではないでしょうか。

この論文も、宮本顕治さんが主導した時期の大会決定と同様に若い日本共産党員には入手しにくくなっています。

今の日本共産党は、ソ連を礼賛した昔の日本共産党の文献を若者に内緒にしている

中野顕さん(日本共産党新宿)、中村正男さん(日本共産党大阪)、松竹伸幸さんならお若い頃、この論文を一生懸命読んだのではないですか。

五十代後半以上の日本共産党議員、職員の皆さんは若い日本共産党員や、民青同盟員にはこの論文を内緒にするしかないな、とお考えなのでしょう。

志位さんは勿論、ソ連共産党と友好と協力の関係とやらを内緒にしたい。

今の日本共産党ではこの論文や、ソ連を礼賛した日本共産党第八回大会での宮本顕治さんの報告、宮本さんの論文は一種の禁書です。

宮本さんは第十八回大会(昭和62年11月25日)の冒頭発言でも、ソ連、中国、東欧などの社会主義国宣伝を行っています。



宮本顕治さんの頃の大会決定や重要論文を内緒にする志位さんは、内心では御自身の若い頃を全否定しているのでしょうか。

宮本さんの変な宣伝を信じて失敗したな、しかしこれは隠蔽せねばならん、という気持ちなのでしょうか。

日本共産党議員、職員として生きていくと、自分に嘘をつかねばならないことが多いのでしょうね。

歴史修正主義者、志位さんには、本音を吐露できる方がいないように思えます。


2022年5月18日水曜日

中朝露は、日本の支配、攻撃と破壊を策しているー志位さんは中朝露が日米安保とNATOに反対だから、大局的には平和勢力とみなすー

 上記の件、私はtwitterや本ブログで繰り返し論じています。

最近では以下です。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 志位さんの国連憲章を守れ、の一点で団結論の背景ー日本共産党員が抱く意味世界では、NATO解体を目指すプーチンは平和勢力- (blueribbonasiya.blogspot.com) 

志位さんの近著「新・綱領教室 上」(新日本出版社刊行、p168)に台湾有事に関する次の記述があります。

台湾をめぐって米中の軍事衝突が起こり、米国が軍事介入を始めたさいに日本が安保法制を発動して武力行使をはじめたらどうなるか。

東アジアと世界の平和を根底から危うくし、日本列島を戦火に巻き込むとてつもない大惨事を引き起こすそうです。

志位さんは台湾有事とは、米国が台湾海峡で中国海軍に戦争を仕掛ける事態と宣伝

この記述からも明らかなように、志位さんは台湾有事とは、中国共産党が台湾解放などと称して台湾を攻撃する事であることを認められない。

志位さんは台湾有事とは米中の軍事衝突、米国の軍事介入だというのですから。

台湾情勢をよく知らない日本共産党員と支援者がこれを読めば、台湾有事とは米国が台湾海峡で中国海軍と戦争を始める事態だと考えるでしょう。

志位さんの台湾有事論は、その時日本政府が安保法制を発動して中国共産党と戦争をするという話になっています。

侵略戦争を始めるのは米帝国主義とその目下の同盟者、日本であり、中国共産党は防衛のために核軍事力を保持しているという見方です。

志位さんは、レーニンの帝国主義論に依拠したこの見方を変えられません。これを変えたら、日本と台湾を守るためには日米軍事同盟強化が必要だという話になりますから。

志位さんは、中朝露が日本の支配、攻撃を策していることを認めれないのです。

台湾有事の際、中朝露は共謀して日本と台湾を攻撃する

私見では台湾有事の際、中国共産党は台湾と沖縄を攻撃します。

ロシアは北海道にミサイル攻撃。朝鮮労働党は在日の朝鮮労働党非公開組織に大都市での生物化学兵器散布などのテロ指令を出します。

金正恩は日本の大都市にミサイル攻撃を断行しうる。日米軍事同盟が弱体化したら、日本とと台湾の有事に米国が何もしない可能性はあります。

その時、中朝露が共謀して日本と台湾を攻撃すれば、中朝露は多少の傷を負っても勝利できる。勝てる戦争なら、中朝露は断行します。

志位さんは中国共産党に、台湾政府と話し合えとは言えない

中国共産党は、台湾住民が自由に表明した民意の結果である台湾政府の存在を認められません。

中国共産党の理屈では、台湾政府の存在を認める人は祖国分離主義者です。これは最大の非難の言葉です。

志位さんが平和的な話し合いで解決せよというとき、中国共産党は台湾政府と話し合うべきだとは言えない。「新綱領教室」は、話し合いが行われるべきだというだけです。

話し合いの主体についての記述はありません。

志位さんは、中国共産党と台湾政府の関係を、日本共産党と反党分子の関係のように把握していそうです。変な見方ですが、不破さんが以前そんな話をしていました。

日本共産党だけでなく日本の政党は皆、台湾政府の存在を公に認めることはできません。

台湾政府の存在を公に認めると、中国共産党との交流が一切できなくなってしまうからでしょう。

中国共産党との交流を重視する左翼知識人は台湾政府の存在を認めることはできません。

厄介な話になるからです。厄介な事には関わらないようにしよう、という政治家、知識人は実に多い。

日本国家の存亡について関心のない政治家、知識人が日本を蝕んでいます。

2022年5月16日月曜日

志位さんは、ソ連共産党との関係をなかったことにしたいー志位さんの近著「新・綱領教室」(新日本出版社刊行)より思うー

 志位さんの上記近著をざっと読みました。

志位さんとしては、宮本顕治さんの「日本革命の展望」のように、日本共産党員の座右の書にさせたいのでしょうね。

志位さんには宮本顕治さんのような権威はないので、これは難しいでしょう。

志位さんはソ連共産党との関係をなかったことにしたい。レーニンの理論とロシア革命を無視したいのだな、と感じました。

昔の日本共産党が国際共産党日本支部だったことを、志位さんは内緒にしたい

この本は序論と五つの章から構成されています。

第一章は、「戦前の日本社会と日本共産党」です。

本来ならここで、昔の日本共産党が国際共産党日本支部だったこと、ソ連から理論と運動双方で指導を受けていたことを記述せねばならないはずですが、そんな話はどこにもありません。

この本だけを読めば、昔の日本共産党はソ連と何の関係もないかのように思えてしまいます。

野呂栄太郎や小林多喜二、伊藤千代子は戦争はt内、平和と民主主義のために命がけで戦ったという調子の話だけで、ソ連製の革命理論、27年テーゼや32年テーゼの話はありません。

これでは、昔の日本共産党はソ連や、ソ連製の革命理論と何の関係もなかったように思えてしまいます。

志位さんは、ソ連共産党との関係をなかったことにしたいのです。

志位さんは、レーニンの理論とロシア革命を無視する風潮をつくりたい

この本には、レーニンの理論についても殆ど言及がありません。

レーニンの時代のソ連では社会主義への真剣な探求がなされたという記述も見当たりません。

下巻のp289に、レーニンの新経済政策は市場経済を復活させる方針への転換だったという記述があるだけです。

下巻の巻末に党綱領が掲載されているので、そちらには出ていますが。

志位さんは、レーニンの理論とロシア革命の史実を無視する風潮をつくりたいのです。

お若い頃、志位さんはレーニン全集を繰り返し読んだはずですけれど。

レーニンとソ連は結局駄目だったな、レーニンとソ連の歴史については内緒にしておこう、と志位さんは内心で呟いていそうですね。

志位さんとソ連共産党は歴史を修正している

レーニンとソ連共産党を無視して日本共産党の歴史と綱領を語る志位さんは、トロツキーを無視してロシア革命を語っていたソ連共産党と似ていませんか。

日本共産党員と同党を支援する知識人の皆さんは、ソ連共産党の公認の歴史にトロツキーが出ていなかったことを御存知でしょう。

レーニンによる蛮行指令、ロシア正教会弾圧指令やロシア皇帝一家処刑の史実が知れ渡ると厄介だ、と志位さんは判断していると考えられます。






2022年5月13日金曜日

志位さんはなぜ、フィンランドのNATO加盟を進めるマリン首相を批判しないのかーNATOの東方拡大に反対できないのですかー

 報道によれば、フィンランドのマリン首相がNATO(北大西洋条約機構)加盟を進めています。

フィンランドはロシアによる侵略の危機に直面していますから、NATO加盟で国防力を高めるのは当然です。

日本共産党の平和理論では、軍事同盟が戦争の根源です。少し前に志位さんは、NATOの東方拡大に反対すると明言しました。


日本共産党の平和理論では、欧州における戦争の根源は軍事同盟であるNATOです。この点については、以下で説明しました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 2月 2022 (blueribbonasiya.blogspot.com)

若い日本共産党員は宮本顕治さんの論文や著書を読まない

繰り返しですが、宮本顕治さんは欧州の社会民主主義政党やイタリア共産党はNATOを支持または容認しているが、これは第一次大戦時に祖国防衛を唱えた社会民主主義者の流れにある人々に共通する弱点だと第十九回大会の冒頭発言で主張しました。



池内さおりさんや山添拓議員、吉良よし子議員ら若い日本共産党員は、第十九回大会決定など読まないでしょうから宮本さんの冒頭発言を御存知ないでしょう。

中野顕さん(日本共産党新宿)、中村正男さん(日本共産党大阪)はなぜフィンランドのNATO加盟を批判しないのか

中野顕さん(日本共産党新宿)、中村正男さん(日本共産党大阪)は宮本顕治さんの冒頭発言を覚えているでしょう。

宮本顕治さんの見地なら、フィンランドのNATO加盟は北欧を米国が行う侵略戦争に巻き込む愚行です。

志位さんは第十九回大会決定の見地から、フィンランドのNATO加盟を徹底批判すべきではないですか。

NATO強化を批判できないなら、自民党が日米安保を強化する事も批判できないはずですが。

最近の日本共産党員には、自らの理論に依拠して発言する事が出来ない方があまりにも多い。

日本共産党職員が自由に発言をする事は困難なのでしょうね。中野顕さん、中村正男さんはフィンランド首相を批判したら厄介な事になるな、と判断していそうです。

一般党員なら、志位さんと多少異なる発言をしても処分されないと考えます。

日本共産党を支援する弁護士の皆さんは、フィンランドのNATO加盟を支持しているのでしょうか。

NATO加盟は軍事には軍事、力には力の論理そのものですが。

2022年5月10日火曜日

日本共産党は政権に参加できたら、日米安保と自衛隊を活用するー昔の社会党(自衛隊の違憲・合法論者で政権参加のため日米安保容認)と同じですねー

 松竹伸幸さんのブログ立憲・西村氏と共産・小池氏の会談について | 松竹伸幸オフィシャルブログ「超左翼おじさんの挑戦」Powered by Ameba (ameblo.jp)は大変勉強になります。

上記から私は、志位さんが七年前に国民連合政権とやらでは急迫不正の主権侵害時に日米安保第五条により、米軍と自衛隊が共同で対処することを認めている事に気づきました。

「国民連合政府」について/志位委員長の記者会見 (jcp.or.jp) 

志位さんによれば、日本共産党が参加する政権では集団的自衛権を行使する法は廃止するが、日米安保条約は存続しています。

そこで日本有事の際は、日米安保条約第五条により日米が共同で侵略に対処する事になるそうです。

急迫不正の主権侵害時に自衛隊だけでなく日米安保も活用する事について、志位さんは他の文献や記者会見では言及していないかと思います。

日本共産党の安全保障政策は、昔の社会党(自衛隊の違憲・合法論者で安保容認)と同じだ

政権に参加したら日米安保と自衛隊を活用するのなら、四十年ほど前の社会党と日本共産党は安全保障政策では同じです。

石橋社会党委員長は非武装中立を目指しつつ、自衛隊の違憲・合法論者でした。

志位さんも自衛隊解散と日米安保廃棄を目指していますが、政権に参加できたら有事の際に日米安保と自衛隊を活用するのですから昔の社会党と同じです。

四十年ほど前の日本共産党は、社会党が右転落したと徹底批判しました。社会党と公明党の合意は、以下に出ています。社公合意 (que.jp) 

社公両党は、日米安保体制の解消を目指し、当面それを可能とする国際環境づくりに努力すると合意しています。

四十年ほど前の日本共産党は社公合意のこの記述をとらえて、社会党は日米安保を容認したから右転落したと批判しました。

今の日本共産党も、日米安保の解消を目指し、それを可能とする国際環境づくりを立憲民主党と行いたいと考えているのですから、同じですよ。

志位さんは飛鳥田一雄さんを再評価するべきだ

公明党と社公合意を締結したのは、故飛鳥田一雄さんです。志位さんは、飛鳥田一雄さんら昔の社会党と同じ安全保障政策を訴えるようになりました。

松岡英夫さんが東京都知事選に立候補されたのは昭和58年4月頃だったでしょうか。

早大の学生だった私はこの時、飛鳥田一雄さんの街頭演説を聞きました。東京のどの駅頭だったか、忘れてしまいました。

新宿駅か、池袋駅だったのでしょうか。飛鳥田さんは、スペインのゴンザレス書記長と昼食を食べて話をした、という演説をした事が記憶に残っています。

それから暫く後、総選挙がありました。この時私は、故太田薫さんの街頭演説を聞きました。

東京一区で出馬していた平山知子さんへの応援演説だったと思います。

故太田薫さんは平山さんを応援するというより、独特の声で「飛鳥田を落とさねばならない」と演説されました。

故太田薫さんの独特の声が、今でも耳に残っています。

これは新宿駅東口での街頭演説だったような気がしますが、違うかもしれません。だいぶ昔の話なので、都知事選と総選挙の順番が前後していたらすいません。

志位さんは右転落と罵った方と同じ政策を訴えるようになったことを、認めたくないでしょうが、自らの論理に忠実であろうとするなら、飛鳥田一雄さんを再評価するべきです。

再評価が嫌なら、私も右転落しましたというべきではないですか。

日米安保と自衛隊を活用するなら憲法第98条と第99条は守れない

日本共産党は政権に参加できたら、日米安保と違憲の自衛隊を活用するのですから、憲法第98条第一項と第99条は放棄すると明言するべきです。

弁護士の山添拓議員、福山和人さんは、志位さんの日米安保と自衛隊活用論をどうお考えなのでしょうか。

憲法第98条1項と第99条は放棄するしかないな、とお考えなのでしょうか。憲法の放棄とは変な話のようにも思えますが。





2022年5月7日土曜日

志位さんの、国連憲章を守れの一点で世界が団結せよ論を考えるープーチンが大局的には平和勢力だから、国際世論の高揚で改心するとみるー

 志位さんはロシアによるウクライナ侵略について、国連憲章を守れ、の一点であれこれの価値観を超えて世界が団結する事が何よりも重要と訴えています。


この件に関連して、私は下記で日本共産党の自衛隊活用論について論じました。黒坂真のブログ 被拉致日本人救出のために Rescue Abducted Japanese by North Korea: 4月 2022 (blueribbonasiya.blogspot.com) 

世界が団結する、とは一体どういう行動を意味するのでしょうか。私見ではこれは、世界中でプーチンは国連憲章を守れ、という世論が高まるという話です。

志位さんは国際世論とやらがプーチンを改心させてロシア軍に撤退指令を出させうると考えているようです。

山添拓議員は、軍事力による平和は幻想だと主張しています。ウクライナ軍がロシア軍を撃退できても、山添拓議員はそれは幻想でしかないと考えているのでしょう。



国連憲章を守れという国際世論が高揚したらプーチンは改心するのか

下記には国際世論の力で侵略を止め、侵略者に責任をとらせ、国連憲章にもとづく平和秩序を回復するという記述があります。参議院選挙予定候補者会議/志位委員長の発言 (jcp.or.jp) 

ロシア軍がウクライナ軍を撃退してロシアがウクライナを支配しても、国連憲章を守れという国際世論が高揚したらプーチンは改心してロシア軍に撤退指令を出すと志位さんは考えているのでしょう。

私は中野顕さん(日本共産党新宿)にそのようにtwitterで問いかけましたが、中野顕さんは沈黙しています。


中野顕さん(日本共産党新宿)ら日本共産党員は、国際世論とやらがプーチンを改心させる論者なのでしょうね。

日本共産党は、日米安保廃棄とNATO解体を要求するプーチンを平和勢力と見る

私見では志位さんが国連憲章を守れという国際世論が高揚したらプーチンは改心するとみる一つの背景は、プーチンを平和勢力と見ているからです。

日本共産党の平和理論では、日米安保廃棄やNATO解体を要求するプーチンは大局的、本質的には平和勢力です。

プーチンは平和勢力なのですから、国際世論が高揚すれば改心すると見るのです。

志位さんはロシアや中国を帝国主義とは見ないー帝国主義なら日本侵略を行いうるから

プーチンの覇権主義はロシア帝国以来のものだ、と志位さんは主張しますが、ロシアが帝国主義だとは言いません。

ロシアが帝国主義であるなら、レーニンが帝国主義論などで主張したようにロシアには海外侵略をする経済的基盤が存在することになります。

ロシアの金融資本がウクライナへの侵略を起こしているという結論になりますから、日本侵略も断行しうることになる。

それならロシアによる侵略に備えて、自衛隊の強化、憲法九条改正、日米軍事同盟強化が必要だという世論が高まってしまいます。

これは厄介なことになりますから、志位さんはロシアや中国でどれだけ金融資本が巨大化しても、帝国主義だという規定はしないのです。

マルクス主義経済学者なら、ロシアや中国を帝国主義もしくは国家独占資本主義だと主張するはずですが、日本共産党を支援するマルクス主義経済学者にはそういう方はいないのでしょう。

日本共産党は中朝露、韓国左翼と自衛隊強化反対、日米安保廃棄とNATO解体で共闘するべきだ

ロシア軍がウクライナ軍を撃退してロシアがウクライナを支配しても、国連憲章を守れという国際世論が高揚したらプーチンがロシア軍に撤退指令を出すと、中野顕さんは日本共産党員は信じているのでしょう。

日本には憲法九条があるから、他国侵略などしませんよと外交官がプーチン、習近平、金正恩に繰り返し訴えれば中朝露はあらゆる紛争を平和的に解決するという友好条約に調印すると日本共産党員は本気で信じています。

平和の枠組み、とやらができたら中朝露は核兵器を廃棄すると田村智子議員ら日本共産党員は本気で信じているのでしょうね。

繰り返しですが自衛隊強化、日米安保とNATOに反対する中朝露は、日本共産党の平和理論では平和勢力です。

日本共産党は、ロシア大使館、中国大使館と在日本朝鮮人総連合会に自衛隊強化、日米安保とNATO反対で共同のたたかいをやりましょうと訴えたらいかがでしょうか。

韓国左翼の皆さんともこれで一致できます。

アジアと欧州から米軍は出ていけ、で日本共産党、韓国左翼と中朝露は共闘できる。

中野顕さん、志位さんにこれを提案なさったらいかがですか。

2022年5月4日水曜日

日本共産党が参加する政権は、憲法第98条第1項と第99条を放棄する旨明言するべきだー日本共産党の自衛隊活用論より思うー

 日本共産党は、違憲の存在である自衛隊を急迫不正の主権侵害時には活用する旨、党大会で明言しています。

志位さんは急迫不正の主権侵害時などほとんどありえないと考えているようですが。以下は22年ほど前の、日本共産党第22回大会での志位さんの報告です。





私は法律学については素人ですが、違憲の存在の自衛隊を活用するというなら、日本共産党が参加する政権では憲法第98条と99条を放棄する旨、志位さんは明言するべきではないですか。

違憲の存在である自衛隊が有事に防衛出動をして敵軍兵士を殺害したら殺人罪に問われないのか

憲法第98条の第1項は以下です。

この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、 詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

違憲の存在である自衛隊が、自衛隊法に基づいて防衛出動を行い、敵軍兵士を殺害したとしましょう。

憲法第98条第1項によれば自衛隊法に基づく防衛出動は無効ですから、日本共産党が参加する政権では、防衛出動で敵軍兵士を殺害した自衛隊員は殺人罪に問われることになりませんか。

憲法第99条は以下です。

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他公務員は、この憲法を尊重する義務を負ふ。

日本共産党が参加する政権は急迫不正の主権侵害時に憲法第9条を尊重しないのですから、憲法第99条に違反しませんか。

山添拓議員、福山和人さんは日本共産党の自衛隊活用論と憲法第98条、99条の関係をどう見ているのか

このあたり、弁護士の山添拓議員や、福山和人さんはどうお考えなのでしょうか。

まさかと思いますが日本共産党の政策が憲法第98条、第99条に抵触してもそれは自衛隊を大きくしてきた歴代自民党政府の責任だ、とお考えなのでしょうか。

日本共産党の政策の矛盾は自民党のせいだ、とは変な話です。

山添拓議員、福山和人さんなら、自衛隊活用論と憲法第98条第1項、憲法第99条の関係に関する判例を御存知でしょう。何かの機会に、説明して頂きたいですね。





2022年5月3日火曜日

志位さんの国連憲章を守れ、の一点で団結論の背景ー日本共産党員が抱く意味世界では、NATO解体を目指すプーチンは平和勢力-

 志位さんが、専制主義対民主主義という価値観ではなく、国連憲章を守れという一点で団結することが、侵略を止めるために決定的に重要だと主張しています。



人は、自らの世界観、社会観から他の人々や集団の行動、言動を解釈し、その中で自分がとるべき言動、果たすべき役割を見出します。

人は他の人々の行動、言動を主に言葉で把握し、自らの世界観、社会観でそれを再解釈します。各自の主観的世界把握により各自の言動が決定されるのです。

志位さんは共産主義者ですから、自らが信奉する科学的社会主義の理論が説く世界観、社会観に依拠して国際政治経済と日本の政治経済の現状を解釈し、自分がとるべき言動と役割を見出しています。

人は意味世界の中で生きている

人々の主観的世界把握を社会学では、意味世界といいます(盛山和夫「社会学とは何か」ミネルヴァ書房平成23年刊行、p23)。

盛山教授によれば、世界がどうなっているか、なぜ世界はこのようになっているのか、何に価値があるのか、どう生きるべきか、何が正しくて何が間違っているのか、人は誰でもこれらを問いかけ、部分的に答えを見出して生きています。

こうした問いと答えからなっているのが意味世界です(同書p23)。

志位さんら日本共産党員はどんな意味世界の中で生きているのでしょうか。

これは、志位さんの呟きや日本共産党の文献を読めば少しずつ見えてきます。

以下、日本共産党員の意味世界について考えてみましょう。

日本共産党員の意味世界では、欧州とアジアから米軍は出ていけと主張する中朝露は平和勢力

日本共産党が信奉する科学的社会主義の理論では、米帝国主義が世界平和を脅かしています。

米国を中心とする軍事同盟、欧州ではNATO、アジアでは日米安保が世界平和を脅かしています。

プーチン、中国共産党と朝鮮労働党は米軍は欧州、アジアから出ていけと主張していますから、平和のために貢献しています。

日本共産党員は、中朝露を大局的、本質的には平和勢力と見ています。中朝露は覇権主義だが、平和のために努力してきたと考えています。

プーチンは大局的、本質的には平和勢力なのですから、国際世論により国連憲章を守れと批判されたらプーチンはウクライナ侵略を断念し、ロシア軍に撤退指令をします。

中朝露は大局的には平和勢力なのですから、外交官が日本には憲法九条がありますよ、どんな争いでも話し合いで解決するように合意しましょうと繰り返し訴えれば、中朝露は合意します。

日本政府が核兵器禁止条約に加入すれば、平和勢力である中朝露は警戒心を解いて核兵器を廃絶すると見ているのです。

志位さんら日本共産党員には、アセアン諸国とプーチン、中国共産党と朝鮮労働党が同じような存在と見えているのです。

アセアン諸国に日本と台湾攻撃、侵略の意思などないように、中朝露にもそんな意思はないと志位さんは信じています。

科学的社会主義の経済学では帝国主義、金融資本が戦争を起こします。

米国は世界の帝国主義であり、アジアでは米国の同盟者、日本の独占資本、日本政府が最大の戦争勢力です。

中朝露の核軍事力がどうあれ、平和勢力なのですから分析する必要はない。

中朝露の核軍事力について思考と議論をしない事が平和を守るー日本共産党員の意味世界

中朝露の核軍事力や、中朝露による自国民弾圧、抑圧の歴史について研究し議論する事自体が、中朝露を敵視し緊張を劇化させる行為という話になります。

中朝露の核軍事力と自国民弾圧、抑圧の歴史について一切の思考と議論をしないことが、平和のために最も大事な生き方であると日本共産党員は信じているのです。

憲法九条と憲法前文を常に思い起こし、国連憲章を守れと叫び続ければプーチンはウクライナから撤退すると日本共産党員は信じています。

日本共産党員が生きる意味世界では、中朝露の核軍事力と自国民弾圧、抑圧の歴史について思考と議論をしない方々こそ、平和のために戦っています。

日本共産党員の中には、昔の日本共産党がソ連や中国、北朝鮮を礼賛していたことを少しは知っている方がいます。

その方々は、日本共産党のソ連、中国、北朝鮮礼賛史から目を背けることが、平和と人権を守ると信じていると考えられます。