2016年4月4日月曜日

神里純平「沖縄 裏の歩き方」(平成25年彩図社刊)を読みました。

「地元の人間だけが知る"裏"の部分にこそ、沖縄の生の魅力が隠れているといってもいいかもしれない」)(本書p2より)


人には、多かれ少なかれ表と裏があります。空想や妄想と、実際の言動は異なっていますから。

いろいろ思い浮かべていたら、とんでもない凶悪行為の妄想をしてしまった経験はありませんか。心中に浮かんで消える思いは、自らもよく知らない自分、裏の自分です。

裏の自分を他人に見せる必要はない。凶悪行為の妄想は秘めておけばよい。精神の制御が大事です。

現代日本では凶悪行為をする人は稀ですから治安が維持され、様々な経済活動が成立し人々の暮らしが成り立っている。

どんな業界でも、厳しい企業間競争があります。株式会社に資金を提供しているのは株主ですが、実際の企業活動を担っているのは経営者と労働者です。

自分が所属する企業が競争に敗れたら、何らかの形で経営者と労働者、そして株主が責任をとることになります。配置転換から給与引き下げ、中途退職等です。

労働者ならば、自社内での出世競争にも直面しています。

競争に負けたら自分もあのようになってしまう、そうならないために今日も頑張らないと。そんな気持ちを抱えて生きていくと、ストレスが蓄積されてしまいます。

そのストレスを解消する方法として、スポーツや娯楽があり、そこでも企業間競争が行われています。また、裏社会に連なる産業もストレス解消、発散のために栄えるのでしょう。

裏社会に連なる産業で働く人々の生きざまを推し量ることができるのは、本書の魅力の一つです。

裏社会には存在理由がある―人には裏の自分があるから


本書第一章「沖縄 夜の歩き方」で紹介されているような裏社会には、性産業や遊興業、賭け事等があります。暴力団関係者がそれらから資金を得ていることは珍しくない。

裏社会がある程度存在すれば、表の世界の人々に違法行為すれすれのサービスが提供される。

それにより表の世界の人々の精神の安定が保たれ、社会が維持されているという面もあるはずです。人には裏の自分がありますから。

勿論、裏社会が肥大化してしまったら、暴力の横行によりとんでもないことになる。しかし裏社会を廃絶するのは困難です。裏社会には存在理由がある。

経済の安定的成長のためには、表の経済、企業活動だけでなく裏社会の動向にも留意すべきです。性産業や遊興業の運転資金や物資調達、労働条件はどうなっているのでしょうか。

生意気ですが、裏社会について一切言及できない地域経済論など、極めて表面的で浅薄なものに思えてしまいます。

裏社会の産業がその地域の総生産(県内総生産等)に貢献する割合は小さいでしょう。

裏社会の産業が提供する財、サービスは、表社会で働く人々の精神の安定を保つことに貢献しているという面もあるのです。

表社会の産業の中には、裏社会と切っても切れない関係にある産業もあります。観光業が、裏社会の人々が提供する財とサービスなしで発展できるとは思えない。

沖縄の今後を考えるなら、沖縄の裏社会がどうなっているのかを政治家や自治体関係者、研究者、ジャーナリストが議論すべきではないでしょうか。

観光産業による地域経済の活性化を志向するなら、裏社会との関係の在り方を無視すべきではない。

裏社会を肥大化させないためにも、その存在をタブーにするべきではない。これは東京や大阪、名古屋などの大都市についても同じです。

神里純平氏の座右の銘「人生一生雑巾がけ」


本書の著者神里純平氏は、昭和54年8月に沖縄県生まれで、10代のはじめからぐれて20代半ばまでそれをひきずっていたそうです。

服役を機に一念発起し法人を立ち上げた、リサイクル業を営んでいると出ています。若い頃裏社会の住人だった方なのかもしれません。座右の銘は「人生一生雑巾がけ」だそうです。

最近逮捕された某元プロ野球選手に、神里氏の著作を読んで頂きたいものですね。

本書には沖縄の裏社会の様々な姿が、筆者の経験と共に語られています。少し紹介しておきましょう。

神里氏は数年前、裏社会の便利屋のような仕事をしていたそうです(p65)。

沖縄県出身の国会議員がヤクザから金を借りてもめているので、代理として先方に会って話をまとめてほしいと依頼されたそうです。

神里氏はその議員秘書から現金1000万円を受け取り、国会議事堂近くのホテルのラウンジでヤクザと会いました。

ヤクザの話によれば、議員の借金は1000万円ではなく1億円だったそうで、神里氏は1000万円をヤクザに渡し、交渉役をおりました。

この議員は現在でも政治活動を続けているそうです。

神里氏と兄貴分は平成17年終わりごろ、朝鮮半島某国に車の横流し―話を持ってきた在日朝鮮人は朝鮮労働党の在日本非公然組織と関係があったのでは?


本書p91-93によれば、平成17年終わりごろ神里氏と兄貴分は朝鮮半島にある某国への車の横流しビジネスを目論んでいました。

話を持ってきたのは、某国とルートのある在日朝鮮人の男性Gでした。この男性は、某国とのルートを通して中古車をロシアや中東に流せるので、1台5万円で買うと言ってきました。

Gは神里氏らに一度に車1000台を積める大型の貨物船を用意したと豪語しました。実際に沖縄にやってきたのは今にも沈みそうな小型船で、5台を積むのがやっとでした。

このビジネスに失敗し、最終的に中里氏と兄貴分は外為法違反で逮捕されました。勝手な憶測ですが、某国とは北朝鮮ではないでしょうか?

この在日朝鮮人は、朝鮮労働党の在日本非公然組織と何らかの関係のある人物で、朝鮮労働党の指示で外貨稼ぎに協力をしていたのかもしれません。

裏社会には、中国や北朝鮮が何らかの形で絡んでくることが多い。近年はロシアのマフィアも絡んでいるかもしれません。

裏社会と連帯する朝鮮労働党の在日本非公然組織に入ったら、更生は難しい


朝鮮労働党の在日本非公然組織とは、在日本朝鮮人総連合会の関係者により構成され、北朝鮮の工作組織の指導下にあります。

彼らの中に、暴力団と密接な関わりを持つ人物がいる場合もあります。

彼らは金日成、金正日そして金正恩に絶対的な忠誠を誓い、「南朝鮮革命」「主体革命偉業」のために合法、非合法のあらゆる活動を行っています。

彼らは「忠誠のための資金」と称して、朝鮮商工人から資金を獲得します。金日成、金正日、金正恩に巨額の資金を捧げた朝鮮商工人には勲章が授与され、愛国商工人と呼ばれます。

彼らは北朝鮮に核や、ミサイル開発のための物資を入手して運びます。覚せい剤や麻薬の密輸も行います。

日本の裏社会は、日本に核やミサイルで攻撃を加えることを策しているテロ国家に協力している組織、団体も存在しているのです。

朝鮮労働党の在日本非公然組織が日本人拉致を断行した例は少なくない。

在日本非公然組織の方々も日本に居住しているなら、北朝鮮による核やミサイル攻撃、あるいは工作員による生物・化学兵器テロで犠牲になってしまう可能性はあります。

朝鮮学校の先生方は、ご自身や教え子が北朝鮮による核やミサイル攻撃、あるいは北の工作員による生物・化学兵器テロで犠牲になってしまう可能性を朝鮮学校で教えているのでしょうか。

それを一切教えていない方々は、どういう「裏の自分」を持っているのでしょうか。不気味です。

そんな教員に主体思想を教えられた子供たちが朝鮮労働党の指示に従って裏社会に入ってしまえば、更生は難しいでしょう。

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