2019年3月18日月曜日

金日成「人民政権をいっそう強化しよう」(1977年12月15日、金日成著作集第32巻掲載)より思う。

「帝国主義者が騒ぎ立てている社会主義国でのいわゆる『人権弾圧』についていうならば、社会主義国家が、民主主義的秩序を乱し、社会主義制度の破壊を策する敵対分子や不純分子に制裁を加えるのは、民主主義の敵から民主主義を守るための正当な措置です。


帝国主義者の擁護する『人権』は人民の人権ではなく、人民の敵の人権であり、彼らの望む『自由』は人民の民主主義的自由ではなく、帝国主義者とその手先の破壊活動の自由なのです」(「金日成著作集第32巻」p560より抜粋、外国文出版社1988)。


北朝鮮や、在日本朝鮮人総連合会、あるいは朝鮮学校について論じるのなら、金日成や金正日の諸文献は重要な資料です。

北朝鮮社会や、在日本朝鮮人総連合会関係者が構成している小社会の現状を分析するためには金日成や金正日の諸文献をまずは読むべきです。

私はこれを繰り返し主張してきました。

北朝鮮社会や、在日本朝鮮人総連合会関係者が構成している小社会では「党の唯一思想体系確立の十大原則」が社会規範のようになっています。

「十大原則」は住民に、金日成、金正日への絶対性、無条件性の忠誠を義務付けています。


日本共産党員と左翼知識人、運動家は金日成、金正日の諸文献を読むべきだ


左翼知識人、運動家は朝鮮学校への無償化適用や補助金削減、打ち切りに対し「差別だ」「官製ヘイトだ」などと主張します。

左翼人士は「党の唯一思想体系確立の十大原則」や金日成の社会主義教育テーゼ、あるいは上記の金日成の論考を読んでいるのでしょうか。

読んでいない左翼人は、知的怠慢そのものとしか言いようがない。

北朝鮮社会では、金日成の「教示」や金正日の「お言葉」が事実上の法になっています。

金正恩の指示がどんな言葉で呼ばれているのか、不明ですが。

「教示」や「お言葉」は非公開ですので、我々は入手できません。

そこで金日成や金正日の諸文献から、どんな指令が出されているかを手探りで考えていかねばならない。

北朝鮮で「政治犯」にされた人々が処刑や家族全員で政治犯収容所に送られてしまうのは、金日成が上記のように「人民の敵」に制裁を加える事を主張しているからです。

社会主義的民主主義は社会主義に反対する敵対分子や人民の利益を侵す不純分子にまで、自由や権利を与える超階級的民主主義ではないと金日成は上記論文で断言しています。

金正恩は米朝会談決裂の責任を誰かに転嫁する


先日、金正恩が米国のトランプ大統領と会談のためにハノイまで行きましたが、何の成果もなく帰国しました。

北朝鮮では、首領金正恩は「百戦百勝の零将」ということになっています。

零将がハノイまで出かけたのですから、米国大統領を完全に屈服させる外交手腕を発揮すること間違いなし、のはずでした。

金正恩はトランプ大統領に徹底的に強く出れば屈服する、ぐらいの事を誰かから言われていたのでしょう。

韓国政府がそんな情報を金正恩に何らかの経路で伝えた可能性があります。朝鮮労働党の対南工作組織かもしれません。

結果は、いかなる成果もなかった。米大統領との共同声明どころか、いかなる文書も共同では作成できなかった。

これは金正恩にとって手痛い失敗です。協議を続ける、程度の共同報道文ぐらいは締結したかったはずです。

それすら作成できなかったのは、米国との事前折衝を担当していた外交部のせいだ、となる可能性もあるのでしょうが、多分ならない。

韓国政府や、日本の左翼知識人、運動家もさぞがっかりしていることでしょう。

金正恩の約束「朝鮮半島の非核化」とは、米軍が韓国に核を持ち込ませないようにする事


私はtwitterで繰り返し訴えてきましたが、金正恩は核ミサイルを廃棄などしない。

金正恩が約束した「朝鮮半島の非核化」とは金日成以来の朝鮮労働党の路線です。朝鮮半島に米国が核を持ち込ませないように金正恩は努力する、という意味です。

北朝鮮は朝鮮半島にあるではないか、という方がいそうですが、言葉のお遊び、詐欺は朝鮮労働党の常とう手段です。

金日成はワシントン・タイムズ記者団の質問に対する回答(1994年4月16日、著作集大44巻掲載)で次のように述べていました。

「われわれはすでに、核兵器を製造する必要もなく、製造する意思も能力もないということを一再ならず明らかにしています」

真っ赤な嘘です。

金正日の四番目の「夫人」金ギョク氏とその家族が数年前、収容所送りか


ところで、外交部高官を処刑、政治犯収容所送りにしたら海外にいる外交官がどんどん逃げてしまう可能性がある。平壌に家族がいても、逃げてしまう外交官はいるでしょう。

誰がやられるか不明ですが、朝鮮労働党高官は皆、次は自分かと寝苦しい日々を送っているでしょう。

人民の敵は公開処刑あるいは政治犯収容所送りですから。

金正日の四番目の「夫人」と呼ばれた金ギョク氏とその家族が、数年前に政治犯収容所に連行された可能性があります。

金ギョクさんは、金正日の最晩年に金正日の側近として権勢をふるいました。これで他の幹部にねたまれたのかもしれません。

All of them are businessman. Their loyalty is based on that.


私見では、朝鮮労働党の高位幹部の中で金正恩が心から信頼できるのは妹金与正だけです。

他の幹部は全く信頼できない。

皆、ビジネスマンだというような話を金正日は「お言葉」で残していることでしょう。

米国映画「The Godfather Ⅱ」で、アル・パチーノ演じる二代目コルレオーネが兄のトムにこう語るシーンを、私は時折思い出します。

上記のような台詞だったでしょうか。こんなことを、金正日は金正恩に残していそうです。

映画好きの金正日ですから、The Godfatherを見ていたかもしれません。

子供の頃可愛がってくれた叔父の張成澤すら、金正恩は刑場に送ってしまった。義兄の金正男氏の殺害指令をしかるべき部署に出せるのは金正恩しかいません。

金正男氏を殺害したのはベトナムとインドネシアの女性たちですが、国家保衛省が彼女らを日本のドッキリ番組だと騙したらしい。

金正恩の孤独感を、心底共有している幹部は妹しかいない。

妹金与正の夫が誰かわかりませんが、その人物を重用したらやはり危険です。とんでもない権力を持ちかねない。

朝鮮学校への無償化適用、補助金増加を訴える大山奈々子神奈川県議(日本共産党)や左翼知識人、運動家は張成澤処刑や、金正男さんの非業の死をどうお考えなのでしょうか。











0 件のコメント:

コメントを投稿