報道によれば、タイとカンボジア間での国境紛争から、本格的な戦争が始まる可能性があらります。。
民間人にも犠牲者出ており、避難している方は十万人に及ぶそうですから、既に小規模の戦争になってしまったと評価すべきかもしれません。
正直、私はタイとカンボジア間で国境紛争がある事を存じませんでした。由緒ある寺院のある地域の領有権をめぐる紛争のようです。
現在はタイがその地域を実効支配しているそうですが、カンボジアも領有権を主張しているようです。
志位さんは東南アジアが「平和と協力」の地域になったと宣伝していた
志位さん、田村智子委員長ら日本共産党幹部の皆さんもタイとカンボジア間で国境紛争があることを御存知なかったのではないでしょうか。
志位さんは昨年4月、「東アジアの平和構築への提言ーASEANと協力して」と題して講演を行いました。東アジアの平和構築への提言――ASEANと協力して | 日本共産党
志位さんによれば、ASEANは昭和51年に武力の不行使と紛争の平和的解決を誓約した東南アジア友好協力条約を締結し、粘り強い対話を続けました。
ASEANは「分断と敵対」が支配していた東南アジアを「平和と協力」の地域へと劇的に変化させました。
現実には、タイとカンボジアの国境紛争は極めて深刻で、武力が行使されてしまったのです。
ASEANで会議をどれだけ行っても、タイとカンボジア間の国境紛争は解決しなかった
志位さんによれば、ASEANでは年間1500回もの会合が開かれており、相互理解と信頼醸成が進んでいるので紛争が起こっても戦争にはならないはずでした。
タイとカンボジア間の国境紛争はあまりにも深刻ですから、会議の議題にすらなっていなかったのかもしれません。
ASEANの会議で、多数決によりこの地域をどちらかの領土と確定する、という運営などできるはずがありません。
今後、両国関でいったん戦闘が終了しても、いつ再燃するかは誰にもわかりません。
由緒ある寺院がある地域の領有権を、カンボジアが完全に断念するとは考えにくい。しかしタイと大戦争をして、カンボジアが勝利できるとは思えません。
カンボジアは当面は引き下がり、捲土重来を期す可能性があります。戦争の火種が簡単に消えるとは思えません。
局地戦なら勝利できる、とカンボジア政府が判断したら大変です。
東南アジアにも「平和の激動」はなかった
志位さんら日本共産党の皆さんは、東南アジアに「平和の激動」が起きたと信じていました。上記の講演に、この表現があります。
志位さんはこれが幻想に過ぎなかったことを認めるべきです。戦争に発展する事など、誰も望みませんが、既に民間人に犠牲者が出ている事は深刻です。
両国間で話し合いがなされても、責任の擦り付け合いになりそうです。タイはベトナムとラオスを抱き込むべく、様々な工作をするでしょうね。
カンボジアは中国共産党に助けを求める可能性があります。
残念ですが、東南アジアに「分断と敵対」の流れが強くなる可能性もあります。