2016年4月15日金曜日

宮本顕治「プロレタリア独裁は人民大衆の民主主義を保障する反面、反革命分子を抑圧するという明白な論理を持っている」(「中央公論」臨時増刊、昭和32年3月刊行p268より)

「ハンガリーでは、民主主義一般は問題にならないが、社会主義を支持する人民大衆への民主主義的保障と、それに反対する分子への警戒が足りなかったのではないか」(「中央公論」掲載「日本共産党は何を考えているか」久野収、鶴見俊輔との対談)。


どんな善人にも、多少の裏はあるはずです。悪戯心をも裏と考えれば、裏のない人間など考えられない。

少しばかりの想像力を駆使して、こんなことをしたらどうなるかなという思考実験をするのは悪いことではない。

しかし何かの拍子で、脳裏に浮かんでいたことを他人に口走ってしまい赤恥をかくこともあります。思考実験を本音と受け止められたら、厄介なことになりかねない。

実際に本音かもしれませんが。本音を知ることは、その人の真実の姿を知ることです。政治家の真の姿、本音を知るためには、その政治家の若い頃からの言行や論考を調べるべきです。

宮本顕治氏の本音「反革命分子を抑圧せよ!」


日本共産党の党首を長年務めた宮本顕治氏の場合、冒頭に引用した発言は思考実験ではなく、本音でした。

これは「日本共産党は何を考えているか」というテーマで著名な二人の哲学者と「中央公論」で対談した時の発言です。1908年生まれの宮本顕治氏は、当時は49歳くらいです。

政治家としては脂がのっている年代です。有名な雑誌での対談ですから、文芸評論家でもある宮本顕治氏は考えに考え抜いて発言しているはずです。口が滑ったのではない。

「反革命分子」とはいったいどういう人なのか、共産党の文献を読みなれていない方にはわかりにくいでしょう。要は、共産党、労働党を批判する人間ということです。

同義語として、「人民の敵」「反党分子」「新日和見主義者」「反党反革命宗派分子」「民族反逆者」があります。「富農」「走資派」も同様の意味で、旧ソ連や中国では使われてきました。

共産主義理論では、この類の人々は「反動勢力」そのものです。この人たちは処刑するか山間僻地の政治犯収容所に追放し囚人として労働させ、「人間改造」させるべき存在です。

宮本顕治氏はソ連による「人民の敵」の処刑や囚人労働の強制を「反革命分子の抑圧」と正当化しました。

人間に対して「分子」という言葉を用いるのはいささか奇妙ですが、英語ではelementsといいます。「人民の敵」(People's enemy)は主に旧ソ連で用いられた語です。

「宗派分子」「民族反逆者」という語は主に北朝鮮で用いられてきました。在日本朝鮮人総連合会の皆さんならこの語をよくご存じです。

かつて日本共産党は、ソ連軍によるハンガリーの労働者・知識人殺害を支持した


宮本顕治氏が言及しているハンガリーの件とは、ソ連共産党を批判するハンガリーの労働者や知識人をソ連軍が侵攻して虐殺した「ハンガリー事件」(昭和31年10,11月)のことです。

ハンガリー事件の犠牲者は、数え方によりますが数千人です。「ドナウの真珠」と呼ばれる美しいブダペストの街がソ連軍により蹂躙されました。

ソ連共産党を批判する人は反革命分子ですから、宮本顕治氏が信じている科学的社会主義の理論によればその方々を殺害、処刑するのが人民大衆の民主主義を保障することになります。

今日の日本共産党の「理論」から考えれば、一昔前の日本共産党はソ連覇権主義に忠誠を誓い、隷属していました。宮本顕治氏は、「ソ連盲従」だったとも言える。

宮本顕治氏は「前衛」掲載論文「共産党・労働者党情報局の『論評』の積極的意義」(「日本共産党五〇年問題資料集1」所収)でスターリンとソ連共産党への忠誠を誓っています。

「われわれは特に、同志スターリンに指導され、マルクス・レーニン・スターリン主義で完全に武装されているソ同盟共産党が、共産党情報局の加盟者であることを、銘記しておく必要がある」(宮本前掲論文より抜粋)

マルクス・レーニン・スターリン主義とやらを、宮本顕治氏ら昔の日本共産党員は信奉していたのす。「ソ連盲従」の方なら、ソ連軍によるハンガリー人虐殺を支持するのは当たり前です。

吉良よし子議員、池内さおり議員ら若い共産党員の皆さんは、昭和32年3月発行の「中央公論」や「日本共産党五〇年問題資料集1」掲載の宮本論文に関心はないのでしょうか。

吉良よし子議員は聴濤弘氏に「反革命分子」抑圧論の真偽を問い合わせるべきだ


宮本顕治氏がこんな暴論を公然にしていたことなど、吉良よし子議員は信じられないでしょう。

前掲論文で宮本顕治氏は、「日本革命の『平和的発展の可能性』を提起することは、根本的な誤りとなる」と断じています。

宮本顕治氏によれば、議会を通じての政権獲得の理論も、同じ誤りだそうです(「日本共産党五〇年問題資料集1」p30より)。

吉良よし子議員がこれは嘘だ、そんな対談や論文などないと思うなら、昭和10年生まれの聴濤弘氏(日本共産党の元参議院議員で、ソ連問題の専門家)に問い合わせたらいかがでしょうか?

聴濤弘氏なら、昭和32年頃若き共産党員として活動をされていたでしょう。「日本共産党五〇年問題資料集1」掲載の宮本顕治論文を読んでいるはずです。

聴濤弘氏なら、かつての日本共産党がソ連軍によるハンガリー侵攻や、ソ連による「人民の敵」の処刑を支持していたことを御存じのはずです。

聴濤弘氏の最近の著作には、そんな話は一切出てきません。若い共産党員に教えると厄介なことになるから、古参党員は内緒にしているのです。

勇気を出して、聴濤弘氏に真偽を問い合わせるか、国会図書館から「中央公論」臨時増刊第72巻第四号や日本共産党五〇年問題資料集1」を借りたらいかがでしょうか。

「反党反革命宗派分子」の処刑を在日本朝鮮人総連合関係者は支持している


同様の主張を、「反党反革命宗派分子」張成澤処刑を支持する在日本朝鮮人総連合会関係者がしています。

朝鮮学校の教員の皆さんは、子供たちを、「反党反革命宗派分子」張成澤処刑を支持するような人間に育てたいのでしょうか?

「教育にチュチェをうちたてる」ことが朝鮮学校の基本目的なのですから、子供たちに「金日成民族」としての自覚をもたせるべく、朝鮮学校の教員の皆さんは日夜努力されているはずです。

北朝鮮は、北朝鮮の刑法が外国でも適用されると大真面目に規定しています。

金日成、金正日、金正恩を批判している私は「朝鮮民族敵対罪」を犯していることになりそうです。

金日成や金正日を批判する日本人はいくらでもいます。物騒ですが北朝鮮の刑法を適用して北朝鮮工作員が日本に生物・化学兵器攻撃をする可能性を指摘しておきたい。

吉良よし子議員、池内さおり議員には是非とも国会図書館に問い合わせて、北朝鮮の刑法を入手し読んでいただきたい。

共産主義運動の歴史の真実を知るために―吉良よし子議員は聴濤弘氏や在日本朝鮮人総連合関係者から聞き取りをするべきだ―


若い共産党員の皆さんに、北朝鮮による凄惨な人権抑圧の真実を知っていただきたいのです。

吉良よし子議員は在日本朝鮮人総連合会関係者に「教育にチュチェをうちたてる」「全社会の金日成・金正日主義化」「朝鮮民族敵対罪」とは何ですか?と気軽に質問なさったらいかがでしょうか?

日本共産党は、日本政府が北朝鮮と対話、交渉するべきだと主張しています。

それなら、吉良よし子議員や池内さおり議員は在日本朝鮮人総連合関係者と、北朝鮮による凄惨な人権抑圧の歴史について対話するべきです。

一昔前の日本共産党員と、在日本朝鮮人総連合会関係者の思考方式は酷似しています。

聴濤弘氏なら、北朝鮮の独特の用語について多少は見当がつくかもしれません。この世代の日本共産党中央幹部は、北朝鮮がとんでもない策動を日本に仕掛けてくることを予想していました。

昭和47年の「新日和見主義事件」で日本共産党中央により過酷な査問をされた民青同盟幹部の著作を調べればこれは明らかです。例えば、油井喜夫「汚名」(毎日新聞社刊行)があります。

共産主義運動の歴史の真実を知るためには、共産党が出版した文献を調べることも大事ですが、運動の参加者による体験談の聞き取りは欠かせません。

体験談には、その人たちの本音が現れてきますから。共産主義運動に参加してきた人の本音を知ることこそ、歴史を素直な目で見ることではないでしょうか。

数々の著書でソ連を礼賛してきた聴濤弘氏には、共産主義運動の真実を吉良よし子議員、池内さおり議員ら若者に伝える道義的責務があります。

聴濤弘氏は、ソ連では保育所が完備されていると宣伝した


聴濤弘氏は著作「資本主義か社会主義か」(新日本出版社昭和62年刊行、p99)でソ連では保育所が完備されていると宣伝しました。

聴濤弘氏はこの著作のⅢ「社会主義と国民生活」でソ連には無料医療制度と優れた老齢年金制度、社会保障制度があると宣伝しました。

「人民の敵」のお子さんたちは、政治犯収容所や山間僻地に追放されたはずです。政治犯収容所や山間僻地にも、「保育所」はあったのでしょうか?

吉良よし子議員は「保育所に落ちた」そうですが、旧ソ連では「人民の敵」のお子さんたちの保育所の有無について、聴濤弘氏に問い合わせて頂きたい。

「人民の敵」の子供には「無料医療」も保育所もなく、追放ないしは強制労働をさせられたのが、ソ連史の真実ではないでしょうか。

北朝鮮では、政治犯の家族は子供も収容所で囚人労働をさせられます。家族と子供を収容所に連行するのは国家安全保衛部です。

国家安全保衛部は真夜中、政治犯の家族を収容所に強制連行します。家族をトラックに載せて問答無用で連行するそうです。

「鳥も鼠も知らないうちにいなくなる」「山へ行った」という隠語を、在日本朝鮮人総連合会の運動に長年参加してきた方なら御存知です。

聴濤弘氏と在日本朝鮮人総連合会老幹部が選択している生き方に思う


朝鮮学校で校長を務めた方の家族が、政治犯収容所に連行されていた史実をヘイトスピーチ反対運動に参加している政治家や運動家に知っていただきたい。

当然、聴濤弘氏も北朝鮮による凄惨な人権抑圧の歴史を熟知しています。史実を若い共産党員に伝えると、厄介なことになるから黙っているのでしょう。

共産主義運動に長年参加すると、本音を若者に言えない人間になってしまうようですね。

朝鮮学校の教員の皆さんも、北朝鮮に社会主義の夢を求めて帰国した朝鮮学校元教員や卒業生が少なからず行方不明になっていることを、生徒たちには教えられないでしょう。

日本共産党の大幹部だった聴濤弘氏と、在日本朝鮮人総連合会の古参幹部の生き方はよく似ていませんか?保身のため、若者に本音を言わない。










0 件のコメント:

コメントを投稿