2023年12月30日土曜日

志位さんは、自分の日米安保活用論を内緒にしたいー「日本共産党の百年」(新日本出版社刊行、p300)より思う。

 「日本共産党の百年」を読んでいくと、志位さんが日本共産党の歴史をどのように修正しているのかがわかります。

志位さんが訴えてきたことの中でこれは内緒にしたいと考えている事もわかってきます。

日米安保活用論はその一つです。

日本共産党は、政権に参加できたら、急迫不正の主権侵害時に日米安保第五条に基づき、米軍に出動要請をします。

今は違憲と宣伝している自衛隊が合憲であると認め、自衛隊の防衛出動を認めます。志位さんはこの見解を、平成27年10月30日の記者会見で表明しました。

「国民連合政府」について/志位委員長の記者会見 (jcp.or.jp) 

志位さんの日米安保活用論なら、周辺事態法で自衛隊が米軍の後方支援をすることも認めうる

志位さんはこの見解を、著書「新・綱領教室」でも表明しています。志位和夫著『新・綱領教室 2020年改定綱領を踏まえて』(上・下巻)/一つひとつ、理を尽くして語りかける/長久理嗣 (jcp.or.jp)

長久理嗣さんが上記で説明しているように、志位さんはこの著書で連合政権(日本共産党が参加する政権)では日米安保条約を維持・継続するとした平成27年の方針を説明しています。

日本共産党第28回大会の第一決議は、日本共産党が参加する政権では、集団的自衛権の行使を可能にする安保法制を廃止するが、安全保障に関してはそれ以外の法や条約上の取り決め、憲法解釈を廃止しないことを明記しています。

そこで日本共産党が参加する政権では、安保法制強行以前の憲法解釈・法制度・条約上の取り決めで対応するそうです。

それなら、日本共産党は政権に参加できたら台湾有事の際に周辺事態法に基づき、自衛隊が米軍の後方支援をする事も認めそうです。

周辺事態法で自衛隊が米軍の後方支援をすることを認めるなら、志位さんは昔の社会党より右です。右転落どころではありません。

この辺り、「日本共産党の百年」には殆ど記載されていません。

p300で「党は、日本共産党が参加する民主的な連合政権ができた場合の自衛隊の憲法判断についての方針を明確にしました」と述べていますが、日米安保についての言及はありません。

松竹伸幸さんは京都南地区委員会での調査の際、志位さんの日米安保活用論のおかしさを指摘した

私見では、志位さんは自らの日米安保活用論が松竹伸幸さんの安全保障論や、昔の社会党と大差ないことを認識し、内緒にするように何らかの経路で本部職員に指令を出した可能性が高い。

志位さんは右転落した、という評判が一般党員や支援者に広がったら厄介ですから。

政権に参加できたら日本の平和を守るために日米安保を活用するというなら、野党の今でも志位さんは、急迫不正の主権侵害時に政府と与党が日米安保を活用することに賛成すべきです。

松竹伸幸さんは「調査」の際、これを指摘しました。以下の「除名問題資料庫」の中に、2月2日に京都南地区委員会で行われた調査の音声記録があります。

松竹伸幸|公式ページ (matutake-nobuyuki.com)

調査開始後32分頃で、松竹伸幸さんと京都南地区委員会の方々の議論を聴取できます。

松竹伸幸さんと、日本共産党京都南地区委員会の討論よりー日本共産党職員は赤旗掲載論文の内容を繰り返す

松竹伸幸さんは、以下の点を調査を担当した京都南地区委員会の方々に提起しました。

(その1)私の著書の日米安保活用論が綱領に違反しているというなら、なぜ志位さんの日米安保活用論は綱領に違反していないのか。

これに対し京都南地区委員会の池田さんが、自衛隊が違憲であるという綱領の前提は変わらないこと、我々は安保を廃棄する。松竹さんとこの点が違う旨述べました。

安保法制を廃棄するために日本共産党が政権に参加したときを、日本共産党は第一段階と呼んでいます。

池田さんによれば、第一段階で政府がそのことをどう考えるかという事と、日本共産党が一致点を見出して、どう考えているかは別の問題です。

(その2)共産党が政権に入っていなかったら、侵略されたとき、例えば中国が尖閣にやってきたとき、共産党は自衛隊が出動する事に反対なのか。

京都南地区委員会の河合さんは、「今日はその点については踏み込まない。その議論を党内ですべきだった」と指摘しました。

(その3)侵略されても、政権に入っていなかったら、自衛隊の出動や日米安保第5条の発動に反対するのが日本共産党の立場なのか。

京都南地区委員会の池田さんは、その議論、その問題について今日は踏み込みまない事、安保容認、自衛隊合憲という松竹伸幸さんの立場は日本共産党の綱領とは相いれない旨指摘しました。

京都南地区委員会の河合さん、池田さんは、以下の藤田論文に依拠し、同じ主張を繰りかえしただけです。

規約と綱領からの逸脱は明らか/――松竹伸幸氏の一連の言動について/赤旗編集局次長 藤田健 (jcp.or.jp)

藤田論文には、志位さんの日米安保活用論と松竹伸幸さんのそれとどう異なるかについての説明はありません。

大同小異ですから。

ここが異なっている、と京都南地区委員会の方々が独自の解釈をして松竹伸幸さんと議論をしたら、京都南地区委員会の方々が規約に違反したという話になりかねない。

日本共産党職員としての地位を保持したいなら、自分なりの解釈を一切しないで、赤旗掲載論文と同じ主張を繰り返すしかないのです。

日本共産党京都の皆さん。同じ主張をしても松竹伸幸さんは除名だが、志位さんは綱領路線を発展させたという変な話になっていませんか。





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